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お財布の底を縫い付けましょう!~カカオ生産者が貯金を始めました~

お財布の底を縫い付けましょう!~カカオ生産者が貯金を始めました~

パプアのカカオ産地はセンタニ湖沿いを通って森のなかに入ります。

パプアのカカオ産地はセンタニ湖沿いを通って森のなかに入ります。

「家にお金置いておくと、お父さんがタバコ買ってしまうのよ!」

インドネシアのパプア州ジャヤプラ県でパプア先住民族の経済活動の一環としてカカオの買い付け・出荷をおこなっているカカオキタ(現地事業体)は、今年6月からカカオ買い付けと平行して、貯蓄プログラムを始めています。

 

ワロンバイム村の買い付け

ワロンバイム村の買い付け

カカオキタの代表デッキーさんはカカオ事業を始める当初から、「パプア人は現金を手にしてもすぐに使って手元に残らない。これでは意味がない。カカオを売って得たお金の一部を貯金するプログラムを平行して行うことが大事だ」と言っていました。

カカオ生産者の女性たちからは「家にお金を置いておくと、お父さんがタバコ買ったり、キオスで何やかや買ったりで、いつのまにかお金がなくなっているのよ」という声を聞いていました。

 

「カカオ豆からのお金は、底が縫い付けられていない袋に入れているようなものです!」

豆代の支払いを受けた後、貯金額を通帳に挟みカカオキタに託す

豆代の支払いを受けた後、貯金額を通帳に挟んでカカオキタに託す

そこで、今年6月から、まずはムリス・ブサール村とブラップ村で説明会を開き、銀行口座開設者を募ってみることにしました。

貯蓄プログラムの仕組みはこんな感じです。

まず、町中にある民衆信託銀行に口座を開設します。民衆信託銀行はバングラデシュのグラミン銀行(※注)からインスピレーションを得て、パプアのNGOが1992年に設立した銀行です。一般の市中銀行と異なり、毎月の銀行手数料を取らないのが特徴です。

※グラミン銀行とは、バングラデシュで設立されたマイクロファイナンス(貧困者を対象とした小口融資)を行う銀行です。「グラミン」という言葉はベンガル語で「村」という単語に由来します。

カカオキタ貯蓄プログラム担当のヨセフ(左)が民衆信託銀行で入金手続き

カカオキタ貯蓄プログラム担当のヨセフ(左)が民衆信託銀行で入金手続き

カカオキタのスタッフが生産者の身分証明書を預かって、代理で口座開設手続きをします。生産者は豆を売るときに貯金したい額をカカオキタに預け、カカオキタの専属スタッフがアベプラ町の民衆信託銀行で代理入金をすることになります。町中の銀行に行くのが大変な村落部の人びとにとっては便利なサービスだと思います。

ほとんどの人が初めての銀行口座開設。デッキーさんからは、「皆さんが売ったカカオ豆からのお金は、底が縫い付けられていない袋に入れていたようなものです。銀行で貯金するのは、この袋の底を縫い付けることなのです。」という説明に、「ふーんなるほどね、じゃぁやってみようかな」という感じでした。

 

20人で始めた貯金ですが、今では118人に増えました

ワロンバイム村の新しい口座開設者(右)が書類に署名「どこにサインするの?」

ワロンバイム村の新しい口座開設者(右)が書類に署名「どこにサインするの?」

最初は20名くらいだった口座開設者がその後どんどん増え、今では8カ村で118名になりました。

貯金高は多い人で日本円にして3万円近く。カカオ豆を売るたびに一部を貯金することが習慣化してきました。貯金を増やしたいために一生懸命カカオを収穫する人もいます。「貯金の目的は?」と聞くと、多くの女性たちは「子どもの教育費」と答えます。できれば子どもを大学まで行かせたいと望む親が増えているようです。

ところで、118人の口座保持者ですが、まだ1人も貯金を引き出す人がいません。説明会の時も確か、お金の引き出し方は説明しなかったかと思います。その質問をしてくる人も今のところいません。クリスマスが近づき、何かと出費がかさむなか、さて、お金を引き出したいと言う人が出てくるでしょうか?

カカオ産地担当 津留歴子

「今日は20万ルピア貯金するわ」と嬉しそうなヨシナさん(ワロンバイム村)

「今日は20万ルピア貯金するわ」と嬉しそうなヨシナさん(ワロンバイム村)

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