今年9月に、フィリピン・ミンダナオ島からバナナ生産者が来日。消費者との交流会を行いました。
フィリピン・ネグロス島から始まった「バナナ民衆交易」は、同じヴィサヤ地方のパナイ島、ボホール島、そしてルソン島北部、2002年からは台風の被害が少ないミンダナオ島からの出荷が始まりました。昨年は、ネグロス西州からバランゴンバナナ生産者が来日しました。そして今年は、ミンダナオ島からの来日でした。ミンダナオ島の状況のなかで、バランゴンバナナ民衆交易がどのような意義をもっているのか、ネグロス島とは異なる「バナナ民衆交易」の新たなコンセプトを語ってくれました。
来日したのは、ツピ地域の生産者であるビクター・コルテスさん、レイクセブ地域からは先住民族である生産者を支援しバナナの出荷責任団体でもあるアッパー・アラー渓谷農事法人(UAVFI)のジェイムス・シモラさん、そしてオルター・トレード社(ATC)からパウロ・ギニャボさんの3人が来日しました。
https://altertrade.jp/wp/archives/3521
9月5日に福島原発事故の影響のなかで暮らす福島の子供たち、そして津波で町ごと流され今だに仮設住宅に暮らす新地町の人々を訪ねました。南相馬市の聖愛保育園の園児たちには、NPO法人APLAの支援活動でバランゴンバナナが送られています。大変な環境のなかでも明るく元気な子供たちに元気をもらいました。
午後は新地町の仮設住宅を訪問しました。2012年にネグロス東州で地震があったときには、いち早くこの仮設住宅の皆さんからお見舞い金が届きました。仮設住宅に暮らす漁師さんたちは、原発事故の影響のために近海での漁もまた禁じられています。「現役中に再び魚を獲れるのかどうかわからない」と言いながら、今は海底の瓦礫の片付けに船を出している漁師さんに、「ミンダナオ島の海で魚を獲りますか?」と、ビクターさん。
9月6日は新潟県総合生協での交流会です。生協の新旧理事さん、役職員の皆さん、そして生産者の皆さんが35人ほど集まってくださいました。初めてのプレゼンテーションをドキドキしながらやり遂げ、「何とかなる!」と自信をもって懇親会に参加。新潟の美味しいお酒やお料理を満喫しながら、昔懐かしい「黒いバナナ」の話やミンダナオの新しいお話しに花が咲きました。結論は皆さん「バランゴンバナナ産地に行きたい!行きましょう!」。翌日7日午前中は、生産者の畑と直売所見学、そして午後は30人もの生協職員の皆さんとの学習会です。新潟県総合生協は今年、バランゴンバナナに取り組んで20周年を迎えています。20周年記念キャンペーンを控えた職員さんたちのまなざしは真剣でした。
9月9日午前、パルシステム神奈川ゆめコープでの交流会。理事、活動組合員、役職員の皆さん、そして一般組合員さんら40人ほどとの交流会となりました。 交流会終了後には、ビクターさん、ジェイムスさん、パウロさんが参加者の皆さんに、お土産のバランゴンバナナを手渡しして見送りました。
9月9日午後、東神奈川にあるバナナの港倉庫と追熟ムロを訪問しました。ツピとレイクセブから届いた自分たちのバナナは、どんなふうに見えたのでしょうか?夕方は横浜中華街を満喫。
9月10日、パルシステム東京での交流会は、理事さんやPLA商品会議メンバーとの交流会で、「どんな質問をされるか」と少々緊張してのぞみました。しかしながら理事長の暖かい歓迎のことばをいただき、また20年前にネグロスを訪問したという組合員さんに出会い、感激のうちに話はおだやかにすすみました。
9月11日、パルシステム千葉での交流会は、アットホームな雰囲気で地域交流会でした。バランゴンバナナを使った昼食交流会もあり、バナナカレーは驚きの一品でした。
9月12日、パルシステム埼玉での交流会は、平和委員会の皆さん、一般組合員の皆さんとの交流会でした。埼玉でも昼食交流会で美味しい試食品を楽しみました。終了後は、山梨に向かって中央高速道路をドライブです。山梨到着後は、これまでネグロスを訪問したしたパルシステム山梨の理事さん、職員さん、そして富士五湖センターの役職員の皆さんにお集まりいただきました。美味しいワインとお料理でなごやかなひと時を過ごしました。すっかり富士山麓になじんでしまいました。
9月13日、パウロは一人で早朝ジョギング、ビクターとジェイムスは富士山を遠くに眺めながら散策。そして8時45分、富士五湖センターの朝礼に参加。配達に向かう職員さんに朝のメッセージをおくりました。センター長から「今日はバナナに生産者のメッセージを添えて配達してくるように」と絞めのことばがありました。10時~12時は理事さんと組合員さん30人くらいで交流会です。最後にグループに分かれての交流会では、ことばを使わないボディアクションで臨んだビクターさんとパウロさん、なかなか楽しかったようです。ジェイムスさんはラッキーなことに英語がわかる組合員さんに恵まれてニコニコでした。
9月14日、千葉県にもどってバナナのリパッキングセンター訪問。パートの皆さんが不ぞろいなバランゴンバナナをていねいに選別と袋詰めをしている様子を目に焼き付けて、すべてのプログラムを終了しました。
今回、ビクターさんとジェイムスさんは、ミンダナオにおけるバランゴンバナナの大切さを語る動画を携えてきました。同行のATC職員のパウロさんが制作した作品です。「バランゴンバナナ物語~ミンダナオ島ツピ・レイクセブ」編をお楽しみください。
● バランゴンバナナ物語~ミンダナオ島ツピ・レイクセブ~
合わせて、ビクターさんとジェイムスさんのプレゼンテーションのまとめをご参照ください。
● https://altertrade.jp/wp/archives/3544 (ツピ編:ビクターさんのお話し)
● https://altertrade.jp/wp/archives/3572 (レイクセブ編:ジェイムスさんのお話し)
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