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人から人へ、手から手へ

東ティモールから、今年収穫されたコーヒー豆が無事に日本に届きました。

東ティモールから、今年収穫されたコーヒー豆が無事に日本に届きました。

東ティモールからコーヒーを輸出しているATT(オルター・トレード・ティモール社)では、品質改善を最重要の課題に据えて、2014年の年明けから生産者と議論を重ね、取り組みをしてきました。

生産者にパーチメント加工指導するエバン(中央:左)とルシオ(中央:右)

生産者にパーチメント加工指導するエバン(中央:左)とルシオ(中央:右)

3月にはATT代表のエバンさんとコーヒー事業マネージャーのルシオさんがエルメラ県にある19のコーヒー生産者グループを全部まわり、美味しいコーヒーをつくるためのパーチメントの加工方法を再度指導しました。

コーヒーは果物と似ていて、実が未熟だったり腐っていると美味しくありません。

コーヒーの技術指導を受けたことのない東ティモールのコーヒー生産者は、赤い完熟チェリーだけではなく緑の未熟チェリーも一緒に摘みとってしまう習慣がありました。

パーチメントに紛れ込んだ果肉を取り除く生産者

パーチメントに紛れ込んだ果肉を取り除く生産者

また、コーヒー豆には、発酵して黒ずんでしまったもの、害虫が養分を吸い取ってしまったもの、割れてしまったもの等、欠陥豆があります。これらは少量でも混入すると味に悪影響を大きく与えます。
美味しいコーヒーづくりのために、エバンさんとルシオさんは赤い完熟チェリーだけの摘みとり、パーチメント(※1)の乾燥時の欠陥豆除去を徹底的に指導しました。(東ティモールでは、これらの作業は全て手作業です!)

 

パーチメント乾燥中にも欠陥豆を除去

パーチメント乾燥中にも欠陥豆を除去

エルメラ県の山道は整備されておらず、雨のなかを移動することもあり、19グループ全部の指導に1ヵ月を要しました。

 

また、5月初めに始まった収穫シーズン中には、各グループのリーダーたちが各メンバーの家を訪問し、加工状況の確認と必要に応じた技術指導を行いました。

更に、ATTスタッフも各グループをまわり、加工状況、乾燥させたパーチメントの水分含有量チェック(※2)などに奔走しました。

欠陥豆除去作業前だが見た目もきれいな生豆

欠陥豆除去作業前だが見た目もきれいな生豆

例年通り、8月に収穫シーズンを終えた後、まずはパーチメントの殻(内果皮)の脱穀です。脱穀後のコーヒー豆は例年より見た目がきれいでした。

その後、もう一度、欠陥豆の除去(もちろん手作業…)を行うのですが、例年に比べて除去した欠陥豆の割合も少なく済みました。
その後、麻袋への袋詰め、計量の工程も滞りなく進み、順調に首都ディリの港を出港することが出来ました。

 

計量を終えて無事に麻袋に入ったコーヒー

計量を終えて無事に麻袋に入ったコーヒー

その1ヵ月後、日本に無事に届いたニュークロップ(今年収穫されたコーヒー豆)を、ATJ社内で試飲したところ、とても美味しい仕上がりを確認できました。

エバンさんとルシオさんは、この1年間の努力が結果として報われ、安堵すると同時に、大きな自信を得ました。

このような成功体験が、約450年間の従属の歴史(※3)を克服し2002年に独立を果たした東ティモールの人びとにとって、国の発展のためにとても大切な経験となります。
これから、この喜びを生産者の皆さんとも共有し、来年の更なる成長に繋げていこうと話しています。

 

※1 パーチメント…コーヒーの実の果肉を取り除き、内果皮の付いた状態。さくらんぼのようにヌメリが付いているので、発酵させた後にきれいに水洗いして取り除く。その後、乾燥させる。
※2 水分含有量チェック…コーヒー豆に含まれる水分は、12.5%以下が国際的な基準です。水分が高過ぎると劣化が早まり、品質に悪影響を与えてしまいます。ATTでは、パーチメントで11.0%以下を基準値に据えてコントロールしています。(パーチメントの状態の方が水分値は上昇します。)
※3 東ティモールは、16世紀~ポルトガルの植民地支配を受けました。その後、1975年11月28日に独立を果たしますが、直後の翌1976年~インドネシアの支配を受けました。その後、多くの人びとの犠牲の上で、2002年5月20日、インドネシアからの主権回復を果たしました。

 

事業部商品課 名和

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