7.21 NGO緊急集会とキャンドル・アクション STOP! 空爆 ~ガザの命を守りたい~ 是非ご参加ください

2014年7月18日




7.21 NGO緊急集会とキャンドル・アクション
STOP! 空爆 ~ガザの命を守りたい~
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7月8日から始まったイスラエルによるガザへの軍事攻撃によって、死傷者の数は増え続けています。イスラエル軍は人口密集地への空爆などを繰り返し、多くの女性、子どもが犠牲となっています。一方、パレスチナ武装勢力も応戦し、イスラエルに向けてロケット弾を無差別に発射しています。一般市民を意図的に標的にする行為は戦争犯罪であり、絶対に許されることではありません。さらに16日、イスラエル軍はガザ北部住民に避難勧告を出し、空爆を強化する姿勢を見せています。
7月21日に、開発支援、人権、フェアトレード、宗教交流など、さまざまな形でパレスチナに関わる市民団体が結集し、市民を巻き込む無差別攻撃を直ちに停止するよう訴えます。また、パレスチナ、イスラエル双方で犠牲になったすべての人びとへの哀悼の意を表し、キャンドル・アクションを実施します。

日 時:2014年7月21日(月・祝日) 18:30開始(18:00受付)~ 20:00終了

場 所:明治公園  仮設ステージ
JR中央線「千駄ヶ谷」下車 徒歩5分
都営地下鉄大江戸線「国立競技場」(E25)下車 徒歩2分
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/access086.html

※当日、公園内に誘導スタッフを配置します。
※少雨の場合も集会は決行します。

参加費:500円

【内容】 若干の変更の可能性あり。

・ガザからの訴え/日本からガザへのメッセージ
・多様な宗教界からの連帯と哀悼の祈り
・ キャンドルを使った人文字でのメッセージ

【主催団体】 (順不同)
ヒューマンライツ・ナウ/アーユス仏教国際協力ネットワーク/アムネスティ・インターナショナル日本/パレスチナ子どものキャンペーン/ピースボート/セーブ・ザ・オリーブ/パレスチナの子どもの里親運動/パレスチナの平和を考える会/APLA/日本国際ボランティアセンター(JVC)/国境なき子どもたち(KnK)/サラーム・パレスチナ/パレスチナ・オリーブ/オルター・トレード・ジャパン/APLA

ガザ攻撃の即刻停止を求める要請をイスラエル大使館に提出しました

2014年7月18日

現在行われているガザ攻撃に対して、ATJでは日本のNGO10団体とともに、イスラエル大使館に対して「無差別攻撃の即時停止と市民の保護を求める」要請を出しました。

 

 

 

 

 

 

 

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2014年7月15日

駐日イスラエル大使 ルツ・カハノフ殿

ガザ地区に対する無差別攻撃の即刻停止と国際人道法に則った市民の保護を強く求めます

私たち、日本を拠点とするNGOは、7月8日からイスラエル軍が開始したガザへの軍事攻撃において、民間人の死傷者が増え続けている状況を深く懸念しています。

ユダヤ人入植者3名の遺体がパレスチナヨルダン川西岸地区で発見され、それへの報復としてパレスチナ人少年が拷問の末に殺された事件に端を発した今回のガザ攻撃について、現地の人権NGOによると、7月14日までに209軒の民家が破壊され、137人の市民が死亡し、そのうち少なくとも34人が子ども、28人が女性であるとのことです。また、1,058人が怪我をしており、その殆どが一般市民で、332人の子ども、212人の女性が犠牲となっています。

私たち日本を拠点とするNGOは、イスラエル・パレスチナ双方による一連の暴力と無差別攻撃に抗議します。特にイスラエル政府に対しては、人口密集中地への空爆など罪のない民間人を犠牲にするガザへの軍事攻撃を即刻停止することを要請します。民家を攻撃することは戦争犯罪であり、どのような状況においても絶対的に許される行為ではありません。イスラエル政府に対し、国際人権・人道法に基づきガザの民間人を保護することを強く求めます。

長年にわたって、私たちはイスラエル・パレスチナ双方への停戦を求め、市民を紛争の被害から守るよう呼びかけてきました。しかし、停戦合意はいつも一時的なものに終わり、私たちは繰り返し、罪のない市民がガザ社会を再構築できるように支援を続けて来なければなりませんでした。また、これまでの紛争における双方の重大な国際人権法および人道法違反行為についても、正義はほとんど実現していません。

2008年12月から2009年1月のガザ空爆・侵攻で多大なパレスチナ民間人が犠牲になったにも関わらず、イスラエルの人権侵害の責任は問われず、ガザの人々の生活は脅かされてきました。一方でイスラエルへのガザからの応戦も繰り返され、イスラエル市民の生活も脅かされてきました。

今回も私たちは市民を犠牲にする軍事攻撃の即刻停止と市民の保護を求めます。そして、医薬品・食糧など人道物資および人道支援団体が遅滞なくガザに入ることを認めるよう要請します。

特定非営利活動法人ヒューマンライツナウ
特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
特定非営利活動法人パレスチナこどものキャンペーン
ピースボート
セーブ・ザ・オリーブ
特定非営利活動法人パレスチナの子どもの里親運動
パレスチナの平和を考える会
株式会社オルター・トレード・ジャパン
特定非営利活動法人APLA
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)

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ファラージさんがハンガーストライキを中止した模様です

2014年7月4日
ファラージ氏と拘禁者の釈放を要求するポスター

ファラ-ジさんと拘禁者の釈放を要求するポスター

6月24日に、UAWCより、イスラエルによる行政拘禁に対して抗議をするためのハンガーストライキを行っていた被拘禁者125名が、ハンガーストライキを中止したという連絡がありました。海外のメディア情報では、ハンガーストライキを中止した中には、UAWCの財務・会計担当のファラージさんも含まれているとのことです。

現時点では、UAWCでもその後の状況が十分に把握しきれていないようです。そのため、ハンガーストライキを行った人々がどのような状況になっているのか、確かなことがわかっておりません。行政拘禁とそれに対する今回のハンガーストライキの件については、日本では一切の報道がなされておらず、情報を入手する手段も限られております。まずは海外メディア等でATJで調べた内容をまとめさせて頂きます。

1)ハンガーストライキの中止について
・ 複数の記事を集約すると、6月24日の時点で、大規模なハンガーストライキは中止になったとのことです(※1~※4など)。そのうちの75名は、刑務所に戻れる状態に回復するまで、病院で水やサプリメントなどの摂取をしながら、手当てを受けているとのことです(※5)。
・ ストライキの中止に至る過程で、パレスチナの被拘禁者側とイスラエル監獄局側との間で、何らかの話し合いの場が持たれたようです(※1、2など)。その内容や結果については、「追って公表される」という記事がありますが、現時点で詳細な報告は見当たりません。
※ 一部の記事では、パレスチナ側から、拘禁の無期限延長を止めることや、正式な裁判等の手続きを踏むべきであることなどを盛り込んだ要望書が提出されたと書かれており、ファラージさんもそこに署名をしたという記述があります(※1)。
※ パレスチナ側からのコメントでは「イスラエル監獄局側との話し合いにより、一定の譲歩が引き出せたこと」が、ストライキの中止につながった、と書かれています(※1、6)。
※ 一方、イスラエル側からは「一切の合意はなされていない」というコメントが出されています(※4、7)。
※ 結果的に、どのような結論と経緯の下でストライキの中止に至ったのか、現時点では明らかではありません。

2)イスラエルの行政拘禁について
行政拘禁という制度そのものへの抗議としても行われたハンガーストライキでしたが、イスラエル側のコメントとしては、「行政拘禁という制度について、その信念や内容を変更する意志は無い」と、明確に出されています(※4、7)。

なお、6月12日に行方不明となった3人のイスラエル人入植者が6月30日に遺体となって発見されましたが、この件については日本でも報道がなされております。

イスラエルのネタニヤフ首相は、この誘拐事件を「ハマスによるもの」と断定し、イスラエル軍は犯人検挙のための捜査を続けてきました。その過程の中で、少なくとも6月12日以降で167人に対して行政拘禁令が適用され、7月2日時点での被行政拘禁者の数は364人と言われています(※8、9)。

このことからもわかる通り、ハンガーストライキ開始以降も、またハンスト中止という報道があった以降も、イスラエルは行政拘禁制度の行使を続けております。

UAWCからも、「行政拘禁を廃止するためのキャンペーンは、まだ続いている」という連絡がありました。ATJでは、UAWCと連絡を取りながらファラージさんの状況等含め引き続きパレスチナ状況について発信して参ります。

【参考websiteなど】
International Middle East Media Center (IMEMC) 
Haaretz
Palestinian Prisoner Solidarity Network
Aljazeera

(※1) http://www.imemc.org/article/68227
(※2) http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/1.601002
(※3) http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2014/06/palestinian-prisoners-end-mass-hunger-strike-201462501236249478.html
(※4) http://www.reuters.com/article/2014/06/25/us-palestinian-israel-prisoners-idUSKBN0F00DS20140625
(※5)http://www.nytimes.com/2014/06/26/world/middleeast/palestinian-detainees-suspend-hunger-strike-in-israel.html?_r=0
(※6)http://www.irishtimes.com/news/world/middle-east/palestinian-prisoners-in-israeli-jails-end-hunger-strike-1.1845193
(※7)http://www.imemc.org/article/68231
(※8)http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/.premium-1.600480
(※9)http://www.imemc.org/article/68296

パレスチナの行政拘禁された人々のハンガーストライキに大きな動きがありました

2014年6月27日

アブドゥル・ラザック・ファラージ氏

海外メディアで、行政拘禁者のハンガーストライキが終了したとの報道が出ています。
この状況の確認をとるため、UAWCに連絡を入れたところ、
「6月24日にハンガーストライキは終了した模様」
「詳細に関しては、現在確認中」
「UAWCは、ファラージさんを始めとした行政拘禁された人々のハンガーストライキを国内、世界の人々が支援をして頂いたことに敬意を表している」
「まだ、行政拘禁制度を止めるためのキャンペーンは継続している」
との返答がありました。ファラージさんの状況については把握できていません。
現時点では、各メディアにより、報道される情報も違いがあるために、今後情報を確認しながら随時皆様に状況をお知らせいたします。

 

以下 6月25日付 ニューヨークタイムス(The International New York Times)の記事にこの間の動きについて書かれていますので抄訳してお伝え致します。

★6月24日、75人の被拘禁ハンスト者全員が、ストライキに参加したことに対する懲罰や罰金は科されないという約束を取り付けハンガーストライキを止めることを合意した。また、行政拘禁そのものに対する対話は引き続き行われる。
★イスラエル監獄局のスポークスマンは、「ハンガーストライキを行った75人は現在病院で、監獄に戻られる状態になるまでは、水とサプリメントを摂取している」と述べている。
★ネタニヤフ首相は、イスラエル監獄局や保安当局の努力によってハンストが止まったことに対し、賞賛の声。また、イスラエルは、今後のストライキを起こさないようにするために、新しい方策を考えていくことを付け加えた。
★被行政拘禁者とイスラエルとの対話を通してハンストは終了したが、双方共に折れなかった。
★イスラエルは、ハンスト者の中に死者が出ることで、囚人やそれを超えた規模での騒動が起きることを恐れている。

ファラージさん、行政拘禁された人々に対してアムネスティから緊急アクションの呼びかけ

2014年6月19日
ファラージ氏と拘禁者の釈放を要求するポスター

ファラージ氏と拘禁者の釈放を要求するポスター

6月13日に国際的な人権団体であるAmnesty International(アムネスティインターナショナル)から、ファラージさんをはじめとする行政拘禁されている人々のハンガーストライキによる健康状態の悪化に対して緊急行動を世界的に呼びかけています。アムネスティ日本でも6月18日WEBにこの情報が日本語で掲載されました。
イスラエル政府と、イスラエル監獄局、イスラエル大使館に対して、抗議の手紙を送る運動を呼びかけています。アムネスティ日本のWEBにも、抗議文の文案が掲載されており、その文案に宛先を付けて、送信者のサインを入れて、郵便、ファクシミリ、Eメールで送ることができます。
是非、アムネスティ日本、アムネスティインターナショナルの以下のWEBを参考にして頂き、抗議の手紙を送ってください。

*アムネスティ日本の緊急行動を呼びかけるサイト(日本語)

*Amnesty InternationalのURGENT ACTIONを呼びかけるサイト(英語)

父の願い (ファラージさんの息子の手記)

2014年6月17日

イスラエル政府により行政拘禁され、4月30日からその不当性を訴えるハンガーストライキに入ったパレスチナ農業開発センター(UAWC)ののアブドゥル・ラザック・ファラージさんの長男であるバジルさんが中東情勢を伝えるニュースサイトに寄稿した手記が、父であるファラージさん、そしてパレスチナの人たちが直面している状況について伝えています。
(原文はこちら→http://mondoweiss.net/2014/05/palestinian-resists-occupation.htmlこの中でファラージさんが自ら語る動画(英語・スペイン語字幕)も含まれます)。
抄訳した文章を是非お読みください。

 

 

[box type=”shadow”]バジル・アブドゥルラザック・ファラージ          

2014年5月28日

多くの人は「語らない方がいいストーリーもある」と言うでしょう。私はもうそれには同意できません。特に“語られることのない”ストーリーを思い出すだけで引き起こされる痛み、苦しみ、そして喪失感を感じる時は……。パレスチナのストーリーは、占領体制の中で、希望と想像をかき立てる武器でもあるのです。

私は、私の家族のストーリーの1つを皆さんと共有したいと思います。私自身が多くを学び、そして今も学び続けているこのストーリーは、特別なものでも唯一のものでもありません。パレスチナで数多く生まれ続けているストーリーの一つであり、そしてまた、パレスチナの民衆の甦る力とその広大な命への愛を思い起こさせるものなのです。

行政拘禁の最長拘禁期間は6か月です。その拘禁期限を迎える日まで、あと1か月、2週間、1週間……。あと1日、2時間、1時間。心配と不安のあまり私たち家族の胸の鼓動は激しくなるばかりです。待合室に集まった皆の胸にあるのは、不安そして何とか無事であってほしいという希望だけ。そして弁護士から告げられる言葉。「あなたの父親の拘留期間はあと6か月間延長された。これが行政拘禁ということだよ」

私たちは何も知らされないままに、不安の中で待つことの繰り返し。それが行政拘禁です。あと6か月、あと4か月。そしてまた6か月、あと4か月、3か月……やっと釈放を迎え、私たちは抱き合いながら涙を止めることができません。しかしまた、ある夜中に突然連れ去られ、私たちは再び不安のなかで父の戻りを待ちわびる日々が始まるのです。

私の父であるアブドゥル・ラザック・ファラージは、UAWCの財務担当をしています。しかし、現在51歳である父は、これまでの人生のうちで通算14年の月日をイスラエルの拘置所で過ごしたことになります。拘禁者は、弁護士や家族に会うことも許されていないのです。私たち家族は、なぜ父が拘禁されるのか、どこにどのような状態で拘禁されているのか知るすべすらありません。

現在わかっているのは、起訴も裁判もないままに拘禁されるという非人道的な行政拘禁に抗議して、他の行政拘禁者と共に父もハンガーストライキに入っているということです。父がハンストを行うのは、今回が初めてではありません。2012年には24日間のハンストに参加しました。その時には、父が国際赤十字を通してやっとのことで送ってくれた手紙をいつも肌身離さず持ち歩いていました。内容は、私たち家族のことを気遣う手紙でした。

度重なる拘禁にもかかわらず、私たち家族のこと、パレスチナの若い世代のこと、パレスチナの将来のことを常に考えてくれています。私自身を含むパレスチナの若者が、父と同じ道を歩まないようにと常に願ってくれています。パレスチナには、行政拘禁やハンストで身体が弱くなっても、揺るがない決意と強さをもって闘っている人々がいるのです。彼らは、パレスチナの人々が真に生き続けるために、すべてを賭けているのです。

私自身がそんな父と直接話をすることができた時間というのはとても限られていますが、周りの人からは「あなたの父親は意志が固く、決して屈しない」というようなことをたびたび耳にします。父は家に戻っても、私たちには、父の人生のことや拘禁中のことなどは、あまり多くを語らず、静かに家族との再会の時間を楽しんでいるかのようです。彼の沈黙は、愛と記憶や経験、情熱、家族のことなど、失われたストーリーを呼び戻しているかのようです。

私の母は、自分の夫が連れ去られるのを7回以上も見てきました。イスラエルの占領によって家が襲撃されるのを見てきました。彼女は、そうした状況の中でも、私たち兄弟のよりよい生活や夢がかなうことを願いながら、何年にもわたり私たちを育ててくれました。私たちの両親の愛、そして絶えることのない闘いと犠牲について語りつくすことはできません。また私たち家族の物語として封印しておきたいこともあります。私は真実の愛と生きるための闘いについて、私の家族から学んできたのです。

長引く占領によって私たちに「生きること」を諦めさせようとするイスラエルの試みむなしく、私たちは「生きること」をこよなく愛しています。私たちは決して諦めてはいません。なぜならば、私たちは生きるに値するからです。私たちは人間らしく希望をもって生きていきたいと願っているからです。
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【パレスチナ ハンスト情報】 家族も弁護士も面会が許されていません!(UAWCからの報告)

2014年6月13日
ファジャール氏と拘禁者の釈放を要求するポスター

ファラージ氏と拘禁者の釈放を
要求するポスター

6月11日現在も、ファラージ氏の家族は、面会を許されていません。

UAWCから、現在のハンガーストライキを行っている拘禁者(以下ハンスト拘禁者)の概況を以下の通り、皆さんにお知らせします。

80人近いハンスト拘禁者が、9つの民間の病院に収容されています。彼らは、定期的に恣意的な移動を強制されており、彼らの権利である弁護士による面会すら却下されています。それにより、イスラエル監獄局と今後交渉の可能性が残されるかもしれないのに。

Kaplan 病院の拘禁者からは、Addameer(パレスチナの人権擁護NGO)の弁護士に対し、「医者たちは、ハンスト拘禁者が意識を失った場合には強制的な栄養剤の投入 (Force-Feeding)を実施すると脅迫している」との報告があがってきています。医者たちが、「(ハンスト拘禁者を)縛り付けたうえで、同意をとらずに、鼻から食べ物を流し込む」と脅しをかけています。

パレスチナ人ハンスト拘禁者に対する強制的な栄養剤の投入を認める法案がイスラエル国会で議論されている最中に、こうした疑惑が浮上しています。このことは、パレスチナ人ハンスト拘禁者への拷問を制度化するという非常に危険な動きです。Force-Feedingは、国際法上も、世界医師会でも、憂慮されていることだからです。

ハンスト拘禁者の筋肉の状態は悪化しており、体脂肪はすっかり落ち、生命の危機にさらされていると警告されています。なかには、いつ心臓発作を起こすかわからないと医者に言われているハンスト拘禁者も出ています。また、胃腸内出血、吐血、極度の体重減少や心拍数の減少、血糖値の低下などによる意識不明となっている方もいます。

病院に移送されたハンスト拘禁者は、一日12時間は両手足をベッドに縛りつけられ、残りの12時間も片方の足を縛り付けられています。トイレに行くにも許可を取らなければならず、夜間はトイレの使用すら許可されていません。イスラエルの保健省からは、血流を保つために歩行などをするように奨励されているにもかかわらず、ハンスト拘禁者たちは一日中縛り付けられているために部屋のなかで歩くこともできない状況に置かれています。

病院及び拘置所内のクリニックの医療スタッフのひどい扱いについても証言があります。医者たちは、ハンスト拘禁者に投与するサプリメントの成分などを公表することを拒否しており、ハンスト拘禁者たちは、自らの意図に反してストライキを中断させられることにつながるサプリメントの投与を恐れています。ハンスト拘禁者の健康管理や、サプリメントやビタミン剤投与の助言をする役割の国際赤十字が不在なため、ハンスト拘禁者を放置してしまう状況を許してしまっています。

【パレスチナ ハンスト情報】 UAWCからの緊急アピールに対しATJより連帯メッセージを送りました

2014年6月13日

パレスチナのUAWCからの緊急アピールに対して、6月6日にATJでは連帯のメッセージをUAWCに送りました。

ATJからの連帯アピール抄訳

[box type=”shadow”]私たちは、10年間パレスチナのオリーブオイルを通して行っている、平和連帯の活動に誇りを持っています。緊急アピールで報告された、アブドゥル ラザック ファジャール氏に起こったことに関して非常にショックを受けました。
我々は、ファジャールさんを含む行政拘禁者のハンガーストライキの状況を懸念しています。我々はイスラエル政府の行っている非人道的な行政拘禁の制度を可能な限り早期に終わらせる必要があるという、あなた方のアピールに対して全面的に賛同します。
我々は、日本国内においても、この状況を出来る限り広める活動を行っていきます。
ATJはUAWCに連帯します。

2014年6月6日

株式会社オルター・トレード・ジャパン 代表取締役社長 上田誠

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UAWC カレッド代表からの返信

[box type=”shadow”]UAWCはATJの、ファラージ氏をはじめとしたハンガーストライキを行っている拘禁者の継続的な支援に対して深く感謝します。
ハンガーストライキを行っているこの戦いが勝利し、残忍な行政拘禁の制度が終了することを望んでいます。

UAWCは継続して、この状況に対しての情報をお送りします。この情報を日本の方々に継続してお伝え下さい。

2014年6月12日

UAWC 代表 カレッド ヒデミ

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パレスチナ行政拘禁者(UAWCのファラージ氏含む)ハンガーストライキ状況のご報告

2014年6月11日

ATJのパレスチナのオリーブオイルの生産者団体の一つである、UAWC(パレスチナ農業開発センター)*より、UAWCの財務担当をしているアブドゥル・ラザック・ファラージさんが、イスラエル政府により、不当に拘束(行政拘禁**)され、他の拘束された人々と一緒に4月30日からハンガーストライキに入り1ヶ月経過し厳しい健康状態にあることが緊急アピールとして届けられました。
UAWCからの緊急アピール(英語原本)   (日本語版)

アブドゥル・ラザック・ファラージ氏

*UAWC(Union of Agricultural Work Committees)は、1986年に創設されたNGOです。パレスチナ自治区の農民の権利、土地、水等を守り、彼らの農業を支援することに加え、雇用の創出や女性の社会進出にも力を入れています。ヨルダン川西岸地区・ガザ地区を含め、16ヶ所の事務所で、総勢106人が働いています。2005年より、ATJにオリーブオイルを出荷している。(数字は2010年時点)

**行政拘禁とは、起訴や裁判といった法的手続きもなく拘禁を認める措置のことです。拘禁の理由は一切明らかにされません。拘禁期間も最長6ヶ月となっていますが、無制限に更新ができます。イスラエルによる行政拘禁は、1967年の占領以降継続的に行われており、国際的に強い非難を受けているものです。

日本国内では、このことがほとんど報道されていませんが、国連、ワシントンポスト、APF通信社などにおいて国際的に発信されています。

今年4月24日に90人あまりのパレスチナ人の行政拘禁者が、イスラエル政府の行政拘禁に抗議するハンガーストライキを始めました。
2月25日にUAWCのファラージ氏が逮捕されました。(以前4月25日とお知らせしておりましたが、2月25日の間違いでした)
4月30日にファラージ氏もハンガーストライキに加わりました。
5月28日に、生命の危機が発生しているファラージ氏を含む40人が病院に移送されました。
6月4日にUAWCは抗議デモを組織し、200~250人が集結しました。
6月7日に潘基文(パンギムン)国連事務総長が憂慮の声明を発表しました。
パレスチナ自治区内でも、抗議のデモなど、抗議行動が行われています。

6月4日にパレスチナ・ラマラで行われたデモ行進

ATJでは、この状況をより広く知らせるために、WEB、Facebook、Twitterでの発信を行い、また関係団体にも情報を伝達して、より広くこの状況を伝えるための対応を行っています。
この問題について世界中の人々が関心をもち、憂慮しており、日本でも情報が拡散していることをUAWCに知らせることがパレスチナ現地の人々にとって状況を変える大きな力となります。
ATJでは日本での動きを随時UAWCに伝えていきます。

Facebook・Twitterでも随時情報をアップしますのでご覧ください。
Facebook  Twitter

パレスチナ オリーブオイル生産団体UAWCからの緊急声明

2014年6月5日

ATJのパレスチナのオリーブオイルの生産者団体の一つである、UAWC(パレスチナ農業開発センター)より、UAWCの財務担当をしているアブドゥル・ラザック・ファラージさんが、イスラエル政府により、不当に拘束(行政拘禁)され、他の拘束された人々と一緒にハンガーストライキに入り1ヶ月経過し厳しい健康状態にあります。UAWCから緊急声明が届きました。

今後の状況につきましては、随時WEB、FB等でご報告致します。

[box type=”shadow”]

2014年5月29日

緊急アピール

UAWCはパレスチナの行政拘禁者の命を救う輪に加わるよう呼びかけます。

2014年4月24日より行政拘禁者*が、制度の廃止を求めてイスラエルの刑務所でハンガー・ストライキを行っています。数十名の服役者が、行政拘禁者に連帯してストライキに加わっています。

イスラエルの刑務所当局は拘禁者の要求に耳を傾けることを拒否し、独房に移す、必要な健康管理を怠る、殴打するなど報復的な措置をとっています。

ストライキ参加者はハンガー・ストライキを終了することを拒否し、刑務所側が要求を無視し続けるなら、10日間ビタミン剤やサプリメントを摂取しない、水を飲むことさえも控えるという強い抗議の意思を貫こうとしています。

ストライキ参加者の多くが危機的な健康状態にあり、2014年5月28日、約40名が病院に運び込まれました。UAWCの管理運営・経理責任者のアブドゥル・ラザック・ファラージ氏もその一人です。

ファラージ氏は2014年2月25日**に逮捕され、6か月間の行政拘禁を言い渡されました。4月30日、ファラージ氏は 行政拘禁者による恣意的な逮捕と行政拘禁の方針に反対するハンガー・ストライキに加わりました。

ストライキ参加を表明した直後、ファラージ氏はアヤロン刑務所の基本的な基準を欠いた独房に移されました。そして、ファラージ氏は他の参加者と共に車イスに乗ってアヤロン刑務所からメール病院に移りました。ファラージ氏に対する不正義は1985年に始まりました。1985年から1991年までの6年間起訴され、さらに間隔を置いて5回、計8年間、行政拘禁のため刑務所に収容されました。

イスラエル軍は、彼を告訴することも、また彼が裁判に立つことを許すこともなく、情報を秘匿し、我々の同僚を無制限に行政拘禁しています。

UAWCは行政拘禁者、とりわけ、パレスチナ農民の権利擁護のために市民社会を牽引してきたアブドル・ラゼック・ファラージ氏の命を深く憂慮しています。

上記の状況を受けて、

1. UAWCは人権団体や国際的な連帯組織に対して、公正な裁判を受けるという基本的人権を侵害する行政拘禁の方針をイスラエル政府が取り下げるように働きかけることを呼びかけます。

2. UAWCは国際社会に対して、イスラエル当局が行政拘禁者を即時釈放し、命を守るよう圧力をかけることを呼びかけます。

パレスチナ農業開発センター(UAWC)

(*訳注:行政拘禁とは、無期限に更新できる軍令に基づいて起訴や裁判なしの拘禁を認めるもので、人権団体から国際的に非難されているもの)
(**逮捕日を4月25日と掲載しておりましたが、2月25日の間違いでした。お詫びして、訂正致します。)[/box]

【バナナニュース232号】台風の後、豚と野菜で生活をつなぎました。 ~ホノラト・アグスティノさん、パナイ島カーレス町~

2014年6月4日

ホノラト・アグスティノさん(62歳)は、パナイ島でプロジェクトが始まった1990年代からずっとバランゴンバナナを栽培しています。5人の子供のうち2人は失くしてしまいましたが、3人の子どもたち全員に、大学教育まで受けさせることができました。末の子が今大学生です。

 

最初は、1本5ペソでバナナの苗を買って植えるところから始めました。昨年の超大型台風ヨランダの前には、バランゴンバナナからの収入は1800ペソ/月(約3600円)程度ありました。一番収入が多いココナッツからは100ペソ/日、その他野菜などから20~25ペソ/日の収入がありましたので、農産物からの現金収入のうちバランゴンバナナは3割ぐらいになっていました。他に、米や野菜は自給ができており、豚を4頭飼育していました。

台風で農産物は被害を受け、その後の乾季で水不足のために生育不良に見舞われました。仕方なくまだ小さかった豚を2頭売って、米や生活必需品を買い生活をつなぎました。台風の後は短期間で収穫できる野菜の種を蒔き、自給用と少しばかりの現金収入を得られるようになりました。日本からの支援で、100本のバランゴンを植え、合計120本のバランゴンを育てています。1年後の収穫に期待しています。これらのバランゴンバナナで何とか台風前の生活水準を取り戻したいと願っています。

【台風30号ヨランダ復興】台風から半年、確かな復興の歩み~パナイ島~

2014年5月28日

2014年5月8日から10日にかけてATJ社長の上田、フィリピン駐在員の黒岩がATC職員らとパナイ島のバランゴン出荷団体、PARTNERの案内でパナイ島の被災地を訪ね、復興支援活動の進捗を視察しました。

パナイ島では3つの自治体、サン・ドニシオ町(アマヨン村、バトゥアン村)、バラサン町(サルバシオン村)、カーレス町(タロン村、バロスボス村、カビラオ・グランデ村等)に計163名のバランゴン生産者がいます。

バランゴンバナナ生産復興と生活再建に向けてATCは、日本の皆様からのご寄付を使って次の活動を展開しています。

○バナナ株の配布
台風ヨランダでは実を付けていたり、背の高いバナナはほとんどが強風のため、倒れてしまいました。そのため、生産者はATCの支援を受けて3月から4月にかけて22,700本を作付しました。収穫は2015年3月以降の見込みです。

成長中のバナナ。カボチャと混植(アマヨン地区)

カボチャと仲良く成長中のバナナ(アマヨン村)

 

 

 

 

 

 

 

 

○肥料の配付
3月から4月にかけて、ATCは生産者にバナナの元肥、追肥として3月から4月に138トンの鶏糞を配付しました。第2回目は6月に鶏糞40トン、マッドプレス(精糖過程で出る有機資材)40トンを混ぜて配付する予定です。

○フード・フォー・ワーク(生活補助)
バランゴンからの収入が長期間ないため、生産者の家計は非常に苦しく、なんとかやりくりしている状態です。そこで、ATCは4月に行った肥料配付の際に、施肥作業に対して生活補助としてバナナ1本につき15ペソずつ支払いました。

○農機具の提供
163名の生産者全員にボロ(山刀)を配りました。ボロはバナナの収穫や下草刈り、薪用に木の枝を伐ったりするフィリピンのでは最も大事で役に立つ道具です。また、フィールドアシスタントにはタガッド(穴を掘るための棒状の道具)と鋤も1本ずつ支給されました。

 

配布されたボロ

全生産者に配布されたボロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ミミズ堆肥作り
ミミズ堆肥とは、家畜の糞やバナナの茎などの残渣をミミズに食べさせてその糞を有機肥料として活用するものです。ATCは、堆肥を生産できるように、数名の生産者に10キロずつのミミズを配りました。
並行して、4月26日タロン村とカビラオ・グランデ村でミミズ堆肥作りの技術研修が実施されました。5月後半には他の4地域でも研修が計画されています。

2.野菜栽培
バナナが収穫できる時間がかかるため、ATCは短期間で栽培できる野菜生産を支援しました。かぼちゃ、大根、オクラ、ニガウリなどの種(12,000ペソ相当)を配布しました。4月最終週に植えた野菜は順調に育っています。

 

ニガウリ畑(サルバシオン地区)

ニガウリ畑(サルバシオン村)

バナナとナスを混植

バナナとナスを混植しているジョエルさん(タロン村)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョエルさんの被害状況についてはこちらの報告をご覧ください。

3.用水施設
野菜栽培を行っていく上で、農業用水を確保することはとても重要です。また、バナナの株を植えても灌漑用水が不足しているため、苗の段階で枯れてしまうケースもあります。そのため、グループごとに手押しポンプあるいは自転車をこいで揚水するポンプでタンクに貯水する設備を設置することにしました。設置されたのは、手押しポンプ型はサルバシオン村で4機、バトゥアン村で1機、自転車型はタロン村で1機です。

手押し型ポンプ

手押し型ポンプを操作するホノラトさん(バロスボス村)

 

 

 

 

 

 

 

 

自転車型ポンプを動かすヒルダさん

自転車型ポンプを動かすヒルダさん

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリピン駐在員の黒岩がパナイ島を訪問したのは、11月下旬に支援物資配布のため訪問してから約半年ぶりでした。黒岩の感想です。

「道路沿いには倒壊、半壊した建物が残っており、台風の傷跡を見て取ることができました。一方で、バランゴン生産者は被災直後に比べて非常に前向きになっており、台風被害を乗り越えて、再びバランゴンを日本へ輸出するという強い意志を感じることができました。バナナの圃場も状況が改善されていることが一目でわかり、ATCによる復興支援活動の最大の成果は、生産者を前向きにし、今できることをしっかりしようという気持ちに変えたことだと実感しました。」

(2013年フィリピン災害対策チーム 小林和夫)

【台風30号ヨランダ復興】 漁業用小型ボート引き渡し式典に参加しました-ネグロス、オールド・サガイ村-

2014年5月23日

ネグロス島北部に位置しているサガイ市オールド・サガイ村。海外沿いに位置している同村は、昨年の台風ヨランダを受けた地域の1つです。ATCは、オールド・サガイ村で①漁業用小型ボートを30艘供与、②魚の燻製加工場の建設の2つの復興支援プロジェクトを実施しています。

プロジェクトの概要

そのオールド・サガイ村で漁業用小型ボートの引き渡し式典が4月25日(金)に行われ、ATJフィリピン駐在員である私も同式典に参加。式典の様子をご報告致します。

日本とフィリピンの「絆」を実感

当日はATCスタッフ、ATMCスタッフ、漁業用小型ボートの受益者30名とその家族、魚の燻製加工場の受益者10名など総勢約200名が式典に参加。式典の前にはオールド・サガイ村の教会でミサが行われました。

供与された漁業用小型ボート30艘。

ミサでは、アルミナザ司教が利己主義を捨て、他を思いやる気持ちの大切さを説き、オールド・サガイ村で行われている2つのプロジェクトは人々がお互いを思いやっている証であると説明。
その後、式典会場に移動。式典では様々な方からのメッセージがあり、プロジェクトの受益者の代表からはプロジェクトに対しての感謝、同プロジェクトが受益者及びその家族にとってとても大きな意義があることが話されました。漁業用小型ボート30艘は漁師1人1人に供与されます。そのため、ボートを供与することが、その漁師と家族の生活に直結します。

式典では私もメッセージを送る機会があり、「絆」という言葉を中心に以下の内容のメッセージを伝えました。

「台風ヨランダの被害は日本でも大きく報道され、多くの人々がフィリピンの人々のことを心配し、寄付を行いました。日本も2011年3月11日に東日本大震災を経験し、その時はフィリピンを含め多くの国々からの支援があり、復興に大きく貢献しました。今回、台風ヨランダ被災地へ寄付して下さった団体の中には、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県・福島県が活動拠点である生協も含まれています。東日本大震災以降、人々の繋がりを表現するために、日本では「絆」という言葉が良く使われましたが、今回式典に参加することで、フィリピンの人々と日本の人々の「絆」を実感することができました。今後、まだまだ厳しい場面に直面すると思いますが、多くの人が皆さんの復興を願っていることを忘れないで下さい。」

小型ボートの試験運行に同乗
引き渡し式典後は、昼食としてオールド・サガイ村で採れた美味しいシーフードを満喫。その後漁業用小型ボートの試験運行が行われました。

ボートに同乗しました

何名かのATCスタッフ、私も試験運行に同乗。私が同乗した船はサニー・ロメロ氏が運転。試験運行中に様々な話をして下さりました。

供与された漁業用の小型ボートを受け取ったサニー・ロメロさん

サニー・ロメロさんは38歳で、4児の父。漁に出るのは夜7時頃、戻ってくるのは翌朝5時頃とのこと。通常は1回の漁で4~5kg程度、大漁の時には12~15k程度の魚を捕ることができるとのことです。魚の販売価格は種類によりますが、約120ペソ(280円相当)/kgで販売することができるそうです。
漁業用小型ボートは順調に動いており、オールド・サガイのきれいな海を満喫。ボートを運転するサニー氏の姿も誇らしげでした。今後30艘の漁業用小型ボートはオールド・サガイ村の漁師の生活の糧として大活躍することでしょう!
(ATJフィリピン駐在員 黒岩竜太)

式典を終えてみんなで記念撮影

 

【台風30号ヨランダ復興】ネグロスの被災漁民も応援しています。

2014年5月16日

ネグロス島の北端にある漁村、オールド・サガイ(サガイ市)。この地域には行政の緊急支援も届かず、ATCは昨年11月、住民に対して食料パック配布を実施しました。

漁業が主要な生計手段であるこの村では、台風によってボートも失いました。そのため、ATCは地元のカトリック教会と提携して二つのプロジェクトを支援することになりました。

①漁業用小型ボートの供与
30人の漁民に1艘ずつモーター付の小型ボートを供与します。これによって1日約400ペソの収入が見込まれます。一艘のボート建造の予算は日本円で約31,000円です。

建造中のボート

建造中のボート

 

 

 

 

 

 

 

 

②魚の燻製加工場の建設
この事業によって25-40歳の女性10名の雇用が生まれます。夫の漁からの収入に頼る家族にとっては貴重な副収入となります。

このプロジェクトの資金は日本の他、マスコバド糖でつながる韓国のドュレコープ生協、フランス、ドイツ、スイスのフェアトレード団体からの寄付金も活用されています。

ボートの船体には日本の団体を含む寄付団体のロゴが記されています。実はこれはすべて手書きです!漢字もです!30艘すべてに!です。

ボートに記載された募金団体のロゴ

ボートに記載された募金団体のロゴ

 

ロゴ(反対側)

ロゴ(反対側)

 

4月25日には漁船と加工場の引き渡し式が執り行われ、カトリック教会関係者、サガイ副市長、ATC社長ヒルダ・カドヤ、ATJ現地駐在員・黒岩も参加しました。

式典当日の模様は近日中に報告します。お楽しみに!

(2013年フィリピン災害対策チーム 小林)

 

ネグロス東州ホマイホマイ村、地震発生から2年が過ぎて・・・

2014年5月13日
2012年3月、地震の被災者たちが東日本大震災被災者のためにキャンドルデイ

2012年3月、ホマイホマイ村の人びとは東日本大震災被災者のために、同じ被災者としてキャンドルを灯して祈りました。

ネグロス東州で強い地震があったのは2012年2月でした。バランゴンバナナの産地があるギフルンガンのプラナス村やホマイホマイ村では、土砂崩れの被害が大きく、多くの人びとが土砂に埋まって亡くなったり行方不明になったりしました。プラナス村のバランゴンバナナ生産者の子ども2人も土砂に埋まって犠牲者となりました。ATCは、日本からの支援を受けて、緊急救援そして復興支援活動を行ってきました。
ホマイホマイ村の小学校は建物が壊れただけでなく、学校があった場所は地震の影響で地盤がゆるみ危険区域となりました。ATCはまず仮設棟を建てるための資材の提供などを行い、子どもたちが仮設の校舎で勉強できる環境をつくりました。そして地方行政と協力して、ホマイホマイ村で安全な場所を確保して新しい校舎を建てなおす計画を進めました。

安全な新しい教室で勉強するホマイホマイ村の子どもたち

安全な新しい教室で勉強するホマイホマイ村の子どもたち

地震から5か月後の2012年7月には新しい校舎の大枠が完成して、子どもたちは仮設棟から移ることができました。そして2013年3月には、新しく2つの教室が増設され、トイレや電気・水道関係の設備などが整えられていきました。さらに同じ敷地のなかに村役場やクリニックも建てられました。現在、小学1年生~6年生まで112人の子どもたちが勉強しています。

一方、緊急救援活動が一段落した2012年3月には、50人を超える村の人たちと共にATCが目指していることやバランゴンバナナ民衆交易の意義について話し合いを行いました。5月~6月末にかけては、ATCはホマイホマイ村の人びとといっしょに地域の調査を行いながら、地震後の復興をどうしていくか話し合いました。その結果、これまで以上にバランゴンバナナ民衆交易に取り組むことになりました。20人の生産者が参加して、バランゴンバナナの苗床を準備し1200株の苗をつくり、作付けをしました。ホマイホマイ村では、既存のバランゴンバナナも合わせて1900株のバランゴンバナナが育てられました。2013年11月には一回の集荷で8000本もの収穫ができるようになりました。

せっかく育てたバランゴンバナナが台風の影響で葉がボロボロになってしまいました。

せっかく育てたバランゴンバナナが台風の影響で葉がボロボロになってしまいました。

ところが11月、台風ヨランダ(台風30号)の影響で倒れたり葉がボロボロになるなかで、収量は2000本~3000本に減少してしまいました。台風ヨランダの影響からの復興作業として、牛糞の投入などが行われ、今年6月ぐらいには収量も回復してくる見通しです。

ネグロス東州、ホマイホマイ村の子供たちは 新しい教室で勉強を始めています。【231号】

2014年5月12日

2012 年2 月に発生したネグロス東州の地震から2 年が過ぎました。皆様からいただきました支援金は、緊急救援、そしてホ
マイホマイ村の子供たちが学ぶ校舎を安全な場所に建て直すことに使わせていただきました。
地方行政との協力で2013 年3 月には2つの教室が完成し、その後、幼稚園児のための教室が増設され、トイレや電気・水道関係の設備などが整えられていきました。さらに、同じ敷地のなかに村役場やクリニックが建てられました。
一方、地震の後2012 年5 月、ATC はホマイホマイ村の人々と、地震後の復興について話し合いを行いました。村の状況調査や村人の聞き取りを行い、バランゴンバナナ民衆交易プロジェクトをやっていきたいという村人の意志が確認されました。

2012 年11 月には、20 人の生産者とともにバナナの苗床をつくり、1900 本のバナナの株をつくり、植え付けました。その成果として、2013 年11 月の台風ヨランダの前までは、隔週で8000 本(約650房)のバナナを収穫できました。台風ヨランダの影響でバナナの葉がボロボロになるなどの被害があり、収量は3000~5000 本に減ってしまいました。現在は、少しずつ回復に向かっています。

台風30号(ヨランダ)被害からの 総合的な復興をめざして頑張っています~ネグロス島~【230号】

2014年5月12日

昨年11月にフィリピンを襲った台風ヨランダは、ネグロスのバランゴン生産者にも被害をもたらしました。風でバナナの葉が裂けたり、ストレスで生育に支障が発生しています。ネグロス島は土壌も肥沃ではなく、バナナも小ぶりです。まずは出荷に合格する品質にするために、早急な対策をとり、生産者の収入とバナナの出荷数量を取り戻す必要があります。

台風の被害を受けた生産者たちは、昨年中は倒れたバナナの片付けなどを行いましたが、それだけではバランゴンバナナの復興とはなりません。

今年1月、生産者たちはATC(オルター・トレード社)担当者との話し合いをして、ネグロス西州で19035本、東州で15070本のバランゴンバナナに、有機肥料を施すプロジェクトを実施することにしました。ネグロス西州DSB-コマリスキス地域では2月に入ると早々に有機肥料の原料として鶏糞やサトウキビの搾りかすが運び込まれました。2月20日には日本からの支援でシュレダーが配置されました。バナナの茎や木々など地域の残渣を細かく粉砕して、鶏糞などと混ぜて有機肥料をつくります。24日には隣接するスパー14地域も含めて有機肥料プロジェクトを開始しました。西州のパタグでは地域内にある家畜の糞など有機物を集めての有機肥料づくりが行われています。西州で影響のあった他の産地や東州のマンフヨッド町にある2カ所の産地で同様のプロジェクトが進められています。

バランゴン生産復活のためにバナナの株と肥料を配布-台風ヨランダ、パナイ島復興支援活動-

2014年4月3日

バランゴン産地で最も甚大な被害を受けたパナイ島では、オルター・トレード社(ATC)による復興支援活動が精力的に進められています。

復興支援の目的は、バランゴンバナナの生産性を改善し、生活再建、収入向上を図ることです。パナイ島ではバナナの圃場が大きなダメージを受け、1年間収穫が期待できません。そこで、各生産者が最低120マット(株)のバナナを生産する、2015年1月までに収穫を再開する、そして2015年3月には隔週で400箱の出荷量を目標としています。

そのためにバナナの株と肥料の配布を開始しました。これまでに15,000本以上の株と2,400袋の鶏糞が3つの産地、カーレス、バラサン、サン・ジオニシオに配られました。3月14日時点で全体の約60%にあたる株と肥料が配布されました。また、とりわけ多くの苗が必要なカーレスではバランゴンの苗床も設けられました。

バランゴンの株と肥料の配布の他にも倒伏したバナナの茎や葉を小さくするシュレッダー(1台)、山刀(ボロ)、鍬などの農機具も生産者に配布されました。

また、海岸に近いカーレスではバランゴン生産者は半農半漁の暮らしをしています。しかし、台風ヨランダによって漁船を失ってしまったので23名の生産者が共同で使用する漁船を1隻購入します。

これらの復興支援活動は2014年12月まで実施されます。総予算額は約356万ペソ(約820万円)、全額日本からの寄付金で充当されます。

カーレスに設置されたバランゴンの苗床

カーレスに設けられたバランゴンの苗床

 

 

フィリピン・ボホール地震、ヨランダ台風被災者へのご支援ありがとうございました。

2014年3月6日

2013年10月にフィリピン・ボホール島沖で発生した地震、続く11月にフィリピン中部を襲った台風ヨランダへの被災者支援へのご協力、誠にありがとうございました。
たくさんのご支援を頂戴し、心より御礼申し上げます。
2月末時点での、支援金額の報告をさせていただきます。

 

今回のヨランダ台風支援は、二つの支援の呼びかけを実施しました。
ひとつは、オルター・トレード社(ATC)を通じたバランゴンバナナ生産者とその地域への緊急支援と復興支援へのご協力でした。もうひとつは、APLAのネグロスでの活動を通じて知り合ったカトリック修道会(レコレトス会)が始めた緊急支援プロジェクト HEARTanonymous を通じての支援でした。
現在は、それぞれ緊急救援がある程度終了し、各地では復興支援へと活動が移っております。詳しい状況は、別途まとめて皆さまにご報告いたします。

 

※レコレトス会経由の支援に関して
レコレトス会の責任者であるタゴイ修道士により、今回の支援に関する方針が届きました。現地の状況やニーズを最優先に判断することを尊重し、APLAとしては、以下の要望を受け入れることにしました。
○ レコレトス会の緊急支援プロジェクトHEARTanonymousのみに限らず、今後長期化が予想される復興支援をより継続して、草の根の支援活動ができるように、ネグロス島内の教会グループ、NGO、ボランティアグループで結成したコンソーシアム「ASIN(Alternative Solidarity Initiative Network)」による支援活動としたい。(ASINの代表は引き続きタゴイ修道士が担ってくれる)。
○ 当初募金を呼びかけた際には、活動地域としてレイテ島が含まれていたが、国内外のメディアがレイテ島の報道に集中したため、たくさんの支援が入っている。一方、そのほかの島や地域でも甚大な被害を受けたにもかかわらず、支援が届いていないところが多くあるため、ASINではネグロス島北部、セブ島北部、パナイ島を活動地域としたい。

○ ASINによる写真の活動報告は、facebookページで確認できます。
https://www.facebook.com/asin.solidarity

 

支援金のご報告 (2月末時点)
支援金合計:35,046,864円(個人:2,951,710円、団体:32,095,154円)
<送金内訳>
・ATC(ボホール地震・バランゴンバナナ生産者への支援):13,000,000円
・レコレトス会(ASIN):12,324,010円
※2013年1月29日、2月18日と2回に分けて送金
・送金額計:25,324,010円

※残金は、3月~4月に送金を予定しています。

公開セミナー「『バナナと日本人』-私たちはいかにバナナと向き合うのか?-のご案内

2014年2月14日