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人から人へ、手から手へ

カカオ交易の歩み

パプアのカカオは、労働力として児童を使ったり、自然を破壊したりせずに作られたカカオが欲しいという日本の消費者の声と、カカオ事業によって経済的に自立したいというパプアの先住民族の希望が出会って生まれました。

カカオの主産地となる西アフリカでは、カカオは輸出用換金作物として農園でモノカルチャー(単一の作物だけ作ること)で生産されています。森を切り開き、農薬や化学肥料を多用するため、生態系の破壊を引き起こしています。また、子どもが学校に通うこともできずに強制的に働かされている児童労働の実態も深刻な問題として認識されつつあります。

産地であるインドネシア領パプアは、世界で二番目に大きな島であるニューギニア島の西半分を占め、250を超える先住民族が豊かな自然と共存した暮らしを営んできました。しかし、グローバル化の波はパプアの天然資源を目当てに押し寄せ、多国籍企業による大規模な鉱山、天然ガス、林業、アブラヤシ(パームオイルの原料)プランテーションなどの開発が先住民族の文化と生存を脅かしています。

たわわに実ったカカオの実

たわわに実ったカカオの実
たわわに実ったカカオの実

カカオの実を持つ女性(パプア)

実の中には白い果肉に包まれたカカオ豆が並んでいる

カカオの実を持って出荷へ

カカオ豆を持って出荷へ
カカオ豆を持って出荷へ

カカオ豆を発酵させる

カカオ豆をゆっくり発酵させる

熟成させたカカオ豆の天日乾燥

熟成させたカカオ豆を天日乾燥する

乾燥させたカカオ豆

乾燥させたカカオ豆

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こうしたなかATJは、パプアで先住民コミュニティに長年寄り添って、先住民族の経済的自立を促すプログラムを行っているパプア農村発展財団(YPMD-Papua)※とパートナシップを組み、生産者から直接カカオ豆を買付けて、発酵・乾燥という一次加工を行う事業をパプア州都ジャヤプラで立ち上げました。パプアから出荷された乾燥カカオ豆は、東ジャワにあるインドネシア国立コーヒー・カカオ研究所でカカオ・マスとカカオ・バターに加工され(二次加工)、日本で最終のチョコレート製品にされます。初年度となる2012年は12.5トンの乾燥カカオがパプアから出荷されました。

パプアにカカオがもたらされたのは、オランダの植民地だった1900年代半ばでした。赤道直下にあるパプア北部は年間を通して日射と雨に恵まれ、カカオの生育に適した土地です。パプアの人びとは広大な森の中でカカオの栽培を行っています。今回、民衆交易という形で、自分たちが育てたカカオから作ったチョコレートを食べる日本の人たちと直接繋がることにパプアの人びとは並々ならぬ期待を抱いています。

パプア人自身が中心的担い手となるこの民衆交易事業は、現地では画期的なことです。パプアは天然資源の宝庫ですが、それを経済的価値に置き換えるビジネスは、インドネシア各地から流入する移住民や外国の多国籍企業によって独占されています。パプア人は経済活動のなかで完全に蚊帳の外に置かれ、自分たちの土地でありながら、目の前で展開している事象の「傍観者」になっているのです。

一方、このカカオの民衆交易では、「パプア人の、パプア人による、パプア人のためのカカオ事業」を現地で推進し、国境・人種・文化の違いをパワーにして、カカオを作る人、チョコレートを食べる人が相互に学び合い、励まし合いながら人と自然にやさしいチョコレートを一緒に創造していくことを目指します。こうして作り上げられたチョコは、最高に美味しい「チョコラ デ パプア」になるでしょう!

※パプア農村発展財団(YPMD-Papua)

1984年設立のNGO。「パプアの民衆が自然と共生する豊かな未来を自らの力で切り開いていくために民衆が自立できる経済活動を発展させていく」という基本理念のもと、民衆経済発展プログラムを実施してきました。農業生産や農産物の流通・販売の支援、貯蓄プログラム、村での雑貨店(キオス)の運営などです。

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