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人から人へ、手から手へ

KF研修農場からネグロス東州バナナ産地L.カンダボンでの交流~生活クラブ関西ネグロス交流ツアーより~

KF研修農場からネグロス東州バナナ産地L.カンダボンでの交流~生活クラブ関西ネグロス交流ツアーより~

研修生が栽培する野菜が、農場の緑のじゅうたんとなっています。

研修生が栽培する野菜が、農場の緑のじゅうたんとなっています。

KF研修農場では、昨年末に入所した第4期生は卒業してそれぞれの地域に戻ったところでした。パンダノンのマカオさんの息子さんには残念ながらすれ違いで会うことができませんでした。訪問日には校長先生役のアンボさんも出張中で、留守を預かるスタッフさんたちが、農場内の説明をしてくれました。BM技術を生かした活性水と液肥は養豚や野菜栽培に利用、バイオガス、そしてバイオガスを利用した発電装置が動いていました。研修生が栽培している野菜も青々と農場を覆い、直売所での販売、近くの市場への出荷は農場運営の収入源ともなっています。

BM活性水プラント

BM活性水プラント

「こんなすてきな研修農場なのになぜもっとたくさんの研修生をとらないの?」という質問に、「ここは農業大学とは違います。教科書もありません。研修生はひとりひとりが手と体を動かして畑仕事を身をもって体験しながら農業というものを習得していきます。そしてコミュニティに戻って地域で役に立つ人材育成をめざしています。大勢では難しいのです」と、第一期研修生で卒業後は研修農場スタッフとして仕事をしているエムエムさんが答えてくれました。

 

台風被害からすっかり回復して、バナナを運んでくる生産者の顔も明るく見えます。

台風被害からすっかり回復して、バナナを運んでくる生産者の顔も明るく見えます。

ネグロス東州までサトウキビ畑を延々走って移動して到着したのはマンフヨッド町のL.カンダボン地域でした。今回は3回目の訪問です。2年前には地域にたくさんあるココナッツからつくったココナッツオイルを利用して、生協組合員とバナナ生産者がいっしょに石鹸をつくりました。「日本ではなぜ石鹸か?、なぜ植林か?」について、生協組合員が日本で学習した「水の循環のお話し」を生産者にしました。そして、マホガニー、コーヒー、ジャックフルーツの苗木を生産者といっしょに記念植樹しました。昨年は、大阪で実践されている「子供たちのための山の学校」の話をしました。みなさん「ここはいつも山のなかに子供たちがいるよ!」みたいな顔で聞いていましたが、日本ではそのような教育が必要であることをわかってもらいました。そして最後はみんなで植樹です。生憎前年植えた木々は日照りの影響を受けたということで、ココナッツの木の間に植樹をしました。

「時々鉛筆みたいなは言い過ぎだけど・・・、細いバナナが届くとね・・・」というツアー生産者に、「これはどう?」と生産者協会の委員長。

「時々鉛筆みたいなは言い過ぎだけど・・・、細いバナナが届くとね・・・」というツアー生産者に、「これはどう?」と生産者協会の委員長。

L.カンダボンは昨年末の台風被害がひどく、8割以上のバナナが倒れてしまいました。今年上半期は生産者もつらい状況でした。すでに日本に報告があった「バナナからの収入から貯めた貯金を切り崩しながら危機を乗り切り、バナナが回復した5月には豚の餌も買えるようになった」というアディさんに詳しい話を聞いてみました。L.カンダボンの生産者たちは元々野菜づくりなどもしている山の農民です。その野菜の販売を州政府がバックアップする形として、無料でトラックを貸し出しています。L.カンダボンの生産者たちはそのトラックを利用して、バイス町の市場に生産物の協同出荷をしています。

小さな有畜農業を始めたアディさん(右側)

小さな有畜農業を始めたアディさん(右側)

また、マンフヨッド町では昨年、農民への子豚の配布プロジェクトを実施しました。ちょうどそのころに、ATCの段取りでネグロス東州のバナナ生産者対象に、KFファーム視察ツアーを実施しました。アディさんも仲間といっしょにそのツアーに参加して、KF研修農場の養豚をみてきました。そして地方行政から配られた子豚を育てました。餌は配合飼料に自分でつくっている野菜くずをまぜて使っています。バナナからの収入からの貯金をつかって餌を購入していました。雌豚を肥育して子供を産ませ、雌豚を除いては子豚を売っています。肥育には餌がたくさん必要となるからだそうです。溜まってしまった雌豚を扱いきれなくなり、9人の仲間に配ったことがありました。ほとんどが継続できなかった理由は、餌を調達できなくなったからだそうです。アディさんの場合は、バナナからの収入と野菜からの収入があって養豚とつながり、養豚からも収入を得られるようになりました。豚の糞尿は有機肥料として野菜づくりに利用しているということです。このこともKF研修農場で見て来たことをやってみているとアディさんは話してくれました。バナナ生産者が創り上げた小さな循環がありました。そして、その循環が台風被害による危機を乗り切る力ともなったようです。
そして今年は、漁師さんが書いた「山に木を植えました」という絵本を使って、日本の子供たちの教育として絵本の読み聞かせを紹介しました。山の森林をくぐりながら流れる水が栄養豊かな水となって海に注ぎ、途中の農作物はもとより海の生き物の糧にもなるというお話しです。最初は「また植樹~?」といいたげな顔で聞いていた生産者たちの表情が循環のお話しに興味をそそられている表情に変わったように思えました。
そして、今年もまたみんなで植樹をしました。

今年も、いっしょに植樹

今年も、いっしょに植樹

生産者といっしょに植樹

生産者といっしょに植樹

 

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