Moms Across America ゼン・ハニーカットさんからのメッセージ
オルター・トレード・ジャパンでは遺伝子組み換えと健康被害の問題に焦点をあてたドキュメンタリー映画『遺伝子組み換えルーレット』の日本語版の企画を作り、多くの方のご支援を得て、昨年2015年10月末、完成にこぎつけることができました(制作販売PARC)。
この映画でも注目されたのが米国の子どもたちに急増するアレルギーや自閉症のケースです。映画の中では遺伝子組み換えを含む食品を一切食事から外し、有機食品に変えることによって、その症状が激減するケースが多いことが報告されています。
そうした情報は子どもを持つ多くの親に共有され、多くの改善例がさらに多くの親たちに広がる結果となり、急速に広がりつつあります。そうした活動を担っている団体の1つがMoms Across America(アメリカ中の母親たち)という市民団体です。
この団体を創設したゼン・ハニーカットさん(Zen Honeycut)にお話を伺いました。
ゼンさんのお話をぜひお聞きください。
ゼンさんのお話にあるように米国ではさまざまな慢性疾患が遺伝子組み換えの導入以降急増しています。しかし、その関連の証明は困難です。しかし、遺伝子組み換えを含む食品を食べないことで症状が改善するという事実は大いに注目すべき事実でしょう。そして、単に遺伝子組み換えでない、というだけでは十分でないとゼンさんは言います。
なぜなら、モンサントの農薬グリホサートは現在、小麦など遺伝子組み換えでない作物の収穫直前に収穫を効率的に行うために使われるようになっています。プレハーベスト散布とよばれます。右のグラフは小麦のプレハーベスト散布に使われるグリホサートの量とアレルギーに関係するセリアック病の発生数の推移を合わせたグラフです。このグラフではもちろん、因果関係はわかりませんが、グリホサートの危険の可能性は十分あると考えられます。ゼンさんはNon-GMOに留まらず、グリホサートなどの農薬が一切使われていない有機食品の摂取に切り替えます。その結果、息子さんの症状は改善に向かったそうです。
その経験を少しでも広く伝えたいと感じて、Moms Across Americaを創設し、お母さんたちからお母さんたちへと伝える活動を開始したということです。現在、米国ではNon-GMO市場、有機食品の市場が急激に大きくなっています(右グラフ参照)が、その背景には人びとの間にこうした食に対する懸念が深まっている状況があります。
昨年、米国では遺伝子組み換え作物の栽培が始まって初めて、遺伝子組み換えトウモロコシの耕作面積がわずかですが減りました。遺伝子組み換えの栽培国は20年かけて、世界で28カ国に過ぎず、一方、栽培を禁止する国は38カ国に及んでいます。世界の農地で遺伝子組み換え作物が占める割合はわずか12%に過ぎず、耕作国の中でも撤退を決めた国、規模を縮小した国も出てきており、広がってはいません。
しかし、一方で米国での遺伝子組み換えの耕作は大きくは減っていません。米国内でNon-GMOが求められ、遺伝子組み換えへのニーズは減っていることを考えると、それはどこに行っているのでしょうか?
残念ながら、その多くが日本を含むアジアに向かっていると考えざるをえません。日本では家畜の飼料の圧倒的な部分は遺伝子組み換えであり、食料油や加工食品の原料としても大量に使われています。日本の遺伝子組み換え表示制度はとても緩く、肉の飼料は表示の対象とならず、食料油、加工食品の多くのケースで、表示が必要ありません。知らない間に多くの遺伝子組み換えを食べているのが日本の現実です。そしてアジアの国々でも情報が十分共有されていない状況になっていると思われます。
そして、今、多くの食品企業が遺伝子組み換え原料を使い始めており、ますます多くの遺伝子組み換え食品が消費されている状況になっています。
今、日本でも、米国の消費者の声、特にお母さんたちの声に耳を傾け、その経験から学ぶべき時が来ているのではないでしょうか?
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