レポート

【台風30号ヨランダ復興】 漁業用小型ボート引き渡し式典に参加しました-ネグロス、オールド・サガイ村-

2014年5月23日

ネグロス島北部に位置しているサガイ市オールド・サガイ村。海外沿いに位置している同村は、昨年の台風ヨランダを受けた地域の1つです。ATCは、オールド・サガイ村で①漁業用小型ボートを30艘供与、②魚の燻製加工場の建設の2つの復興支援プロジェクトを実施しています。

プロジェクトの概要

そのオールド・サガイ村で漁業用小型ボートの引き渡し式典が4月25日(金)に行われ、ATJフィリピン駐在員である私も同式典に参加。式典の様子をご報告致します。

日本とフィリピンの「絆」を実感

当日はATCスタッフ、ATMCスタッフ、漁業用小型ボートの受益者30名とその家族、魚の燻製加工場の受益者10名など総勢約200名が式典に参加。式典の前にはオールド・サガイ村の教会でミサが行われました。

供与された漁業用小型ボート30艘。

ミサでは、アルミナザ司教が利己主義を捨て、他を思いやる気持ちの大切さを説き、オールド・サガイ村で行われている2つのプロジェクトは人々がお互いを思いやっている証であると説明。
その後、式典会場に移動。式典では様々な方からのメッセージがあり、プロジェクトの受益者の代表からはプロジェクトに対しての感謝、同プロジェクトが受益者及びその家族にとってとても大きな意義があることが話されました。漁業用小型ボート30艘は漁師1人1人に供与されます。そのため、ボートを供与することが、その漁師と家族の生活に直結します。

式典では私もメッセージを送る機会があり、「絆」という言葉を中心に以下の内容のメッセージを伝えました。

「台風ヨランダの被害は日本でも大きく報道され、多くの人々がフィリピンの人々のことを心配し、寄付を行いました。日本も2011年3月11日に東日本大震災を経験し、その時はフィリピンを含め多くの国々からの支援があり、復興に大きく貢献しました。今回、台風ヨランダ被災地へ寄付して下さった団体の中には、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県・福島県が活動拠点である生協も含まれています。東日本大震災以降、人々の繋がりを表現するために、日本では「絆」という言葉が良く使われましたが、今回式典に参加することで、フィリピンの人々と日本の人々の「絆」を実感することができました。今後、まだまだ厳しい場面に直面すると思いますが、多くの人が皆さんの復興を願っていることを忘れないで下さい。」

小型ボートの試験運行に同乗
引き渡し式典後は、昼食としてオールド・サガイ村で採れた美味しいシーフードを満喫。その後漁業用小型ボートの試験運行が行われました。

ボートに同乗しました

何名かのATCスタッフ、私も試験運行に同乗。私が同乗した船はサニー・ロメロ氏が運転。試験運行中に様々な話をして下さりました。

供与された漁業用の小型ボートを受け取ったサニー・ロメロさん

サニー・ロメロさんは38歳で、4児の父。漁に出るのは夜7時頃、戻ってくるのは翌朝5時頃とのこと。通常は1回の漁で4~5kg程度、大漁の時には12~15k程度の魚を捕ることができるとのことです。魚の販売価格は種類によりますが、約120ペソ(280円相当)/kgで販売することができるそうです。
漁業用小型ボートは順調に動いており、オールド・サガイのきれいな海を満喫。ボートを運転するサニー氏の姿も誇らしげでした。今後30艘の漁業用小型ボートはオールド・サガイ村の漁師の生活の糧として大活躍することでしょう!
(ATJフィリピン駐在員 黒岩竜太)

式典を終えてみんなで記念撮影

 

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