2013年フィリピン・ボホール島地震、台風30号被災及び支援状況について現状のまとめ(スライド)

2013年12月24日

この間報告しました、2013年フィリピン・ボホール島地震、台風30号被災及び支援状況について現状をわかりやすくスライドでまとめました。引き続きご支援の程お願い致します。

『アジアのコーヒー 東ティモール(ドリップバッグ)』販売開始のご案内

2013年12月4日

「アジアのコーヒー」シリーズの新商品、東ティモール(ドリップバッグ)の販売開始をご案内致します。是非お試し下さい。
東ティモールは、今年5月で独立から11年を迎えました。自立した地域づくりをめざし少しずつ前に進んでいます。今後とも、『東ティモールコーヒー』を御愛顧いただきますよう、よろしくお願いいたします。

つくる人と飲む人がつながるコーヒー『アジアのコーヒー』シリーズでは、第1弾の『東ティモール』、第2弾の  『ラオス』、第3弾の『アジアンブレンド』(東ティモールとラオスのブレンドタイプ)に続き、よりお手軽に美味しい コーヒーをお楽しみいただけるドリップバッグタイプの『アジアのコーヒー 東ティモール(ドリップバッグ)』を販売開始いたします。
私たちが住むアジアにも美味しいコーヒーがあります。そのコーヒーをたくさんの方においしく飲んでいただくことが、東ティモールの人々のより良い暮らしづくりにもつながります。同じアジアのつくる人と飲む人がつながる。そんなコーヒーになることを目指しています。
東ティモールの生産者がコーヒーの実の摘み取りから、水洗処理、パーチメント乾燥を手作業で行い、脱穀、選別と丁寧に処理して出荷した豆を、最適の焼き加減で焙煎しました。しっかりとした苦味、ほのかな甘み、やわらかな酸味が特徴です。ブラックはもちろん、ミルクをたっぷり入れたカフェオレもお薦めです。

≪味のバランス≫
苦味★★★★
酸味★★
甘み★★
香り★★★★
コク★★

商品詳細:
*商品名:アジアのコーヒー 東ティモール(ドリップバッグ)
*内容量: 8g×8ピース /パック(個包装タイプではありません)
*賞味期限:製造日より6ヵ月
*ご発注単位:20パック/ケース

個人でご購入される方 → [button link=”http://www.aplashop.jp/shop/” color=”orange”]APLA オンラインSHOPへ[/button]

店舗・卸でご購入される方は、ATJまでお問い合わせ下さい

台風30号ヨランダによるパナイ島バナナ生産者の被災状況をお伝えします(第4報)

2013年11月29日

台風30号ヨランダによるパナイ島バランゴン生産者の被災状況についてATC社が動画(英語版)を作成致しました。
動画には2つの家族が登場します。(英語字幕となりますが、抄訳は以下の通りです)
アナニアス・ラチカさん(78歳)とネニタ・ラチカさん(76歳)夫婦は、カーレスに住むバランゴンバナナ生産者。
これまで2週間ごとにバナナ800本を出荷していましたが、台風でバランゴンバナナや他の作物は全滅、家屋も壊れ、すべてを失ってしまったと話しています。

チャーリー・カノイさんはサン・ディオニシオ町のフィールド・アシスタント。
台風警報はありましたが、これほど強い風と雨とは予想していなかったそうです。家は海の近くにあり、押し寄せる大波を見て何とか山に逃げて難を免れました。
すべての財産を残して逃げましたが、7か月の子どもを含む家族の安全が何より大事だったと語っています。

3分弱の動画です。ぜひ、ご覧ください。

台風30号ヨランダ フィリピン・ネグロス島、パナイ島被災者支援のお願い

2013年11月20日

去る11月8日にフィリピン中部を横断した台風30号(フィリピン名:ヨランダ)は、頻繁に報道されているレイテ島、サマール島以外でも広範な地域で甚大な被害を残しました。バランゴンバナナ、マスコバド糖生産者やオルター・トレード社(ATC)関係者で死傷者は報告されていませんが、ネグロス島及びパナイ島北部での被害が甚大であることが判明しました。ATC社では同地域被災者への緊急支援を行うことを決定し、これに応えATJ、APLAでも日本側での募金活動を行なうことにしました。

11月8日にフィリピン中部を横断し、レイテ島、サマール島に記録的な被害をもたらした台風30号(フィリピン名:ヨランダ)は、ネグロス北部、パナイ島北部を通過し、強風、高潮による甚大な被害が発生しました。

パナイ島北部にはバランゴンバナナ生産者約200世帯がいます。先週ようやくATC社の調査チームが産地に入ることができ、食料パックを配布しました。報告によると、バランゴンバナナは全滅状態、他の作物も大きな被害を受けているそうです。また、約90%の生産者の家屋が全壊しました。
また、ネグロス北部にある島々は、ATC社の産地ではありませんが、ネグロスで最も甚大な被害を受けた地域です。
そのため、ATC社ではネグロス島、パナイ島において次の内容の緊急支援を展開することを決定しました。

パナイ島 被災者

 

【緊急救援】◎食料パックの配布(対象:ネグロス島北部、パナイ島北部で延べ約3,000パック、生産者でない一般住民2,000家族を含む)
◎家屋再建のための資材提供(対象:パナイ島バランゴンバナナ生産者197世帯)
◎充電機材の提供(対象:パナイ島バランゴンバナナ産地、電気復旧の目処が当分たたない為)

緊急支援の予算は約160万ペソ(約370万円)が見込まれています。

【復興支援】
バナナや他の作物に大きな被害を被ったネグロス島北部のバナナ生産者(268家族)、パナイ島のバナナ生産者(197家族)に対して中期的な復興支援を実施します。
◎当面の生計補助
◎作物種子の提供
◎バランゴンバナナの株、肥料の提供
などを予定しています。収集した被災状況の情報に沿って支援計画、予算案を具体化します。

皆さまのご協力、ご支援を宜しくお願い申し上げます。

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募金の振込は以下へお願い致します。

■ 郵 便 振 替
00190-3-447725 特定非営利活動法人APLA
※通信欄に「バナナ産地支援」と明記ください。
■ 銀 行 振 込
 
みずほ銀行高田馬場支店(普通)2650327 特定非営利活動法人APLA
※APLA事務局へご入金の旨と募金先をご連絡ください。

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■お振込みに関するお問い合わせ・ご連絡先

特定非営利活動法人 APLA
〒169-0072 東京都新宿区大久保2-4-15サンライズ新宿3F
Tel: 03-5273-8160 / Email: info@apla.jp

■被災状況や支援活動に関するお問い合わせ先:

(株)オルター・トレード・ジャパン(ATJ)企画本部政策室
〒169-0072 東京都新宿区大久保2-4-15サンライズ新宿3F
Tel:03-5273-8176 / pr@altertrade.co.jp

◎    振込に関するお願い

ATJ/APLAでは10月15日にボホール島で発生した地震被災に対する支援文書も送付しております。また、同じ台風30号で被害を受けたレイテ島、セブ島、ネグロス島被災者への支援をAPLAが呼びかけています。振込先が同じですので、募金先に希望がある場合は必ず「ボホール地震支援」「ヨランダ台風支援」「バナナ産地支援」とご明記ください。明記がない場合、もしくはご連絡がない場合はこちらで割り振りさせていただきます。

台風30号ヨランダの被害状況について(第3報)パナイ島被害状況について

2013年11月19日

台風30号ヨランダのパナイ島バナナ生産地への被害状況についてお伝えします。

パナイ島には約200名のバランゴンバナナ生産者がいます。その安否確認と被害状況の確認のために、パナイ島のバランゴンバナナのオペレーションを行っている現地パートナー団体「PARTNER」とATC社のスタッフが被災者への緊急支援物資を携えて、14日からパナイ島に向いました。

パナイ島北部の海岸では、今回の巨大台風により、13メートルを超える高波が起こり、甚大な被害が発生しているとの報告がありました。台風でバナナは倒されてしまい、またマンゴの木も根こそぎ倒れているような状況です。ATC社のスタッフは、持参した緊急救援物資を被災した生産者に緊急支援物資の配布を行いました。

引き続き他産地の情報等入りましたら、随時HPに掲載します。

 

倒されたバナナ

倒されたバランゴンバナナ1

台風の強風により倒されたバランゴンバナナ

倒されたバランゴンバナナ2

強風によりマンゴの木も根こそぎ倒れています

被害を受けた住宅

仮設で屋根を設置

ATC社のスタッフが、被災者に緊急支援物資を手渡しました。

ATC社のスタッフが、被災者に緊急支援物資を手渡しました。

ATJではFACEBOOK(https://www.facebook.com/atj89)で現地より入手した情報を随時発信していきます。
企画本部

台風30号ヨランダの被害状況について(第2報)

2013年11月13日

台風30号ヨランダは大きな爪痕を残しました。11月13日19時現在、ATC社などを通じて得た現地の状況をまとめてお伝えします。

【パナイ島】
○台風30号が再上陸したパナイ島北部は、風速がレイテ島と同程度で甚大な被害を受けました。未だに電気や通信網は復旧されていません。
○同地域には約200名のバナナ生産者がおりますが、11月13日現在まだ連絡がついておりません。人的被害を含め被災状況が未確認です。
○ATC社スタッフが緊急支援物資(250パック)を配布するための袋詰めを行いました。12日にネグロス島の南を通過した熱帯低気圧の影響でフェリーが欠航し、ようやく14日未明のフェリーでATCスタッフ3名がパナイ島現地に入り生産者、産地の確認を行いながら、被災した生産者等に救援パックを配布する予定です。

【ネグロス】
○ネグロス島北部では約900戸の家屋が倒壊し、海岸沿いに住む住民を中心に約11万3千人が避難しました。現在も停電が続いている模様です。
○11月13日現在、ネグロス島ではバナナとマスコバド糖生産者、ATC関係者で死傷者が出たという報告は入っておりません。
○しかし、海岸に近いシライ、カンルソン、イリハンなどといった産地は、台風による強風の影響で、70%以上のバナナが強風によって倒されてしまいました。
また内陸に位置するDSB(2012年に来日したマカオさんはDSBのパンダノンに住んでいます)は、海岸に近い産地よりも被害は小さいものの、50%近くのバナナが被害を受けています。
○カネシゲファームではバナナや木々、とうもろこしがなぎ倒されたなど作物への被害はありましたが、スタッフたちはみんな無事です。
○ネグロス西州中部に広がるマスコバド糖のサトウキビ産地では作物に対する被害はありません。
○ネグロス東州では台風の影響は西ネグロス州に比べ小さい模様です。バランゴンバナナは強風の影響を受けましたが、バナナの葉が切れ切れになる程度でした。
2011年末に発生した台風センドンで洪水被害を受けたタンハイ地域でも、今回の台風による洪水被害はありませんでした。

【ボホール島】
○10月15日に地震被害を受けているボホール島では、現時点で台風30号による大きな被害の報告はありません。ATCスタッフ6名が支援物資の配給及び生産者・産地の状況確認のためにボホール島へ渡る予定でしたが、熱帯低気圧の影響で船が欠航、ドマゲティに足止めされました。今日(13日)フェリーの運航が再開されたので、明日現地に入り物資の配布をおこなえる見込みです。

ATJではFACEBOOK(https://www.facebook.com/atj89)で現地より入手した情報を随時発信していきます。

企画本部 政策室

超大型台風「ヨランダ」によるバランゴンバナナ産地の被害状況について

2013年11月11日

台風30号の進路(その1)118日(金)、史上最大級の台風30号(フィリピン名:ヨランダ)がフィリピン中部を横断し、広い地域で甚大な被害をもたらしました。特に台風が直撃したレイテ島の中心都市、タクロバン市では1万人以上の死者が出ているという報道も流れています。

 ATCではバランゴンバナナ及びマスコバド糖産地の被害状況について調査を始めていますが、通信網、道路が寸断されているため、現時点ではどの程度の人的被害、バナナの被害状況があったのか把握できていません。ただ、生産者と連絡がついていないパナイ島を除くと、現時点では生産者や関係者に人的被害があったという報告は入っておりません。また、ATJ現地駐在員の黒岩も無事が確認されています。

 同台風は中心部付近の勢力が非常に強く、その進路から考えるとバランゴンバナナ産地では、ネグロス島北部とパナイ北部にある産地で被害が大きいおそれがあります。

また、先月大きな地震に見舞われたボホール島や台風の中心部から離れているその他の産地では被害規模は比較的小さいと予想されますが、具体的な状況は確認中です。

今後、ATCでは早急に産地の状況を調査し、救援活動の必要性について検討を進めるとのことです。ATJATCからの最新状況をウェブサイト等を通じて皆様にお知らせしてまいります。

お問い合わせ先:

ATJ政策室 小林(TEL03-5273-8176

バランゴン生産者ら3名が来日します。

2013年9月3日

9月3日、バランゴン生産者ら3名が来日し、約2週間の日程で消費者と交流します。今年は初めてミンダナオ島から2名のゲストを迎えます。

ビクター・コルテスさん

ビクター・コルテスさん

(1) ビクター・コルテスさん
ミンダナオ島南コタバト州ツピのバランゴンバナナ生産者です。2002年からバランゴンバナナの栽培を始め、現在は3.5ヘクタールで作付しています。ツピの生産者の多くは、商品作物づくりを心得ている自営農民が多く、バランゴンバナナ栽培を通じて有機農業を知り、実践しています。

 

 

 

 

 

ジェイムズ・シモラさん

ジェイムズ・シモラさん

(2) ジェイムス・シモラ
ミンダナオ島の一つの産地、レイクセブの生産者を支援するNGO、アッパー・アラー渓谷農事法人理事です。カトリック教会、NGOや地方行政を通して地域開発活動に関わってきましたが、2004年民衆交易バナナと出会いました。現在、レイクセブの先住民のバランゴンバナナ生産・出荷の責任者を務めています。

 

パウロ・ギニャボさん

パウロ・ギニャボさん

(3) パウロ・ギニャボ
バランゴンバナナの出荷を担うオルター・トレード社(ATC)職員。営業部:マスコバド糖のフィリピン国内販売及び広報交流プログラム担当です。昨年に続いて2回目の来日となります。

昨年来日したのはネグロス島の生産者、マカオさんです。好評だったマカオさんの収穫日の様子を描いたビデオはこちらから。

カカオ生産者、自らの豆を加工することに挑戦

2013年8月26日
カカオの花

カカオの花

カカオ・キタ(カカオ豆の集荷、加工、輸出を担うために設立された現地会社)では今年4月からカカオ豆の買付を6つの村で行ってきましたが、8月に入り今期収穫シーズンもそろそろ終わりに近づいてきた気配です。村人の話では、森のカカオの木には可憐なカカオの花が咲き始めているそうです。花からカカオの大きな実がなりますが、それには約6か月かかります。この間に適量の雨が降れば、おいしいカカオに育ちます。この花が咲く時期に大雨でか弱い花が落ちないことを祈るのみです。

生産者が加工した豆

生産者が加工した豆

ケヒラン加工場を訪れ、加工方法を確認する生産者
ケヒラン加工場を訪れ、加工方法を確認する生産者

ところで、今期はカカオ豆の買付方法でひとつの試みを行っています。それは、生産者が生豆を質の良い乾燥豆に加工することです。今までは、カカオ・キタが生豆を生産者から買付け、加工場で乾燥と発酵を行っていました。しかし、これでは生産者に進歩はありません。そこで、村の世話人(カカオ・キタの協力者)3人に、発酵箱と乾燥台を貸し出して、基準に沿った加工に挑戦してもらうことになりました。はじめてまだ一ヵ月くらいですが、出来は上々です。カカオ・キタは生産者が加工した乾燥豆を適正価格で買い取ります。こうすることで、生産者側によりおおくの現金が落ちることになるのです。まずは少人数の人びとに試してもらい、成果を出せば他の生産者もきっと真似てみたくなるでしょう。良質のカカオ作りに精を出すことで品質への意識が高まることを期待しています。

津留歴子

東ティモール:今年の収穫の様子~その2

2013年8月23日

タロ加工所でも、天候不順によって乾季に降りやまない雨の影響を大きく受けました。

乾燥工程での難しさを共有するタロ加工所責任者のジュリオさん(右)とATTのエバンさん(左)

乾燥工程での難しさを共有するタロ加工所責任者のジュリオさん(右)とATTのエバンさん(左)

特にパーチメントの乾燥はたいへん苦労しました。乾燥のうまくいかなかったコーヒーは、残念ながら日本へは輸出しません。ATTでは、乾燥のうまくいったものとうまくいかなかったものをロット管理しています。
また、同加工所では、ATTスタッフのエバンさん&ルシオさんが赤く完熟した実だけの出荷を生産者に呼びかけました。毎日の集荷の際、生産者に繰り返し呼びかけたことで、緑の未熟のものや黒く過熟したものを取り除いて、赤い完熟の実だけを持ってきてくれる生産者も出てきました。ATTスタッフのエバンさんとルシオさんは、生産者に伝え続けてゆくことが大切だと語ります。それによって、少しずつ少しずつ生産者の意識を変えてもらって、東ティモールコーヒーの品質向上につなげたいと考えています。

既に咲きはじめたコーヒーの花(2013年8月初旬撮影)

既に咲きはじめたコーヒーの花(2013年8月初旬撮影)

毎年10月、コーヒー産地のエルメラ県は白くてかわいいコーヒーの花が咲き誇ります。しかし、今年の天候不順の影響によって、8月初旬にすでに花が咲きはじめています…。今はようやく雨が降りやんだのですが、もしも今度は雨季がずれ込んでしまったら、花が枯れて実が発育する時期に雨が降らず、実が発育しない恐れがあります。
主な収入源であるコーヒーの作柄が生産者の心配事になっています。

 

ATJ事業部商品課 名和

東ティモール:今年の収穫の様子~その1

2013年8月16日

8月に入り、エルメラ県はほぼコーヒー(アラビカ)の収穫が終わりました。

ゴムヘイの生産者とATTスタッフ

ゴムヘイの生産者とATTスタッフ

平年、収穫シーズンは乾季に当たりますが、今年は雨が降りやまない状況が続きました。そのために、コーヒーの実(チェリー)が、収穫する前に雨に打たれて落ちてしまったり、収穫してからすぐに黒くなってしまったりしました。また、コーヒー畑の地面がぬかるみ収穫作業が困難になったり、パーチメントの乾燥中に雨が降ってきて中断したり、生産者にとっては難しい年となりました。

 

そんな中でも生産者の皆さんは、美味しい東ティモールコーヒーを日本の消費者の皆さんに届けるために、ATTのルシオさんと収穫シーズン前に再確認した品質基準に見合った加工方法をしっかりと守って、良質なパーチメント生産に励んでくれました。

 

雨の影響によって、残念ながら各生産者の今年の生産量は例年より減少傾向ですが、今年も美味しい東ティモールコーヒーが日本へ届きます。どうぞお楽しみに♪

今年のコーヒーをカップテスト(試飲)するATTスタッフたち

今年のコーヒーをカップテスト(試飲)するATTスタッフたち

 

ATJ事業部商品課 名和

東ティモール:コーヒーからつながるひよこプロジェクト その1

2013年4月10日

東ティモールの子どもたちが食卓でもっとたくさん卵と鶏を食べられるようになり、栄養状態の改善を支援したい。

典型的な庭先養鶏の風景

東ティモールでよく見かける庭先養鶏の風景です

そのために、エルメラ県のコーヒー生産者が庭先養鶏のノウハウを習得・実践し、生産性を向上させる小さなプロジェクトが始まりました。

東ティモールの村々では、人々が鶏を飼っている光景は日常的です。しかし、その方法はまったく粗放的なものです。鶏舎はなく、鶏は昼間は放し飼い、夜間は木の上か軒下の籠で寝ています。そのため、動物(鷲、蛇、ねずみ、犬)による獣害が頻繁に起こっています。

親鶏が産卵・孵化する籠は、薪で調理するため煙でモクモクの台所の隅に吊り下げられていたり、中には屋外の物置やコーヒー果肉除去機のチェリー投入口に置かれたりしています。

病気が発生しても人々は有効な処方を知りません。ただ自分たちが飼っている鶏が死んでゆくのを見守るだけという状況です。

餌はトウモロコシ、キャッサバ、生米を与えています。しかし、栄養が十分ではなくて雛が死んでしまったり、誤って石を食べて死んでしまう成鶏がいたりします。

このような状況において、限られた現金収入の中、人々が日常的に卵と鶏を食べることは出来ず、伝統的な行事などのハレの日にしか食べられません。

こうした現状を改善するため、オルター・トレード・ティモール(ATT)にコーヒーを売っているポエテテ村レキシ集落の生産者6世帯は、まず村にある竹や木材を自主調達し、鶏舎を建設しました。鶏と雛は喜んで鶏舎の中で過ごすようになり、外に出たがることもありません!これによって、獣害を減らしたいと考えています。

同時に病気対策、給餌の改善、生産記録付けといった改善策に取り組んでいきます。その様子を今後レポートさせていただきます!

(事業部商品課 名和尚毅)

鶏舎用地の測量作業

鶏舎用地の測量作業

 

完成した鶏舎に鶏を放す

完成した鶏舎に鶏を放す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※このプロジェクトの運営資金は、(株)大地を守る会のレギュラーコーヒー「東ティモールコーヒー」の売上げの一部を積み立てる「東ティモールこども基金」を活用しています。

 

村井吉敬さんがご逝去されました

2013年3月25日

村井吉敬氏(早稲田大アジア研究機構教授)が23日、すい臓がんのためご逝去されました。

『エビと日本人』(岩波新書)の著者としても知られる村井先生。1991年2月、
生協関係者や堀田ATJ前社長とともに、環境に優しい養殖エビを探しにインドネ
シアを訪れました。東ジャワで池を耕し、堆肥を施してエビを育てるハジ・アム
ナン氏との出会いがエコシュリンプ事業につながりました。エコシュリンプの生
みの親と言っても過言ではありません。

24日に執り行われたATINA新工場開所式では、冒頭に全社員が黙祷をささげ、村
井先生の思いを胸に決意を新たにしました。

今年度より開始されたATJカカオ事業では、カカオの産地、インドネシア、パプ
ア州に足繁く通った村井先生から事業化にあたっていろいろと提言を頂きました。

村井先生のご冥福を心からお祈りいたします。

ATINA新工場完成間近です!

2013年3月8日
ATINA新工場加工棟(右)

敷地後方から見た加工棟(右側)

2009年から構想し、2012年8月より建設工事に着工したATINA新工場も、いよいよ完成が目前に迫ってきました。ATINAでは2月半ば現レンタル工場での最後のエコシュリンプ製造を終え、工員さんの中には「(この工場で働いた)8年間で、オートバイ買って、結婚して、子ども生んで、家を建てたのよねー」と感慨深く振り返る人もいました。今度の新しい工場では、どんな夢を実現していくのでしょうか。

工場敷地後方に建てた監査員事務所で作業する監査員たち

監査員も作業

さて追い上げの建設作業の方ですが、監査員たちは自分たちの事務所建設の最後の仕上げに取り組むなど、建設業者が雇っている日雇い労働者に混じって、ATINA従業員も一緒に汗水流しています。廃水処理施設の建設には日本の専門家から指示を仰ぎながら、ATINA技術者や品管担当者が溶接や配管などを器用にこなしています。そして3月5日より、工員さんたちも初めて新しい加工場に入り、新品の機械や加工ラインの掃除を開始。3月24日の新工場落成式に向けて、ATINA従業員総出の作業はますます拍車がかかってくることでしょう!

新品のコンタクト・フリーザーの清掃にとりかかる工員さんたち

新品のコンタクト・フリーザーを清掃中

津留歴子

 

ラオスからサバイディー その3 : 40代ですが、孫がいます。 ウンさん(46歳)

2013年2月20日

***ATJラオスコーヒーは、ラオス南部に位置するボラベン高原(ラベン族が住む高原という意味)で暮らすJCFC(ジャイ・コーヒー生産者協同組合)により生産されています。ここでは生産者の横顔と暮らしを紹介します***

ウンさん夫婦

私はチャンパサック県ムアンコーン郡出身のラオルム族です。従兄弟がノンルワン村にいたので19歳のときにこの村に来て、ここに住もうと思いました。その前はお米を作っていました。今はパクセ出身の妻(カオさん、40歳)とこのノンルワン村でコーヒーを作っています。

私たちには3人の娘と2人の息子がいますが、そのうち4人が一緒にコーヒーを作っています。2人の息子は結婚して子供もいるので、実はもうおじいちゃん、おばあちゃんです。でも、1番下の娘はまだ小学校3年生です。

コーヒーが主な収入源です。ティピカ6,000本、カティモール3,000本、ロブスタ4,000~5,000本を所有しています。ロブスタはすべて切ってティピカに植え替える予定です。肥料としては牛糞などを使用しており化学肥料は使っていません。30年前にコーヒーやお茶の専門機関で栽培について学び、それ以降は人が作っているのを見たりしながら学んでいます。よい品質のコーヒーを作ることをめざして頑張っています。

コーヒー以外に作っている唐辛子、ナス、香菜、ネギなどは自給用です。収入は十分ではありません。お金があったら食べ物や医療費などに使いたいです。

脱穀後の殻を飛ばすウンさん

脱穀後の殻を飛ばすウンさん

JCFCとATJはお互いに嘘をつくことのない、正直でいい関係を築けていると思います。私ももっと品質のよいものを作るので、この関係が長く続くといいと思っています。JCFCにはより高い価格で買ってくれることを期待しています。

オリーブの植樹=農地を守ること

2013年2月15日

1月20日、ヨルダン川西岸地区北部にあるアクラバ村において地元の60名の農民のほか、アクラバ村長、海外からのボランティアが参加し、約10ヘクタールの農地に予定通り2,000本ものオリーブの苗を植えました。

苗を準備する農民とボランティアこれは大地を守る会とATJによる「スマイルオリーブ基金」によるプログラムです。

当日の作業を記録したビデオが届きました。このビデオ(約6分)では植樹作業の様子のほかにアクラバ村の村長、生産者2名のメッセージが収録されています。荒野で育つオリーブ畑の風景、検問所や入植地なども映し出されています。

昨年11月、国連総会でパレスチナが「オブザーバー国家」として承認されました。しかし、その後状況は改善するどころか悪化しているとの生産者の一人のコメントが印象的です。もう一人の生産者は「年に数回は土地を耕し、肥料を与えることで、大切にオリーブを育てています。今年のオリーブの作柄は非常に良く、オイルの品質についてもぜひ期待していて下さい」と話しています。

オリーブは通常4-5年で実がつきます。困難な土地に植えられたこのオリーブの苗が、数年後に豊かに実が結ぶことを願っています。

 

*メッセージには英語の字幕が付いています。日本語抄訳を付けましたので参考にしてください。

【30秒】アクラバ村長・アイマン・バニ・ファデルさん
入植地の近くの農地にオリーブ苗を植樹することを支援してくださる大地を守る会、UAWC、ATJに感謝しています。アクラバ村はヨルダン渓谷までに至る広大な土地でオリーブやいちじく、野菜などを育ててきました。現在、入植者からの攻撃が激化しており、農地没収の危機に脅かされています。UAWCのような団体の支援によって土地に対する農民の意識が強まり、守っていけるよう願っています。

【2分15秒】 農民・ユーゼッフ・ダイリエさん
アクラバ村は周囲を10もの入植地に囲まれ、入植者からの攻撃に絶えずさらされています。オリーブ苗の配布や土地の開墾・再生を共に行うUAWCのプロジェクトは、土地を守ることに非常に重要な役割を果たしています。

【3分10秒】農民・シャヘル・バニ・マネさん
アクラバ村の農民を代表して感謝の気持ちを述べたい。入植者からの激しい圧力にさらされている彼らのような農民を守るため、地元の団体や国際的な団体が積極的に関わることが大切です。農地に行き来し、土地の開墾や手入れを行うことができるよう、農道を開いていくような支援も希望します。今年のオリーブの作柄は質、量ともによかったですよ。これもしっかり耕して土を肥沃にしてオリーブを大事に育ててきたからです。

【4分45秒】農民・ユーゼッフ・ダイリエさん
2012年11月、パレスチナは国連のオブザーバー国家として正式に認められました。しかし、それ以降も我々の状況は何ら変わっておらず、むしろ悪化しているくらいです。イスラエル軍によって守られている入植者たちからの攻撃はより一層激しくなり、パレスチナ自治政府に対してもイスラエルとの境界を認めさせ、一部を放棄させようとする圧力が強まっています。(以上、動画抄訳)

アクラバ村でオリーブの苗を植樹しました。

2013年2月1日

1月20日、UAWC(パレスチナ農業開発センター)が支援するアクラバ村のオリーブ生産者がオリーブの苗を植樹しました。

オリーブの苗を植える

(株)大地を守る会とATJは共同で、イスラエル人入植者によりオリーブの木を抜かれたり、焼かれたりしているオリーブ生産者を支援するため、苗木を提供する基金を昨年10月より始めましたが、この植樹はその基金を活用して行われました。

植樹活動について現地紙「Al Ayam」(英語ではDays、日本だと毎日新聞といった意味のよう)でも伝えられました。記事の中で次の内容が生産者のコメントとして紹介されました。

アクラバ村は周囲を10もの入植地に囲まれ、入植者からの攻撃に絶えずさらされています。この村で土地の開墾とオリーブの苗の配布を行うUAWCの活動は、農地を守ることに非常に重要な役割を果たしています。植樹活動には海外の支援団体関係者も参加しましたが、入植者からの激しい暴力に脅かされている村を守るためにも、海外からの積極的な監視活動、関与が必要です。農作業のため農地に行き来するため農道を整備することが今後の課題です。

 

※基金の目的やアクラバ村の背景はこちらをご覧ください。→オリーブ苗木を植樹してパレスチナ農民を応援します!


男性2名がオリーブの苗を持っている左下の写真の
部分が該当の記事です。

新しく3つのサトウキビ生産者組合が加わりました

2013年2月1日

ATJ最初の民衆交易品であるマスコバド糖の輸入が始まったのは1987年。ちょうどこの年、フィリピンでは砂糖農園を含む商業的農園が農地改革の対象となり、何世代にもわたって働いてきた農園労働者に農地を所有する権利がようやく保証されました。

マスコバド糖の原料となるサトウキビは、生産者組合を結成して協同でサトウキビを生産することを決意した元労働者たちによって生産されています。ATCは作付け資金融資や生産管理指導などを通じて、彼らの自立を支援してきました。さらに、化学肥料を多用する従来の生産方法から、徐々に堆肥などで土壌を豊かにした農地で栽培する有機転換プログラムにも取り組んでまいりました。

昨年、マスコバド糖の民衆交易と有機農業の理念に共鳴する3つの生産者組合が新たに産地として加わりました。農地改革で土地を手にしたナカラン及びマリア・セシリア生産者組合、バランゴンバナナを出荷するパンダノン生産者組合です。この中には有機転換中の生産者だけでなく、有機転換プログラムの参加に向け準備を進めている生産者も含まれています。ネグロスの人々の自立という目的を実現していくために、ATCとATJは転換プログラムに参加する意思を持つ生産者組合から出荷されるサトウキビも使用しています。

上記の変更に伴い、弊社ホームページでも「化学肥料の不使用」という記述は削除しました。引き続き、マスコバド糖をご愛顧頂きますようお願い致します。

(広報室 小林)

東ティモール:新年と雨季とコーヒー予報

2013年1月23日

レテフォホ郡レキサラ集落の小学生たち

新年を迎えて、学校では新学期が始まりました!

東ティモールの人々からはウキウキした雰囲気が感じられます♪

 

ジョン・シメネスさんの奥さんと子どもたち(レキシ集落)

天候は雨季が真っ盛り。

端境期のコーヒー産地では、毎日が雨で、1日中降り続いている日もあります。

今はまだ緑色で未熟なコーヒーの実。収穫の時期には真っ赤に実ります♪

今はまだ緑色で未熟なコーヒーの実。収穫の時期には真っ赤に実ります♪(@ポエテテ村レキシ集落)

 

 

 

 

 

 

来シーズン(2013年収穫分)のコーヒー収穫の作柄をエルメラ県の生産者に聞いたところ、西部のハトリア郡と北部のエルメラ郡は作柄が良さそうですが、東部のレテフォホ郡はあまり良くないようです。

地域によって少々の違いはありますが、2011年のような凶作ではないようで、ほっと胸を撫で下ろしているところです。

2011年の凶作の原因は、前年の乾季に雨が降り続く天候不順の影響で、コーヒーの花が咲く時期(10月頃)に大雨が降って、花が落ちてしまったからです。

ATTのコーヒー生産者たちの中には、現金収入のほとんどを占めるコーヒーからの収入が非常に少なくて、コーヒー収穫シーズンが終わったばかりにも関わらず、現金が底を尽いてしまったという生産者もいました。そこで、ATTは翌年のコーヒー代金の前払いとして米の緊急支援を実施したのです。

 

コーヒーの収穫は5月から始まります。それから約3ヶ月間がコーヒー収穫シーズンです。

その間、生産者は毎日のコーヒー生産で大忙しな日々を送ります。

今年もまた、そのための準備が今から少しずつ始まります―。

大型台風がバランゴンバナナ産地に上陸~ネグロス島及びミンダナオ島北部の被害状況~【216号】

2013年1月1日

 昨年(2012年)の12 月初旬に大型の台風24 号(フィリピン名:Pablo(パブロ))がフィリピンに上陸し、多大な被害を与えました。この台風の影響により540 万人以上が被災し、1000 人以上の人が亡くなりました。

また、気象当局によると、台風24 号の中心付近の最大風速は35m/s、最大瞬間風速は50m/s であり、被害総額は約370 億ペソ(約740 億円)、農業部門への被害総額は約265 億ペソ(約530 億円)に登ります。

幸い、バランゴンバナナの関係者に犠牲者が出たという報告はありませんでしたが、台風が上陸したネグロス島及びミンダナオ島北部ではバランゴンバナナの畑に大きな被害がありました。被害が大きかった産地では、その地域全体の80~90%のバナナが強風によって倒されてしまいました。

今後オルタートレード社は、バランゴンバナナに被害があった生産者を対象に、新たなバナナの作付けの支援などを行っていく予定です。収量の回復には8~10 ヶ月かかる見込みです。

今後、台風の影響による収量不足により、供給面でご迷惑をおかけしますが、回復へ向け努力をしておりますので、今後ともバランゴンバナナをよろしくお願い致します。