イベント:パプア・チョコレートの挑戦 ~現地パートナーを迎えて~

2012年10月26日

長年「民衆交易」を通じて、バナナやエビ、コーヒーなど、アジアの農民と直接関わり合いながら、各地域の資源を生かし、南の生産者と日本の消費者を「顔の見える関係で」つないできた(株)オルター・トレード・ジャパン(ATJ)の商品に、新たにチョコレートが加わることになりました。

インドネシア領パプアから届くカカオで作られるチョコレートは、豊かな大地・森で育ったカカオを活用し、パプアの人びとが自分たちの手で暮らしと地域を創ることで、グローバル化の中で周縁に追いやられている現状を打開し 、持続可能で自立した経済の仕組みづくりにチャレンジする試みそのものです。

パプアのカカオ産地では、2012年より収穫、加工の取り組みが始まりました。初めての収穫シーズンを終えて、パプアよりカカオ事業に取り組む仲間たちが来日します。現場での様子をご紹介するとともに、パプアのカカオの魅力をお伝えしたいと思います。

ぜひ、お申し込みの上、ご来場ください。(終了)

【日程】 2012年11月3日(土)
【場所】 SHIBAURA HOUSE 5F 東京都港区芝浦3-15-4
http://www.shibaurahouse.jp/about/info/
JR田町駅東口より徒歩7分
【時間】 13:30~16:00(13:00開場)
【参加費】 1,000円
★ブックレット『パプア・チョコレートの挑戦』
・ チョコレートのおみやげ付き
【共催】 特定非営利活動法人APLA
株式会社オルター・トレード・ジャパン
2012年11月3日 カカオイベント会場地図

会場地図

≪プログラム≫

=第1部=

2012年よりインドネシア領パプアで始まったカカオの収穫と加工。なぜパプアのカカオなのか? どんな人たちが携わっているのか? カカオ産地ではたくさんの人たちの手によって作られています。カカオ出荷までの過程のエピソードなどを、ゲストの二人を囲みながら、現地の様子をご紹介します。

映像『kakao kita ~わたしたちがつくるチョコレート~』上映

=第2部= カカオの食べ方・デモストレーション

これまで、民衆交易の商品のレシピ化に取り組んでくれた吉田友則シェフに、カカオを用いた様々な使い方を提案していただきます。チョコレートだけに限らない、カカオの魅力に迫りたいと思います!

吉田友則さん(きまぐれや出張シェフ)吉田友則さん(きまぐれや出張シェフ)
横浜にある製菓製パンの専門学校で勉強し、その後料理の世界に入る。2000年からは、出張料理人として、お祝い、法事、新築、新店舗立上げ、婚礼、野外パーティーなどありとあらゆる場所へ全国をまわり、1200件以上の料理を提供。マスコバド糖をきっかけに、ATJ商品のレシピ開発などにも携わってきた。

[ignore]

【お申し込み】

締め切り:2012年10月31日(水) 下記のフォームからお申し込みください。 フォームがうまく動かない場合はFAX:03-5273-8162までお送りください。 ※席に限りがありますので、お早めにお申し込みください。先着順での受付となります。 [contact-form-7 id=”1773″ title=”カカオイベント”]
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問い合わせ先
特定非営利活動法人APLA 吉澤 TEL:03-5273-8160
株式会社オルター・トレード・ジャパン 小林、義村 TEL:03-5273-8163
〒169-0072 東京都新宿区大久保2-4-15サンライズ新宿3F

【エコシュリンプ生産者来日】|資源管理型漁業について学び、海の幸を堪能する(野付訪問その1)

2012年10月25日

野付訪問① 【資源管理型漁業について学び、海の幸を堪能する】1
今回のエコシュリンプ生産者来日の背景の一つは、野付植樹協議会の設立10周年を記念して2012年3月にインドネシアで行われた交流がきっかけでした(当時の報告はこちら。インドネシアで持続的なエビ養殖を営んでいるエコシュリンプ生産者に、今度は野付の資源管理型漁業を見せたい!という有難いお招きに預かり、この度の訪問が叶ったわけです。

さて、乾季で暑いインドネシアから初来日の翌日、羽田空港に集合してさっそく中標津空港まで飛んだレギミンとアサッド。空から見える広大な牧草地を珍しそうにしげしげ眺めるアサッドと、その横で揺れに怯えて縮こまるレギミンが、対照的でした。

野付訪問① 【資源管理型漁業について学び、海の幸を堪能する】2牧草とウシの香る中標津空港から、一路野付漁協へ。ヒトよりウシが多く、あまりに通行人が少ない様子に驚きながらも、広大な土地の真ん中での快適なドライブでした。野付漁協では、3月にインドネシアでお会いした懐かしい皆様がお出迎え下さり、早速、北海道の漁業の概要から、野付漁協の資源管理型漁業への取り組みレクチャーを頂きました。

北海道の年代別漁業就業者は、やはり50代以上が中心。そして全体的には減少傾向にあります。それを見たアサッド(=50歳、孫あり)は、しみじみと一言。「高齢者ががんばって支えているのか・・・」。シドアルジョのエビ生産者でも同じような傾向はあるようで、人事ではないと感じた模様。アサッドにはまだまだ現役で頑張ってもらうとしても、今回残念ながら来られなかったイルルのような若手生産者も一緒に支え合って行ける関係が、これからのエコシュリンプには求められているのです。

野付訪問① 【資源管理型漁業について学び、海の幸を堪能する】3一方、資源が豊富な野付地区の漁場で資源管理型漁業が始まった背景は、乱獲や環境変化による水産資源の枯渇でした。現在は、稚貝の放流や親魚の捕獲を計画的に実施すると共に、漁獲の前には資源量調査を行い、獲り過ぎにならないように漁業制限を設けながら、水揚げを行っています。漁協の組合員もそのことを理解し、「譲りと協同」の思想の下、個々人の漁獲高に固執しない漁業が営まれているのです。

インドネシアではまずお目に掛かることの無いこの取り組み。まずアサッドからは「どういう意識があると、そういうことができるのか!?」と驚き混じりの質問があり、続いてレギミンからは「漁獲制限は政府から割り当てられるものなのか?」と、これも不思議な表情。「自分達で決めて進めていく」という野付漁協のあり方が、まずは彼らにとって斬新だったと言えます。それでも、「守らない人にはペナルティーも辞さない」という徹底振りに、「将来を考えた取り組みを、協同で自発的に進めている点」が少なからず腑に落ちたようです。

夜は、そんな野付半島で獲れた海の幸を堪能。さすがに生のホタテやイクラには抵抗があったものの、野付漁協のご好意によって「ホタテ揚げ」に変身した途端、旺盛な食欲で頂きました。なお、かの有名な「北海しまえび」を山ほど食べたことは、言うまでもありません。

野付訪問① 【資源管理型漁業について学び、海の幸を堪能する】4野付訪問① 【資源管理型漁業について学び、海の幸を堪能する】5

(報告:商品課 若井俊宏)

東ティモール:今年は大豊作!

2012年10月18日
タロ加工所の作業は日が暮れても続きます。 各スタッフが今年のプロジェクトを成功させるべく、一生懸命働いてくれました。

タロ加工所の作業は日が暮れても続きます。
各スタッフが今年のプロジェクトを成功させるべく、一生懸命働いてくれました。

今年のコーヒー収穫は大豊作でした!!

@タロ加工所

加工所で働くコミュニティの人たちが、シーズン中の70日間、

朝から日が暮れて暗くなるまで、一生懸命に働いてくれました。

乾燥スペースが不足するほどの活況ぶりで、おかげさまで大きな問題が起きることもなく、大成功でした!!

乾燥場には、あたり一面にパーチメントが所狭しと並んでいます。 去年とは大違い!素晴らしい。

乾燥場には、あたり一面にパーチメントが所狭しと並んでいます。
去年とは大違い!素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@コーヒー生産者によるパーチメント加工

今年からの新コミュニティのリスメタフの生産者。  チェリーの皮が1かけらも混じっていない真っ白に輝くパーチメントを天日乾燥しています。  生産者は赤いチェリーのみを使って加工していますので、 これならば美味しいコーヒーであること間違いなしです♪

今年からの新コミュニティのリスメタフの生産者。
チェリーの皮が1かけらも混じっていない真っ白に輝くパーチメントを天日乾燥しています。
生産者は赤いチェリーのみを使って加工していますので、
これならば美味しいコーヒーであること間違いなしです♪

今年から9つのコミュニティが新たにATT(オルター・トレード・ティモール社)の生産者コミュニティに加わりました。

全22コミュニティの約400世帯がパーチメント加工してATTに売りました。

現地スタッフによる指導の甲斐もあって、各生産者がATTの加工方法を忠実に守り、

本当に真っ白のきれいなパーチメントを作ってくれました!

 

 

 

 

 

 

収穫シーズン前に実施したコーヒー代金前払い制度は、

オイレオのガスパルさんは、 ATJ/ATTがパーチメントを買い付けてくれるようになってから、 現金収入が増えたので、借金せずに済むようになっていると語ってくれました。  人里はなれた山奥にあるオイレオには、 業者がトラックで買い付けに来ることもあまりなかったのです。

オイレオのガスパルさんは、 ATJ/ATTがパーチメントを買い付けてくれるようになってから、 現金収入が増えたので、借金せずに済むようになっていると語ってくれました。
人里はなれた山奥にあるオイレオには、 業者がトラックで買い付けに来ることもあまりなかったのです。

生産者が「現金収入の無くなるコーヒーシーズン前に、近所・親戚から高利(年利100%!)の借金をしなくて済んだ」と喜んでくれました。

実施した全8コミュニティからは、きちんとコーヒーで完済されました!

 

今年は昨年とは異なり、多くの生産者がコーヒーから収入を得られました。

その収入を少しでも貯金して、もっと良い家を建てたり、子どもの教育に充てたり、老後の暮らしに備えたり、将来の肥やしに出来るように、

ATTからも生産者にアドバイスしてゆこうと考えています。

 

ATJあぷらブックレット3 『パプア・チョコレートの挑戦』

2012年10月10日

ATJあぷらブックレット3 『パプア・チョコレートの挑戦』表紙このたび株式会社オルター・トレード・ジャパン(ATJ)の民衆交易に新しい仲間が加わることになりました。それが、このブックレットで紹介するチョコレートとその原料のカカオ、そしてパプアの人びとです。

「パプア」というと、パプアニューギニアのことを思い浮かべる人が多いと思いますが、今回の舞台となるのはインドネシア領パプアです。初めて耳にした人も多いのではないでしょうか? パプアとはどんな地域なのか、どんな人たちがどんな思いでこのカカオの民衆交易を始めることになったのか、その一端を知ってもらうためにこのブックレットを作成しました。それとあわせて、私たちにとって身近なお菓子・チョコレートについて、その歴史や産業の現状、原料となるカカオの基礎情報など、写真やイラストをつかってわかりやすく解説しています。

もっと詳しく見る(APLAのサイトへ)

有機肥料は土を育てるんだって!?白菜についた虫を一匹ずつ摘むんですか?(バランゴン生産者のマカオさん、伊賀の有機農家を訪ねる)【213号】

2012年10月1日

 ネグロス西州パンダノン地域のバランゴンバナナ生産者のマカオさんが、三重県で有機農業に取り組む伊賀有機農産供給センターを訪ねました。

「有機肥料は作物を育てるものではない」という説明に衝撃を受けました。「もっと言うと有機物は土の中の微生物の飯だよ。微生物が元気になると自分たちで有機物をつくるので持続的な土作りの世界ができるんだよ。」マカオさんは「伊賀で新しい考え方を発見した。仲間たちに土づくりのロマンを話したい」と語りました。マカオさんのような山の農民にとって、これまでは自然の環境の中で良質の土に恵まれていたのかもしません。「伊賀ももともとは山だったが、人間が手をかけて作物をつくり出荷を始めてからは、人間が手をかけて土づくりをしていかないと、持続しないのよ」と、教えられました。

マカオさんのところに、バコロド在住の韓国人グループからキムチ用の白菜出荷の依頼があったのですが、有機でつくった白菜はみごとに虫にやられてしまい、白菜の有機栽培は無理と諦めていました。伊賀有機の若い農民たちは、「あっ、それいっしょ!同じムシだよ。自分は掃除機のような道具を使ってみたけど・・・」「一匹ずつ摘むしかないね~」。マカオさんは「有機農業とは、苦労と手間ひまがかかるものなんだ・・・」と認識したのでした。