オリーブ苗木を植樹してパレスチナ農民を応援します!
イスラエル占領下でパレスチナの農民は常に農地没収や、イスラエル軍や入植者の破壊行動に脅かされています。先祖代々大切に育ててきたオリーブ畑も同様です。そこで10月より、パレスチナのオリーブオイルを取り扱ってくださっている(株)大地を守る会と共同で、オリーブの苗を植えて農地を守っていくために基金積立てを始めました。
今回の対象地域は、現地パートナーであるUAWC(パレスチナ農業開発センター)が支援活動を行っているアクラバ村。ヨルダン川西岸地区北部のナブルス行政区域に位置する人口10,000人弱のこの村は、1967年の第三次中東戦争以前は東側を流れるヨルダン川まで農地が広がっており、当時のヨルダン川西岸地区第二のコムギ産地として知られていました。
ところが、第三次中東戦争が起こり、面積の80%(約144,000ドゥナム=14,400ha)がイスラエル占領当局によって占領されました。これらの土地には、イスラエル入植地や軍事基地が作られ、現在、そのほとんどの場所は、行政権・軍事権をイスラエルが持つ「C地区」となっています。結果としてアクラバ村は、ヨルダン川西岸地区の中でも、最もイスラエルの支配地域に囲まれた地域の一つとなりました。
C地区では、パレスチナ人は、イスラエルの許可なしに建物を建てたり、井戸を掘ったりすることが禁じられています。もし何らかの建造物が許可なしに建てたと見做されれば、イスラエルから「取り壊し命令」を受け、軍が破壊しにやって来ます(注)。主要な幹線道路もイスラエルによって管理されているため、アクラバ村の人々は、残された20%の土地の中で、往来や水資源の利用が厳しく制限された環境下にさらされています。現在では、村人の半数以上が、貧困ラインを大きく下回る暮らしを余儀なくされていると言われています。
さらに、アクラバ村では、周囲に住むイスラエル入植者による嫌がらせもエスカレートしています。入植者が、村の大部分を占めるオリーブ畑を始めとした農地へやってきて、木を切り倒したり燃やしたりするという事件が、現在でも多発しています。これは単なる嫌がらせではなく、そこに住むパレスチナ人を追い出して自分たちの土地にするというのが目的です。
このようなアクラバ村の現状に対し、現地パートナー団体であるUAWCは2010年2月より支援活動を始めました。荒れた土地を修繕・開墾して使えるようにし、塀で囲うなどして、オリーブを植えられる環境作りを進め、準備された土地にオリーブの苗を植えていくことで、オリーブ農家の土地と生活を守る手助けを行っています。
しかし、2012年に彼らが植えたオリーブの本数は約750本。それに対し、同じ期間に2,500本近くのオリーブが抜かれており、その中には新しく植えたものも含まれます。このように植えても植えても抜かれる中、それでもオリーブを植え続けていくことは、パレスチナに生きる生産者の土地を守り、当たり前の暮らしを取り戻していくために、最も大切な運動の一つです。そして、そのオリーブのための基金を日本から届けることは、現地で抵抗し続けているパレスチナの人々を強く勇気付けるものであると同時に、植えられたオリーブそのものが我々の連帯の証となります。
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第1回目の植樹は12月の予定です。まだ始まったばかりの取り組みですが、このアクラバ村を軸にして現地で暮らす人々の様子を伝えることで、少しでも多くの皆様に、パレスチナ自治区のことを知って頂ければ幸いです。
※基金(スマイルオリーブ基金)については大地を守る会ウェブサイトをご覧ください。
URL:http://www.daichi.or.jp/info/press/2012/10/121-108.html
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