レポート

【バランゴンバナナ産地・地震被害】フィリピン・ミンダナオ島コタバト州で連続的な地震が発生しました。

2019年11月22日

ミンダナオ島コタバト州を震源とするマグニチュード6を超える地震が10月16日(M6.3)、29日(M6.6)、31日(M6.5)と連続で発生しました。

特に、10月31日に発生した地震の震源地は、バランゴンバナナの産地の一つであるマキララ町に近く、マキララでは土砂崩れが発生し、多くの建物にも被害が出ました。そのため、バランゴンバナナ生産者も含む多くの住民は幹線道路沿いや役場などで避難生活をすることになり、町は一時期ゴーストタウン化しました。

バランゴンバナナの出荷責任団体ドンボスコ財団の敷地(左写真)や建物(上写真)にも被害がありましたが、スタッフは全員、敷地から避難しました。地震直後ドンボスコ財団としては、隣町で他団体と協力して緊急救援活動を展開し、その後バタサン村にもどって地域の復興活動を開始しています。

コタバト州マキララ町のバランゴン産地は、バタサン村とブハイ村にあります。バタサン村では、生産者1名が崩れてきた瓦礫で足を負傷しました。また、ドンボスコのパッキングセンターで普段バナナの箱詰めに従事しているスタッフの1人が、その前の地震で被災し、救援物資を受け取りに行っていた体育館で31日の地震にあい、怪我をしました。ブハイ村では負傷者はいませんが、全員避難所暮らしです。避難所は屋外に簡易テントがある程度で、昼間は暑く、夜は寒いようです。

ツピで支援バランゴンバナナの準備

ATPI(オルタートレード・フィリピン社)とATPF(食料主権のためのオルタートレード・フィリピン財団)ではドンボスコ財団の復興支援に協力して材木を購入するための現金支援をしました。

APLAの緊急災害支援準備金から、合計3万米ドル(日本円換算で330万6000円)をATPI経由でドンボスコ財団へ送金しました。

支援物資

南コタバト州の協同組合が実施した食糧支援にツピのバランゴン生産者協同組合も応え、熟したバランゴンと水100セットを支援しました。
ATPI職員が11月12日にマキララ町に入り、ブハイ村での救援物資配布に参加しました。以下はその時の報告です。

ブハイ村役場

「ブハイ村ではほとんどの家屋が崩れ、村の中心部はゴーストタウンとなっている。避難所では仮設テントで人々が生活していて、その中にはバランゴン生産者もいる。

多くの人々、特に子どもたちにとってはトラウマとなっている。今後住居の再建や精神的ケアなど含めて復興にはとても長い時間がかかるだろう。」

ブハイ村

しかしながら、マキララでは11月15日から出荷が開始されました。当初の見込みでは、11月はお休み、12月もお休みの可能性あり、という状況でした。

ドンボスコは試験的に一部地域(自社農園と被災地から離れているアラカン町)からの出荷再開を想定していましたが、被災地では経済活動がストップしており、現金収入を得るために多くの生産者が出荷再開に参加した、という報告を受けています。

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