カカオ生産者、自らの豆を加工することに挑戦
カカオ・キタ(カカオ豆の集荷、加工、輸出を担うために設立された現地会社)では今年4月からカカオ豆の買付を6つの村で行ってきましたが、8月に入り今期収穫シーズンもそろそろ終わりに近づいてきた気配です。村人の話では、森のカカオの木には可憐なカカオの花が咲き始めているそうです。花からカカオの大きな実がなりますが、それには約6か月かかります。この間に適量の雨が降れば、おいしいカカオに育ちます。この花が咲く時期に大雨でか弱い花が落ちないことを祈るのみです。
ところで、今期はカカオ豆の買付方法でひとつの試みを行っています。それは、生産者が生豆を質の良い乾燥豆に加工することです。今までは、カカオ・キタが生豆を生産者から買付け、加工場で乾燥と発酵を行っていました。しかし、これでは生産者に進歩はありません。そこで、村の世話人(カカオ・キタの協力者)3人に、発酵箱と乾燥台を貸し出して、基準に沿った加工に挑戦してもらうことになりました。はじめてまだ一ヵ月くらいですが、出来は上々です。カカオ・キタは生産者が加工した乾燥豆を適正価格で買い取ります。こうすることで、生産者側によりおおくの現金が落ちることになるのです。まずは少人数の人びとに試してもらい、成果を出せば他の生産者もきっと真似てみたくなるでしょう。良質のカカオ作りに精を出すことで品質への意識が高まることを期待しています。
津留歴子
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