UAWCファラージ氏の即時釈放を求める嘆願書を、駐日イスラエル大使に提出しました。
去る5月24日未明、パレスチナのオリーブオイル出荷団体の一つ、パレスチナ農業開発センター(UAWC)職員のアブドゥル・ラザック・ファラージ氏がイスラエル軍により拘禁されました。
UAWCからの情報によると、ファラージ氏は翌25日に4ヵ月の行政拘禁を言い渡され、ラマラ市郊外にあるオフェル刑務所に拘留されているとのことです。
この事態を受けて、ATJとNGO法人APLAは、ファラージ氏の即時釈放及びイスラエル政府による行政拘禁制度の即時廃止を求める嘆願書を用意し、6月16日、オリーブオイルの民衆交易などを通じてUAWCに連帯している生協や有機農産物宅配団体との連名で、駐日イスラエル大使宛で大使館に嘆願書(英文)を郵送しました。本日(6月23日)、郵便物等配達証明書が届き、イスラエル大使館が嘆願書を受け取ったことを確認しました。
嘆願書の全訳及び賛同団体は以下の通りです。
2017年6月16日
駐日イスラエル大使 ルツ・カハノフ殿
パレスチナ自治区における行政拘禁制度の廃止ならびに被拘禁者の即時釈放に関する嘆願書
嘆願の趣旨:
私たちは、現在のパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区・ガザ地区)の置かれた状況を憂慮し、パレスチナ自治区で活動するパートナー団体との連帯のもと、そこで生産された産品の輸入・販売や交流事業を通じて彼らの活動を支援している交易会社、NGO、ならびに消費者団体です。
私たちは、パートナー団体の一つであるUnion of Agricultural Work Committees(以下、UAWC)の職員、アブドゥル・ラザック・ファラージ氏が、去る5月24日未明、貴国政府軍隊により行政拘禁令に基づき逮捕されたという情報を受け取りました。そして、翌日に貴国が管轄する刑務所内における4ヵ月の拘禁を言い渡されたという情報も、新たに受け取りました。
以上の情報を受け、私たちは、仲間であるファラージ氏の状況について非常に心を痛めていると共に、上記の理不尽な貴国の行いについて、極めて強い憤りを覚えています。
つきましては、私たちは貴国に対し、以下の通りに理由を添えて、ファラージ氏の即時釈放ならびに行政拘禁制度の廃止を求めます。
嘆願事項:
1.5月24日未明に貴国により行政拘禁されたアブドゥル・ラザック・ファラージ氏の即時釈放を求めます。
2. 同氏が拘禁される理由として貴国が掲げる行政拘禁制度について、即時廃止を求めます。
嘆願理由:
1. アブドゥル・ラザック・ファラージ氏は、その人生において実に16年近い時間を、貴国による身柄拘束の後、刑務所で過ごしています。そのほとんどは5回に及ぶ行政拘禁です。そして、今回も何ら拘禁の理由も示されぬままラマラ市内(エリアA)の自宅で逮捕されました。これはオスロ合意等の国際的な取り組みの中で認められたパレスチナ自治政府の行政・治安双方の権限を無視したものであり、貴国の権限を逸脱したものであると考えられます。パレスチナ自治政府により正当で明確な罪状で起訴され、公平かつ迅速に裁かれるのでなければ、貴国に同氏の身柄を拘束する権限はなく、故に、同氏の即時釈放を求めるものです。
2. 行政拘禁制度は、貴国の治安に著しく危険をもたらすと貴国が考える人びとを予防的に拘禁するための例外的措置として導入された経緯があると、我々は認識しています。しかしながら、実際には貴国の治安に著しく危険をもたらすことが懸念される根拠を一切示さずに、パレスチナ自治区に住む人びとが無条件に拘禁されてきた実態に対し、多大な批判が国際社会から挙がっています。更に、貴国によって行政拘禁された人々は、貴国が自国内の囚人には認めている月に2回の家族との面談すら認められないなど、貴国が明らかな差別を行っている点についても、集団懲罰的な処遇であるとして、多大な非難が寄せられています。それが、本年4月から5月にかけて行われた、パレスチナ人被拘禁者によるハンガーストライキを招いたことは、記憶に新しい通りです。我々は、そのような貴国の、パレスチナ人に対する差別的な対応の全てに対して明確な非難の声を挙げると共に、その典型である行政拘禁制度の即刻の廃止を求める次第です。
株式会社オルター・トレード・ジャパン
特定非営利活動法人APLA
グリーンコープ共同体
株式会社 大地を守る会
生活協同組合あいコープみやぎ
生活協同組合連合会グリーンコープ連合
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
生活クラブ生活協同組合(滋賀)
生活クラブ生活協同組合 都市生活
生活クラブ生活協同組合(奈良)
パルシステム生活協同組合連合会
以上
ATJ、APLAは、引き続きファラージ氏の状況についてフォローします。
広報本部 小林
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