レポート

ビデオ『バランゴンとバナナ村の人々』 from フィリピン・ネグロス(PtoP NEWS vol.34/2019.10より)

2019年9月30日

60kg以上もあるバナナを天秤棒で担いで運ぶ生産者

フィリピン・ネグロスのバナナは、どんな人びとの手を通して食卓まで届くのか。その全行程を収録したのが『バランゴンとバナナ村の人々』というビデオです。舞台は1990年代初頭、バナナの主産地であったラグランハ地区、ネグロス島中央部にそびえたつカンラオン山の中腹に広がる通称「バナナ村」です。

 

夜通しバナナを洗うパッカーた

60kg以上もあるバナナを天秤棒で担いで、山を越え、川を渡って集積所まで運ぶ生産者たち。着いたバナナを夜通し水洗いをし、乾燥させて箱詰めをするパッカーたち。人から人へ、手から手へ渡されるバナナ。何と1回の出荷に600家族が関わっていたそうです。まさしく人海戦術です。

 

 

人から人へ、手から手へ

バナナは温度管理が難しい果物です。プランテーションでは収穫してから24時間以内に冷蔵して、そのまま日本まで運んでいます。道路もない山中から、それが可能なのだろうか。バナナ業者からは「素人にバナナの輸入ができる訳がない」「無謀だ」と揶揄されたそうです。しかし、手探りの状態で試行錯誤を繰り返しながら、バナナを日本に届ける仕組みを整えることが出来たのです。それを実現させたバランゴン交易にかける人びとの熱い思いが映像から伝わってきます。

 

『バランゴンとバナナ村の人々』(1992年制作、26分)

 

ATJは過去30年間に民衆交易事業や商品に関するさまざまな動画やブックレットなどを制作してきました。創立30周年を機にウェブサイトでも見られるようにしていきます。
乞うご期待!

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