レポート

東ティモールの産地を訪問してきました

2026年3月23日

2025年7月に久しぶりに東ティモールのコーヒー産地を訪れました。ATJは、2023年から新たに現地で活動するFarmPro(ファームプロ)社を通じて、コーヒー豆の買い付けを実施しています。今回の訪問では、ファームプロ社を通じてコーヒー豆を出荷している生産者に会いに行きました。

エルメラ県に広がるコーヒー産地は、首都のディリからエルメラ県の県庁所在地グレノまで車で1時間半移動し、グレノからさらに1時間山へ向かったところにあります。

最初に訪問したのは、ハトリア郡にある生産者グループ、ハドミ・カフェ・オーガニコです。日本で販売している製品やカタログを持参し、紹介したところ、「日本でもっとコーヒーを販売するのにどんな情報が役に立つのか?」と興味津々の生産者の皆さん。話をしていたら、「まずはコーヒーの実を摘みに畑に行こう!」と案内されました。標高1, 000m前後の傾斜のある土地に植えられた木には、赤い実がたわわに実っています。「いつもこうして摘んでいるんだ、写真を撮って」と嬉しそうにコーヒーの実を摘んで見せてくれました。簡単そうに見えますが、きちんと完熟した赤い実だけを選んで、まだ完熟していないものは枝に残し、実を傷つけないように丁寧に手際よく摘んでいきます。

次に、収穫したコーヒーの実の外皮を取り除く作業の様子を見せてもらいました。外皮を取り除くのは手動式の機械。果肉の中の豆部分(内果皮/パーチメント)を傷つけないように一定のスピードで回す必要があり、私も試してみましたが、なかなか力の入れどころが難しい作業でした。

生産者の村では、コンニャクイモを発見。東ティモールの人たちは食べませんが、輸出用で需要があるそうです。年に一度しか収穫できないコーヒー。コーヒーの収穫がない端境期には外に働きに出てしまう人も多く、自分たちの地域で育てられるものを増やすなど、収入の多角化が課題です。「コンニャクイモ、日本でも輸入しないか」との声も。

無造作に置かれたコンニャクイモ

次に訪れたのは、ハトリア群よりもう少し標高の高いレテフォホ郡にある生産者グループ、オルパナです。ここでは水不足に悩まされている話を聞きました。雨季と乾季がはっきりしている東ティモール。雨季に降った雨水を蓄える施設のある地域が少なく、乾季は近くの水源から水をひいてくるか、たまに降る雨に頼るしかないとのことです。訪れたのは乾季の真っただ中の7月、確かに乾燥していました。

新しいコーヒーの苗を植え付けている場所では、日よけとなるシェードツリーがないと、せっかく植えた苗木も弱ってしまうと教えてもらいました。

手前から植えられてから1年生、2年生、3年生?のコーヒー苗木たち。

レテフォホ郡は、コーヒーのカッピングの評価が高いのですが、理由を聞いてみると、標高が高いという点とドライングベッドという外皮を取った後の豆(パーチメント)、を乾燥させる台を使っているからとのこと。これまで複数のバイヤーがこの地域に来てコーヒー加工の指導をしてくれたそうです。

この地域には伝統的な家屋があり、家の中も見せてもらいました。電気は通ってはいますが、レンジや湯沸かしなどの家電はありません。電力供給が安定せず、山間部だけでなく都市部でも停電になることがよくある東ティモール。この村では、薪をくべて、料理やコーヒー豆の焙煎をフライパンでおこなっていました。

パートナーのファームプロ社は、コーヒー生産者たちが育てた野菜も調達して首都のディリのホテルなどに卸しています。滞在中、その野菜を使った料理をたくさんいただきました。

貴重な新鮮な野菜をいただきました。

2025年に収穫されたコーヒー豆は、現在輸出に向けて加工中です。

生産者のみなさんと。

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