【エコシュリンプ生産者来日】|国を越えた交流へ(野付訪問その2)
国際協同組合年である今年の「協同組合地域貢献コンテスト」で、215件の中から4件の最優秀賞に輝いた野付漁協。その取り組みは「植樹を通じた環境保全活動と生協との産直交流」です。そして今回、彼らが野付にお邪魔した最大の目的は、前日の資源管理型漁業について学ぶことに加え、植樹を通じた交流活動に他ならないのでした。
その日の早朝。まだまだ10月はそれほど寒くないとは言え、「初めて体験した」と言わしめる気温の中、漁港に彼らの姿がありました。深夜に定置網漁に出た漁船が帰港し、秋サケをはじめ、水揚げされた水産物の数々。中には見知った魚もあるとのこと。それらがどのように選別され、管理されているのか・・・きりっと冷えた頭で視察しました。
朝食では特別な計らいで、揚がったばかりのカレイを煮付けて頂くという贅沢。定番の秋サケの塩焼きも含め、一週間かけてじっくり楽しみたいくらいの大量の魚をきれいに平らげ、メインイベントの植樹へ。自分達の名前が書かれたプレートが準備され、参加者全員がめいめいに土を掘り、汗を流して木を植える営みは、それだけで十分心に残るものとなりました。そして、恐らく初めてではないかと思われる外国人である彼らの名前は、未来永劫この野付の地に刻まれることとなったのでした。
周りを見渡してみると、かなりの数のネームプレート。この場所も、数十年後には森になるはずです。「100年かけて、100年前の自然の浜を取り戻そう」というこの運動には、とても多くの人が関わっていることが実感できました。今回は「クマが出る」ために残念ながら車からの見学となりましたが、実際にほぼ森状態になった場所では、新しく湧き水が湧き始めたとのこと。まさに「継続は力」であることがわかります。
さて、このように人々の力と継続的な運動が実を結んだ様を目の当たりにして、彼らは何を考えたのか? インドネシアに帰った彼らは、今回の体験をどのように仲間へ伝え、今後どのような活動につなげていくことができるのか?今までにない、海を越えた交流活動は、まだまだ始まったばかり。この関係をこれからも継続し、具体的な次へのアクションにつなげていくことを心に誓い、中標津空港を後にしたのでした。
末筆となりますが、このような貴重な機会を与えてくださった野付植樹協議会の皆様に、心より御礼申し上げます。
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