ワールドハーモニー・テラ

2021年11月22日

桜舎

2021年11月22日

焙煎珈琲 自然芳

2021年11月22日

Chotto e cafe

2021年11月22日

暮らし楽しむ店木幡ベース

2021年11月22日

リトルウィング珈琲

2021年11月12日

ビズー

2021年11月12日

パレスチナ・ガザ地区救援活動報告

2021年11月4日

2021年5月、ATJとAPLAはパレスチナのオリーブオイルの出荷団体であるパレスチナ農業復興センター(PARC)とパレスチナ農業開発センター(UAWC)の要請を受けて、イスラエル軍によるガザ地区爆撃で被災した家族への緊急救援を国内で呼び掛けました。これに対し、多くの団体・個人の皆さまから多額の募金を頂き、10月中旬までに計8,105,933円をPARCとUAWCに按分して送金することが出来ました。
この資金をもとにPARCとUAWCはそれぞれ食料支援を行いました。UAWCからの報告に続いて、PARCの活動を報告します。

パレスチナ農業復興委員会(PARC)の活動報告

ガザ地区では長年にわたるイスラエルによる封鎖や新型コロナウィルスの広がりにより貧困が拡大、失業率が上昇し、多くの家族が稼ぎ手を失っていました。そうした状況に追い打ちをかけるように、2021年5月、イスラエルによるガザ地区への攻撃があったのです。

爆撃により全壊家屋は1,174戸、半壊家屋は7,073戸に達しました。農業分野では、カンユニス市とベイトラヒラ市で数百エーカー(1エーカーは約0.4ヘクタール)の農地が爆撃され、イスラエルとの国境地帯に広がる畑や多くの養鶏場、畜産場も被害を受けました。そのため、ガザ地区の人々の生活環境は劇的に悪化しており、多くの家族が食事の確保に苦労しました。
こうした状況の中でPARCは、停戦後の5月末から自己資金で食料や毛布などの配布を行いました。

そして「ガザが血を流している(Gaza is bleeding)」救援キャンペーンを立ちあげ、海外の関係団体に募金を呼び掛けました。

食料品セット

日本やアメリカ、ベルギー、スウェーデン、オーストラリアのフェアトレード団体や人権団体からの募金によって、8月に500家族に食料品セットを配布することが出来ました。配布先の家族は、空爆によって家屋が全壊または半壊、被害を受けた農民、女性が世帯主の家族など最も困窮している家族です。

食料品セットの中身は、クスクス(小麦でできた粒状の主食になるもの)4キロ、デーツ(ナツメヤシの実)5キロ、ザータル(タイムなどのハーブミックス)1キロ、オリーブオイル1キロ、粉ミルク400g。いずれもパレスチナでは欠かせない食べ物です。

コンテナへの積み込み作業

食料品はヨルダン川西岸地区で用意しました。農民が無償で提供したものも含まれます。PARCはカレム・シャローム検問所を通ってガザ地区に配布物資を運ぶため、イスラエル当局と粘り強く交渉しました。その結果、ようやく8月中旬にガザ地区の500世帯に食料物資を配布することが出来ました。

今後、PARCは爆撃によって甚大な被害を受けた農業関連分野での復興事業に中長期的に取り組んでいきます。

ふろむあーす&OHANA

2021年11月1日

【バナナニュース320号】コロナ禍での教育事情<農村編>

2021年10月27日

フィリピン教育省は、2020年第3四半期より国内すべての公立・私立学校に「遠隔教育システム」を導入しました。物理的な教室での対面授業がなくても、生徒が知って身につけ、理解しなければならない可能な限りの必須授業、概念、知識や技能を網羅する内容となっています。それに伴い、生徒たちは在宅学習やオンライン学習で教育を受けています。

前号と今号では、バランゴンバナナやマスコバド糖の生産地であるネグロス島の都会と農村での教育事情をご紹介しています。

前回の“都会編”に続き、今回は、“農村編”として、ラ・カステリアーナ市マンサラナオ地区の公立学校に通うサトウキビ農家2家族の事例です。パンデミックの時代に学校教育を続けるために、自分たちや子どもたちが直面している心情や困難について語ってくれました。

 

◆サトウキビ生産者・ヴィラメント一家の事例

アナリザさん(20歳、大学2年生)、アイラさん(19歳、高校3年生)、ニコルさん(11歳、小学6年生)、ニカさん(9歳、小学4年生)

ニコルさん(11歳、小学6年生)、ニカさん(9歳、小学4年生)

教育省が全国の学校に遠隔教育システムを導入後、公立学校でも在宅学習が始まり、ヴィラメント一家の子どもたちも、毎週月曜日に配布される教材を元に学習し、金曜日に宿題を提出する流れで勉強しています。

「分からないことがあれば両親や姉たちに聞くこともありますが、ほぼ自分たちで学習しています。自分たちの知識だけでは内容を充分理解することが難しいです」と小学生の二人は言います。

ヴィラメント一家

スマートフォンを使用して答えをインターネットで検索することもありますが、通信状況が不安定でつながらないときもあり、宿題が完成せず提出が遅れることもあるとのことです。先生とのやりとりもグループチャットで実施されるため、インターネットへのアクセスは必須です。

アナリザさんやアイラさんのように高等教育になるとグループワークや調査を伴う課題が出ることもあり、その課題を進めるのに難しさを感じていると話してくれました。

◆サトウキビ生産者・グレゴリオ一家の事例

ジョナリンさん(18歳、高校2年生)、マエジョリーさん(11歳、6年生)、ジョヴェリンさん(10.歳、小学5年生)、ジョナサンさん(9歳、小学4年生)、ジョベルトさん(6歳、小学1年生)

コロナ禍になってから在宅学習が始まっています。毎週月曜日、先生が教材を家に届けに来てくれて、金曜日に宿題を提出する流れで学習をしています。

ジョナリンさん(18歳、高校2年生)

小学生の子どもたち

グレゴリオさん一家は、インターネット接続のための環境を整えたり、パソコンや携帯を準備することができません。そのため、分からないことがあったら母親のエレナさん頼みとなっているそうです。

グレゴリオさん夫妻

兄弟の中でも上の子が下の子を教えることもありますが、それでも分からない場合は、子どもたちの不明点はそのままに放置されてしまっています。

先生とは教材を届けてくれる時に会うことはできますが、クラス全員分の教材を自宅まで配っていることから、あいさつ程度の話しかできないそうです。

在宅学習が始まってから、インターネットが使える環境であるか、親が面倒をみたり教えられる度合いにより学びの質が違っているようです。親も答えが分からない場合は、インターネットで調べたり一緒になって勉強するなど、以前にはなかった対応が求められています。在宅学習になってから友達にも会うこともできていませんが、子どもたちはパンデミックだからしかたがないと理解している状況が続いています。

――――――――
よろしければ、このニュースを読んだ感想をお聞かせください。
生産者へのメッセージは生産者に伝えていきます。よろしくお願いいたします。
なお、すべての質問項目に関してご回答は任意です。

一般財団法人 函館YWCA

2021年10月13日

パレスチナ・ガザ地区救援活動報告(パレスチナ農業開発センターより)

2021年10月12日

2021年5月にガザ地区で発生したイスラエル軍による爆撃により、もともと貧しい生活をしていた人々の状況がさらに悪化し、貧困、飢餓、ホームレスなどの問題が深刻化しました。イスラエル軍の空爆が停止した直後からオリーブオイルの出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)は住民のニーズを調査しました。数千の家族は、家が全壊したり、大きな被害を受けたため、国連パレスチナ難民救済事業機関が運営を応援している学校に避難しなければなりませんでした。また、たくさんの事業所が破壊され、多くの家族が収入源を断たれました。

配布を待つ食料品セット

日本の皆さんからのご寄付により、最も支援が必要な338家族、約1,670人にお米、食用油、牛乳、豆類、鶏肉、マフトーゥル(別名クスクス、小麦粉から作る粒状の粉食)などが入った338個の食料セットを提供することができました。寄付金はこうした食料品の購入と配布に役立てられました。UAWCは、日本のパートナーや消費者の皆様から、被災地支援の一環として、資金面や精神面でのご支援をいただいたことに感謝しています。

 

<食料支援は協同組合も救った>

この活動の中で特記すべきは、食料支援活動によって危機的な状況にあった女性による協同組合が何とか存続できたことです。サハル・シャースさんがリーダーを務める女性協同組合は、ガザ地区南部にあるラファでマフトゥールや焼き菓子、スパイスなどの製品を製造・販売してきました。長年に及ぶガザ地区の封鎖、新型コロナウィルスの流行、さらにイスラエルの空爆によって大きな影響を受け、製品を販売することができなくなっていました。その結果、協同組合の事業を休止せざるを得ない瀬戸際まで追い込まれました。

マフトゥールの製造所

2021年7月からサハルさんは協同組合の6人の女性メンバーと一緒にマフトゥールを作っています。UAWCが食料セットに入れるマフトゥールの製造を業務委託したからです。彼女たちが嬉しかったのは数ある協同組合の中から、食料支援活動の協力団体として自分たちが選ばれたことでした。ほとんど機能していなかった地域の市場で製品を販売できなかったので、この申し出は大きな助けとなりました。食料支援を受けた家族にとっても、市場で探す苦労をせずにマフトゥールが手にできたのは大変ありがたいことでした。

マフトゥール

サハルさんは家族7人を支えていますが、一緒に働く6人の既婚女性も平均で7人くらいの家族がいます。そのうち2人は家族の主な稼ぎ手で、2人の障害者を含む全員の世話をしなければいけません。現在、マフトゥールと焼き菓子の製造が唯一の収入源です。

「決して大きな収入をあげている訳ではありませんが、この事業があれば、毎日の暮らしで最小限必要なものを購入出来ます。何より協同組合を何とか維持することができたのが嬉しいです」。

サナ・カラハ(UAWC代表アシスタント)

株式会社 金沢オーガニッククラブ

2021年10月3日

PtoP NEWS vol.46

2021年10月1日

PDFファイルダウンロードはこちらから→P to PNEWS vol.46

【バナナニュース319号】コロナ禍の教育事情<都会編>

2021年9月29日

フィリピン教育省は、2020年第3四半期より「遠隔教育システム」を導入しました。物理的な教室での対面授業がなくても、生徒が知って身につけ、理解しなければならない可能な限りの必須授業、概念、知識や技能を網羅する内容となっています。
それに伴い、生徒たちは在宅学習やオンライン学習で教育を受けています。「遠隔教育システム」はフィリピンすべての公立・私立学校で実施されています。
今号と次号では、バランゴンバナナやマスコバド糖の生産地であるネグロス島の都会と村での教育事情をご紹介します。都会では通信環境が比較的整っているので、私立学校などではオンライン授業も実施されています。

今回は、“都会編”として、バコロド市(ネグロス西州州都)の私立学校のオンライン学習と在宅学習の様子をお届けします。バナナや砂糖の出荷団体であるオルタートレード・フィリピン社の子育て中のスタッフ2名の事例です。パンデミックの時代に学校教育を続けるために、自分たちや子どもたちが直面している心情や困難について語ってくれました。

 

◆オンライン学習 【私立学校の事例】

オルタートレード・フィリピン社スタッフ アーウィンさんの長男
ジェレミーアール君の場合
ラ・サール大学付属校の遠隔教育は、SHIFTED(School-Home Integration for Technology Enhanced Education/学校-自宅を統合したテクノロジー強化型教育)と呼ばれています。 1年目の期間は2020年8月~2021年5月、2年目の期間は2021年8月~2022年5月です。

遠隔教育の内容
SHIFTEDでは、CANVASプラットフォーム(eラーニングプラットフォーム)を使用して、デスクトップやノートパソコン、スマートフォンやタブレットを使ったバーチャル授業を実施しています。

授業のスケジュールは学年によって異なりますが、ジェレミーアール君の場合、午前中の授業は8~12時、午後の授業は13~15時となっています。 学校は月曜から木曜までで、金曜は体を動かしたり、その他の課外活動をしたりする「自分の時間」と定められています。
授業は2部構成で、午前中は「オンライン授業」で、すべての学生がログイン/参加することが義務付けられています。 各学生にはユーザー名とパスコードが割り当てられ、各科目には会議用のリンクが用意されています。 そこで先生が授業を行い、生徒たちはバーチャルに交流します。 授業中はカメラをオンにしておく必要があり、1科目あたりの授業時間は通常30~45分です。 午後、生徒は課題に取り組みますが、ログインやオンラインにする必要はありません。 ただ、先生は生徒の質問や説明に答えるために、常にオンラインで待機します。 試験や小テストは、午前・午後いずれの授業のパターンでも実施されています。午後の授業の場合、学生にはテストを完了するための制限時間が与えられます。

実際にオンライン授業を経験してみて
「インターネットの接続が非常に悪いと授業が中断され、生徒たちはよく先生に『補講』をお願いしています。また、バコロド市では特に雨季に頻繁に発生する停電に備えて、予備のスマートフォンやノートパソコンが必要で、その費用がかさみます」とアーウィンさんは言います。

アーウィンさん家族

生徒の理解力や学習能力は限られているので、保護者が積極的に関与して、子どもが教科を完全に理解できるようにサポートする必要がありますが、アーウィンさんと母親のジョアンさんは共働きで、しかもジョアンさんは海外出稼ぎ労働者であるため、子どもを支えていくのが難しいときもあります。
「ジェレミーの学習の遅れを補うために、教えたり、調べ物をしたり、課題を手伝ったりすることは、私たち親にとっても大きな調整が必要です。 私たちは子どもをサポートするために特別な努力をしなければなりません。 学校の授業料、雑費、書籍などの費用はこれまでと同じですが、これからはオンライン学習に必要な費用を追加する必要もあります。 スマートフォンの購入、バッテリーとインバーター付きの太陽光発電、デスクトップの定期的なメンテナンス、個別指導のための家庭教師代、そして子どもの学校での学習を指導・支援するための十分な時間が必要です」とアーウィンさんは付け加えています。

 

◆在宅学習 【私立学校の事例】

オルタートレード・フィリピン社スタッフ ビクトリアさんの長男
ピート君の場合

セント・ジョセフ・スクール・ラ・サールは、DARE(Digital, Adaptable, Responsive Education)と呼ばれる代替学習システムを導入しました。 昨年7年生にピート君が編入した際に、ヴィクトリアさんは、オンライン学習の要件を満たす準備ができていなかったため、代わりに在宅学習をすることにしました。 学校側がオンライン学習・在宅学習のどちらでも質の高い教育を提供してくれると信じているからです。 ピート君は以前、バゴ市の公立学校で学んでいましたが、昨年、家族の永住権がバコロド市に移ったのを機に、私立学校に転校しました。

遠隔教育になってから
 「息子にとっても、片親である私にとっても、非常にチャレンジングなことです。 私は働くシングルマザーですが、毎週金曜日に学校に行って、1週間の間に完成した課題を返却し、次週の新しい課題を手に入れなければなりません。 そのため金曜日は出社時刻に間に合わずよく遅刻をしてしまいます。 息子は最初、勉強すべき教材の多さと、指導してくれる先生がいないことにショックを受けていました。 1つの教科につき、教科書、プリント、学習教材、答案用紙があります。 彼は9教科を履修していますが、全てを学習することは彼に大きなストレスを与えています」とビクトリアさん。
ビクトリアさんは、息子の勉強を指導できない罪悪感を感じていますが、生活のために働かなければならないので仕方がありません。彼女はピート君に、このような困難を経験することで、責任感のある人間になれると励まし、教育が非常に重要であることを常に伝えていると言います。 ピート君は昨年度、すべての科目に合格しましたが、成績は平均的なものでした。

2年目も在宅学習を選択
今年度、ピート君は8年生になり、在宅学習に慣れてきたことと、1日のうちで自由になる時間があることから、在宅学習を続けたいと希望しました。ビクトリアさんは、オンライン学習に移行させ、クラスメートとの交流を図りたいと考えていましたが、自分がよしとする学習方法を押し付けることはせず、今後もピート君の選択をサポートしていきたいということです。

ビクトリアさんとピート君

今年度、学校では在宅学習用の課題の印刷を中止しました。 その日の学習教材は、ビデオ、パワーポイント、ワードなどの形式で、保護者が学校のフェイスブック・ページから毎週アクセスして取得するようになりました。 これは、膨大な量の教材を読む意欲のない生徒がいるなかで、生徒が授業をよりよく理解するために学校が採用している方法の一つです。 ただし、ビクトリアさんは、引き続き毎週金曜日に学校に行って答案用紙を提出し、その週の新しい答案用紙をもらう必要があります。
「私も息子も、遠隔教育の難しさにどうにか適応し、少しずつ対処しています。 学校がいつも私たちの心配事を聞いてくれて、生徒のためになる方法を探してくれていることに感謝しています。 息子が勉強だけでなく、良い人間に育ってくれることをいつも祈っています。 一人親であることは簡単なことではありません。毎日が挑戦です」とビクトリアさんは話してくれました。

 

~ココアドリンク開発から動画制作まで承ります~ ダヌさん fromインドネシア・パプア州

2021年9月7日

インドネシアはパプア州、カカオキタ社(以下、カカオキタ)のカフェで働くダヌさんは、ちょっと寡黙な23歳。パプア風味のイケメンです。今年2月、カカオ豆からチョコレートを作るイベントをオンライン中継した際、産地紹介の動画を作ってくれたのが彼でした。

 ヒトがゴミのように見えるくらいに程よく空撮されたパプアの森がフェードインするオサレな始まりで掴みはオッケー、こちらの要望も的確に盛り込んでくれたほか、時期が異なるために撮れない画については別の人がスマホ撮影した動画も快くつないで、一度しか現地を訪れたことのない私でも森のニオイが思い出せるような、パプア臭満載の一本をさらっと仕立て上げてくれたのです。

ダヌさんはパプア州西部のナビレ出身ですが、お母さんはカカオ産地であるブラップ村が地元で、彼も小さい頃からちょくちょく遊びに行っていたそう。おじいさんのイサック・マンゴーさん(86歳)の畑は叔父さんが引き継ぎ、カカオキタにも出荷しているとのこと。彼自身はカカオ栽培に明るいわけではないですが、そんな背景もあって、ブラップ村での撮影はとても楽しめたと言っていました(ちなみにパプアは夫婦別姓文化のようで、子どもは父方の苗字=ダヌさんはパンカタナ=を名乗るのが一般的ですが、結婚してもお母さんはマンゴーのまま、だそうです)。

ダヌさんが作ってくれた産地紹介動画。必見です!

 映像を作るのは、大学時代の友人からの影響とのこと。元々観るのは好きで、自分でもやってみようとインターネットなどで独学で身に付けたそうです。今も、カカオキタで飲み物を作って提供する傍ら、ミュージックビデオ制作を請け負ったり自作を作曲から手掛けたりしており、とあるカナダ人ミュージシャンの楽曲をリミックスしたコンテストでは3位入賞(アジア人最高位)という実力派。イラストも手掛けるなど、マルチな才能を発揮しています。もちろん本業にも余念がなく、「カカオキタは上下関係なく家族的な良い職場だが、ちょっとリラックスしすぎだとも思う」と生真面目な一面も。
カカオの風味がしっかり感じられるココアドリンクは彼の自信作で、美味しいと言ってもらえることが何よりの誇りです、と語ってくれました。

今後は、「パプアの新世代」をテーマにしたフィルムを作りたいと意気込むパプアの奇才。さらなる活躍に乞うご期待です。

若井俊宏(わかい・としひろ/ATJ)

パプアのカカオ関連商品はAPLASHOPでも販売中です♪

2021年9月5日

【バナナニュース320号】コロナ禍での教育事情<農村編>

[digg] フィリピン教育省は、2020年第3四半期より国内すべての公立・私立学校に「遠隔教育システム」を導入しました。物理的な教室での対面授業がなくても、生徒が知って身につけ、理解しなければならない可能な限りの必須授業、概念、知識や技能を網羅する内容となっています。それに伴い、生徒たちは在宅学習やオンライン学習で教育を受けています。

[digg] 前号と今号では、バランゴンバナナやマスコバド糖の生産地であるネグロス島の都会と農村での教育事情をご紹介しています。

[digg] 前回の“都会編”に続き、今回は、“農村編”として、ラ・カステリアーナ市マンサラナオ地区の公立学校に通うサトウキビ農家2家族の事例です。パンデミックの時代に学校教育を続けるために、自分たちや子どもたちが直面している心情や困難について語ってくれました。

 

◆サトウキビ生産者・ヴィラメント一家の事例

アナリザさん(20歳、大学2年生)、アイラさん(19歳、高校3年生)、ニコルさん(11歳、小学6年生)、ニカさん(9歳、小学4年生)

ニコルさん(11歳、小学6年生)、ニカさん(9歳、小学4年生)

[digg] 教育省が全国の学校に遠隔教育システムを導入後、公立学校でも在宅学習が始まり、ヴィラメント一家の子どもたちも、毎週月曜日に配布される教材を元に学習し、金曜日に宿題を提出する流れで勉強しています。

[digg] 「分からないことがあれば両親や姉たちに聞くこともありますが、ほぼ自分たちで学習しています。自分たちの知識だけでは内容を充分理解することが難しいです」と小学生の二人は言います。

 

ヴィラメント一家

[digg] スマートフォンを使用して答えをインターネットで検索することもありますが、通信状況が不安定でつながらないときもあり、宿題が完成せず提出が遅れることもあるとのことです。先生とのやりとりもグループチャットで実施されるため、インターネットへのアクセスは必須です。

[digg] アナリザさんやアイラさんのように高等教育になるとグループワークや調査を伴う課題が出ることもあり、その課題を進めるのに難しさを感じていると話してくれました。

 

◆サトウキビ生産者・グレゴリオ一家の事例

ジョナリンさん(18歳、高校2年生)、マエジョリーさん(11歳、6年生)、ジョヴェリンさん(10.歳、小学5年生)、ジョナサンさん(9歳、小学4年生)、ジョベルトさん(6歳、小学1年生)

[digg] コロナ禍になってから在宅学習が始まっています。毎週月曜日、先生が教材を家に届けに来てくれて、金曜日に宿題を提出する流れで学習をしています。

ジョナリンさん(18歳、高校2年生)

小学生の子どもたち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[digg] グレゴリオさん一家は、インターネット接続のための環境を整えたり、パソコンや携帯を準備することができません。そのため、分からないことがあったら母親のエレナさん頼みとなっているそうです。

グレゴリオさん夫妻

[digg] 兄弟の中でも上の子が下の子を教えることもありますが、それでも分からない場合は、子どもたちの不明点はそのままに放置されてしまっています。

[digg] 先生とは教材を届けてくれる時に会うことはできますが、クラス全員分の教材を自宅まで配っていることから、あいさつ程度の話しかできないそうです。

 

 

[digg] 在宅学習が始まってから、インターネットが使える環境であるか、親が面倒をみたり教えられる度合いにより学びの質が違っているようです。親も答えが分からない場合は、インターネットで調べたり一緒になって勉強するなど、以前にはなかった対応が求められています。在宅学習になってから友達にも会うこともできていませんが、子どもたちはパンデミックだからしかたがないと理解している状況が続いています。

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生産者へのメッセージは生産者に伝えていきます。よろしくお願いいたします。
なお、すべての質問項目に関してご回答は任意です。

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フェアトレードショップみらい

2021年9月1日

繰り返されるガザ地区への攻撃、 その背景にあるパレスチナ問題とは fromパレスチナ

2021年8月24日

2021年5月10日、パレスチナ自治区ガザがイスラエル軍による空爆に見舞われた。21日、ガザ地区を実効支配するハマスとイスラエル政府の間で停戦合意が交わされたが、子ども66人を含む242人のガザ住民が犠牲となり、2000人近くが負傷したと国連人道問題調整事務所(OCHA)は発表している。
ガザ地区では2008〜09年、2014年とこれまでもイスラエル軍による大規模な軍事攻撃があり、多数の尊い人命が失われてきた。

東エルサレムの分離壁と入植地

パレスチナ問題の経緯

パレスチナ問題の発端は、19世紀末ロシアやヨーロッパ各地でユダヤ人が迫害されるなか、ユダヤ人国家建設を目ざす「シオニズム」まで遡り、「土地なき民に民なき土地を」というスローガンの下、ユダヤ人のパレスチナ移住が始まった。しかし、そこは元々パレスチナ人が暮らしていた土地だ。
第一次世界大戦後、英国による委任統治が始まると、ユダヤ系移民は一気に増え、パレスチナ人との対立が激化した。英国の三枚舌外交はその後のパレスチナ人とユダヤ系移民の対立に拍車をかけることになる。1947年に、パレスチナ問題は国連の手にゆだねられ、パレスチナの土地にアラブとユダヤの二つの国家を作るという「パレスチナ分割決議」が採択された。当時のパレスチナに新しく移住し、パレスチナの1割にも満たない土地に住んでいたユダヤ人が57%の土地を得るという内容で、アラブ人はこの分割案を拒否した。しかし、イスラエルは1948年に独立を宣言し、第1次中東戦争(1948~1949年)で圧倒的な軍事力に物を言わせてパレスチナの占領を拡大した。

パレスチナ領土の変遷

イスラエルによる占領政策

イスラエル建国の前後にかけて、約75万人のパレスチナ難民が生まれた。パレスチナ人の間では「ナクバ(大災厄)」と呼ばれ、土地を追われた多数のパレスチナ人は難民となってイスラエルや周辺諸国に流れ込んだ。その後難民は増え続け、70年以上が経った今日、500万人以上のパレスチナ難民は故郷に戻ることができていない。
イスラエルは1967年、第3次中東戦争により、さらにヨルダン川西岸地区やガザ地区を軍事占領した。国連安保理はイスラエル軍の撤退を求めたが、イスラエルはこれに応じず、1970年代以降、パレスチナの土地への入植を拡大し、パレスチナ人の土地は虫食い状態となり、さらに2002年からは入植地を守るという名目で分離壁の建設を開始、西岸地区とイスラエルの境界であるグリーンライン(1949年の停戦ライン)を超えてパレスチナ側に深く入り込み、人びとが自由に移動できないなど日常生活に大きな影響が出ている。

分離壁

「エルサレム問題」とは

エルサレムには、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3宗教の聖地がある。1947年の国連のパレスチナ分割決議ではエルサレムを国連の永久信託統治区とした。1948年にイスラエル建国が宣言され、第1次中東戦争後の停戦でエルサレムは分断され、西エルサレムをイスラエルが、東エルサレムはヨルダンが統治することになった。ヨルダンは、当時イスラエルによってパレスチナ人村落から追われた多くの難民たちを「東エルサレム住民」として受け入れた。
1967年、第3次中東戦争後にイスラエルは占領を拡大。一方的に停戦ラインを変更し、エルサレム旧市街を含む東エルサレムを占領する。1980年に一方的に併合し、エルサレムを「永遠の首都」として宣言した。ただし、欧州諸国や日本を含む国連加盟国のほとんどがイスラエルによる東エルサレムの併合を承認していない。

分離壁に描かれたアート

イスラエルによる分離壁建設によってパレスチナ自治区から切り離された東エルサレムに住むパレスチナ人は、イスラエル側からも排除され閉塞状態に置かれてきたが、今回さらに、東エルサレムのシェイク・ジャラ地区のパレスチナ人169人(ナクバで家を失い、難民となった家族)をイスラエル人入植者が実力行使で立ち退かせようとする暴挙が発生した。それに対するパレスチナ人の抗議活動はイスラム教の聖地、アルアクサ・モスクにおけるイスラエル治安部隊との衝突に発展し、それが引き金となって、今回のハマスによるロケット弾の発射とイスラエル軍によるガザ地区への空爆に至った。
今回のガザ攻撃について、停戦合意は結ばれたものの、根本的な問題の解決は何一つなされていないのだ。

※第一次世界大戦において、オスマン帝国と戦った英国は、シオニストを支援すれば欧米在住のユダヤ人から協力を得ることができると考え、「パレスチナにユダヤ国家建設を支持する」という書簡を送り(バルフォア宣言)、一方でオスマン帝国からの独立を目指していたアラブ人に対して、「アラブの独立支持を約束する」というバルフォア宣言とは矛盾する書簡を送っている(「フセイン・マクマホン協定」)。さらに同盟国であるフランスとは、戦争終結後はオスマン帝国の領土を分割するという協定(「サイクス・ピコ協定」)を結んだ。

黒岩竜太 (くろいわ ・りゅうた/ATJ)

 

「パレスチナの声を聴く」オンラインセミナー開催!

占領下のパレスチナの状況や現地NGOの活動とその根底にある思いを直接NGOスタッフからじっくり聴かせてもらうセミナーを企画しました。参加費無料です。ぜひご参加ください!セミナーの詳細は、こちらからご覧ください。

【バナナニュース318号】野菜ボックスの宅配事業inバコロド

2021年8月20日

バランゴンバナナの輸出を担うオルタートレード・フィリピン社では、「the BOX」と称して有機野菜など生鮮食品の宅配事業を展開しています。

2021年7月現在、ネグロス島の州都バコロド市内に623人の登録消費者がいます(定期利用は453人ほど)。70人の生産者のうち、52人はバランゴンバナナやマスコバド糖の生産者です。

2013年に始まったthe BOX。新鮮なものを届けるための物流の改善、商品の品質向上、需給マッチの難しさなど開始当初から抱えている課題に加えて、オンライン注文・決済の要望、環境に配慮した包材を使ってほしい、肉(現在は鶏肉のみの取扱い)、干し魚を取り扱ってほしいなど、新たな課題も出てきています。

「新鮮な有機食材が手に入る」「玄関まで配達してくれるからありがたい」「最初は食の安全を考えて始めたけど、今では毎週の注文が習慣になり、家族の健康にもつながっている」など登録者からのうれしい声も届いているようです。

 

◇コロナ禍での宅配事情◇

感染拡大防止のため移動や出勤の制限があり、事務所自体を閉鎖しているところもあるため、以前は企業や銀行、政府機関などの職場への配達をしていましたが、そこでの登録者が減ってしまったとのことです。一方、買い物のための外出が敬遠され、個人の登録者が増えました。この辺りは日本の状況と同じようです。

日本の宅配事業にヒントを得て始まったフィリピン国内の生産者と消費者をつなぐ取り組み、これからも見守っていきたいと思います。

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