<おすすめ調理法①>高温調理

2022年2月5日

<おすすめ調理法②>低温調理

2022年2月4日

食のギャラリー/エコシュリンプ「高温でさっと炒めます」

2022年2月2日

徹底解説!パプアのクラフトチョコレート fromインドネシア・パプア州

2022年2月2日

 茶色くて甘い物体に一途な念を込め、老いも若きも意中の人を射止めるべくさまよう日。それこそが日本のバレンタインデーです。今回は、そんな目出度い日を彩る一助となるべく、パプアクラフトチョコレートの魅力をご紹介致します。

カカオ豆から、手間ひまかけて作られます
 パプアクラフトチョコレ ートは、その名の通り「インドネシア・パプア州産カカオ豆から手づくりされたチョコレ ート」です。パプア州のカカオ豆の味をダイレクトにお届けしたいということで出来上がったこの製品は、将来的にはパプア州で一貫生産するオールパプア品を目指していますが、今のところは現地にそういう設備もノウハウもないため、東ジャワ州の小規模な工場で手作りされています。


市販の多くのチョコレートは、ざっくり言えば「仕入れたカカオマスやココアバターを溶かして、砂糖や粉乳(の調整品)などと混ぜて、練って粒子を細かく滑らかにして、調温をして、冷やして完成」なのですが、カカオ豆から作ろうとすると、「カカオ豆を分別して(石など混ざっている可能性があるので)、焙煎して、殻を剥いて中身(胚乳部分)だけにして、それをすり潰してドロドロにする」という作業が追加されます。実際やってみるとわかりますが、殻が思うように剥がれない=きちんと剥がれたか目視確認する必要がある、焙煎温度が不適切だと焦げ臭くなったり良い風味が吹っ飛んだりする、本当にドロドロで作業しづらい・・・ 等々、手をかけないとできない工程ばっかりです。その分大切に仕込まれていきます。

ベテランの技を駆使して完成!
 できあがったドロドロに砂糖や粉乳などを混ぜ、さらに滑らかにしていきます。設備も限られている小規模手づくり工場なので、一晩ローラーを回しっぱなしにして、ようやく食べたときにザラつかない程度の粒径まで小さくなります。見た目にも滑らかでして、これが、すっぴんのチョコレート生地です。そのまま舐めると止まらなくなります。

チョコレート生地を型に入れる

 出来上がった生地を調温し(調温することで、食べたときにパキッとなる分子構造と言いますか、そういう組成を作り出します)、型に入れます。それを冷蔵庫で冷やすことでチョコレート自体は完成するのですが、パキッとなる=割れやすいのです。割れたら、当然やり直しです。そして一つの型の中には6枚のチョコレートが寝そべっていて、一人が脱落すると連鎖的に皆が脱落する怖さを孕んでいます。しかしこれまで何万枚というチョコレートを作ってきたベテラン達は、この型に対して繊細かつ大胆に打撃を加えることで、チョコレート達を優しく型から引っぺがしていくことができます。こうして出来上がったチョコレートは、割れや欠けが無いかをチェックされた後、1枚1枚袋に封入されてから箱詰めされ、緩衝材に守られながら日本に到着します。

固まったチョコレートを型から外す

毎年微妙に違うのも、一つの『味』!?
 このように、―つ一つの工程が人の手によって行われて出来上がるパプアクラフトチョコレ ート。今のところのフレーバーはカカオ67%(緑)とミルクココナッツ(白)の2種類です。カカオ67%は、本当にカカオ豆と砂糖だけの、超シンプル配合。絶妙に散りばめられたカカオニブが作り出す、歯に心地よいザクっとした食感がチャームポイントです。単純な中にも味と食感のダブルパンチ。甘すぎず、ダイレクトにガツンと、パプア州産カカオをお楽しみ頂ける一品です。

 打って変わってミルクココナッツは、脱脂粉乳を使用した優しい風味のチョコレ ート生地。そこに生から採って乾燥させて作ったココナッツ果肉のパウダーを配合することで、インドネシアを感じるト口ピカルな風味を出すことに成功しています。

 日本の市販チョコレートの品質やその安定感は、もはや世界ーと言っても過言ではありません。それでも、手づくりされたチョコレ ートには手づくりの良さがあります。カカオ豆は農産物ですし、収穫後に発酵も行われるので、毎年、いや毎回の収穫でも出来が異なります。パプアクラフトチョコレートは、そんなわけで毎年味が微妙に違います。それも含めて手づくりの魅力•••と捉えて、チョコレ ートが溶けない程度の温かい目で見守って頂けると嬉しいです。さーて今年はどんな味に仕上がっていますでしょうか。お楽しみに!

若井俊宏(わかい・としひろ/ATJ)

PtoP NEWS vol.48 

2022年2月1日

PDFファイルダウンロードはこちらから→P to PNEWS vol.48

【バナナニュース323号】大型台風22号(フィリピン名:オデット)がバナナ産地を通過

2022年1月25日

 非常に強い台風22号が2021年12月16日夜から17日にかけてフィリピンを直撃し、バランゴンバナナの産地であるネグロス島及びボホール島が大きな被害を受けました。バランゴンバナナ生産者には人的被害は報告されていませんが、ネグロス島から届くマスコバド糖のサトウキビ生産者1名が、全壊した家屋の下敷きになりお亡くなりになったと連絡がありました。台風通過直後は停電が発生し、通信状況もしばらく安定せず安否確認に時間を要しました。40代の現地スタッフ曰く、今までに経験したことがないくらいの台風だったとのことです。

東ネグロス マンサグマヨン地域

 バナナ生産者においては、家屋の全壊や半壊の報告が105軒分ありました。バナナと一緒に育てているココナッツや果樹類、野菜などその他の農作物、家畜への被害がありました。生産者からは強風や豪雨への恐怖や収入源が少なくなってしまうといった心配の声が届いています。


■バランゴンバナナの被害

 バナナは木ではなく草であるため強風に弱く、大きな実をつけているものはすぐに倒れてしまいます。今回も多くのバナナが倒され、ネグロス島では、葉が切れるなども含めると、約9割の株が被害を受け、ボホール島は全滅してしまいました。台風からの回復は6~10ヵ月かかると見込まれており、今回被害を受けていない他の島の産地から届くバナナと合わせて、通常の約6割の出荷量となります。
当面、皆様にお届けするバナナが少なかったり、届かないなどご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了解いただけると幸いです。

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よろしければ、このニュースを読んだ感想をお聞かせください。
生産者へのメッセージは生産者に伝えていきます。よろしくお願いいたします。
なお、すべての質問項目に関してご回答は任意です。

食のギャラリー/エコシュリンプ「エコシュリンプとトマトの卵炒め」

2022年1月24日

ホット塩ココア

2022年1月24日

食のギャラリー/カカオ「ブラウニー」

2022年1月23日

アイス塩ココア

2022年1月21日

スムージーボウル

2022年1月21日

食のギャラリー/エコシュリンプ「エビのガーリックパン粉焼き」

2022年1月12日

明らかになった産地の被害全容―台風オデット被害状況【第2報】

2022年1月11日

 昨年12月16日夜から17日にかけてフィリピンを直撃した台風22号(フィリピン名:オデット)による産地の被害状況が明らかになってきました。

茎から折れたバナナ(ネグロス東州カンラオン市)

 ネグロス島には900名近くのバナナ生産者がいます。オルタートレード・フィリピン社(ATPI)及びオルタートレード・フィリピン財団(ATPF)が行った現地調査によると、約5万3千本のバナナが根こそぎ倒れ、15万7千本のバナナに茎が折れたり、葉が裂けるといった影響がありました。

倒伏したサトウキビ(ネグロス西州ラカステリアナ町)

一方、マスコバド糖の原料となるサトウキビ畑では、300ヘクタールのうち約40%にあたる115ヘクタールでサトウキビが倒伏する被害が出ました。

 被害程度にもよりますが、バナナは回復までに6-10か月を要する見込みです。また、台風に比較的強いサトウキビも倒伏したため糖分の含有量が減る影響が心配されています。他にも生産者の水田、ココナッツ、様々な種類の果樹や野菜、家畜にも被害が出ています。

全壊したパッカーの家(ネグロス東州北部)

 家屋の被害も甚大です。ネグロス島では生産者、集荷や運搬担当者、バナナのパッカーなど90軒の家屋が全壊、半壊は300軒近くに上りました。さらにボホール島、ミンダナオ島北部のバナナ産地でも、生産者の家屋倒壊はなかったものの、それぞれ1万本近くのバナナに被害が出ている模様です。

 ATPIとATPFが産地の被害状況を動画にまとめました(約5分)。
倒伏したバナナやサトウキビ畑、倒壊した家屋の惨状には目を覆うばかりです。夜半から朝方に通過した台風の豪雨と強風は本当に怖かったと一人のサトウキビ生産者が回顧しています。

 被害を受けた産地では依然として飲み水の不足、停電が続いています。電力会社からは大きな被害があった場所では、電気の復旧は2月頃になる見込みとも発表されています。家が全壊・半壊した生産者からは、早く家に帰るために壊れた屋根を修復するための材料がほしいとの要望も届いております。ATPIとATPFは、生産者らの家屋再建やバランゴン、サトウキビの生産復興を中心とする支援を計画しています。ATJもどういう形で協力できるか、ATPI、ATPFと協議しています。

食のギャラリー/エコシュリンプ「エビのポテトフライ」

2022年1月11日

食のギャラリー/エコシュリンプ「トルティーヤ」

2022年1月7日

食のギャラリー/エコシュリンプ「”プリプリ”エビの水ぎょうざ」

2022年1月7日

食のギャラリー/エコシュリンプ「フライパンで簡単パエリア」

2022年1月7日

食のギャラリー/バナナ「バランゴンバナナケーキ」

2021年12月26日

”和”と楽しむパレスチナのオリーブオイル

2021年12月24日

 オリーブの栽培は、地中海沿岸から始まったとされ、現在では、米国のアリゾナやテキサス、南米、アフリカ 、オーストラリアなど、世界各地で栽培されています。日本の小豆島でも、明治時代からオリーブが栽培されてきました。

地域の個性溢れるオリーブ果実から搾ったオイル

 オリーブの実をギュッと搾り、果肉から抽出した油分がオリーブオイル。菜種油やごま油など、種から油分を抽出した油は多くありますが、果肉から取れる油はあまりなく、搾りたてのオリーブオイルはジュースのようだと表現する人もいます。

 土壌や気候、風士、地理、品種などの違いにより、様々な風味、個性のオリーブオイルが存在します。ワインの世界でよく聞かれる「テロワール」という言葉。日本語で表現するのは難しい言葉ですが、その土地の気候、風土に育まれた食材、土地の味、といったような意味でしょうか。今では、ワインだけでなく、農産物、チーズ、肉などにも使われるようです。

 オリーブ原産地の一つとされるパレスチナのオリーブオイルも、その土地で育ったオリーブならではの個性があります。ATJがお届けしているオリーブオイルは、パレスチナのヨルダン川西岸地区で育てられたナバリ種を中心としたオリーブの木から収穫された実から作られます。パレスチナでは、数千年前からオリーブ栽培が行われてきたとされ、今でも人びとの暮らし に深く根付いており、毎年10月~11月はオリーブを収穫してオイルに加工する季節です。

バレスチナと日本の食文化のコラポレーション

 出来るだけ多くの人にパレスチナのオリーブオイルを味わってもらいたいときまぐれやの吉田友則シェフにご協力いただきいろいろな食べ方を提案していただきました。

けんちん汁にひとたらし

 それを試してみてわかったことは、パレスチナのオリーブオイルが和の食材と非常に相性が良いということです。先ほどのテロワールの話からすると、遠く離れたパレスチナの土地の食べ物と 日本の食材?とピンとこないかもしれませんが、この意外な組み合わせ、はまります!
 例えば、私たちの食生活で身近な調味料である醤油や味噌とも相性がいいです。けんちん汁やみそ汁にひとたらし 。

かつおのオリーブオイル漬け

 また新鮮な魚(鯛でも鰹でも鰺でも何でも)を刺身にして、パレスチナのオリーブオイルに一晩漬けこみ、翌日、醤油をほんの少したらしてお召し上がりいただくと、この組み合わせの相性の良さを感じていただけると思います。

お豆腐にも

 豆腐やしらすなど、淡泊な味のものにはコクと風味を添えてくれます。キノコやゴボウ、レンコン、茄子、ピーマンなど、えぐみやあくの強い食材にもよく合い素材の味がまろやかに引き出されて、よりおいしくいただけるように思います。また、お茶漬けにもよく合います。刺身の切り身数枚をネギなどの薬味やとろろ昆布と共にご飯の上にのせ、熱々のダシをかけたお茶漬けに 。その上に、塩、オリーブオイル、お好みで醤油をかけるとおいしさがアップします。

お茶漬け

 そして、普段の朝食、目玉焼きもオリーブの風味を添えてちょっと一味アップ。パレスチナのオリーブオイルをフライパンに熱して、ふわっとオリー ブオイルの香りが出たところで、卵をフライパンに落とし、卵の白身の端がカリカリと焼けてきたら、お皿に移し、醤油をほんのひとたらししてお召し 上がりください。パレスチナのオリーブオイルの味と香りと和の調味料 が、いい感じに混ざり、味わい深い目玉焼きになること請け合いです。是非一度、お試しください。

 パレスチナのエキストラバージンオリーブオイルは、パレスチナのオリーブの果実を搾っただけで、一切の化学的処理加工をせずに作られたオイルです。オレイン酸やリノール酸などの天然成分が豊富に含まれたままで、健康効果の高い食品と言われています。いろいろな食材と組み合わせて、味を楽しみつつ、遠くパレスチナの大地からやってきたオリーブオイルなんだ、と少しだけかの地に思いをはせていただくことができたら幸いです。

中村桃子(なかむら・ももこ/ATJ)

食のギャラリー/エコシュリンプ「低温調理」

2021年12月23日