カテゴリー: レポート(オリーブオイル)
オリーブオイル
10/4(土)開催「停戦を、食料を、今すぐに」NGOからの報告会・キャンドルアクション
パレスチナ・ガザ地区での未曾有の人道危機が始まって2年が経過します。停戦の見通しが立たないまま封鎖によって人々は閉じ込められ、空爆や銃撃のみならず飢餓や病にもさらされ、食料や清潔な水、医療品を十分に得られないでいます。生きたかった命、大切な家族や友人、体の一部を失い続ける日々を、ガザの人々は731日も重ねようとしています。
世界のどこであっても、人々が傷つき命を奪われる非人道的な状況を見過ごしてはなりません。パレスチナの人道支援に関わり続けてきたNGO・パレスチナに連帯する市民として、私たちは改めて人々を守るための即時の恒久的停戦と、人質・被収容者の無条件の解放、封鎖解除、占領の終結を呼びかけます。そして思いを寄せる人々と共に、あかりを灯し、世界へ発信します。
当日は聖アンデレ教会にて、NGOによる共同声明の発表、そして現地の人々の声をお伝えする報告会を行います。報告会終了後、増上寺の境内に移動し、犠牲者の追悼と停戦への願いを込めたキャンドルアクションを実施します。報告会、キャンドルアクションともに、どなたでもご参加いただけます。
なお、思いを同じくする全国の皆様にはぜひ、同じ時間にお手元でキャンドルを灯し、ガザの人々に思いを寄せていただけますと幸いです。「#停戦を食料を今すぐに」と「#Gaza」のタグをつけて、イベント同日17:00~20:00にSNSなどでのご投稿・シェアも歓迎いたします。
【概要】
◼︎日時:2025年10月4日(土)17:00〜20:00
第1部:報告会・声明発表 17:00〜18:15(於:聖アンデレ教会)
登壇:人道支援に携わるNGOスタッフなど
第2部:キャンドルアクション 19:00〜20:00(於:増上寺境内)
※雨天決行
◼︎場所:
第一部:聖アンデレ教会(東京都港区芝公園3-6-18)
東京メトロ日比谷線 神谷町駅 出口1(東京タワー方面)から徒歩5分
第二部:
大本山 増上寺境内(東京都港区芝公園4-7-35)
都営地下鉄三田線 御成門駅から徒歩3分、芝公園から徒歩3分
※聖アンデレ教会から増上寺まではスタッフが誘導します(徒歩10分)
(地図:Google マップより)
◼︎参加費:無料、会場で寄付を募ります(キャンドルなどの開催費用に充てます)。
◼︎申込:会場の都合により、NGOからの報告会は事前申し込みをお願いいたします。(定員100名)
キャンドルアクションは事前申し込み不要です。キャンドルアクションのみご参加される方は、当日直接会場へお越しください。
お申込フォームはこちら
https://forms.gle/xWfdya7gcbKZD8cu5
◼︎ご参加の皆様へのお願い
キャンドルアクションは、安全上の理由からLEDキャンドルを使用いたします。使用するLEDキャンドルは会場で準備しておりますのでご持参は不要です。
◼︎情報保障、アクセシビリティ
UDトーク、筆談のご用意をいたします。
車いすご利用の方は、info@ngo-jvc.netまでご相談ください。
◼︎主催 「停戦を、食料を、今すぐに」アクション実行委員会
特定非営利活動法人APLA、特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク、株式会社オルター・トレード・ジャパン、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター、特定非営利活動法人パルシック、特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン、ピースボート、公益財団法人日本YWCA、公益財団法人日本YMCA同盟
◼︎協力:中東研究者有志アピール呼びかけ人、特定非営利活動法人国境なき医師団日本、特定非営利活動法人国境なき子どもたち
◼︎本イベントに関するお問い合わせ
株式会社オルター・トレード・ジャパン広報室 赤松・吉澤
pr@altertrade.co.jp
UAWC・ガザにおける「飢饉」のIPC公式確認に関する声明
パレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、パレスチナ農業開発センター(UAWC)では、先日国連の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」から発表されたパレスチナ・ガザ地区における「飢饉」の報告を受けて声明を出しました。
パレスチナ農業開発センター(UAWC)
2025年8月24日
パレスチナ農業開発センター(UAWC)は、国連の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の報告書[1]が発表されたことを受け、この緊急声明を発表します。この報告書は、イスラエル占領軍による約2年に及ぶジェノサイド戦争の結果、ガザ地区で「飢饉(IPCに基づく評価で、最も深刻なレベルであるフェーズ5)」が発生していることを公式に確認するものであります。IPCによれば、現在、50万人以上のパレスチナ人が壊滅的な飢餓に直面しており、イスラエルによる包囲と破壊が続けば、この数字は、今後数週間で64万人以上にまで達すると予測されています。IPCはさらに、飢饉はガザ市だけにとどまらず、南部へと拡大しており、ガザ地区の全住民が飢えと死で脅かされていると報告しています。
IPCは、ガザ地区の5歳未満の子どもの30%以上が急性栄養不良に苦しんでおり、死亡率は飢饉のしきい値を超えていると報告しています。2025年7月だけで、1万2000人以上の子どもたちが急性栄養不良と認定され、このジェノサイドが始まって以来、最も死亡率が高く、最も飢餓が深刻な月となりました。IPCは、食料、医薬品、水、医療へのアクセスを含む状況の根本的な転換がなければ、飢饉の危機はこの地域で前例のない大量死のレベルにまで拡大するだろうと警告しています。報告書は、イスラエルによる占領がガザ地区の食料システムを破壊したことを明らかにしています。農地と食料の生産能力は破壊され、人びとは外部からの援助に完全に依存していますが、それはイスラエルによる制限のため、著しく不十分で不安定なままです。
この飢饉は、占領者イスラエルがガザ地区の食料システムの破壊を組織的な目標とし、人道援助を意図的に妨害した直接の結果です。ジェノサイド戦争が始まった当初から、占領者イスラエルは、パレスチナ人を一掃し支配する手段として飢餓を武器化してきました。IPCの報告は、ガザ地区における飢饉が、イスラエルによる包囲、砲撃、そして意図的な生活必需品へのアクセスの遮断を通じて、人為的、計画的につくられたものであることを裏付けています。
UAWCは、この飢饉は、飢餓によるジェノサイド行為であることを強調します。占領者イスラエルは、国際法ならびに人類の基本的道徳を犯し、ガザ地区のパレスチナ人の生活を消滅させる武器として、意図的に飢えというものを利用しています。IPCの報告書は、この攻撃が始まって以来、パレスチナ人が言い続けてきたことを裏付けています−飢餓は、計算された戦略として押し付けられてきたのです。
UAWCは、国際社会に対して、ガザ地区における飢饉は避けられないものではなく、押しつけられたものであるという現実を認識し、行動するよう求めます。本来は完全に防ぐことができるものであるにもかかわらず飢饉が続いているのは、占領者イスラエルによるジェノサイド政策の遂行が処罰されずに許されてきたからです。世界は、即時かつ恒久的な停戦、封鎖の完全解除、ガザ地区への自由な人道的アクセスを要求しなければなりません。そうでなければ、飢餓によるジェノサイドに加担することになるのです。
ガザ地区における「飢饉」の発生に関する声明
2025年8月22日、統合食料安全保障段階分類(IPC)は、ガザ地区の中心地であるガザ市における食料危機が、最も深刻な状態を示すフェーズ5「飢饉(ききん)」に達したと発表しました。
こうした大変深刻な状況を受け、ATJも参加する「パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会」は、以下の通り声明を発出しました。
ガザ地区における「飢饉」の発生に関する声明
2025年8月22日
本日日本時間の18時、国連の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は、パレスチナ・ガザ地区の中心地で北部に位置するガザ市の「飢饉(ききん)」1 発生を公式に発表しました。9月30日までに、避難者が最も多い中南部に位置するハーン・ユニス、デール・アル・バラハを含むガザ全域で、人口の3分の1にあたる641,000人が飢饉のレベルに達し、2026年6月までに132,000人の子どもが急性栄養不良に陥ると報告されています2。
飢饉とは飢餓(きが)の最も深刻な状態で、IPCの定義によれば、地域において少なくとも20%の世帯が食料の極端な不足に直面し、少なくとも30%の子どもが急性栄養不良状態にあり、毎日10,000人あたり2人が飢餓や栄養不良と病気の相互作用により死亡する場合を指します3 。
少なくとも62,000人が空爆等の攻撃により犠牲になっているガザ地区は、2023年10月7日以降、イスラエルにより厳しい物資の搬入制限が行われてきました。特に今年の3月以降は物資の搬入がほとんど行われず、5歳未満の子ども70,000人と、妊娠中または授乳中の女性17,000人が急性栄養不良に直面しています。
UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)によると、3月以降、命に関わるほどの急性栄養不良の子どもの人数は急増し(図1)、また、UNRWAが3月以降100,000人の子どもに対して行った栄養スクリーニングでも、3人に1人が栄養不良に陥っています4。また、UNOCHA(国連人道問題調整事務所)によれば、これまでに栄養不良による死亡が少なくとも269人確認されており、うち112人が子どもです5。病気との合併症で亡くなる子どもを含めれば、その数はさらに増えると予想されます。
私たちの活動地に暮らす、9歳と10歳の子どもの母親であるナイルーズさんは、「この厳しい状況で私が願うのは、ただ『食べること』です。そして『子どもたちに食べさせること』です」と話してくれました。また、リームさん(14歳)は「4日間、食べ物も水もありませんでした。市場に行っても、高すぎて何も買えません。母が買い物に行くたびに、私はイチジクやブドウを心の中で思い描きますが、母は何も見つけることができません」と教えてくれました。
あばらが浮き出た、枯れ木のように細い手足の子どもを抱くお母さんの気持ち、耐え難い空腹にさらされ続ける子どもや人々の気持ちを考えると、強い憤りと悔しさを覚えます。関係団体のスタッフによると、急性栄養失調に陥った子どもたちには、すでに泣き叫ぶ気力も残っていません。
今回の飢饉は、完全封鎖されたガザ地区への物資を極端に制限することで引き起こされた、いわば人為的に作り出された飢餓の結果です。そして、飢餓を戦争の道具として利用する行為は、国際法上厳しく禁止されています。私たちガザで働くNGO、パレスチナと連帯するNGOや市民は、この間、物資搬入、ガザ地区の恒久的な停戦、国際法の遵守を繰り返し求めてきました。
そして、世界中のNGOや国連機関が、ガザ地区の状況を改善するために入念に準備し、人々を救うための物資を、ガザの入り口まで届けています。しかし、こうした物資をガザ域内に入れる許可が下りません。
ガザ地区の子どもの命を救う時間は、もう尽きてしまいました。人道の理念は、もろくも崩れ去りました。私たちは、こうした状況を許してしまった私たち自身を内省するとともに、人道支援アクセスの許可を粘り強く求め続けます。そして、ガザ地区の子ども、人々をこうした状況に追いやったイスラエル政府に対し、国際法を遵守するようあらためて強く求め、日本政府をはじめとした各国政府には、直ちにこの人為的飢饉を食い止めるための効果的な手立てを講じるよう要請します。
パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会
(五十音順)
特定非営利活動法人アフリカ日本協議会
特定非営利活動法人APLA
特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
株式会社オルター・トレード・ジャパン
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
公益財団法人 日本YWCA
特定非営利活動法人パルシック
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
ピースボート
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
特定非営利活動法人メドゥサン・デュ・モンド ジャポン (世界の医療団)
1 Integrated Food Security Phase Classification(統合食料安全保障段階分類(IPC))に基づく評価で、最も深刻なレベルである「IPCフェーズ5」
2 GAZA STRIP: Famine confirmed in Gaza Governorate, projected to expand | 1 July – 30 September 2025
3 IPC “WHAT IS FAMINE”
4 UNRWA, Alarming new data from UNRWA clinics in Gaza, 20 August 2025
5 UNOCHA, Humanitarian Situation Update #315 | Gaza Strip, 21 August 2025
声明に関するお問い合わせ先:
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
〒110-8605 東京都台東区上野 5-22-1 東鈴ビル 4F
info@ngo-jvc.net / 03-3834-2388
【パレスチナ国家承認署名】岩谷外務大臣へ署名を提出
8月7日、人道外交議連による岩谷外務大臣表敬に、実行委員会の代表者2名が同行させていただき、署名を提出いたしました(提出時点で37311筆)。
▼詳しい詳細は、外務省のホームページをご確認ください。
たくさんの方にご協力いただき、誠にありがとうございます。
署名は今後も継続していきますので、引き続き、拡散をお願いいたします。
▼「世界につづけ、パレスチナ国家承認」署名ページ
https://www.change.org/Palestine_State_Recognition
イスラエル軍がUAWCシードバンクの種子増殖施設を破壊~食料主権と在来種の保存への攻撃
パレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、パレスチナ農業開発センター(UAWC)が運営するシードバンク内の種子増殖施設が攻撃されました。7月31日に発信されたUAWCのプレスリリースから以下ご報告します。
イスラエル軍よるパレスチナの農業主権に対する攻撃が一段とエスカレートし、今朝、西岸南部の都市ヘブロンにあるUAWCのシードバンク内の種子増殖施設が襲撃されました。
イスラエル軍はブルドーザーや重機を使用して、同施設の倉庫やインフラを破壊しました。これらの倉庫には、在来種の再生産のために必要な機材や種子資材、道具類が保管されていました。破壊行為は事前の警告なしに、軍の保護下で実施され、パレスチナの地域の生物多様性の保全と食料主権の確保に向けた取り組みに対する直接的な打撃となっています。
このような民間の農業施設を意図的に標的とする行為は、パレスチナのレジリエンス(回復力)の根幹を脅かす戦略的な攻撃です。UAWCのシードバンクは、伝統的な品種の種子を保護し、地域での種子の再生産や交換を通じて小規模農家を力づけるうえで、極めて重要な役割を果たしてきました。
この攻撃は、入植者による暴力の激化、土地の強奪、そしてパレスチナ人のコミュニティの生存手段を破壊しようとするイスラエルの占領政策が進行する中で発生しています。地域全体で守り伝えてきたシードバンクの破壊は、農民と土地との世代を超えたつながりを断ち切ろうとする「抹消行為」です。
私たちは、すべての国際的なパートナー、人権擁護者、連帯運動に対し、この犯罪に対して強く抗議の声を上げるよう求めます。
また、農業・環境・人権に対する度重なる違反に対して、イスラエル占領当局の責任を追及するための国際的な即時介入を強く求めます。
パレスチナ西岸地区・ガザ地区の現状に関する報告
オリーブオイル出荷団体の一つ、パレスチナ農業開発センター(UAWC)より、パレスチナ西岸地区及びガザ地区における7月現在の現状報告が届きました。

【西岸地区の状況】
植民地拡大、分断、および組織的な抑圧
2025年現在、占領下の西岸地域は、イスラエルの入植型植民地拡大と制度化されたアパルトヘイトの強化されたキャンペーンに直面し続けています。これには、入植地の急速な拡大、土地の接収、強制移住、入植者による暴力、及びパレスチナ人の移動と経済活動に対する体系的な制限が含まれます。これらの行為は、占領国の民間人を被占領地に移転することを禁止する第4ジュネーブ条約を含む国際法に明白に違反しています。また、人権を保護し、人種差別を禁止する国際法規範にも反しています。
イスラエルの監視団体と国連機関が発表したデータによると、2025年上半期だけで、イスラエル当局は1万4,000戸を超える新たな入植者住宅建設を承認しました。入植地建設は、パレスチナ人の土地と資源に対するイスラエルの永久的な支配を強化し続けています。2025年1月以降、西岸地区で少なくとも580のパレスチナ人施設が破壊され、そのうちエリアCの遊牧民コミュニティ全体が破壊され、950人以上が避難を余儀なくされました。その大半は子どもです。
入植地のアウトポスト(前哨基地、イスラエル政府非公認の入植地)、軍事射撃区域、入植者専用バイパス道路、分離壁によって、現在100万ドナム(約1,000㎢)を超える土地が事実上併合されています。イスラエル軍は、パレスチナ人の農地や水源へのアクセスを禁止する閉鎖軍事区域を継続的に施行し、地域の生計をさらに破壊しています。
入植者の暴力は劇的に激化し、2025年1月から7月までの間に1,250件を超える攻撃が記録されました。これは2024年同期比で60%の増加です。これらの攻撃は、イスラエル兵士の保護下または直接的な支援を受けて行われ、人への攻撃、作物への放火、家畜の殺傷、財産の強奪などが含まれます。
パレスチナ人の移動は、655を超える固定化した検問所、路上の障害物、軍事ゲート、入植者による道路封鎖により、ますます制限されています。これにより、西岸地区は孤立した地域に寸断されています。これらの制限は、パレスチナ人の移動の自由の権利を侵害するだけでなく、医療サービス、教育、市場、農地へのアクセスを制限しています。
社会経済状況はさらに悪化しています。西岸地区の失業率は2025年半ばまでに27%に達し、若年層と農村地域ではさらに高い水準が報告されています。農業生産は土地の接収、入植者の威嚇、軍事制限により深刻に制約されており、パレスチナコミュニティ全体で食料不安が深刻化しています。
2025年に最も懸念される動向の一つは、E1入植地計画の復活と進展です。この計画は、違法なマアレ・アドミム入植地と占領下の東エルサレムの間にある12平方キロメートルの土地に、3,412戸の入植地住宅を建設するものです。イスラエル民間行政の高位計画委員会は、2025年8月6日にこの計画を審議する予定です。この計画が実施されれば、E1は西岸地区を物理的に分断し、北と南を分離し、東エルサレムを周辺のパレスチナ人コミュニティから孤立させることになります。
この計画は、特にラマッラ、ベツレヘム、東エルサレム近郊に残った開けた地域において、パレスチナ人の重要な農業地域、放牧地、水資源へのアクセス路を直接脅かします。放牧を営む家族の強制移住を加速し、農地へのアクセスを制限し、分断と排除を特徴とするアパルトヘイトのインフラをさらに固定することになってしまいます。
イスラエルの入植地政策は国際法に反して継続されています。これはパレスチナ領土の分断を深化させ、連続したパレスチナ国家の実現可能性をむしばみ、農村部と農業で生計を立てる暮らしを解体するプロセスを加速させています。この体系的な抑圧は、アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、およびパレスチナ領土における人権状況に関する国連特別報告者を含む多くの機関によって、1973年の「アパルトヘイト犯罪の抑圧と処罰に関する国際条約」に違反するアパルトヘイト体制を構成するものとして広く認識されています。
【ガザ地区の状況】
ジェノサイド、飢饉、そして武器となった援助
2023年10月以降、ガザ地区は大量殺戮、強制移住、飢餓を戦争の武器として体系的に使用するジェノサイド(集団虐殺)攻撃に直面しています。これは国際人道法の重大な違反であり、ジェノサイド条約第2条が禁止した「人口の全部または一部を破壊する意図をもって、生活条件を押し付ける」というジェノサイドの要件を満たしています。
ガザ人口の85%以上(190万人)が避難を余儀なくされています。イスラエル軍は意図的に農場、パン屋、市場、漁港、水道施設を破壊し、ガザの地域自給システムを機能不全に陥らせ、食料主権を抹消しています。
総合的食料安全保障レベル分類(IPC)2025年7月報告によると:
- ガザの人口の100%が危機レベル(フェーズ3)の飢餓またはそれ以上の状況に直面しています;
- 47万人が飢饉状態(フェーズ5)にあり、110万人が緊急事態(フェーズ4)にあります;
- 飢饉は援助が最も制限されている北部と中央部で最も深刻です。
ガザ人道財団(GHF)は軍事化された援助と死のインフラ
2025年5月、イスラエルは「ガザ人道財団(GHF)」を設立し、中立的な援助機関として偽って宣伝しました。実際には、GHFは占領当局の機関であり、支配、分断、非人間化を目的としています。GHFは、正当な人道支援の手段を、軍事化され、依存関係を強要する国際人道法に違反したシステムに置き換えたものです。
GHFの配給場所が死を招く拠点となっています。7月中旬までに、これらの拠点周辺で少なくとも13,805人のパレスチナ人が殺され、5,252人が負傷しました。イスラエルの有力紙、ハアレツの調査によると、イスラエル軍兵士は援助物資車両の近くで民間人に対して発砲するよう命じられていました。これはローマ規程(第8条)に定める戦争犯罪に該当し、国際人道法第55条(人道援助の妨害禁止)の違反に当たります。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、パレスチナ人が食料を求める時に、飢餓か射殺かの選択を迫られていると警告しました。この援助モデルは、生命、尊厳、安全の権利を侵害しています。
人道支援体制の弱体化
GHFは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の解体と既存の援助システムを阻害するキャンペーンと共に発足しました。支援物資を積んだ車両は恣意的な遅延、超えてはならない一線、直接的な軍事的妨害に直面しており、特に飢餓が最も深刻な地域で顕著です。これらの措置は、飢餓を戦争手段として禁止しているジュネーブ条約第1追加議定書第54条に違反しています。
パレスチナ人はGHFを断固として拒否しています。UAWCを含む160を超える団体は、人道支援がコミュニティの自治や尊厳を奪うべきではないと確認しています。食料は慈善ではなく、主権、文化、抵抗です。
アワダ・ハサリーンさんを偲んで

日本でも報道されていますが、ヨルダン川西岸の南部マサーフェル・ヤッタ地区で殺害された活動家・アワダ・ハサリーンさんは、パレスチナのオリーブオイル出荷団体パレスチナ農業開発センター(UAWC)のメンバーでした。
UAWCから届いた悲報です。
2025年7月28日、マサーフェル・ヤッタ地区の農民であり、教師であり、活動家として親しまれていたアワダ・ハサリーンさんが、彼の暮らすウンム・ヘイル村をイスラエル人入植者の暴力的な襲撃から守ろうとして、入植者の銃撃により殺害されました。アワダさんは、パレスチナ農業開発センター(UAWC)の地域農業委員会のメンバーでもありました。
アワダさんは、3人の幼い子どもの父親でした。地元の生徒たちに英語を教え、情熱と技術を持って農地を耕していました。彼はマサーフェル・ヤッタ地区のサッカーチームでプレーし、隣人や仲間から深く愛されていました。また、米アカデミー賞(オスカー)を受賞したドキュメンタリー映画『ノー・アザー・ランド』にも出演し、パレスチナ人の闘いについて明瞭な語り口で勇気をもって語っていました。
彼を殺害したイーノン・レビという入植者は、パレスチナ人に対する暴力行為によってカナダ、英国、米国からすでに制裁を受けている人物です。しかしながら、イスラエル占領軍は現場に到着した時、犯人を逮捕するどころか、保護したのです。そればかりか、弔問のためのテントを襲撃し、弔問に集まった人びとに対して催涙ガスとゴム弾で攻撃し、入植者の逃亡を阻止しようとしたアワダさんの従兄弟を含む親戚を逮捕したのです。
これは、ウンム・ヘイル村のようなコミュニティを彼らの土地から引き剥がすことを目的として、長年続けられてきた入植型植民地支配の暴力のほんの一部です。2022年1月には、アワダさんの祖父であるシェイク・スレイマン・ハサリーンさんが、占領軍の保護下にあったイスラエルのレッカー車に故意に轢き殺されました。今、同じ家族、同じ村が再び悲しみに暮れているのです。
私たちは、この痛みを分かち合うためだけでなく、皆さんに行動を起こしていただくためにこの文章を書いています。
私たちは、皆さんに下記のことをお願いします:
- アワダさんの殺害を公に非難し、説明責任を求めること。
- 国際刑事裁判所(ICC)と国際司法裁判所(ICJ)を通じた国際的な法的措置を求めること。
- マサーフェル・ヤッタや周辺地区での「プロテクティブ・プレゼンス(注)」や連帯活動を支援すること。
-アワダさんの物語を広めること。彼の名前、彼の闘いを共有すること。

アワダさんは亡くなったが、彼の声は消えない。
悲しみと抵抗とともに。
パレスチナ農業開発センター(UAWC)
注:外部者が現場に存在することで、入植者の暴力からパレスチナ人やコミュニティを守る平和運動の手法。
パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会が外務省を訪問

7月2日(水)、パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会のメンバーと一緒に外務省を訪問し、団体309団体、個人:4329名にご賛同いただいた「ガザの恒久的停戦と、パレスチナの和平を求める」声明への署名を英利アルフィヤ外務大臣政務官に直接手渡しました。

英利政務官からは、すべての人質の解放と停戦に向けて、イスラエルを含むすべての当事者に対して交渉に立ち戻り停戦合意の継続に向けて誠実な対応を求める日本政府の立場と、岩屋外務大臣がイスラエルのサール外相と5月には対面で、6月20には電話で会談し、正面から問題提起をして強く申し入れをしているという報告がありました。 加えて、今後もNGOなどとの意見交換もしながら一緒に歩み続けられれば嬉しいというコメントもありました。
外務省のウェブサイトでも掲載されました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_02362.html
PARCガザ地区の職員、イスラエルの攻撃の犠牲に
イスラエル軍の攻撃により、パレスチナのオリーブオイル出荷団体の一つパレスチナ農業復興委員会(PARC)のガザ事務所の職員2名及び職員のご家族が亡くなられました。
心からご冥福をお祈りするとともに、ガザ地区で続く封鎖やジェノサイドが一刻も早く終わるよう、引き続き国際社会の一員としてできることをし続けていきたいと思います。
以下は、PARCから届いた悲報です。
ガザ地区での虐殺、ジェノサイド、封鎖が続くなか、パレスチナ農業復興委員会(PARC)は、わずかこの1週間の間に(6月末から7月初めにかけて)、イスラエル占領軍による激しい無差別爆撃によって、2名の同僚を失いました。亡くなった方たちに神のご加護がありますように──
PARCの現地コーディネーターとして働いていた23歳の女性、バトゥール・アブ・サムラさんは、自宅がイスラエル占領軍の空爆の標的となり、家族23人とともに命を落としました。
アフマド・サアドさんはPARCの報道コーディネーターとして活動し、兄弟のアリさん、アラーさんとともに亡くなりました。彼は、PARCがガザ地区で救援物資を配布している人道支援キャンペーン「Building Hope for Gaza(ガザに希望を)」の動画で支援物資配布の様子を伝えていた人物です。
PARCのフェアトレード事業会社であるアルリーフ社職員の息子であるマフムード・ニスルさんは、米国の支援物資配布拠点で物資を受け取ろうとしていたところを「死の罠(わな)」(※注)となった現場で命を落としました。
これらの方々、そしていまなお続くジェノサイドと入植者による植民地主義のもとで苦しんでいるすべてのパレスチナ人を、どうか心に留め、お祈りください。
※注:アメリカとイスラエルが支援する「ガザ人道財団(GHF)」による食料配給を受け取りに来たパレスチナ人に対してイスラエル兵が発砲して、数百人が犠牲となっている。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長がGHFの手法は「死の罠(わな)」だと非難した。
ガザで続く飢饉とジェノサイドに関するUAWCからの声明
UAWCは、600日以上も続いている侵略とジェノサイドによってガザ地区で人道的な大惨事が深まっていることを警告します。国連食糧農業機関(FAO)の報告によれば、窒息させるような封鎖と農地の95%が組織的に破壊された結果、人為的な飢饉が進行しています。
ガザは現在、前例のない人道的災害に見舞われています。すべての住民が飢餓の脅威にさらされており、特に北部地域では、容赦ない砲撃と強制移住にさらされた人びとが大惨事を凌ぐレベルの飢餓に耐えています。栄養失調や脱水症状、汚染された水による病気で子どもたちが毎日死んでいます。これらは政治的意思と集団的懲罰による戦争犯罪です。
イスラエルが農場、種子、灌漑、漁業インフラ、さらには家畜や果樹まで破壊し尽くした結果、耕作可能な土地はわずか5%しか残っていません。食料主権の解体を目的とした組織的な政策により、かつては地域内の食料需要の30%以上を生産していたガザ地区は、今や日々の基本的な糧を満たすことができなくなっています。
600日以上にわたるジェノサイドと飢餓を経た今、私たちは以下のことを宣言します:
- 私たちは、ジェノサイドを前にした国際社会の沈黙を非難し、封鎖の即時解除と、230万人の人びとに十分な量の食料、医薬品、燃料を供給できるようにするための国境の開放を要求します。
- 私たちは、国際社会に対し、飢餓行為の停止を求める国際司法裁判所(ICJ)の判決に違反したイスラエルに対し、直ちに制裁を科すよう求めます。
- 私たちは、国際人道法を守る国連システムの失敗を糾弾し、農民や漁民が標的とされ、その多くが死傷していることについて、独立した調査を要求します。
- 私たちは、残りの5%の農地を復旧させるため、また、砲撃が続くなか、命がけで農地を守っている農民を保護するための緊急の資金援助を要求します。
- 私たちは、現在進行中の飢餓は意図的な犯罪であり、ガザを救うためには、政治的解決の前提条件として、侵略の終結と農業システムの再建が必要であることを確認します。
- 私たちはすべての当事者に対し、人道的行動の原則(人道性、中立性、公平性、透明性)を堅持し、人道援助が文民的な性質を保ち、意図された受益者に確実に届くよう強く求めます。私たちは、イスラエル軍と民間の警備請負業者による死の待ち伏せによって引き起こされるさらなる犠牲者を防ぐため、すでに確立されていた人道主義の原則を尊重した支援物資の配給メカニズムを遵守することの重要性を強調します。
食料主権は人権であり、ガザの持続可能な未来は、占領、封鎖、戦争から解放された、公正で強靭な農業システムの再構築の上に築かれなければならないことを、私たちは繰り返し強調します。
私たちはまた、世界中の自由を愛する人びとや正義を支持する人びとに対し、ジェノサイドと飢餓に反対する抗議行動や大衆行動を強化するよう呼びかけます。
食料は自由と切り離すことはできません。
ガザは飢えている…そして世界はそれを見ている。
【オンライン署名】世界につづけ、パレスチナ国家承認

ATJでは、パレスチナの平和を求める他団体とともに「パレスチナ国家承認を求める実行委員会」に加わり、日本政府に対してパレスチナの国家承認を求めるオンライン署名を集めています。
2023年10月以降、ガザ地区の封鎖を伴うジェノサイド攻撃、西岸地区における違法な入植地の拡大や難民キャンプへの攻撃は激しさを増しており、現在も続いています。
これまでATJでは、オリーブオイルの民衆交易を通じて生産者に連帯してきましたが、イスラエルによる占領が続く限り、オリーブ生産者が恐怖と不安のない平和な暮らしを手にすることはないことを痛感しています。
現在パレスチナの人々が受けている人道危機は、イスラエルの占領政策がもたらしているものです。この問題を解決するためには、人権法や人道法を含む国際法の対象となるパレスチナ国家を設立し、パレスチナ人自らが決める権利を確保し、また自由に生きるための手段を確保しなければなりません。
日本はこれまでイスラエルとパレスチナによる「二国家」による問題の解決を謳いながら、イスラエルのみを国家承認しています。この不均衡な現状を変えるためにも、パレスチナの国家承認が必要です。
パレスチナのオリーブオイルを輸出するパートナー団体も、今パレスチナで起きているジェノサイドを終わらせるために、国際社会が声をあげるよう呼びかけています。
今回集めた署名は、石破茂総理大臣、岩屋毅外務大臣に提出する予定です。
ぜひ、みなさんの署名・情報拡散のご協力をお願いいたします。
▼オンライン署名はこちらから
https://www.change.org/Palestine_State_Recognition
▼署名呼びかけのチラシをダウンロード・印刷できます。ぜひご活用ください。
https://www.change.org/p/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%A5%E3%81%91-%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E6%89%BF%E8%AA%8D/u/33583186
PARCによる救援活動報告~ガザ地区に希望を~
2023年10月から始まったイスラエル軍のガザへの攻撃を受けて、2つのパレスチナのオリーブオイル出荷団体ではガザへの支援活動を開始しました。現地からの呼びかけを受けて、日本でも募金を集めて現地へ届けました。
パレスチナ農業復興委員会(PARC)では2023年11月初めよりガザ地区で緊急支援「ガザ地区に希望を」募金キャンペーンを継続しています。日本からの支援金が活用されているPARCのフェアトレード事業会社であるアルリーフ社の支援実績が届きました。
~ガザ地区に希望を~募金キャンペーン報告(2025年4月現在)
2023年10月7日以降に始まったガザ地区でのジェノサイドに対応し、アルリーフ社は、2023年10月22日に募金キャンペーン「ガザ地区に希望を」を開始しました。
このキャンペーンの目的は、イスラエル占領軍による侵攻の影響を軽減することにあります。この侵攻により、ガザ地区では貧困が深刻化、大規模な破壊、死亡者64,000人以上、負傷者111,000人以上、住居の破壊と喪失がもたらされ、食料・清潔な水・生活必需品の喫緊の必要性が増しています。アルリーフ社は、難民キャンプや国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校、その他の避難所に避難している人々に対し、食料などの人道支援物資を送っています。
国連によると、戦争中にガザ地区全体で少なくとも190万人(人口の約90%)が避難を強いられ、繰り返し避難し、中には10回以上避難している人もいます。2025年1月からの停戦は3月18日のイスラエルによるガザ地区への爆撃により破られ、わずか1ヶ月で1,630人以上が死亡し、50万人以上が再び避難を強いられました。ガザ地区では全住宅の92%が損傷または破壊されました。今でも緊急支援、避難所、生活必需品の差し迫ったニーズがあり、復興には530億ドル以上が必要と見積もられています。
2025年3月2日から、イスラエルは支援物資トラックのガザ地区への搬入を止めていますが、アルリーフ社は引き続きキャンペーンを継続し、支援を届ける機会を待っています。
寄付金の活用方法
日本を含む海外から寄せられた寄付金は、西岸地区のパレスチナ人農家から以下の農産品を購入するために寄付金を活用しています:
- マジョールデーツ(ナツメヤシ)・ペースト(1kgパック)
- ザアタル(タイムスパイス)(1kgパック)
- フリーケ(緑のロースト小麦)(700gパック)
- エキストラバージン・オリーブオイル(3リットルボトル)
- その他適した食品
これらの製品は、栄養価が高く、簡単な調理で摂取でき、常温での長期保存が可能なため、ガザの状況に適しているものです。
支援・第1便
アルリーフ社は、西岸地区の農家から食品を購入することで、経済的に困難な状況にある農家の支援も行っています。第1便では、ザアタル、マジョールデーツ・ペースト、フリーケを計20パレット準備しました。

2024年5月、イスラエルによりガザ地区との国境が閉鎖された後、南部のカレム・アブ・サレム検問所経由で支援物資を搬入できる可能性があると通知されました。2024年5月26日に支援物資を積み込みましたが、イスラエル当局はパレスチナ側の支援トラックの通行を再度禁止し、わずかなトラックだけが通過を許可され、その後長期間に渡って国境は再び閉鎖されました。
アルリーフ社は品質保持のため、西岸地区北部のトゥルカレムの倉庫に支援物資を保管し、その後、アル・ラムにある自社倉庫に支援物資を戻さざるを得ませんでした。
ヨルダン・ハシェミット慈善機構(JHCO)を通じた支援物資配送
その後、アルリーフ社は、ヨルダン王室が管轄するJHCOを通じて支援物資をガザへ届けることを決定し、2024年8月25日にヨルダンへ支援物資を発送しました。そして、2024年10月25日に、ガザ北部にあるPARCの倉庫にようやく物資が到着しました。

JHCOは、アンマンの倉庫からイスラエル領内を経由し、北部のジキム検問所を通ってガザへ輸送。PARCのガザ支部が支援物資を受け取り、スタッフがボランティアと共にPARCの支援対象区の人々へ配布しました。
JHCOは、国内外での慈善活動、人道支援、難民支援を行うヨルダン王室直属の非営利団体です。様々な非営利団体や組織と協同して、世界中の被災地域や難民を支援しています。パレスチナやガザ地区の人々への支援も実施し、学校や医療センター、難民キャンプの設立・管理も担っています。
アルリーフ社は、JHCOの西岸地区代表を通じて正式な申請を行い、西岸地区においてガザへの支援物資配送ができた唯一の団体となりました。
支援物資の分配
アルリーフ社がガザに送った支援物資の分配は、PARCが担当しました。PARCは、西岸およびガザ地区で農業開発プロジェクトを展開しており、現地スタッフとボランティアが、難民キャンプ、UNRWAの学校、避難所などで被災した人々へ支援物資を配布しました。

第2便および今後の支援について
キャンペーンによる残りの資金と、現在も継続的に寄せられている海外からの支援により、第2便の支援を計画中です。第2便には、2024年産の新しいオリーブからとれたオリーブオイルを主に届ける予定です。これは、売れ残ったオリーブオイルの買い取りによる農家支援(2年連続で状況が困難な中で収穫・製造)と、ガザの人々への人道支援という二重の効果があります。
アルリーフ社は、このキャンペーンに関わったすべての人々に深く感謝しています。ガザ地区での危機の規模に比べればささやかな支援かもしれませんが、何らかの形で行動を起こす一人ひとりの貢献に心より感謝申し上げます。
「ガザ地区の恒久的停戦とパレスチナの和平を求める」賛同署名のご報告

ATJは「パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会」のメンバーとして、パレスチナで活動するNGOとともに「ガザ地区の恒久的停戦とパレスチナの和平を求める」声明を発表し、広く団体・個人の賛同署名を集め、外務大臣及び関係議員へ提出しました。
多くの方にご署名ならびに情報拡散にご協力いただき、誠にありがとうございました。
最終的に以下団体・個人の方から署名をいただきました(5月15日最終集計)。
団体:309団体 個人:4329名(非公開含む)
賛同者の詳細は以下よりご確認ください。
https://www.ngo-jvc.net/activity/advocacy/20250310_gazastatement.html
※サイトの下の方に賛同者の記載があります。
「Stop Gaza Starvation(ガザの飢餓を止めろ)」キャンペーンの報告(2025年2月)
2023年10月から始まったイスラエル軍のガザへの攻撃を受けて、2つのパレスチナのオリーブオイル出荷団体ではガザへの支援活動を開始しました。現地からの呼びかけを受けて、日本でも募金を集めて現地へ届けました。
パレスチナ農業開発センター(UAWC)では2023年11月初めよりガザ地区で緊急支援「ガザの飢餓を止めろ」キャンペーンを継続しています。2025年2月時点での支援実績が届きました。報告が遅くなりましたが、以下が報告内容になります。

パレスチナ農業開発センター(UAWC)
2025年2月23日
人道支援と再建のための努力が盛り込まれた2025年1月19日の停戦合意にもかかわらず、イスラエル占領政府は、その実施を組織的に妨害してきています。
UAWCでは、拡大する危機への対応として人道支援活動を大幅に強化してきました(前回の報告はこちらからNPO法人APLAウェブサイト)。「ガザの飢餓を止めろ」キャンペーンは、緊急救援物資を配布し、生計の維持を応援し、避難生活を余儀なくされている家族を支援するというミッションを掲げ、揺らぎない活動を続けています。多様な取り組みを通じて、長期的な回復力のために活動するとともに、被害を受けた人びとの最も差し迫ったニーズに応えることを継続していきます。
UAWCによる報告書の日本語訳版を下記よりご覧いただけます。
姉妹団体のNPO法人APLAでは、UAWCからの呼びかけを受けて、ご寄付を受け付けています。
◆募金の方法◆
- 郵便振替の場合:
郵便振替▶ 00190-3-447725 特定非営利活動法人APLA
※通信欄に必ず「パレスチナ支援」と明記ください。 - 銀行振込の場合:
銀行口座▶ みずほ銀行高田馬場支店(普通)2650327
特定非営利活動法人APLA
※振込人名、金額、「パレスチナ支援」である旨をAPLA事務局までご一報ください。 - クレジットカードの場合:
お手元にクレジットカードをご用意ください。お申込みフォームで「今回のみの寄付」「99.緊急支援」をお選びいただき、寄付金額をご選択ください。その他の必要事項をご入力のうえ、「決済方法」で「クレジットカード」を選択ください。続いて、クレジットカードの情報の入力画面が表示されます。
◎いずれの場合も領収書の発行は省略させていただきます。領収書が必要な場合は、APLA事務局までご連絡ください。
◎募金総額の一部(上限5%)を事務経費のために使用させていただきますこと予めご了承ください。
【賛同署名のお願い】「ガザの恒久的停戦と、パレスチナの和平を求める」共同声明
ATJは「パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会」のメンバーとして、パレスチナで活動するNGOとともにガザ地区の恒久的停戦とパレスチナの和平を求める声明を発表し、広く団体・個人の賛同署名を集めています。パレスチナ人の離散を象徴する日である5月15日(ナクバの日)まで署名を募り、内閣総理大臣、外務大臣、及び関係議員へ提出する予定です。

3月24日に行われた「互恵のためのアジア民衆基金(APF)」理事会で、パレスチナ農業開発センター(UAWC)代表でAPF理事でもあるフアッド・アブサイフ氏よりガザ地区及びヨルダン川西岸地区での近況報告がありました。
1月19日に停戦合意が締結されたものの、イスラエル政府は3月2日よりガザ地区を全面封鎖し、そのため多くの人々が飢餓に瀕していること、そして3月18日以降のイスラエル軍の再攻撃によりガザ地区の人びとが置かれた状況は2023年10月に戦争が始まった時よりさらに厳しいと話しています。
「一人の人間として、私たちとともに立ち上がり、即時かつ恒久的な停戦、占領の終結、封鎖の解除を求める声明に賛同してくださるようお願いする次第です。
すべての賛同署名は、沈黙に抗う声です。
すべての賛同署名は、この犯罪を拒否するものです。
すべての賛同署名は、人間性を共有する行為です。
パレスチナが求めているのは、哀れみではなく正義であり、涙ではなく声です。
署名を。情報拡散を。そして立ち上がってください。
安全保障、政治、沈黙の名の下に、今まさに虐殺されている人々のために。」(フアッド氏)
パレスチナ農業復興委員会(PARC)からもメッセージが届きました。
「パレスチナの人々は、76年以上にわたって平和を求めて闘い続けてきました。しかし、この困難な時期にあって、私たちは、パレスチナ人の政治的・人道的権利、そして自己決定権を支持し、行動してくださる世界中の友人たちの支援によってこそ、平和を実現できると確信しています。」
オリーブオイルを通じて繋がっているパレスチナのパートナーのこの切実な訴えを受けて、パレスチナの人々が人権、尊厳が守られた暮らしを一刻も早く送れるよう、皆様からの賛同署名を切にお願いする次第です。また、情報拡散にもご協力賜りますようお願い致します。
賛同署名を呼び掛けるチラシを用意しました。どうぞご活用ください。
イスラエルの占領がガザを餓死に追いやる

2025年4月25日金曜日、世界食糧計画(WFP)は、ガザ地区における食料備蓄が完全に尽きたことを発表しました。
2025年3月2日以来、イスラエル占領軍は、ガザ地区への食料、水、燃料、人道支援物資のすべての搬入を阻止しています。ほぼ2ヶ月間、パレスチナの人々は意図的に生存手段を断たれ、作り出された飢餓によって死に追いやられています。
WFPの支援のもと運営されていたすべてのパン工房は、小麦粉と調理用燃料が尽きたため、3月31日をもって閉鎖されました。家族が2週間過ごせるよう配布されていたWFPの食料支給も3月末までに底を突きました。備蓄はもはやありません。配給もありません。棚は空っぽで、かまどの火も消えています。
現在、ガザの国境には11万6千トン以上の食料支援物資が待機しており、これは100万人分の食料を最大4ヶ月間賄える量です。しかし、イスラエル占領軍はその搬入を拒否しています。
ガザは今、飢えさせられています。
これは単なる人道的危機ではありません。この人為的な飢餓は、現在進行中の戦争犯罪です。
ガザの食料システムは、イスラエルの爆撃と包囲によってすでに破壊されました。農業、農場、漁場、給水システム、衛生施設、基本的インフラが意図的に標的にされました。
イスラエルによる国境封鎖はガザ市場を崩壊させ、壊滅的な物資不足と恐ろしいほどの食料価格の高騰を引き起こしました。4月第1週時点で、食料安全保障部門は、ガザの家庭の約80%が食料を完全に人道支援に依存していると報告しています。そして、その支援もイスラエルの占領軍により強制的に打ち砕かれました。80%の家族が市場にすらアクセスできず、95%が食料が販売されていたとしても支払えないと回答しています。食料価格は、ジェノサイド前の水準に比べて1.5~7倍も高騰し、一部のものは「停戦期間」と呼ばれる時期と比較して最大14倍もの価格になっています。乳製品、卵、果物、肉などの必需品は完全に市場から姿を消しました。ジャガイモやタマネギといった基本的な野菜さえも、価格が10倍以上跳ね上がりました。4月第1週時点で、市場の運営能力は40%未満に落ち込み、在庫も1〜2週間で尽きると予想されていました。4月末の現在、在庫は完全に底をついています。
同時に、エネルギー危機も食料危機と並行して深刻な状況にあります。料理用ガスの価格は40倍も急騰し、絶望した人々は健康や命を危険にさらしながらゴミやプラスチックを集めて火をおこしています。
この飢餓は偶然のできごとではありません。これは、イスラエルによる計画的な「飢餓によるジェノサイド」という政策です。イスラエル占領軍は、人間の最も基本的なニーズを武器としてパレスチナ人を民族浄化しようとしています。人々が食べて、生きて、存在する能力そのものを体系的に破壊しようと企んでいるのです。
ガザは、作り出された飢餓とジェノサイドという暴力の間で押しつぶされています。
さらに、イスラエル占領軍は、フィラデルフィ回廊とモラグ回廊の間に設けられた「緩衝地帯」を拡大し、ガザ全体の約20%にあたる土地を軍事管理区域に変えています。これには、ブルドーザーによる農地の破壊、住宅の破壊、避難民たちが帰る場所を奪う行為が含まれています。軍事請負業者たちを含む米国企業が、こうしたアパルトヘイトと強制移住のインフラ構築に直接関与しています。これは、占領地の破壊と収奪という継続中の戦争犯罪の一環であり、ガザの土地、経済、未来とのつながりを恒久的に断ち切るものです。
飢餓に直面して中立はあり得ません。
世界が行動しないことに対する言い訳は存在しません。
UAWCは、以下を強く要求します。
- ガザ地区へのすべての国境検問所を即時かつ無条件で開放し、食料、水、医薬品、燃料、人道支援物資の自由な搬入を認めること。
- イスラエルによるガザ封鎖の終結、戦争犯罪への責任追及、ジェノサイドの即時かつ恒久的停止への国際的圧力。
- 飢餓を戦争とジェノサイドの手段とした行為について、ローマ規程および国際人道法に基づく国際的な訴追。
- ガザの食料システムの回復と再建をパレスチナ人主導で進めること(占領勢力や依存を助長する国際機関による押し付けではないこと)。
飢餓とジェノサイドにおいて交渉の余地はありません。
必要なのは、封鎖の即時かつ完全な終結と、パレスチナの解放だけです。
2025年4月29日 パレスチナ農業開発センター(UAWC)のニュースより
ジェノサイドの手段としての飢餓 ―ガザ地区の飢餓についてUAWCからの声明
パレスチナ農業開発センター(UAWC)は、ガザ地区にて深刻化する飢餓について緊急の注意喚起をします。この大惨事は、イスラエルによるジェノサイド攻撃によって意図的に引き起こされたものです。2025年3月2日以降、イスラエル占領軍は、ガザ地区へのすべての食料および人道支援の搬入を阻止しています。4月7日(月)、イスラエルの財務相ベザレル・スモトリッチは「小麦の一粒さえもガザ地区に入れさせない」と発言し、ガザ地区に飢餓を強要するというイスラエルの方針を再確認しました。これは政策の失敗ではなく、大量の飢餓を計画的に進める入念に計画されたキャンペーンです。

今日、ガザ地区の人々は意図的に飢えさせられています。
パレスチナNGOネットワーク(PNGO)は、ガザ地区を公式に「飢餓地域」と宣言し、国際社会にも同様の認定を求め、即時の介入を呼びかけています。PNGOは、特に子ども、女性、高齢者への壊滅的な影響を警告しており、イスラエルが食料・医薬品・燃料・安全な水の搬入を故意に拒否していると非難しています。ガザ地区は飢餓の末期段階に入り、34万5千人が「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)の第5段階(大惨事/飢餓)※にあり、住民の91%が危機レベルかそれ以上の食料不安に直面しています。これは国際社会の沈黙による計画的なジェノサイド行為です。
パレスチナ保健省によれば、6万人以上の子どもたちが急性栄養失調により回復不能な健康被害のリスクにさらされています。生後6ヶ月未満の乳児は、安全な水、粉ミルクや栄養支援を受けられず、感染症や乳児死亡のリスクを高める手段に頼らざるを得ない状況です。人道支援団体は、栄養検査の実施能力が30%低下し、離乳食などすぐに食べられる栄養食品もほぼ尽き、わずか400人の子どもしか支援を受けていないと報告しています。栄養支援のための施設の少なくとも15%が爆撃や避難の影響で閉鎖に追い込まれています。
イスラエルによる完全封鎖により、水へのアクセスも危機的状況にあります。
100万人以上(うち40万人が子ども)は、1日1人あたり6リットル(停戦中は16リットル)しか水を得られておらず、燃料供給が再開されなければ4リットル未満にまで減る恐れがあります。公衆衛生施設の崩壊とともに、水が原因による感染症が急増しています。イスラエルが管理するガザ地区への3本の水道管のうち、2本が切られました。1本は1月以降から止まっています。唯一稼働中の水道管はハンユニス地域に限定されており、イスラエル占領軍は他の水道管の修理を認めていません。南部最大の海水淡水化施設は電力不足により出力が85%削減されています。
病院は、容赦ない空爆による負傷者対応に追われるなか、衛生用品がまったくないため感染症予防もできない状況です。
250以上の医療施設が、ガザ地区の外で留められている医薬品、石鹸、消毒剤、滅菌用品などの必須物資を待っています。患者も医療従事者も完全に無防備な状態です。
ガザ地区の農業セクターは、計画的に破壊されました。
UAWCと食料安全保障に関わるパートナー団体は、食料生産の破綻をすべての分野で確認しています。農地の爆撃、ビニールハウスの破壊、灌漑システムの寸断、家畜は殺され、漁業は完全に麻痺しています。家畜は治療されずに感染症で死亡しており、農民は空爆や不発弾の脅威で農地に近づくことができません。漁船は壊れたまま放置され、漁師は海に出ると襲撃や逮捕の対象となります。結果として、ガザ地区は自給自足の能力を完全に失っています。
環境の崩壊も危機を加速させています。
イスラエルによるインフラの破壊は、土壌の汚染、大気の汚染、廃棄物処理システムの崩壊をもたらしました。5000万トン以上の瓦礫と人間の遺体が未回収のままであり、こうした状況下で有害物質へ曝されることが日常的になっています。世代を超えて大切にされてきたオリーブ畑や農地も壊滅しました。
これは人道的危機ではなく、“構造的な抹殺”です。
イスラエル占領軍は、包囲したガザ地区の住民の意志を打ち砕き、未来を消し去るために飢餓を兵器として使い続けています。ガザ地区の飢餓は偶発的ではありません。これは意図的なジェノサイド政策の結果であり、アメリカ、ドイツ、その他の共犯国によって支えられています。
国際刑事裁判所ローマ規程第8条第2項(b)(xxv)によれば、「戦争の手段として意図的に民間人の飢餓を引き起こすこと」は「戦争犯罪」に該当します。
UAWCは、パレスチナの食料主権が正義と解放の闘いと不可分であることを強調します。私たちはPNGOとともに、国際社会に対し、懸念の表明を超えて、飢餓の根本原因、すなわちイスラエルの軍事占領、入植型植民地主義、継続する封鎖と正面から向き合うよう呼びかけます。そのためには、以下が必要です:
- 即時かつ妨げのない人道的支援の搬入
- ガザ封鎖の解除
- 国際法に基づくイスラエルの責任追及
<国際刑事裁判所(ICC)および国際司法裁判所(ICJ)において)> - パレスチナ主導によるガザ地区の食料システム再建への支援
再確認します。この飢餓は、物流の問題ではありません。これは「戦争犯罪」です。
そして、それは「今すぐ終わらせなければなりません」。
※食料不安を計測する世界標準「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の定義による第5段階が壊滅的飢餓、第4段階が緊急事態
「ガザの恒久的停戦と、パレスチナの和平を求める」記者会見が行われました。

2025年3月28日、「ガザの恒久的停戦と、パレスチナの和平を求める」記者会見が、日本プレスセンタービル9F(東京都千代田区)にて行われました。この記者会見は、3月30日の「パレスチナ土地の日」を前に、ATJやAPLAの他、パレスチナで活動するNGOで立ち上げた「パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会」によって開催され、複数の団体が連携して3月10日に発出した共同声明の発表と、パレスチナの現状が伝えられました。
当日の報告は以下の通りです。
●趣旨説明、停戦前後の現地状況の説明:ピースウィンズ・ジャパン
●ガザ地区の状況:日本国際ボランティアセンター(JVC)、パルシック
●ヨルダン川西岸地区の状況:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、APLA
●「ガザの危機 国際法の観点から即時停戦を求める」:ヒューマンライツ・ナウ 伊藤和子氏
APLAの野川事務局長は、パレスチナ農業開発センター(UAWC)が制作したヨルダン渓谷で入植者によって400頭の羊が強奪された農民の取材動画を上映して、西岸地区で頻発する放牧地での入植者による組織的暴力について報告しました。
会見全体の様子はこちらからご覧いただけます。
記者会見の様子は以下のメディアで報告されました(掲載日順)。
○3月28日(金) NHK
パレスチナで支援活動の日本のNPOなど 恒久的な停戦の実現訴え
○3月28日(金) 朝日新聞
ガザの恒久的停戦を求める声明 パレスチナで支援の日本のNGO発表
○3月28日(金) 8bit News
ガザの恒久的停戦とパレスチナ全体の和平を!支援団体が訴える現地の今
○3月29日(土) 日本農業新聞
オリーブ園攻撃、羊の盗難… 戦禍のパレスチナ農業 日本の農家へ「心寄せて」 支援団体が緊急会見
○3月29日(土) 朝日新聞 朝刊・WEB
NGO「ガザ恒久的停戦を」
○4月2日(水) レイバーネット
ガザの恒久的停戦とパレスチナの和平を求める声明
○4月3日(木)日本農業新聞
[論説]パレスチナの戦火 和平へ思い連帯しよう
○4月6日(日) 東京新聞
「私たちの苦しみ想像できますか」ガザで悲痛の叫び イスラエル軍需企業に投資する日本政府が考えるべきこと
なお、声明は5月15日(ナクバの日)まで団体・個人の賛同を募り、内閣総理大臣、外務大臣、及び関係議員へ提出する予定です。引き続き、賛同・情報拡散にご協力を宜しくお願い致します。
「ガザの恒久的停戦と、パレスチナの和平を求める」共同声明および記者会見(3/24追記)
パレスチナのオリーブオイルの産地、ヨルダン川西岸地区ではオリーブオイルの出荷団体であるパレスチナ農業開発センター(UAWC)からの緊急報告(緊急報告1、緊急報告2)にあったように1月19日に発効したガザ地区での停戦合意以降、イスラエル軍による軍事攻撃が激化しています。
ATJは「パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会」のメンバーとして、パレスチナで活動するNGOとともにガザ地区の恒久的停戦とパレスチナの和平を求める声明を発表し、ガザ地区およびヨルダン川西岸地区の状況を広く知らせるために3月28日に記者会見を行います。
3/24追記:
こういった思いをお持ちのみなさまにもご参加いただけるよう、この声明に対する賛同を広く募ることにしました。賛同は個人、団体両方あります。何卒、ご賛同をお願い致します。また、情報拡散にもご協力賜りますようにお願い致します。
こちらの声明は、パレスチナ人の離散を象徴する日である5月15日(ナクバの日)まで、賛同(団体及び個人)を募り、内閣総理大臣、外務大臣、及び関係議員へ提出する予定です。
声明の内容は下記をご覧ください。なお、3月28日記者会見で、それまでに集まった賛同団体の名前と個人の賛同者数を発表する予定です。
「ガザの恒久的停戦と、パレスチナの和平を求める」声明 賛同フォーム
https://forms.gle/t17dM91wey8uZ2PJ7

「ガザの恒久的停戦と、パレスチナの和平を求める」声明
2025年3月10日
パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会
パレスチナ・ガザ地区における未曾有の人道危機は、少なくとも4万8千人[1]の尊い命を奪い、2025年1月19日、三段階あるとされる第一段階の停戦が実現しました。しかし、ようやく結ばれた停戦は決して恒久的なものではなく、人質の解放、大規模攻撃の再開、さらに食料や医療品など人々の命に係わる物資の搬入や送電までが取引の材料にされた状態で、今にも崩れ去ろうとしています。無辜の市民の命が一部の権力者によって操られていることに、強い憤りを覚えます。
第一段階目が実行された16日後から交渉される予定だった停戦の第二段階目では、ガザの恒久的停戦と、イスラエル人の人質およびパレスチナ人被収容者の双方の解放に加え、イスラエル軍のガザからの完全撤退が含まれることとなっていました[2]。しかし、それらは未だ実行されていません。そうした中、3月4日、イスラエル政府はガザの実効支配勢力に対し、人質の解放が達成されていないことを理由にガザへの攻撃再開を宣言し、米国政府はそれを支持しています。
パレスチナの平和と人道支援に関わり続けてきた日本の団体として、私たちはここに改めて人質・被収容者の無条件の解放と、イスラエル軍のガザからの完全撤退、そして恒久的停戦を実現するよう、両者に強く訴えます。
また、ガザでの停戦後、ヨルダン川西岸地区でのイスラエル軍や入植者による攻撃が激化している事実も看過することができません。西岸地区の北部、特にジェニン難民キャンプやトゥルカレムを中心に4万人以上もの市民が住む家を追われ、帰る場所を失っています。2024年1月から2025年1月の僅か1年間で、102人の子どもを含む555人がヨルダン川西岸地区で犠牲となりました[3]。攻撃の影響を最も受けるのは一般の市民です。私たちは、このような状況に晒されている人々の命と人権が守られるよう、日本政府が国際社会の一員として、ガザの恒久的停戦と共に、パレスチナ全体の和平の実現に向けて、あらゆる外交努力とアクションを引き続き行うよう、強く求めます。
[1] Reported impact snapshot | Gaza Strip (4 March 2025)
[2] How does the ceasefire deal between Israel and Hamas work?, BBC, 3 Mar 2025
[3] West Bank Monthly Snapshot – Casualties, Property Damage and Displacement | January 2025
私たちは、上記の声明の発表と、ガザ地区およびヨルダン川西岸地区の状況を広く知らせるために、記者会見を行います。
イスラエル建国とパレスチナ難民の発生から今年で77年目を迎えます。イスラエルによる1976年の大規模な土地接収に対する抗議で死者・負傷者が出た事件を悼み、各地でアクションが行われる3月30日の「土地の日」を前に、今一度パレスチナに思いを寄せ、パレスチナの人々がイスラエルの人々と対等な権利を享受し、自由に暮らせるために何ができるかを考える機会になればと思います。
「ガザの恒久的停戦と、パレスチナの和平を求める」記者会見
◎日時:2025年3月28日(金)10:30‐11:45 (受付開始10:15)
◎場所:日本プレスセンタービル9F 会見場 東京都千代田区内幸町2-2-
◎プログラム
・趣旨説明、ガザ停戦を巡る動き
・ガザ地区の状況(現地で活動するNGOからの報告)
・ヨルダン川西岸地区の状況と現地からのメッセージ
・質疑応答
・写真撮影
主催:パレスチナの和平を求めるアクション実行委員会
(実行委員会構成団体、五十音順)
特定非営利活動法人APLA
特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
株式会社オルター・トレード・ジャパン
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
公益財団法人 日本YWCA
特定非営利活動法人パルシック
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
ピースボート
この声明文に関する連絡先
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
〒110-8605 東京都台東区上野 5-22-1 東鈴ビル 4F
info@ngo-jvc.net / 03-3834-2388(担当:酒寄、今井)
【緊急開催】「ガザ停戦」後に激化しているパレスチナ・西岸地区での暴力 ー現地NGOからの緊急報告

2025年1月19日に発効したイスラエルとハマスの「ガザ停戦」以降、パレスチナのオリーブオイル産地でもあるヨルダン川西岸地区(以下、西岸地区)における暴力がこれまでにないほど激化しています。2001年の第二次インティファーダ以来最長となる軍事作戦がイスラエル占領軍によって展開され、2025年2月10日の国連の報告によると、この1カ月だけでも、ジェニン、トゥルカレムなどの難民キャンプを中心に西岸地区各地で合計4万人以上が強制的な移住を余儀なくされています。
また、イスラエルのクネセト(国会)では、国際司法裁判所(ICJ)と国連総会が違法性を確認した占領政策をさらに推し進め、西岸地区の「完全併合」のための新たな法案の議論が進んでいます。
パレスチナのオリーブオイル生産者や小規模農民を支援するパレスチナ農業開発センター(UAWC)から、こうした西岸地区の現在の状況について日本の多くの人に知ってほしいという訴えが届き、緊急報告の機会を設けることにしました。残念ながら日本のマスメディアではほとんど伝えられることがない西岸地区の現状について、ぜひ現地からの声をお聞きください。
日時:2025年3月4日(火)19:30〜21:00(最大で21:30まで延長の可能性あり)
オンライン会議ツールZoomを利用
報告者:フアッド・アブサイフ氏(UAWC代表)
*逐次通訳あり
参加費:無料(下記のいずれかから要申込み)
※お申込みの方は、後日アーカイブでご視聴もいただけます。
Peatix:https://24westbank.peatix.com/
フォームメーラー:https://ssl.form-mailer.jp/fms/2086dd7e848002
共催:特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク、特定非営利活動法人APLA、株式会社オルター・トレード・ジャパン