塩職人 ミシェル・コカールさんから便りが届きました。 「収穫の報告と秋・冬の塩職人たち」
塩職人 ミシェル・コカールさんから便りが届きました。
「収穫の報告と秋・冬の塩職人たち」(1/2)
日本の皆さん、こんにちは。
我が家の塩田では、2004年の塩の収穫が9月の半ばに終りました。この夏は雨が大量に降ったせいで、かなり長い期間収穫を中断しなければなりませんでした。その影響で「ゲランド塩生産者共同組合」に属する組合員の収穫量は4900トンにしかなりませんでした。これは平均的な年の収穫量の約半分ほどです。けれど、この収穫不足も深刻な問題ではありません。というのもおととしはあの異常な暑さの年で、大量の収穫がありました。そのために今現在、協同組合のストックは2年分の販売量があるのです。だから、私たちは安心して2005年の収穫を待つことが出来るというわけです。
収穫した塩を協同組合の貯蔵倉庫に入れて、ほっと一息。2週間ばかりの休みを取って休憩をしました。(といっても、今年は中断が長かったので実はあんまり疲れていなかったのですが……。)
そしてその後仕事を再開、今度は塩田維持のための共同作業です。15人前後のグループを組み、古くなって整備が必要な塩田を共同で修理します。まずはオイエ(採塩池)の底(床)の再生。オイエの底は、年月がたつにつれて毎年の収穫のために形が崩れてきます。底の粘土は柔らかいので、結晶した塩が研磨剤のようになって土をわずかづつ削ってしまうのです。そのために20年から25年に一度、新しい粘土を隣の蒸発池から持ち込んで、大掛かりな再生作業をする必要があります。この作業、重労働ですが、春、夏と自分の塩田で孤独な作業が続いた後なので、仲間と再会して一緒に作業するのはとても楽しいんですよ。
この秋の作業は数週間かけて行われます。その後10月の終わりから、塩職人たちにとってのバカンスの季節が始まります。この時期は塩田から人の姿が消え、空っぽになります。
バカンスが終ると、今度は放置され荒れた塩田の修理、再生作業です。これは塩職人養成センターで研修を終えた若者たちが塩職人として独立するための塩田として使われます。
上に書いた秋の作業を撮った写真をいくつか送ります。
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