お店レポート 国産小麦で作るパンとクッキーのお店 コッペ
障がいがある人もない人も共に働ける場を作りたい、という想いから1988年に始まったコッペさんの取り組みは、今回お話を伺った代表の飯嶋さんを含めた3人でスタートしました。障がいがある人が働くための施設ではなく、普通のパン屋さんにたまたま障がいのある人も働いているお店にしたいという考えのもと、任意団体として始まった活動は、パンとクッキーの製造・販売を続けるなかで現在は認定NPO法人になりました。
お店に伺った際、工房でクッキーを袋詰めしている様子を見学させていただきました。皆さんそれぞれの持ち場ですごくテキパキと作業されていて、あれよあれよという間に店頭に並ぶ商品の状態になっていきます。明るく振舞うスタッフさんもいて、黙々と流れ作業する真面目な空気の中にも和やかな雰囲気が焼菓子の甘い香りと一緒に漂っていました。
材料で使う素材は、できるだけ国産かフェアトレードのものです。「普段は支援される側かもしれないが、フェアトレードの素材を使うことで自分たちも貢献できたら」という想いから、開店当初よりマスコバド糖を使い続けてくださっています。マスコバド糖を使った「ネグロスクッキー」は、30年以上販売が続くロングセラー商品。根強いファンもいらっしゃるそうです。材料を吟味するだけではなく、しっかりとおいしさにもこだわりながら、心を込めて手作りされています。厚めでしっかりしたクッキーは、マスコバド糖の風味が活きた優しい味わいです。しかし、わかる人にしかわからないネーミングなだけに「ネグロスって何?」とお客さんに聞かれることも多いそう。その度に「フィリピンの島の名前です」「そこで作られている黒砂糖を使ったクッキーなんです。独特の風味が美味しいですよ」とスタッフの方が説明してくださっていると聞き、嬉しく思いました。
製造に携わる阿部さんと氏家さんにもお話を伺うことができました。阿部さんは20年以上、氏家さんは15年程とそれぞれ勤務歴が長く、製造に関わる事はなんでもできる頼れる存在です。お喋りが好きな二人。阿部さんは皆が気持ちよく楽しんで働けるのがいいなと思っているそうで、場を明るくしてくれるムードメーカー的存在です。一方、氏家さんはイベント出店時に接客でお客さんと交流するのが好きで、どんな仕事でも責任を持って、最後までやり通すことを日々心掛けているというしっかり者です。
スタッフ同士がうまくまとまらず、たまにぶつかったりすることもあるそうですが、できる・できないで判断するのではなく、足りない部分はお互いの持っている力で補い合っているとのこと。上手くいくことばかりではないかもしれませんが、違いを尊重しながら少しずつ歩んでいる姿は、民衆交易にも通じるものがあるのではないかなと思い、長年モノを通してつながっているご縁を感じた訪問でした。
※このレポートはPtoPニュース57号「つながるひろがるピートゥーピーの輪」からの転載です。
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