PARC(パレスチナ農業復興委員会)は、ガザ地区への支援活動を行っています。
8月26日、パレスチナとイスラエルはガザ地区における無期限停戦に合意し、現地時間午後7時(日本時間で8月27日午前1時)に発効しました。8月29日現在、この停戦は続いています。
50日に及んだガザ地区での戦闘、とりわけイスラエル軍による大規模な侵攻により、パレスチナ側では2,104名(うち民間人1,462名で、そのうちの495名は子ども、253名は女性)が犠牲となり、約10万8,000軒の家屋が破壊されました。また、1万人以上の負傷者が出ており、50万人以上(ガザ地区の人口が約180万人なので、約28%)が住む場所を追われています。一方、イスラエル側でも、69名(うち民間人4名)が犠牲となりました。(※8/28付国連人道問題調整事務所(OCHA)報告より)
今回の停戦合意に際し、ハマス側からは2007年から始まったイスラエルによるガザ地区の占領および封鎖を解除することが求められ、またイスラエル側からはハマスの武装解除が求められています。ガザ地区の封鎖解除や湾港・空港の再建に向けた段階的な協議は、1ヶ月以内に進められるとされており、今後の動きが注目されています。
オリーブオイルの出荷団体のひとつPARC(パレスチナ農業復興委員会)より、8月21日付の報告が届いています。
2014年7月7日の白昼、イスラエルはガザ地区に対する攻撃を開始しました。ガザ地区に住む人々に対するイスラエル軍の侵攻は、8月21日時点で470人の子どもと400人の女性を含む、少なくとも2,040人の民間人の死者を出す事態となりました。負傷者は、10,000人を超えました。攻撃で住むところを追われ避難民となった520,000人のなかには、家に戻り始めている人もいますが、安全でないことも多く、これからも自宅に戻れない人々の数は増えていく見通しです。一方で、完全に破壊されるか、あるいは甚大な被害を受けた家屋の数は概算で10,000件を超え、65,000人の人々はすでに帰る家がないことも事実です。このガザ侵攻の初期の目的として示唆されたのは、ガザ地区の広範囲にダメージを与え水道設備や主要な衛生管理施設、ガザ発電所を含む電力供給網等、基本的なインフラを破壊することでした。しかしながら、実際はそれだけでなく数十か所の医療関係施設や学校、障害者のためのケアセンター等への甚大な被害ももたらしたのです。
国連関係のジェームズ・ローリー氏は、「激しい戦闘から4週間が経過し、必要とされているものの規模は過去に類を見ないものとなった。我々のチームは、必要なものを査定し、救助を続けている。」と、語ります。
PARCは、ガザ侵攻開始後2週目より、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校やモスク、公共施設、病院、その他親族のところへ身を寄せている人々を中心に、支援を進めています。水タンク、衛生用品、食糧品といった救援物資を、必要な家族へ配っています。
ガザ救援アピールに応じて下さったパートナー団体や関係各位からの多大なご支援により、私たちは、ガザ地区のほぼ全域に対して支援を行うことができています。
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- 1,000リットル容量の水タンク490個と30日分のタンクローリー水:(ラファ、デイル・エルバラー、シェイク・ラドワン・ベイト・ハヌーン、ガザ市、アルシファ病院)
- 20リットル容量の水タンク330個/330家族(2,310人相当):(ガザ市北部、ガザ市、デイル・アル・バラー、ハン・ユニス、ラファ)
- 1,155個のフードバスケット/避難家族:(ラファ、ベイト・ハヌーン、アルシファ病院、ワディ・アルサイカ、カザイヤ、コザー)
- 26,000リットルの飲料水/2,889家族:(ガザ市北部、ガザ市、デイル・アル・バラー、ハン・ユニス、ラファ)
- 855個の衛生用品/991家族:(ラファ、ベイト・ハヌーン、アルシファ病院、デイル・アル・バラー)[/box]
ヨルダン川西岸地区にあるPARC本部には、イスラエルの侵攻開始以降、ガザ地区への義捐金や救援物資が寄せられています。PARC事務所の駐車場は、届いた救援物資の受け付け、仕訳作業、荷造り、ガザへの荷物の送り出しのセンターとなっています。PARC職員だけでなく、一般市民のボランティア、子供も含めた民間ボランティアが、日夜作業を行っています。
ガザ地区の悲惨な状況から考えると、今後の支援活動はより重要になるものと思われます。PARCは、ガザ地区の支援を継続し、パレスチナ人に対する侵略を明らかにし、またイスラエルの残虐な行為に対する各国政府の圧力を強めていくために、パートナー団体やパレスチナ人全員へ呼びかけを行います。
最後に、ネルソン・マンデラの言葉を引用致します。
「人生で大切なのは、ただ生きたということではない。自分の人生を通じて、他の人々の人生をいかに変えることができたか、それが重要なのだ。」
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