【バナナニュース239号】 本当に残念です。でもゼロから再スタートだと仲間と話しているんです~パナイ島バナナ生産者を訪ねて~
昨年12月8日に台風ルビーの被害を受けたパナイ島のバランゴン生産者の現状はどうなのでしょうか。ATJ現地駐在の黒岩が、先週、現地を訪問しました。
アナニアス・ラチカさん(78歳)とネニタ・ラチカさん(76歳、年齢はともに2013年11月当時)夫婦は、カーレスに住むバランゴンバナナ生産者。台風ヨランダ直後は、バランゴンバナナや他の作物が全滅、家屋も壊れ、すべてを失ってしまったと非常に落胆した様子でした。その姿は次の動画「Wrath of Yolanda(台風ヨランダの怒り)」に記録されています。
台風30号ヨランダによるパナイ島バナナ生産者の被災状況をお伝えします(第4報)
その後、オルター・トレード社(ATC)の支援を受けて、300本のバナナを植え付け、隔週で約1,000本のバナナを出荷できる程度までに回復していました。しかし、無情にも台風ルビーは実を付けていた200本のバナナを倒してしまいました。家屋は大丈夫だったものの他の農作物も被害を受け、自家消費用のお米も不足するかもしれないとのこと。「バナナの収穫が再開できる5月まで暮らしは苦しくなる」
サン・ディオニシオ町でバランゴンを生産するホアニト・バラヨンさんも、隔週で2,000~3,000本のバナナを出荷するまでに立ち直っていましたが、台風ルビーにより実を付けていたバナナはすべて倒伏してしまいました。収穫が再開できる3月までは収入が期待できません。「支援のおかげでバナナの作付本数を拡大できたが…。本当に残念です。11人の子どもの学校の授業料を支払えるか心配です」
同じサン・ディオニシオ町でATCのフィールド・アシスタントとして生産者の栽培・出荷管理にあたっているチャーリー・カノイさん。家が海の近くにあり、台風ヨランダでは5メートルの高さの高潮が押し寄せ、何とか山に逃げて難を免れましたが、家やすべての家財道具を失いました。当時の状況を上記の動画で話しています。
チャーリーさんはこの1年間、復興事業の現場担当者の一人として、バナナの作付拡大や肥料配布などの活動をしてきました。「バナナ生産が順調に回復していたからもったいない気持ちでいっぱいです。でも、何もかも失った台風ヨランダ後の絶望感は感じません。生産者とはゼロから再スタートだと一緒に話しているんです」と話してくれました。
ATCでは、半年後に台風前の出荷水準に戻し、生産者が生計手段を確保できるよう復興支援活動を、今週から開始しました。見舞金(倒伏したバナナ1本につき20ペソ、約53円)、鶏糞配布(1本につき6キロ)、農業用水が不足している農場での簡易用水施設の整備などです。
ネグロス島、ボホール島でもバランゴンの苗床整備、鶏糞配布や技術サポートを計画しています。
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