カテゴリー: レポート(オリーブオイル)
オリーブオイル
【パレスチナからのアピール】スシア(Susia)村が、完全破壊と強制的退去の危機にさらされています。
パレスチナのオリーブオイルの出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)は、ヘブロン南部に位置するパレスチナ人村であるスシア村の家屋取り壊しと、そこに暮らす約350名の村人全ての強制退去を認めるイスラエル最高裁判所の判決を凍結するように求めるアピールを出しました。
【アピール】 スシア(Susia)村が、完全破壊と強制的退去の危機にさらされています。
[box type=”shadow”]5月の第1週目、イスラエル最高裁判所はイスラエル軍に対し、(ヨルダン川西岸地区)ヘブロン南部に位置するパレスチナ人村であるスシア村の家屋取り壊しと、そこに暮らす約350名の村人全ての強制退去を認める判決を出した。この非道な行為は、このスシア村の土地に建設されたイスラエル人入植地に住む入植者が、2015年1月に同じヘブロン南部にあるマサファー・ヤタ(Masafer Yata)村の農民が持つ345本のオリーブの樹を切り倒した事件に端を発している。
報道によると、2015年5月5日、スシア村が提示した基本計画を民政局(Civil Administration)が却下したこと、及びその後に予定された村全体の建築物取り壊しに反対する嘆願書を始めとした同村による仮命令の要求について、最高裁判事のノーム・ソルベルグ(Noam Solberg)が否決したとされている。
このようなイスラエルの暴挙は、1948年5月、(パレスチナ人にとっては)「ナクバ」=災厄として記憶されている出来事と同時期にさかのぼる。このナクバによって、数十万ともいわれるパレスチナ人が、イスラエル軍によって住まいを追われ、強制退去させられた。さらに500以上のパレスチナ人村を力づくで空っぽにし、結果として80万5千人以上のパレスチナ人は、他のパレスチナの都市や周辺アラブ諸国、及び西欧諸国へ逃れて難民となった。
スシア村村民の自分たちの土地を守る闘いは、村が考古学上の遺跡として認められ、その土地が(イスラエルによって)差し押さえられ、その土地の洞窟で暮らしていた人々が追い出された1986年から始まった。パレスチナ人がそのような遺跡に住むことが許されないと告げられた一方、イスラエル人入植者が遺跡内の違法開拓地(outpost…入植地の前段階のような集落)へ住み始めた。その時以来、スシア村の人々は、もともと住んでいた土地にごく近い場所で暮らしてきた。しかしながら、彼らが住んでいるその土地はC地区(警察権も行政権もイスラエルが握る)であり、住宅の建設はおろか、単純なテントを張ることすらイスラエルの許可が下りず、絶えず取り壊し命令に晒されてきた。イスラエルがC地区におけるパレスチナ人による90%の計画申請を拒絶してきていることは特記するに値する。その一方で、国際法違反を一顧だにせず、パレスチナ人の土地におけるイスラエル入植地は継続的に拡大している。
私たち署名団体及び署名者は、このスシア村に対する徹底破壊と住民の強制退去というイスラエルの暴虐極まりない命令を凍結させるために、速やかな国際社会の介入を求めます。また全ての人権団体、活動家、社会正義運動に対し、イスラエルによるパレスチナ人農家と農業部門への暴力を終わらせるよう、声を上げることを呼び掛けます。「違法な入植地を建設するための土地の接収」「住民の強制退去」「オリーブの引き抜き」「物理的攻撃及び言葉による攻撃」そして「農業設備の破壊」…これらすべての非道な行為に対し、NOを突き付けて下さい。[/box]
UAWCは下記URL(英語)で賛同署名を集めています。みなさんの応援の気持ちをぜひパレスチナの農民に届けてください!
賛同方法について
①UAWCのウェブサイト(英語)にアクセスしてください。アピール内容は上記のとおりです。
Susia Village is threatened with complete demolition and forcible displacement
②下部にある「Support」をクリックすると署名欄につながります。
③記入方法について
Please Fill The Following To Support The Farmers (農民を支援する方は次の欄にご記入ください)の下にある各項目にご記入ください。
Full Name(氏名)
E-mail(メールアドレス)
Organization(所属団体)
Job Title(役職)
TEL(電話)
FAX(ファックス)
Celluler(携帯番号)
必要と思われる項目のみで結構です。また、所属団体の後ろにJapanと付記していただくと日本からの賛同だとわかります。
【パレスチナ】ファラージさんの行政拘禁が延長(速報)
パレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、UAWC職員であるアブドアル・ラゼック・ファラージさんの行政拘禁が4ヶ月延長になったという大変残念な知らせがUAWCからありました。
昨年2月25日に拘留されたファラージさんは、拘留期限とされた昨年8月に6ヶ月間の拘禁延長が言い渡されており、その期限が近づいた2月にまたも延長されたことになります。
ファラージさんを含む行政拘禁延長のニュースは、パレスチナ自治政府のメディアであるPalestine News & Information Agency – WAFA(パレスチナニュース情報局)も報道しています(2月22日付)。
Israel Issues Administrative Detention Orders to 26 Palestinian Detainees
これによると、イスラエル当局は今回26名のパレスチナ人に対して行政拘禁令を出しましたが、多くは(24名)はすでに拘禁されている者への2~6ヶ月の拘留更新でした。名簿の11番目にファラージさん(Abd al-Raziq Faraj)の氏名が載っています。
行政拘禁とは理由も明らかにせず、起訴なしで拘留する制度です。イスラエルの人権団体、B’Tselemは、国際法では市民に危害をもたらすおそれがある場合の最終的な手段としてのみ執行が認められていますが、イスラエルはこの制度を濫用し、過去数年間で何千人ものパレスチナ人に適用しているとしています。
日曜日(2月22日)、イスラエルの刑務所にいるパレスチナ人拘禁者たちは、当局の権利侵害に抗議し、行政拘禁終了を含む要求に応えるよう3月10日からハンガー・ストライキも辞さないと発表しました。
ファラージさんの状況に関しては詳しい情報をUAWCに確認中です。入り次第、ご報告させていただきます。
政策室 小林
パレスチナからのアピール 「イスラエルによるパレスチナ農民への暴力行為に終止符を!」
パレスチナのオリーブオイルの出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)から、イスラエル人入植者によるパレスチナ農民への暴力行為に反対する署名活動への協力を求めるアピールが届きました。
アピールにあるように、ヨルダン川西岸地区では入植者による暴力行為が頻発しています。1月9日~10日にも西岸地区南端のマサファー・ヤタ村で345本ものオリーブの木が切り倒されました。被害規模が大きいこと(345本)、滅多にない雪嵐に乗じての卑劣な行為であること、切り倒された木の一部は昨年10月に海外支援者が泊まり込みで収穫を手伝ったものであることからこのようなアピールを出しました。
【アピール】 イスラエルによるパレスチナ農民への暴力行為に終止符を!
[box type=”shadow”]数日前にパレスチナを雪嵐が襲ったが、農民の苦労は雪嵐だけではなかった。マサファー・ヤタ村の農民が所有するオリーブの木を、スシヤ入植地のイスラエル人たちが1月9日に45本、10日にさらに300本、計345本切り倒したのだ。すべての木に世代から世代へ引き継がれた思い出が刻まれている。パレスチナにおいてオリーブの木は歴史そのものだ。
マサファー・ヤタはヘブロンの南方24キロに位置し、19のベドウィン(遊牧民)の小さな集落からなる。エルサレム応用調査研究所(ARIJ)によると、マサファー・ユタ村の総面積は約3,600ヘクタール、住民の90%は農業従事者であり、農業や牧畜が主な収入源となっている。
ソシア村に住む農民でUAWC農業委員会メンバーであるイッサ・アルボール(70歳)は、「農地と農民に対するイスラエル人入植者の野蛮な暴力行為は、パレスチナ人の立ち向かう力を逆に強めている。思い出と労働の成果も木と一緒に失われたが、引っこ抜かれた本数以上にオリーブを植えていく。決してこの土地を離れない。
占領するイスラエル人がパレスチナ農民の権利を侵害し、財産を攻撃するのは初めてのことではない。2014年前半、イスラエル軍と入植者は8,480本の木を引き抜いた。その大半がオリーブの木である。また、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、2014年度、西岸地区では入植者によるパレスチナ人への暴力行為は12月中旬までに320件も発生している。
賛同署名してくれた団体・個人はスシヤ入植地の入植者の卑劣な暴力を非難する。そして、国際社会と人権団体に対してパレスチナ農民の権利、とくに食料主権を守ることを呼びかけるものである。パレスチナ農民と農業部門に対するイスラエルの暴力に終止符が打たれるように、すべての人権団体、活動家や社会正義運動家に声をあげるよう呼びかける。不法入植地建設を目的とする土地没収、木の切り倒し、肉体的・言葉による暴行、生産財の破壊にNo!の声をあげてください。[/box]
UAWC広報担当のルバ・アワダラさんは「こうした許しがたい暴力行為、人権侵害が日常的に起きている事実を世界中の多くの人に知ってもらいたい。そして、アピールに賛同する方はぜひUAWCのウェブサイトで賛同の意思を表明してもらいたい。世界中でこれだけ多くの人がパレスチナ農民の苦労と困難に関心を寄せて応援しているか、彼らに伝えたい」と話しています。
下記URL(英語)で賛同署名を集めています。みなさんの応援の気持ちをぜひパレスチナの農民に届けてください!
賛同方法について
①UAWCのウェブサイト(英語)にアクセスしてください。アピール内容は上記のとおりです。
International Call to End Israeli Violations against Palestinian Farmers
②下部にある「Support」をクリックすると署名欄につながります。
③記入方法について
Please Fill The Following To Support The Farmers (農民を支援する方は次の欄にご記入ください)の下にある各項目にご記入ください。
Full Name(氏名)
E-mail(メールアドレス)
Organization(所属団体)
Job Title(役職)
TEL(電話)
FAX(ファックス)
Celluler(携帯番号)
必要と思われる項目のみで結構です。また、所属団体の後ろにJapanと付記していただくと日本からの賛同だとわかります。
パレスチナ雑記① アジアカップ初出場のパレスチナ代表
さて、去る2015年1月12日、サッカー日本代表はAFCアジアカップ連覇に向けた初戦を4-0の白星で飾りました。この相手が「パレスチナ」であったことは、皆様の記憶にも新しいことと思います。翌日、Yahoo!Japanで「パレスチナ」について検索をしてみると、未だかつてない数のニュースがヒット。その全てがサッカー関連でした。普段であれば、パレスチナに関して、ほとんどニュースの更新はありません。恐らくここ10年で一番多く、「パレスチナ」が日本のインターネットに載った日ではないでしょうか。
サッカーパレスチナ代表はAFCチャレンジカップ2014で初優勝を果たし、AFCアジアカップ2015への出場権を獲得。この日は、パレスチナ代表として初めて世界の主要トーナメントへ出場した、記念すべき日となりました。なお、参加16チームのうち、唯一の初参加でもあります。
パレスチナの人々にとって、このような世界の舞台において「パレスチナ」として立ち位置を得ることは、スポーツの枠を超えた大きな意味があります。基本的に“国”の代表チームが集まるこのような場でプレイができることは、国際社会に対してパレスチナのことを強くアピールする場ともなり得るからです。
1967年以降、実質的にイスラエルの占領下に置かれているパレスチナ自治区では、ガザ地区にあったスタジアムが2006年と2012年の空爆で破壊され、代表選手の練習環境も十分に整っていない状況です。また国際試合に出場するにも、イスラエルから選手の出国ビザが下りないことも多く、そのせいで出場を断念せざるを得ないこともあったようです。(注1)
2014年には、2名の選手がAl-Ramで練習をした帰り、チェックポイント(注2)でイスラエル兵によって撃たれるという事件もありました。二人とも意図的に脚を狙って撃たれ、二度とサッカーができない体にさせられたのです。それ以外にも、これはサッカー代表に限りませんが、自宅を破壊されたり、令状なしで逮捕されたりという事例(当社のパレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、UAWC職員一人が現在拘禁されています。関連記事)が、人々を苦しめています。
1月12日の日本戦には、外国に暮らすパレスチナ難民の他、オーストラリア人を含めて15,000名がパレスチナの応援に駆けつけました。金曜日には、隣国ヨルダンとの対戦で1-5と惨敗を喫してしまったパレスチナ代表。1月20日のイラク戦での初勝利を、心から応援したいと思います。
事業部商品課 若井
(注1)
写真:グリーンID
このIDでは、パレスチナ自治区の中しか行き来できない。イスラエル側はおろかエルサレムに入ることもできず、域外へ出るには陸路でヨルダンへ行くしかない。場合によっては、チェックポイントで止められる。なお、特別なIDをもらえれば、グリーンID保持者もイスラエルに入ることはできるが、それでもテルアビブの空港は使用できないらしい。
(注2)
写真:カランディア検問所
アルラム付近のカランディア検問所と壁。アルラムには、もうひとつのオリーブオイル出荷団体PARCのオリーブオイル充填所がある。
【パレスチナ】「家族が一緒に暮らせる日々を待ちわびています」~行政拘禁中のファラージさんの妻、ラミスさんのスピーチ~
昨年6月~7月に本ウェブサイトでも報告していますが、パレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、UAWC職員であるアブドアル・ラゼック・ファラージさんが、行政拘禁制度(注1)に抗議して2014年4月末より2ヶ月近くにわたり、他の被拘禁者約120名と一緒にハンガーストライキを行いました。ATJではパレスチナのオリーブオイルを取り扱う生協・産直団体、APLAなどと連名で、イスラエル大使館にファラージさんを含む行政拘禁者の即時釈放を求める嘆願書を昨年6月に出しました。しかし、ファラージさんは今も拘禁中です。
ハンガーストライキに関する経緯はこちらをご参照ください(2014年7月24日)。
2014年11月3日、ヨルダン川西岸地区にあるラマラ市で開催された「互恵のためのアジア民衆基金(APF)」総会分科会においてアブドアルさんのお連れ合い、ラミス・ファラージさんがスピーチを行いました。
スピーチの冒頭、日本からの支援に深く感謝したラミスさんは行政拘禁制度がいかに非人道的で、本人ももちろんのこと家族を苦しめているか切々と訴えました。
以下、スピーチの要約です。
私の夫、アブドアル・ラゼック・ファラージら行政拘禁者たちは、イギリス信託統治時代から続くこの制度を拒否し、反対する意志を示すため、2014年4月ハンガーストライキを始める道を選びました。行政拘禁は告訴なしにパレスチナ人を拘留できる制度です。イスラエル刑務所当局はハンスト実行者を非人道的に扱い、弁護士と面会するといった基本的人権をも無視しています。多くのハンスト実行者が、危機的な健康状態のためアルラムラ病院に移送されました。弁護士は拘禁者がどこにいるか知らされず、家族や医者でさえ会うことができません。病院では拘禁者の手足はベッドに縛られ、移動の自由を奪われています。
約2ヶ月間のハンストの期間中、弁護士が高等裁判所に訴えると圧力をかけた一度を除いて、私たち家族は彼について何の情報も入手することができませんでした。ハンスト実行者は水と塩だけで何とか生き延びました。まさしく命をかけた訴えであり、自らの命を代償にしてまでも、この酷い制度を終わりにしなければいけないと感じていたのです。
家族にとって、行政拘禁制度とはいつも剣が拘禁者ののどに突き付けられているような状態です。本人も家族もいつ拘禁が終了するのか知らされず、それは公開できない機密だとシャバック(イスラエル情報機関)は述べます。しかし、ほとんどの場合、機密ファイルには拘禁者を訴えるに値する重大な情報など含まれていません。しかも、イスラエル政府は拘禁を何度も更新して、何年も続けることができるのです。
夫は告訴なしに計7年間も拘禁され、今も獄中にいます。拘禁によって私たち家族は深刻な影響を受けてきました。何をすべきかわからず、ただ彼が釈放されるのは待つしか術がないのです。特別な日も一緒に祝うことができません。私たち夫婦は一緒に子どもを育て、成長する姿を見る機会を失い、子どもたちは父に相談する機会を奪われてきました。夫は息子の大学卒業式に出席して喜びを分かち合うことも叶いませんでした。
「すべての行政拘留者と共に痛みを担う覚悟です」これは夫がオウファル刑務所から家族に宛てた手紙にあった言葉です。そして夫は常々「私たちにとって人生の最良の時は未来にある」と口にしていました。だから私たちは夫が自由になり、家族と一緒に暮らせる日々を待ちわびています。行政拘禁者の家族としてイスラエルに行政拘禁が終わるよう圧力をかけてもらいたいのです。この制度をなくすことが私たちの自由への第一歩だと信じています。
2014年8月下旬にファラージさんの拘禁は6ヶ月延長され、釈放は2015年2月下旬の予定です。行政拘禁はイスラエル当局が理由も明らかにしないまま延長することができる不当な制度ですが、今度こそファラージさんが釈放されることを強く願っています。
また、ラミスさんと次男ワデアさん(大学4年生)にも取材することができました。二人のメッセージも編集中ですので、後日紹介いたします。
今後もファラージさんの近況がわかり次第ご報告します。
注1:行政拘禁とは、無期限に更新できる軍令に基づいて起訴や裁判なしの拘禁を認めるもので、人権団体から国際的に非難されています。
政策室 小林和夫
UAWC(パレスチナ農業開発センター)はガザ緊急キャンペーンの第1パート(最初の緊急キャンペーン)を実施しました
UAWC(パレスチナ農業開発センター)から、ガザ地区への緊急救援活動の報告が届きました。
ATJでは今後も、現地の復興状況等をお知らせいたします。
ATJ/APLAでは引き続き、ガザへの募金をお願いしています。 詳細はこちら
UAWC及びそれぞれの農民グループは、ガザ地区への第1段階の緊急救援活動を実施しました。UAWCはガザ地区への緊急支援活動として、食糧及び日用品120トンをガザ地区の避難家族に届けました。UAWCは、400箱のフードバスケット(Oxfamとの協力)、300箱のフードバスケット(World Visionとの協力)、200箱のフードバスケット(Welfare Associationとの協力)をガザ攻撃の最初の1週間に配布することに重点を置いて活動を行いました。同時に、ガザ地区では、漁民の家族のために1500箱のフードバスケット、避難民家族のために700箱のフードバスケットの配布を行いました。
ヨルダン川西岸地区においては、UAWCは、地域住民からの協力で2000箱ほどのフードバスケットを集めました。
キャンペーンは、特にガザ地区における10000世帯の農民と魚民に対して、緊急支援を考えています。次の支援として、農業に必要なもの、生産のための道具、家畜の飼料、水などを検討しています。10000世帯の農民には、さらに農業復興プロジェクトも検討します。
PARC(パレスチナ農業復興委員会)は、ガザ地区への支援活動を行っています。
8月26日、パレスチナとイスラエルはガザ地区における無期限停戦に合意し、現地時間午後7時(日本時間で8月27日午前1時)に発効しました。8月29日現在、この停戦は続いています。
50日に及んだガザ地区での戦闘、とりわけイスラエル軍による大規模な侵攻により、パレスチナ側では2,104名(うち民間人1,462名で、そのうちの495名は子ども、253名は女性)が犠牲となり、約10万8,000軒の家屋が破壊されました。また、1万人以上の負傷者が出ており、50万人以上(ガザ地区の人口が約180万人なので、約28%)が住む場所を追われています。一方、イスラエル側でも、69名(うち民間人4名)が犠牲となりました。(※8/28付国連人道問題調整事務所(OCHA)報告より)
今回の停戦合意に際し、ハマス側からは2007年から始まったイスラエルによるガザ地区の占領および封鎖を解除することが求められ、またイスラエル側からはハマスの武装解除が求められています。ガザ地区の封鎖解除や湾港・空港の再建に向けた段階的な協議は、1ヶ月以内に進められるとされており、今後の動きが注目されています。
オリーブオイルの出荷団体のひとつPARC(パレスチナ農業復興委員会)より、8月21日付の報告が届いています。
2014年7月7日の白昼、イスラエルはガザ地区に対する攻撃を開始しました。ガザ地区に住む人々に対するイスラエル軍の侵攻は、8月21日時点で470人の子どもと400人の女性を含む、少なくとも2,040人の民間人の死者を出す事態となりました。負傷者は、10,000人を超えました。攻撃で住むところを追われ避難民となった520,000人のなかには、家に戻り始めている人もいますが、安全でないことも多く、これからも自宅に戻れない人々の数は増えていく見通しです。一方で、完全に破壊されるか、あるいは甚大な被害を受けた家屋の数は概算で10,000件を超え、65,000人の人々はすでに帰る家がないことも事実です。このガザ侵攻の初期の目的として示唆されたのは、ガザ地区の広範囲にダメージを与え水道設備や主要な衛生管理施設、ガザ発電所を含む電力供給網等、基本的なインフラを破壊することでした。しかしながら、実際はそれだけでなく数十か所の医療関係施設や学校、障害者のためのケアセンター等への甚大な被害ももたらしたのです。
国連関係のジェームズ・ローリー氏は、「激しい戦闘から4週間が経過し、必要とされているものの規模は過去に類を見ないものとなった。我々のチームは、必要なものを査定し、救助を続けている。」と、語ります。
PARCは、ガザ侵攻開始後2週目より、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校やモスク、公共施設、病院、その他親族のところへ身を寄せている人々を中心に、支援を進めています。水タンク、衛生用品、食糧品といった救援物資を、必要な家族へ配っています。
ガザ救援アピールに応じて下さったパートナー団体や関係各位からの多大なご支援により、私たちは、ガザ地区のほぼ全域に対して支援を行うことができています。
[box type=”shadow”]
- 1,000リットル容量の水タンク490個と30日分のタンクローリー水:(ラファ、デイル・エルバラー、シェイク・ラドワン・ベイト・ハヌーン、ガザ市、アルシファ病院)
- 20リットル容量の水タンク330個/330家族(2,310人相当):(ガザ市北部、ガザ市、デイル・アル・バラー、ハン・ユニス、ラファ)
- 1,155個のフードバスケット/避難家族:(ラファ、ベイト・ハヌーン、アルシファ病院、ワディ・アルサイカ、カザイヤ、コザー)
- 26,000リットルの飲料水/2,889家族:(ガザ市北部、ガザ市、デイル・アル・バラー、ハン・ユニス、ラファ)
- 855個の衛生用品/991家族:(ラファ、ベイト・ハヌーン、アルシファ病院、デイル・アル・バラー)[/box]
ヨルダン川西岸地区にあるPARC本部には、イスラエルの侵攻開始以降、ガザ地区への義捐金や救援物資が寄せられています。PARC事務所の駐車場は、届いた救援物資の受け付け、仕訳作業、荷造り、ガザへの荷物の送り出しのセンターとなっています。PARC職員だけでなく、一般市民のボランティア、子供も含めた民間ボランティアが、日夜作業を行っています。
ガザ地区の悲惨な状況から考えると、今後の支援活動はより重要になるものと思われます。PARCは、ガザ地区の支援を継続し、パレスチナ人に対する侵略を明らかにし、またイスラエルの残虐な行為に対する各国政府の圧力を強めていくために、パートナー団体やパレスチナ人全員へ呼びかけを行います。
最後に、ネルソン・マンデラの言葉を引用致します。
「人生で大切なのは、ただ生きたということではない。自分の人生を通じて、他の人々の人生をいかに変えることができたか、それが重要なのだ。」
8/23 Stop the killing in GAZA ガザの命を守りたい NGO共同 シューズ・アクション
Stop the killing in GAZA ガザの命を守りたい
すべての犠牲者を追悼し、戦闘の即時停止を訴えます
NGO共同 シューズ・アクション
7月8日に始まったイスラエル軍による「境界防衛」作戦以来、ガザにおける死者は1900人を超えました。国連によれば8月11日時点で子どもの犠牲は458人にのぼっています(※)。
一人ひとりの命を見つめて
私たちNGOは、市民を巻き添えにするこのような攻撃を直ちに停止するようイスラエル政府に訴え、国際社会がこの紛争下で起きた戦争犯罪に対して断固とした行動をとるようアピールします。そして、犠牲となった子どもたちの名前を読み上げ、458人分の靴を並べる追悼アクションを行います。
※国際法上、「子ども」は18歳未満のすべての者をさします。
● 皆さんへのお願い ● 靴を持ち寄ってください!
犠牲となった子どもたちの名前を呼び上げ、彼らが「数字」ではなく「一人ひとりの人間」であることを心に刻むために、靴を並べていきます。
子ども用に限りませんので、靴をお持ち寄りください。
靴は集会の終了後、お持ち帰りください。
日時:8月23日(土) 16:00 ~ 17:30 (受付開始:15:30)
場所:増上寺境内(港区芝公園) 都営地下鉄三田線 御成門駅から徒歩3分、芝公園から徒歩3分
少雨決行
● 内容(予定) ●
・現地からの報告:志葉玲さん(フリージャーナリスト)
・犠牲者の追悼:犠牲となった子ども458人の名前を読み上げ、境内にその数だ け靴を並べ
ていきます。
・ 黙とう
・ 主催団体からのアピール
<主催団体> 五十音順
アーユス仏教国際協力ネットワーク/APLA/アムネスティ・インターナショナル日本/オルター・トレード・ジャパン/サラーム・パレスチナ/浄土宗平和協会/パレスチナ子どものキャンペーン/パレスチナの子どもの里親運動/ピースボート/ヒューマンライツ・ナウ
【この件に関するお問い合わせは】
アムネスティ・インターナショナル日本 Tel: 03-3518-6777 (担当・川上)
パレスチナ子どものキャンペーン Tel: 03-3953-1393
ガザ地区への緊急支援金のお願い
(※8/18にPARCの緊急救援状況等について加筆修正を行いました。)
私たちがオリーブオイルでつながるパレスチナの人びとが過酷な状況に置かれています。2014年7月8日にイスラエルが開始したガザ地区への空爆、7月17日(現地時間)以降は地上戦も展開され、ガザ地区ではこの軍事攻撃により民家、病院、国連機関、発電所等、人びとの生活基盤が壊滅的に破壊されるという危機的な状況にあります。
ATJおよびAPLAでは、こうしたガザの状況を受け、パレスチナの人びとに心からの連帯を送るために、復興に向けた支援のための募金を呼びかけます。この募金は、オリーブオイルの出荷団体であるUAWC(パレスチナ農業開発委員会)、PARC(パレスチナ農業復興委員会)などが行うガザ地区の緊急支援活動に使います。
- UAWC・PARCを中心に、現地NGO等が連携し、ガザの人びとに支援物資を送ることを開始しています。
- ヨルダン川西岸地区で調達した食料物資は、ガザ地区がイスラエル政府により封鎖されているため、国連機関や赤十字の協力を得て搬送されます。
- UAWCでは、支援の対象は、農民・漁民を中心としたガザで被害に遭った人びとで、10,000家族へ届けることを目標としています。
- PARCでは、当面8,500人を対象に、10万ドル相当分の緊急救援物資を届けることで動いています。
- 緊急救援物資の支援が終了した後には、現地の状況に合わせて必要な支援を行うことになります。その使途については、追ってご報告させていただきます。
[box type=”shadow”]郵便振替の場合
00190-3-447725 特定非営利活動法人APLA
※通信欄に必ず「ガザ緊急支援」と明記ください。[/box]
[box type=”shadow”]銀行振込の場合
みずほ銀行高田馬場支店(普通)2650327
特定非営利活動法人APLA
※振込人名、金額、「ガザ緊急支援」である旨をAPLA事務局までご一報ください。[/box]
◎領収書の発行は省略させて頂きます。領収書が必要な場合はAPLA事務局までご連絡下さい。
◎募金総額の一部(上限10%)を事務経費のために使用させていただきますこと予めご了承ください。
なお、国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、7月8日の空爆開始以来、8月10日までに1,948人の犠牲者が出ており、その7割以上が多くの子どもや女性を含む民間人です。家屋の破壊についても11,855の家屋が破壊されたり甚大な被害を受けています。そのため、人口の約4分の1にあたる40万人以上の人びとが国連施設や親戚の家での避難生活を強いられています。
ユニセフ・パレスチナ事務所特別代表の功刀純子(くぬぎじゅんこ)さんは、「今回の攻撃によりガザ地区では、(この7年間に起きた)紛争の中で、最も長く、最も多くの方が亡くなり、そして最も甚大な破壊をもたらしています。ガザに暮らす方やガザへの物質的な損害は、言葉では言い表せません」と述べています。
こうした状況を踏まえて、ATJ/APLAでは関連団体との連名でイスラエル大使館、外務省に対して、「人道的な観点から軍事攻撃の即刻停止と人道物資搬送の保証」を要請し、日本の消費者等がガザ攻撃に対して抗議の意思を持っていることを表してきました。
今、ガザの人びと、ひいてはパレスチナの人びとにとって必要なことは、同じ人間として尊重され、人間らしく生きることができ、子どもたちが希望を持って毎日を生きられる平和な環境です。パレスチナの人びとは過酷な状況にあってもオリーブを栽培し、野菜や花を栽培し、経済的な自立に努力を惜しまず子どもたちの未来を願って生きています。
【現地状況、支援活動に関するお問い合わせ】
ATJ 企画課(持井/幕田)までお願いします。
TEL:03-5273-8176 メール:pr@altertrade.co.jp
【募金についての問い合わせ先】
特定非営利活動法人APLA
TEL: 03-5273-8160 / FAX: 03-5273-8667
陸海空からのイスラエル軍の攻撃が、パレスチナの人々の命を奪い、生活を破壊しています。~UAWCからの報告(8月2日付)~
[box type=”shadow”]現在のパレスチナ状況について、ATJのパレスチナのオリーブオイルの生産者団体の一つである、UAWC(パレスチナ農業開発センター)より報告がありました。
子供たちの遊んでいた公園の爆撃前と後の状況、街の状況に怒りがこみ上げてきます。ヨルダン川西岸地区の状況も報告されています。
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ガザ地区の様子
7月7日のイスラエルのガザ軍事攻撃開始以来、イスラエル占領軍によって1,525名のパレスチナ人が殺害され、負傷者も8,265名に達しました。そして、この数は日々急速に増え続けているのです。イスラエル軍は、ガザ地区における残忍かつ非道な攻撃の手を緩めることはなく、国際法及び人道法において保障された戦時下の人民の保護を行わず、集団的懲罰の理念を変えようとしません。陸海空からの攻撃を続け、ガザ市民に大参事を引き起こし、また彼らの日々の生活を破壊し続けています。
イスラエルによって破壊された公園。イスラム教休暇の初日、この公園で遊んでいた子供のうち、少なくとも10名が殺された。
家族が殺され一人きりになった人、自分の子供が肉片となった瞬間を目の当たりにした父親、自分の腕の中で母親が息絶えたのを何もせずに見守るしかなかった少年…、日常ではあり得ない悲劇が毎日のように繰り返されています。
Al-Shajaiya(アル・シャジャイヤ)の街の様子。イスラエルによる空爆の前後。
8月2日時点でのガザにおける被害の概要は、以下の通りです。
■ 国連OCHAによると、22の病院をはじめとした医療機関(診療所等も含む)が爆撃によって被害を受けている。
■ 47万5千人が家を追われ、UNRWAの施設や別の親戚の元へ身を寄せている。
■ 農業、畜産業、漁業等を営む人々が育てている家畜も、危機に瀕している。しかし、地上戦が展開されている今のガザ地区において、十分な情報が入手できない。(ガザ)食糧保障局によると、少なくとも3千人の飼育者のところで、家畜に餌が与えられないなどの問題が生じている。
■ 11ヶ所ある(UNRWAの?)学校に身を寄せている家族は、8,000世帯ほど、人数にして50,000人近くと見込まれている。
■ 17万6千人以上の住まいを追われた人びとは、食糧等の援助を必要としている状況下に置かれている。
ヨルダン川西岸地区の様子
西岸地区全土でも、パレスチナ人とイスラエル人兵士との間に衝突が起こっています。パレスチナ人の抵抗運動は、ガザへの攻撃が始まった7月7日以降に始まりました。本日までで、13名のパレスチナ人がデモ中にイスラエル軍によって射殺された他、負傷者も多数出ています。
カランディア検問所付近の、大規模デモの様子
パレスチナ・ガザ状況~現地入りしている日本人ジャーナリスト・NGO発~
パレスチナのガザ地区につきましては、厳しい状況がマスメディアでも伝えられていますが、現在日本人ジャーナリスト、NGO関係者が現地に入り日々現地の生の情報を伝えています。
≪ガザ情報のリンク集≫
ガザで取材している日本人ジャーナリストのWEB等
【志葉 玲さん】
https://www.facebook.com/rei.shiva?hc_location=timeline
https://twitter.com/reishiva
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20140731-00037856/
【田中龍作さん】
http://tanakaryusaku.jp/
https://twitter.com/tanakaryusaku
【土井敏邦さん】
https://twitter.com/doi_toshikuni
【古居みずえさん】
http://www.asiapress.org/apn/
現地で活動しているNGO。
【JVCのブログ】
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/palestine-report/2014/07/20140718-gazavoice4.html
【JVCのレポート】
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/palestine-report/data/20140729-gaza-ptsd.pdf
【パレスチナこどものキャンペーン】
http://ccp-ngo.jp/
パレスチナ・ガザ地区に対する「軍事攻撃即刻停止」の要請書を、イスラエル大使館と日本の外務省に送りました。
ATJでは、関係の団体に呼びかけを行い、状況が悪化するガザ地区への軍事攻撃に対して、イスラエル大使館及び日本の外務省に対する要請書を送りました。
ガザ地区では、けが人が運び込まれている病院や国連が運営する学校までもが攻撃の的とされ、、死者は1,300人を超えています。多くの子どもや女性など戦争に巻き込まれて犠牲となる市民の数が日々増えています。
この状況に対して、ATJに関連する団体、及びパレスチナ・オリーブオイルを取り扱っている団体(各団体の組合員・会員の合計世帯数は230万人)の皆さんが、この状況を重く憂慮し、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区に対する軍事攻撃の即刻停止、市民の安全確保及び人道的支援物資搬送の保障を7月31日にイスラエル大使館、外務省に対して申し入れました。
ガザに攻撃に対するPARCからの緊急声明
イスラエルにより7月8日より始まったガザへの攻撃は、学校や病院などへの攻撃も行われ死者は1000人を超えています。国連、世界各国からの停戦要請等に関わらず攻撃は継続しています。
このガザ攻撃に対して、オリーブオイル生産者団体の一つであるPARC(パレスチナ農業復興委員会)から、ガザ攻撃に対する緊急声明が7月22日付で公開されました。各国政府に対する圧力をかけていくことを求められています。
PARCからの緊急声明(英語)
http://www.pal-arc.org/press22072014.html
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2014年7月22日
武力による侵略を今すぐ中止せよ
14日間に渡り、イスラエル占領軍はガザ地区に住むパレスチナ人を激しく攻撃し続けています。その結果、130名の子どもと34名の女性を含む511名以上が殺害され、3,600人以上が負傷しました。さらに、2,700軒以上の家屋が壊され、そのうちの404軒は完全に破壊されました。6ヶ所ある水源と公衆衛生機関は狙い撃ちにされ、100以上の学校が何らかの形で被害を受けているのです。
一連の攻撃が激化していく中、13万5千人以上のガザ住民は住む場所を追われ、いつ攻撃を受けるとも知れない学校などへ身を寄せています。このような人々の大規模な強制退去に伴い、ガザ地区の人道支援組織は、食糧、水、寝具、そして薬といった最低限必要な物資を提供するために、更なる努力を強いられている状況です。この現状に鑑みPARCは、ガザの人々が置かれている厳しい状況を軽減するために活動している国際機関が重要な役割を果たし、彼らが仕事や救護活動ができるための緊急かつ迅速な支援を世界に要求していくことを望みます。
PARCは国際社会に対し、今起こっていることについて沈黙せず、正々堂々と意見を述べることを求めます。そして、「敵対勢力の管理下に置かれている市民は、全ての事象において人道的に扱われなければならず、不利を被るような差別を受けることなく、殺人や拷問を含むあらゆる形態の暴力や屈辱的な処遇に対し、保護されなければならない」という記述に基づき、市民を直接の攻撃対象とすることや集団的懲罰の実行といった、国際的に批准された条項の全てを超えて行われているイスラエルの熾烈な攻撃を止めるための動きを、起こして欲しいのです。
我々PARCは、パレスチナ全土の人々にデモを組織すること、及びガザに住む人々のための募金活動を行うことを訴えかけます。また、アラブ世界の全ての人々や市民団体に対し、各国政府が傍観者を脱却してガザ地区では毎日子供たちが殺されているという事実に立ち戻り、国際圧力をかけていく体制を整えることを呼び掛けていきます。
我々はまた、各々の友人たち、とりわけ市民団体で活動をしている友人たちに対しても、連帯運動を拡大し、侵略を止める調停を直ちに実現するべく、各国政府に対する圧力をかけていくことを求めます。そして、パレスチナ自治区内に住む全てのパレスチナ人が国際的な保護を受けられること、ならびにパレスチナ人に対してイスラエルが犯した罪を罰するため、パレスチナが国際刑事裁判所へ入ることへの支援を要請致します。[/box]
UAWCから皆様へ ガザ地区への国際的な連帯運動に対するお礼
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2014年7月24日
UAWCは、ガザにいる家族にも等しい我々の仲間を支援するためにデモを扇動し、そこへの参加を呼びかけ、またこちらへ支援のメッセージを送って下さった全てのパートナーの皆様へ、心からお礼を申し上げます。皆様が起こしてくれたアクションの一つ一つが大衆やメディアの心を捉え、ひいてはこの局面を打開していくことにつながるものと信じています。そして、このような皆様のメッセージや行動はガザに住む我々の仲間を勇気づけ、ここから立ち直っていくための力となります。
UAWCは、国際的なつながりの中で、多くの支援メッセージを頂きました。また、彼らの多くは、ガザとの連帯に向けた具体的な運動を起こし、その様子を送って下さいました。そのような皆様の連帯の心と運動を、最大限の敬意と感謝の念を持ってパレスチナ市民に伝え、我々の土地を取り戻す糧としていくことが、我々UAWCの責務です。
(中略)
7月7日以降、イスラエル軍はパレスチナ人732名を殺害し、4,605名を負傷させてきました。そして、その数は、現在も急速に増え続けています。イスラエル軍は、ガザ地区におけるこのような残虐非道な戦争を継続し、国際法や条約を無視した集団的懲罰の方針を貫いています。陸海空からの攻撃が続けられ、ガザ市民にさらなる惨事を引き起こすだけでなく、彼らの日常生活そのものを奪っているのです。
お礼の手紙(原本英語)
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UAWCが受け取ったメッセージや写真のいくつかが、お礼の手紙の中で紹介されています。
この中に7/21の東京でのアクションが紹介されました。
「東京では、ガザ地区におけるイスラエルの軍事行動に反対する500名ほどの人々が集会を開き、即時停戦とガザ地区の平和を願い、灯りを灯して「GAZA」という人文字を作りました。」
その他世界各地での動きについても紹介されています。
ガザ攻撃に対するUAWCからの緊急の呼びかけ
[box type=”shadow”]ガザへの攻撃は厳しさを増しており、攻撃による死亡者が700名(7月24日時点)を超えるという事態となっています。この状況に対してATJのパレスチナのオリーブオイルの生産者団体の一つである、UAWC(パレスチナ農業開発センター)より、緊急の呼びかけが行われました。悲しいことにUAWCのスタッフの家族等の犠牲も出ています。ATJとしても、今後イスラエル大使館への要請、現地への支援等を行う予定です。
UAWCからの緊急の呼びかけ(英語)[/box]
UAWCからの緊急の呼びかけ(日本語翻訳)
2014年7月21日
家族を救うために… 自由を勝ち取るための戦いへの参加を!
イスラエル占領軍は15日間に渡り、ガザ地区への残虐で非人道的な軍事攻撃を続けています。さらにイスラエルは、「集団懲罰」の方針を貫いており、戦時下における一般市民の保護を保証することを謳った国際法ならびに人道法を無視し、違反しているのです。イスラエル軍はガザ地区のあらゆる場所に対して陸海空からの攻撃の手を緩めず、家屋や礼拝所(モスク)といった建物の破壊にとどまらず、多くの民間人に死傷者が出る大惨事を引き起こしています。
7月21日時点で、509人のパレスチナ人が殺害され、3,150人が負傷しました。ラファ(※注:エジプト国境の検問所があるところ)に住むSyamさん一家は、家が爆撃されたことで、少なくとも9人が一夜にして死亡し、その中には12歳と8歳の子どもに加え、赤ちゃんもいたのです。連日このような状態で、一日前に発表された「112人の子どもが死亡」という報道も、既に過ぎ去ったことになってしまいます。
老若男女を問わず、家の中にいることもままならず、かといって路地に出ればイスラエルによる激しい無差別爆撃にさらされます。語られるべき痛ましい話は、枚挙に暇がありません。病院は、既に飽和状態。国連の人道問題調整事務所(OCHA)によると、ガザ地区の43%はイスラエル軍による撤退勧告がなされており、もはや「行くべきところは無い」と宣告されているに等しいのです。また、OCHAの最新の報告では、パレスチナ人死亡者のうち、72-80%は民間人と言われています。
10万人近いパレスチナ人は住む場所を追われ、そのうちの84,000人は61ヶ所の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)学校へ身を寄せています。少なくとも90万人の人々は、インフラ修理が追い付いていないために、飲み水が確保できていない状況です。
7月16日には、イスラエル軍は、ガザ市の浜辺で遊んでいた10才-11才の4人の子供たちを殺害しました。子供の生命がないがしろにされているのです。
また、7月20日の夜には、UAWCガザ事務所の同僚であるSaad Ziadaさんの家族6名が死亡した、という報告がありました。イスラエルのロケットが彼らの家に直撃し、Saadさんは彼の大切な家族を失ったのです。これは、その時に彼が送ってきたメッセージです。
「我々は、この愛すべき故郷、パレスチナの地が勝利と解放に向かっている道の途中にいる。私の家族は、Al Falujaから住むところを追われてきた難民である。私は、このパレスチナの地のために犠牲となった6人の家族 ― 最愛の母(Um Jamil)、兄Jamil(Abu Shaaban)とその妻(Um Shaaban)、その息子(Shaaban)、もう一人の兄Yousef(Abu Wadih)、そして弟のOmar(Abu Abdullah) ― の命を、送り届ける。不滅の天国へ・・・・。そして、我々は必ず勝利を得る。」
皆様がこの文章を読んでいる間にも、我々パレスチナ人が絶えず死に至っているということを、どうか思い出して下さい。
UAWCは、以下のことを至急呼びかけています。
– 国際社会の沈黙を打破し、パレスチナ人を守るための動きを直ちに開始すること。
– 国内外の社会運動団体や活動家達が、イスラエルに対し、「戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約(第四条約)」ならびに関連する国際法や条約の遵守を促すための圧力をかけること。
– 国際社会や人権団体が、パレスチナ市民に対するイスラエルの攻撃を取り止めさせるための動きを強めること。
– 国際社会が、イスラエルの加害者に国際司法を執行し、長年続いている占領の終わりを求めるよう、直ちに行動を起こすこと。
どうか、今すぐ行動を起こして下さい。
イスラエル大使館への行政拘禁に対する嘆願書についてのご報告
ハンガーストライキを行っているパレスチナ行政拘禁者の即時の釈放を求める嘆願書はATJに関連する団体の組合員、会員を含め合計で230万人の日本の消費者からの声としてイスラエル大使館に届けることができました。この嘆願書につきましては、6月23日に書留郵便を投函し、6月24日にはファクシミリでイスラエル大使館に届けました。しかし、大変残念なことに書留郵便で送付した嘆願書は、イスラエル大使館が最終的に受け取らず、郵便局での保管期限が切れたためにATJに返送されてきました。
ATJのパレスチナオリーブオイル輸出団体である、パレスチナ農業開発センター(以下UAWC)の財務担当のファラージさんを含む行政拘禁に反対した人々の現状につきましては、7月3日にハンガーストライキが中止されたことをUAWCと確認しました。一方で、この時点ではファラージさん、その他のハンガーストライキ参加者の状況についてUAWCも把握できない状況にありました。しかし、最終的には7月22日にファラージさんの無事を確認することができました。
ハンガーストライキが中止された時にUAWCから日本の皆さんに届いたメッセージを以下にご紹介します。
「報告の通りファラージさんを含むパレスチナの行政拘禁された人々のハンガーストライキについては中止されました。しかし、イスラエルの行政拘禁は現在も続いており、現状は何も変わっていません。そして、パレスチナでは、オリーブの木が焼かれたり抜き取られるというパレスチナ農民への嫌がらせは、これまでも、そして現在も相変わらず多発しています。」
「日本からのパレスチナの人々に対する継続的な支援に感謝しています。日本の消費者とパレスチナのオリーブ生産者や関係者が、お互いによりそれぞれの状況を理解しあえる関係ができれば、今回のハンガーストライキのことなどについても皆さんによりご理解いただけると思っています。また、そうした顔と顔の見える関係は、パレスチナの生産者たちにとっても力になり、日本の皆さんにとってもまた違った側面からパレスチナの状況をご理解していただけると考えております。」
なお、今回の行政拘禁を巡る動きについては、以下にまとめましたのでご参照ください。
最後に、ご存知の通り、現在ガザ空爆が行われています。ATJは国内NGOとともに、イスラエル大使館に対し軍事攻撃の即刻停止と市民の保護を求める要請書を7月15日に送りました、パレスチナは予断を許さない状況にあります。ATJは今後も、継続してこの状況についてお知らせします。
[box type=”shadow”]この間の経過:
2月25日UAWCの財務担当であるファラージさんが行政拘禁制度により拘束されました。
4月30日よりファラージさんが行政拘禁制度に反対して、他の拘禁者とともにハンガーストライキに入りました。
5月29日 UAWCから緊急アピールが関係団体に出される。行政拘禁され、その他の行政拘禁された人々とともに、4月末よりハンガーストライキを行い健康状態についても危険な状況になっており、この状況に関して多くの人々に対して伝えて欲しいとの内容でした。。
ATJでは、この状況をオリーブオイルでつながっている日本の消費者の皆様に情報を共有するため、WEB、フェイスブック、ツイッター等で情報を発信し、関係団体の方々には、メール等で状況のご連絡を致しました。UAWCに対しては、ATJから6月6日に連帯のメッセージを送り、日本からの連帯の意思表示を行いました。
6月7日、国連のパンギムン事務総長から、行政拘禁された人々のハンガーストライキによる体調の悪化に関して、声明が出されました。
その後のUAWC、その他メディアから、ハンガーストライキを行っている拘禁者の体調が悪化し、声明の危機にさらされており、胃腸内の出血、吐血、心拍数の減少して意識を失っている方もおり、また病院に搬送された拘禁者は、ベッドに縛り付けられ、夜間トイレ行くことさえ禁じられているなどの状況報告がありました。
6月13日 国際的な人権団体である、Amnesty Internationalが、ファラージさんを始めとするハンガーストライキを行っている行政拘禁者の健康状態の悪化に対して緊急行動を呼びかけました。イスラエル政府、イスラエル監獄局、各国の大使館に対して、抗議の手紙を送ることを呼びかけました。ATJでもこの活動をWEB等でも紹介しました。6月18日には、Amnesty日本でもこの緊急行動が日本語に翻訳されて呼びかけが行われました。
6月23日 ATJではこの状況に対して関係団体に呼びかけを行い、行政拘禁者の即時釈放を求めた嘆願書を作成しイスラエル大使館に書留にて送りました。24日には、この嘆願書をファクシミリでも送付いたしました。この嘆願書には、パレスチナのオリーブオイルでつながった約230万世帯の消費者が。現在行われているパレスチナの行政拘禁者等が行っているハンガーストライキで生命の危機に陥っている状況を深く憂慮していることを伝え、命を守る見地から、行政拘禁者の即時釈放を嘆願する内容で送っています。書留で送った嘆願書に関しては。配達を行いましたが、一旦郵便局に持ち帰られ、イスラエル大使館よりATJに対して送られた書留の内容についての問い合わせがあり、嘆願書の内容を説明しました。その後イスラエル大使館では、その書留を受け取らず、最終的には、郵便局より保管期間が過ぎたためにATJに7月4日に返送されました。
6月25日 ハンガーストライキが中止になったとの報道が流れました。
7月3日 UAWCから被行政拘禁者のハンガーストライキが中止になった旨の報告が入りました。
7月22日 UAWCから、ファラージさんの妻経由でファラージさんの無事を確認。
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14/7/23 パレスチナ現状報告(UAWCからの聞き取り)
オルター・トレード・ジャパン(ATJ)ではパレスチナ農民の作ったオリーブ・オイルを民衆交易品として輸入しております。このオリーブオイル生産者を支援する農民支援組織UAWCから聞き取った現地の状況をお伝えします。
現在、パレスチナに関する日本及び海外メディアの報道は、イスラエル軍のガザへの侵攻が中心となっております。この間ATJとしても憂慮してきたファラージ氏をはじめとする被行政拘禁者のことは、全く報道されなくなりました(行政拘禁とは裁判なしに拘禁されるもので、民主主義と相容れないとして世界から批判の対象となっています)。
昨日(14/7/22)UAWCと連絡を取ったところ、ファラージ氏の妻経由で、ファラージ氏は無事であることが知らされたそうです。しかしながら、彼の拘禁期限は8月21日とされていますが、それが延長されてしまう可能性があるとのこと。また、UAWCとしても、ファラージ氏のご家族や弁護人が直接彼にコンタクトを取ることができたのかどうか定かではなく、依然として状況は不確かなままとなっています。一つだけ言えることは、イスラエル政府側は、行政拘禁という人権を無視した制度について一切変える意志がない、ということです。
なお、日本でも連日報道されていますが、イスラエル軍のガザ地区への空爆や侵攻、およびハマスとの交戦は、日々凄惨な結果を積み上げています。
Palestinian Center for Human Rightsによると、7月8日~23日の間に、ガザ地区内で600人以上の人が殺され、4,000人以上の負傷者が出ています。死者のうち、少なくとも161人(全体のほぼ1/4)は子どもです。負傷者についても、1,213人が子ども、698人が女性、161人が老人であり、この交戦によって多大な被害を被っているのは、過半数が民間人であることに疑いの余地はありません。(http://www.imemc.org/article/68429)
そのような中、現在のヨルダン川西岸地区について聞いたところ、今は比較的落ち着いた状況だそうです。とはいえ、現在のイスラエルとガザの交戦のきっかけの一つとなった3人のユダヤ人入植者誘拐殺人事件、及びその後発生した1人のパレスチナ人誘拐殺人事件の際は、エルサレム周辺も非常に緊張感が走ったとのこと。特に、イスラム教徒にとって重要な「断食月」に発生したこと、また、「火葬」を忌み嫌うイスラム文化の中で生きたまま火を付けて殺されたことは、ヨルダン川西岸地区に住む多くのイスラム教徒に対する侮辱と捉えられたようです。
オリーブオイルの生産者の中には、近くにユダヤ人入植地が作られた環境下で暮らす人も大勢います。彼らの状況についても、「入植者との間の大きな衝突などは発生していない」とのこと。しかし話を聞いてみると、「日常の範囲」内での衝突や入植者によるオリーブの引き抜きなどは依然として発生しており、我々が考える「日常」とは、そもそもの常識が大きく異なることを感じました。
また、UAWCは、ガザ地区にも事務所があります。そちらの状況については、報道されている以上に凄惨な様子です。大変悲しいことに、UAWCガザ事務所職員のご家族についても、少なくとも8名が、今回のイスラエル軍の空爆及び侵攻の結果、命を落としたそうです。このように考えると、ガザ地区の出来事は決して他人事ではありません。
ATJでは、引き続きファラージ氏の状況、及びパレスチナの情報を追って参ります。ご注目をお願いいたします。
7.21 NGO緊急集会とキャンドル・アクション STOP! 空爆 ~ガザの命を守りたい~ 是非ご参加ください
7.21 NGO緊急集会とキャンドル・アクション
STOP! 空爆 ~ガザの命を守りたい~
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7月8日から始まったイスラエルによるガザへの軍事攻撃によって、死傷者の数は増え続けています。イスラエル軍は人口密集地への空爆などを繰り返し、多くの女性、子どもが犠牲となっています。一方、パレスチナ武装勢力も応戦し、イスラエルに向けてロケット弾を無差別に発射しています。一般市民を意図的に標的にする行為は戦争犯罪であり、絶対に許されることではありません。さらに16日、イスラエル軍はガザ北部住民に避難勧告を出し、空爆を強化する姿勢を見せています。
7月21日に、開発支援、人権、フェアトレード、宗教交流など、さまざまな形でパレスチナに関わる市民団体が結集し、市民を巻き込む無差別攻撃を直ちに停止するよう訴えます。また、パレスチナ、イスラエル双方で犠牲になったすべての人びとへの哀悼の意を表し、キャンドル・アクションを実施します。
日 時:2014年7月21日(月・祝日) 18:30開始(18:00受付)~ 20:00終了
場 所:明治公園 仮設ステージ
JR中央線「千駄ヶ谷」下車 徒歩5分
都営地下鉄大江戸線「国立競技場」(E25)下車 徒歩2分
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/access086.html
※当日、公園内に誘導スタッフを配置します。
※少雨の場合も集会は決行します。
参加費:500円
【内容】 若干の変更の可能性あり。
・ガザからの訴え/日本からガザへのメッセージ
・多様な宗教界からの連帯と哀悼の祈り
・ キャンドルを使った人文字でのメッセージ
【主催団体】 (順不同)
ヒューマンライツ・ナウ/アーユス仏教国際協力ネットワーク/アムネスティ・インターナショナル日本/パレスチナ子どものキャンペーン/ピースボート/セーブ・ザ・オリーブ/パレスチナの子どもの里親運動/パレスチナの平和を考える会/APLA/日本国際ボランティアセンター(JVC)/国境なき子どもたち(KnK)/サラーム・パレスチナ/パレスチナ・オリーブ/オルター・トレード・ジャパン/APLA
ガザ攻撃の即刻停止を求める要請をイスラエル大使館に提出しました
現在行われているガザ攻撃に対して、ATJでは日本のNGO10団体とともに、イスラエル大使館に対して「無差別攻撃の即時停止と市民の保護を求める」要請を出しました。
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2014年7月15日
駐日イスラエル大使 ルツ・カハノフ殿
ガザ地区に対する無差別攻撃の即刻停止と国際人道法に則った市民の保護を強く求めます
私たち、日本を拠点とするNGOは、7月8日からイスラエル軍が開始したガザへの軍事攻撃において、民間人の死傷者が増え続けている状況を深く懸念しています。
ユダヤ人入植者3名の遺体がパレスチナヨルダン川西岸地区で発見され、それへの報復としてパレスチナ人少年が拷問の末に殺された事件に端を発した今回のガザ攻撃について、現地の人権NGOによると、7月14日までに209軒の民家が破壊され、137人の市民が死亡し、そのうち少なくとも34人が子ども、28人が女性であるとのことです。また、1,058人が怪我をしており、その殆どが一般市民で、332人の子ども、212人の女性が犠牲となっています。
私たち日本を拠点とするNGOは、イスラエル・パレスチナ双方による一連の暴力と無差別攻撃に抗議します。特にイスラエル政府に対しては、人口密集中地への空爆など罪のない民間人を犠牲にするガザへの軍事攻撃を即刻停止することを要請します。民家を攻撃することは戦争犯罪であり、どのような状況においても絶対的に許される行為ではありません。イスラエル政府に対し、国際人権・人道法に基づきガザの民間人を保護することを強く求めます。
長年にわたって、私たちはイスラエル・パレスチナ双方への停戦を求め、市民を紛争の被害から守るよう呼びかけてきました。しかし、停戦合意はいつも一時的なものに終わり、私たちは繰り返し、罪のない市民がガザ社会を再構築できるように支援を続けて来なければなりませんでした。また、これまでの紛争における双方の重大な国際人権法および人道法違反行為についても、正義はほとんど実現していません。
2008年12月から2009年1月のガザ空爆・侵攻で多大なパレスチナ民間人が犠牲になったにも関わらず、イスラエルの人権侵害の責任は問われず、ガザの人々の生活は脅かされてきました。一方でイスラエルへのガザからの応戦も繰り返され、イスラエル市民の生活も脅かされてきました。
今回も私たちは市民を犠牲にする軍事攻撃の即刻停止と市民の保護を求めます。そして、医薬品・食糧など人道物資および人道支援団体が遅滞なくガザに入ることを認めるよう要請します。
特定非営利活動法人ヒューマンライツナウ 特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク 公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 特定非営利活動法人パレスチナこどものキャンペーン ピースボート セーブ・ザ・オリーブ 特定非営利活動法人パレスチナの子どもの里親運動 パレスチナの平和を考える会 株式会社オルター・トレード・ジャパン 特定非営利活動法人APLA 特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)[/box]
ファラージさんがハンガーストライキを中止した模様です
6月24日に、UAWCより、イスラエルによる行政拘禁に対して抗議をするためのハンガーストライキを行っていた被拘禁者125名が、ハンガーストライキを中止したという連絡がありました。海外のメディア情報では、ハンガーストライキを中止した中には、UAWCの財務・会計担当のファラージさんも含まれているとのことです。
現時点では、UAWCでもその後の状況が十分に把握しきれていないようです。そのため、ハンガーストライキを行った人々がどのような状況になっているのか、確かなことがわかっておりません。行政拘禁とそれに対する今回のハンガーストライキの件については、日本では一切の報道がなされておらず、情報を入手する手段も限られております。まずは海外メディア等でATJで調べた内容をまとめさせて頂きます。
1)ハンガーストライキの中止について
・ 複数の記事を集約すると、6月24日の時点で、大規模なハンガーストライキは中止になったとのことです(※1~※4など)。そのうちの75名は、刑務所に戻れる状態に回復するまで、病院で水やサプリメントなどの摂取をしながら、手当てを受けているとのことです(※5)。
・ ストライキの中止に至る過程で、パレスチナの被拘禁者側とイスラエル監獄局側との間で、何らかの話し合いの場が持たれたようです(※1、2など)。その内容や結果については、「追って公表される」という記事がありますが、現時点で詳細な報告は見当たりません。
※ 一部の記事では、パレスチナ側から、拘禁の無期限延長を止めることや、正式な裁判等の手続きを踏むべきであることなどを盛り込んだ要望書が提出されたと書かれており、ファラージさんもそこに署名をしたという記述があります(※1)。
※ パレスチナ側からのコメントでは「イスラエル監獄局側との話し合いにより、一定の譲歩が引き出せたこと」が、ストライキの中止につながった、と書かれています(※1、6)。
※ 一方、イスラエル側からは「一切の合意はなされていない」というコメントが出されています(※4、7)。
※ 結果的に、どのような結論と経緯の下でストライキの中止に至ったのか、現時点では明らかではありません。
2)イスラエルの行政拘禁について
行政拘禁という制度そのものへの抗議としても行われたハンガーストライキでしたが、イスラエル側のコメントとしては、「行政拘禁という制度について、その信念や内容を変更する意志は無い」と、明確に出されています(※4、7)。
なお、6月12日に行方不明となった3人のイスラエル人入植者が6月30日に遺体となって発見されましたが、この件については日本でも報道がなされております。
イスラエルのネタニヤフ首相は、この誘拐事件を「ハマスによるもの」と断定し、イスラエル軍は犯人検挙のための捜査を続けてきました。その過程の中で、少なくとも6月12日以降で167人に対して行政拘禁令が適用され、7月2日時点での被行政拘禁者の数は364人と言われています(※8、9)。
このことからもわかる通り、ハンガーストライキ開始以降も、またハンスト中止という報道があった以降も、イスラエルは行政拘禁制度の行使を続けております。
UAWCからも、「行政拘禁を廃止するためのキャンペーンは、まだ続いている」という連絡がありました。ATJでは、UAWCと連絡を取りながらファラージさんの状況等含め引き続きパレスチナ状況について発信して参ります。
【参考websiteなど】
International Middle East Media Center (IMEMC)
Haaretz
Palestinian Prisoner Solidarity Network
Aljazeera
(※1) http://www.imemc.org/article/68227
(※2) http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/1.601002
(※3) http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2014/06/palestinian-prisoners-end-mass-hunger-strike-201462501236249478.html
(※4) http://www.reuters.com/article/2014/06/25/us-palestinian-israel-prisoners-idUSKBN0F00DS20140625
(※5)http://www.nytimes.com/2014/06/26/world/middleeast/palestinian-detainees-suspend-hunger-strike-in-israel.html?_r=0
(※6)http://www.irishtimes.com/news/world/middle-east/palestinian-prisoners-in-israeli-jails-end-hunger-strike-1.1845193
(※7)http://www.imemc.org/article/68231
(※8)http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/.premium-1.600480
(※9)http://www.imemc.org/article/68296