【パレスチナ】アブドゥル・ラザック・ファラージさん釈放!

2015年11月19日

イスラエル政府により2014年2月15日から行政拘禁されていたオリーブオイル出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)の職員、アブドゥル・ラザック・ファラージさん(53歳)がようやく釈放されたとのニュースが届きました。

拘留期限は最大6ヶ月なのですが、これまで同年8月、2015年2月、6月と3度にわたり拘禁更新が言い渡されていました。拘留期間は実に通算20か月に及びました。

UAWCによるとファラージさんの健康に異常はないとのことです。

まずはこの嬉しいニュースをお伝えします。

ファラージさん家族

ファラージさんの家族。左からパートナーのラミス、次男ワジさん、ファラージさん、長男バジルさん

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(注)行政拘禁とは理由も明らかにせず、起訴なしで拘留する制度です。イスラエルの人権団体、B’Tselemは、国際法では市民に危害をもたらすおそれがある場合の最終的な手段としてのみ執行が認められていますが、イスラエルはこの制度を濫用し、過去数年間で何千人ものパレスチナ人に適用しているとしています。
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政策室 小林

【緊急アピール】イスラエルによる、パレスチナ人に対するテロ行為を止めて下さい!

2015年10月30日

パレスチナでの弾圧 パレスチナのオリーブオイルの出荷団体であるパレスチナ農業開発センター(UAWC)が緊急声明を出しました。UAWCはATJを通してオリーブオイルを日本に出荷する団体であると同時に農民の支援活動を行っています。

 日本ではあまり報道されていませんが、10月に入ってヨルダン川西岸地区と東エルサレムでパレスチナ人とイスラエル人の間の流血事件が多発しています。この1か月間だけで50人を超えるパレスチナ人が死亡しています。これは、イスラエルによる長年の占領と抑圧、エスカレートする人権侵害や暴力がもたらした結果と言えます。

 UAWCは声明の中で、イスラエルの占領と暴力行使を止めるよう国際社会に行動を起こすようアピールしています。

 以下、声明文です。

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世界中の人々への緊急声明
イスラエルによる、パレスチナ人に対するテロ行為を止めて下さい!

 現在、聖地エルサレムにおいて、イスラエル人入植者によるパレスチナ人に対する攻撃が、毎日のように続いています。その他にも、イスラエル軍による不当な逮捕や拘留に加え、パレスチナ人に対する組織的な拷問や入植者による犯罪が後を絶ちません。卑近な例としては、2015年7月31日、ナブルス南部のDuma村において、イスラエル入植者がDawabsheh一家の自宅を焼き討ちし、1歳6か月になる男の子が亡くなり、両親と4歳になる兄も、大きな火傷を負いました(両親はその後死亡)。イスラエルによる実質的な占領下にあるパレスチナ自治区において、イスラエルによるこのような継続的な犯罪行為が行われていることを、我々は断固拒否します。

 パレスチナ自治区の農村では土地の収奪や入植地の拡大など、イスラエルの入植と占領行為も一向に終わりを迎える気配がありません。それは、パレスチナの経済を窒息させ、パレスチナ自治政府とイスラエルとの和平に向けた交渉を閉ざし、パレスチナの主権に対するイスラエルの占領と支配を強めることにしかなり得ません。イスラエルによるこのようなすべての暴力が、ヨルダン川西岸地区、エルサレム、ガザ地区といった占領下にあるパレスチナにおいて、怒りを表現する手段としてデモを起こさせることになります。そしてデモに対し、我々がアラブ系パレスチナ人であるという理由だけで、全世界の人々が見ている前で、イスラエル軍は抵抗する人々を残虐に殺害しているのです。

 2015年10月以降、イスラエル軍は明らかにデモに参加するパレスチナ市民への暴力の行使を強めました。そこには、非武装の投石者には決して使用してはならないと国際法で決められている武器や兵器が使用されているのです。

 10月に入り、ヨルダン川西岸地区とガザ地区だけで、イスラエル人により殺害されたパレスチナ市民は32人に上ります。その中には、血も涙もないイスラエル入植者の手によって命を奪われた7名の子どもが含まれます。殺された人々の多くは、上半身に攻撃を受けていることがわかっています。また、それ以外にも、200人の子どもと40人の女性を含む1,500人以上が実弾やゴム被覆金属弾を受けて負傷し、さらに150人がイスラエル軍や入植者によって暴行されています。さらに、エルサレム、ラマラ、ナブルス、ヘブロン、トゥルカレム、カルキリヤなどの街で、少なくとも800人以上が不当な逮捕をされており、しかもその半数はまだ子どもなのです。

 イスラエル入植者による暴力・破壊行為は、人だけでなく、農地に対しても執拗に続けられています。最近でも、ナブルス県にあるブリン村やハワラ村では、数十ドゥナム(1ドゥナムは約1ヘクタール。もともとは大人1名が一日に耕すことのできる広さから来たと言われる単位)の土地が焼き払われました。昨年エルサレムで起きたMohammed Abu Khudair少年が生きたまま火をつけられて殺害された事件を模倣し、イスラエル入植者がエルサレムの学校に通う生徒の殺害を企てるという事件も起きています。

 イスラエルの占領行為とそれに加担する入植者たちは、(美しいはずの)パレスチナの街並みや通りを死の風景に塗り替えてしまいました。我々パレスチナ人は、絶えず銃撃による死の恐怖-それも、武装したイスラエル入植者とイスラエル軍狙撃部隊の双方による-に晒されているのです。それにも関わらず、イスラエルの多くのマスコミは現実を無視し、シオニストの作った「イスラエル人が(パレスチナ人のテロ行為による)被害者である」というイメージにすり替えた報道を、意図的に繰り返しています。

 その例の一つが、東エルサレム近郊のAl Issawiyaに住んでいた19歳のFadi Allounの事件です。これは、「彼が入植者をナイフで刺そうとしていた」というイスラエル側の主張により、「彼を追いかけ始めたイスラエル警察から逃げている最中に」射殺されたと報じられました。しかし、残った映像には、彼がナイフは持っておらず、イスラエル入植者に対して攻撃をしようとしていた証拠は認められなかったのです。

 世界中の全ての人々は、パレスチナ人が殺されている現状に対し、沈黙したままではいないでしょう。負傷して倒れている13歳の少年Ahmed Manasrahに対し、罵声を浴びせ、「殺せ」と叫ぶイスラエル入植者や警察・軍隊の様子は、彼らがいかに非人道的な扱いをしているかを端的に物語っています。さらに、到着した(イスラエルの)救急隊員が必要な応急処置も施さず、他の入植者に応じて「死ね、死ね」と声を上げる様子に至っては、最悪の人権侵害と言う他ありません。「負傷した子どもの痛み」は、世界中の人々の良心を揺さぶり、イスラエルの組織的なテロを終結させることになるでしょう。

このように、耳を疑いたくなるような暴挙は枚挙に暇が無く、皆さんがこの文章を読んでいる間にも、次から次へとパレスチナ人が負傷し、殺されています。だからこそ、UAWCは全世界の人々に向けて、緊急に次の点を要請します。

  • 国際社会の沈黙を破り、我々パレスチナ人を守るための行動を起こし、イスラエルの非道な占領を終わらせるよう、圧力をかけて下さい。
  • 皆様の国において社会的な運動を起こし、我々に対するイスラエルの暴力が止められるよう、イスラエル大使館に対してデモを行って下さい。
  • イスラエルの占領を支持せず、入植地で作られた製品の不買運動や、イスラエルの不当な政策を支援するような外交をやめて下さい。

 どうか心よりの連帯をお願い致します。

パレスチナ農業開発センター(UAWC)[/box]

ドキュメンタリー「”The Iron Wall” 鉄の壁」~パレスチナの人びとの自由を阻む壁~                              

2015年10月30日

国際的な意味で「壁」と聞くと、まず思い浮かぶのは「ベルリンの壁」ではないでしょうか。1948年8月13日から建設が始められたこの壁は、当時のソ連が、占領統治していた東ベルリンから西ベルリン(西ドイツ側)への住民流出を防ぐ目的で作られたと言われます。旧東ドイツ領内に飛び地として存在していた西ベルリンを取り囲むようにめぐらされ、1989年11月の崩壊まで40年以上に渡って存在し続けました。

 

ベルリンの壁とイスラエルによる分離壁の比較

ベルリンの壁とイスラエルによる分離壁の比較

ベルリンの壁は壊されましたが、このように何らかの政治的・差別的な意図を持って大規模に建設された壁に囲まれている場所は、世界中探してもパレスチナにしか見当たらないと思います。

 

特にヨルダン川西岸地区を取り囲むように建設されているこの壁は、ベルリンの壁の約4.7倍、全長700km以上にも及び、2002年にイスラエルによって建設が始まりました。名目は、「イスラエル国民をテロリストの攻撃から守る」とされていますが、実際にはグリーンライン(1967年の軍事境界線≒現ヨルダン川西岸地区とイスラエルとの境界線)よりヨルダン川西岸地区へ食い込み、その内部に違法に建設されているイスラエル人入植地をイスラエル側へ取り囲むかのように伸びています。明らかに、違法な入植地を強制的に領地として併合する意図が見て取れ、計画上では、ヨルダン川西岸地区の46%がイスラエル側に取り込まれるという試算もあります。

 

土地を横切って伸びる壁。エルサレム近郊の高台から

土地を横切って伸びる壁。エルサレム近郊の高台から

2004年7月、国際司法裁判所は、ヨルダン川西岸地区へ食い込んだ壁の建設は違法であり、壁は速やかに撤去され被害を被った住民への補償がなされるべきであるという勧告を出しています。同年の国連総会決議においても、イスラエルに対し、その勧告に従うように求めた決議が採択されています。

 

分離壁

分離壁

しかしながら、イスラエルはこれらの勧告を一切無視し、今日に至るまで分離壁の建設を続行してきているのです。分離壁がヨルダン川西岸地区に食い込むということは、壁のルート周辺にあるパレスチナ人の土地が奪われ、また分断され、そして壁の「向こう側」が強制的にイスラエルになってしまうことを意味しています。このようにして、ただでさえ占領下で困難を強いられているパレスチナの人々の生活が、さらに奪われていく実態があります。

 

オリーブオイルを出荷している現地パートナーであるPARCは2006年に、このパレスチナの現状を広く伝えたいとドキュメンタリー「The Iron Wall(鉄の壁)」を制作しました。そして京都YWCA有志の方々が、日本で伝えたいと日本語版を制作し、ご厚意によりこの度、ATJウェブサイトで公開することになりました。10年近く前のものではありますが、ここに含まれている内容は今なおヨルダン川西岸地区で起こっていることです。ぜひご覧いただければ幸いです。

事業部商品二課 若井

 

 

 

 

制作・著作権:Palestinian Agricultural Relief Committees(2006年)

日本語字幕:京都YWCAブクラ

【パレスチナからのアピール】国際司法裁判所の判決が実行されるよう共に声をあげよう!

2015年8月6日

イスラエルが建設する分離壁を違法とした国際司法裁判所の決定が出てから11年。パレスチナのオリーブオイルの出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)は、依然として建設が進行している状況に対して抗議するよう国際社会に呼びかけています。

 

ハーグにおける国際司法裁判所の決定から11年を経てもなお、分離壁はそこにあります!

[box type=”shadow”]2004年7月9日、ハーグにある国際司法裁判所は、イスラエルが建設を進める分離壁に対する法的責任に言及する勧告を提示しました。その中で同裁判所は、分離壁の建設が国際法に反していること、そして占領者であるイスラエルに対しては、直ちに分離壁の建設を取りやめ、既存の壁を壊すべきであること、またパレスチナ人に対して補償を支払う責務があることを明言しました。さらに各国政府には分離壁に反対する義務があること、国連は具体的な行動を示すべきであるとも述べました。しかし、この国際司法裁判所の決議から11年が経った今なお、分離壁は依然として存在し、国際法に違反したイスラエルによる占領が続いているのです。

2002年、イスラエルは「イスラエルからヨルダン川西岸地区を分離する」という目的で、分離壁の建設を始めました。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、分離壁は建設予定分も含めると総長712kmに及び、それはグリーンライン(国際的にイスラエル領を定める停戦ライン)の2倍以上の長さです。実に分離壁の85%以上がグリーンラインを越えて西岸地区の側に食い込み、もし予定通りに建設が完遂した場合、東エルサレムを含む9.4%もの土地が、イスラエル側に孤立することになります。パレスチナの農民が「壁の向こう側」にある自分の農地へ行くには、74ヶ所に設けられたゲートを通過するしかありませんが、そのうち52ヶ所は、10-12月のオリーブ収穫期間にしか開かれません。また「ストップ・ザ・ウォール・キャンペーン」によると、分離壁の建設によって、パレスチナ人の所有する農地の多くが破壊され、帯水層を含めた貴重な水源が奪われました。

西岸地区全図(OCHA2012年版)

グリーンライン(緑色の破線)の内側に建設済(赤の実線)、建設中(紅白)、
建設予定(黒白)の分離壁が食い込んでいる様子が見て取れる。

国際社会による数々の人道的解決策をことごとく踏みにじってきたイスラエルは、「自由に行き来すること」「土地の所有権を持つこと」「水を使用すること」「食糧の主権を持つこと」というような基本的な権利を、パレスチナ人から奪っています。ダメなことにダメと言い、国際的な解決を希求し、立ち上がることは、地域社会・国際社会が果たすべき役割なのです。

国際司法裁判所の決定を実践し、イスラエルによる差別的かつ非人道的な行いを止めさせるための運動は、今こそ、世界中全ての社会活動家や心ある組織の手によって、強められていくべき時だと考えます。イスラエルによる継続的な占領と土地や資源の収奪、そしてパレスチナの植民地化を、止めさせる時が来ています。どうかこの占領を終結させ、パレスチナが自分たちの手で自分たちのことを決められる社会を作れるよう、支援をお願い致します。

以下に署名をした我々組織や活動家は、国際司法裁判所の決定を実践し、分離壁を無くし、イスラエルに対して全ての国際法や協定を遵守させるために、国際社会の速やかな介入を呼び掛けています。

・ 私たちは、イスラエルによる分離壁の建設によって生じた非合法的な状況を一切認めません。

・ 私たちは、イスラエルによる分離壁が建設されたこの状況を維持するための支援や援助を一切行いません。

・ 私たちは、イスラエルによる分離壁の建設によって生じた、パレスチナ人の民族自決権を妨げている負担や重荷を取り除くことに取り組みます。

・ 私たちは、イスラエルによる分離壁の建設またはその維持を支援する全ての企業・組織・団体をボイコットします。[/box]

UAWCは下記URL(英語)で賛同署名を集めています。みなさんの応援の気持ちをぜひパレスチナの農民に届けてください!

賛同方法について

①UAWCのウェブサイト(英語)にアクセスしてください。アピール内容は上記のとおりです。

11 years after ICJ’s Decision at The Hague and the Apartheid wall still exists!

②下部にある「Support」をクリックすると署名欄につながります。

③記入方法について

各項目にご記入ください。

Full Name(氏名)

E-mail(メールアドレス)

Organization(所属団体)

Job Title(役職)

TEL(電話)

FAX(ファックス)

Celluler(携帯番号)

必要と思われる項目のみで結構です。また、所属団体の後ろにJapanと付記していただくと日本からの賛同だとわかります。

【パレスチナ】 UAWC職員ファラージさんの行政拘禁が再度延長に

2015年7月7日

パレスチナから大変残念なお知らせがありました。オリーブオイル出荷団体のひとつ、UAWC職員であるアブドゥル・ラゼック・ファラージさん(53歳)の行政拘禁が再度4ヵ月延長されました。

2014年2月25日に拘留されたファラージさんは、拘留期限となる同年8月に6ヶ月、2015年2月に4ヵ月の拘禁更新が言い渡されていました。これが実に3度目の拘留延長です。UAWCは今回の延長が最後になり、10月には釈放されるだろうと話していますが、本当にそう願うばかりです。

ファラージさんの拘留延長は、パレスチナで政治犯を支援するNGO、Palestinian Prisoners Solidarity networkのウェブサイトでも報道されています。

Palestinian writer and land defender Abdul Razeq Farraj’s administrative detention renewed

ファラージさんや家族の状況がわかりましたら、ご報告させていただきます。

ファラージさん家族

ファラージさんの家族。左からパートナーのラミス、次男ワジさん、ファラージさん、長男バジルさん

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(注)行政拘禁とは理由も明らかにせず、起訴なしで拘留する制度です。イスラエルの人権団体、B’Tselemは、国際法では市民に危害をもたらすおそれがある場合の最終的な手段としてのみ執行が認められていますが、イスラエルはこの制度を濫用し、過去数年間で何千人ものパレスチナ人に適用しているとしています。Palestinian Prisoners Solidarity networkによると現在でも400名を超えるパレスチナ人が行政拘禁されているそうです。
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                                                                                                           (政策室 小林)

パレスチナ雑記② パレスチナとオリーブ

2015年6月2日
日本ではあまり報道されることのない「パレスチナ」について、国際的なニュース記事や、ATJ社員が現地で見聞してきたことなどを交え、不定期で紹介させて頂きます。少しでも「パレスチナ」のことを身近に感じ、興味を持って頂けたら幸いです。

 

最近、イタリアのオリーブの樹が「ピアス病菌」という細菌によって大量に枯死している、という話題が上っています。イタリアは、スペインと並んで世界有数のオリーブ産地であり、イタリア産と表示されたオリーブオイルは、日本に輸入されているオリーブオイルの約半分を占めるとも言われています。なので、このまま被害が拡大すると、今後の日本のオリーブオイル供給量や価格、そして速水もこみちの生活にも影響が出てくるかもしれません。

パレスチナも地中海沿岸に位置する土地でありますので、心配になって状況を聞いてみましたところ、「全く問題ない」とのこと。今年は花の咲きもいい感じだそうで(オリーブの花期は、毎年5-6月頃)、このまま順調に行けば、良いオリーブオイルが採れそうであるとのことでした。この後花が落ちて実が成り、その実が熟し始めて色が黒っぽく変わり始める10-11月頃が、収獲の時期となります。

オリーブの花

オリーブの花

さて、そんなオリーブは今から6,000年程前にパレスチナ周辺で栽培が始まったと言われます。元々、ジェリコなど「世界最古の街」を標榜する土地でもありますので、そういう人たちが始めたということなのではないでしょうか。以後、花粉や種が風に乗ったり鳥に運ばれたりしたことで、オリーブが地中海沿岸に広がっていったそうです。

「誘惑の山」の眼下に広がるジェリコの街は、世界で最も標高の低い街でもある。遠くに見えるのはヨルダン渓谷。

それ以前は脂肪と言えば動物由来が一般的だった中、常温で液体のオリーブオイルは、非常に重宝されました。食用はもちろん、皮膚を守るために体に塗られたり、灯りを取るために燃やしたり、香油や媚薬の溶媒にしたり、石けん等の原料として使ったり、まことに多岐にわたる用途があり、現在に至っています。また比較的堅い質感を持つオリーブの木は道具作りにも重宝され、現地の至る所で木工品が売られています。(ナザレのイエスは、よく「キリスト」と呼ばれますが、これは「油を注がれたもの」の意味を持つ「メシア」というヘブライ語をギリシア語訳した言葉から来ているそうです。この油=オリーブオイルと言われます。昔からオリーブオイルは、聖なる油としての神秘的な位置付けもなされていたことがわかります。)

イエスが受洗したと言われるヨルダン川の場所。川幅は5m程度で、対岸はもうヨルダン。世界中から信者が集まり、イエスの追体験をしていた。

実際にヨルダン川西岸地区を車で走ると、日本の田んぼのような感じで(風景は全く違いますが)丘陵地帯にはオリーブが広がり、走りながら地図を見ると、至る所に「オリーブ」を意味するZeit~という地名が見られ、休憩のために立ち寄ったレストランではオリーブオイルはジョッキに入って机の上に置かれ、そのオリーブを搾るための搾油所では使用料は搾ったオリーブオイルから天引きされるらしい、という具合に、至る所でオリーブが活躍していることがわかりました。パレスチナ人にとってのオリーブオイルは、単なる食品を越えた、民族の根幹を成す生活の潤滑油といって差支えありません。

 

 

 

 

ジャーに入ったオリーブオイル

ヨルダン川西岸地区で最も多く栽培されている品種は、「ナバリ」と呼ばれるもの。日本で良く見るイタリアやスペイン産オイルではあまり見られない品種で、現地の人が、古い樹を「ナバリ・バラディ(バラディ=地元のもの、みたいな意)」と地元愛を込めて呼んでいるのが印象的でした。地方によって異なるようですが、樹齢数十年~数百年程度のものまで、幅広い年齢層の樹が育てられています。多くの生産者は、代々オリーブ栽培を営んできた人々。いくつかの村を訪問しましたが、本当に長閑な雰囲気でした。「パレスチナ」と聞くと、どうしても紛争地帯と言うイメージを抱きがちですが、本来はこのような人々の暮らしが当たり前にある土地であることを再認識させられました。

現地のポピュラーな料理、フムス。ヒヨコ豆のペーストで、ピタパンに入れたりして食べる。真ん中の黄緑色は全部オリーブオイル。

Al Zawiye村の協同組合長、イスマエルさん宅でごちそうになったパレスチナ料理。生地から滴るほどにオリーブオイルが使われていたが、食べてみるとそれほど脂ぎっているわけではなく、むしろシンプルで日本人の口に合う美味しさ

事業部商品二課 若井

【パレスチナからのアピール】スシア(Susia)村が、完全破壊と強制的退去の危機にさらされています。

2015年5月27日

パレスチナのオリーブオイルの出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)は、ヘブロン南部に位置するパレスチナ人村であるスシア村の家屋取り壊しと、そこに暮らす約350名の村人全ての強制退去を認めるイスラエル最高裁判所の判決を凍結するように求めるアピールを出しました。

【アピール】 スシア(Susia)村が、完全破壊と強制的退去の危機にさらされています。

[box type=”shadow”]5月の第1週目、イスラエル最高裁判所はイスラエル軍に対し、(ヨルダン川西岸地区)ヘブロン南部に位置するパレスチナ人村であるスシア村の家屋取り壊しと、そこに暮らす約350名の村人全ての強制退去を認める判決を出した。この非道な行為は、このスシア村の土地に建設されたイスラエル人入植地に住む入植者が、2015年1月に同じヘブロン南部にあるマサファー・ヤタ(Masafer Yata)村の農民が持つ345本のオリーブの樹を切り倒した事件に端を発している。

報道によると、2015年5月5日、スシア村が提示した基本計画を民政局(Civil Administration)が却下したこと、及びその後に予定された村全体の建築物取り壊しに反対する嘆願書を始めとした同村による仮命令の要求について、最高裁判事のノーム・ソルベルグ(Noam Solberg)が否決したとされている。

このようなイスラエルの暴挙は、1948年5月、(パレスチナ人にとっては)「ナクバ」=災厄として記憶されている出来事と同時期にさかのぼる。このナクバによって、数十万ともいわれるパレスチナ人が、イスラエル軍によって住まいを追われ、強制退去させられた。さらに500以上のパレスチナ人村を力づくで空っぽにし、結果として80万5千人以上のパレスチナ人は、他のパレスチナの都市や周辺アラブ諸国、及び西欧諸国へ逃れて難民となった。

スシア村村民の自分たちの土地を守る闘いは、村が考古学上の遺跡として認められ、その土地が(イスラエルによって)差し押さえられ、その土地の洞窟で暮らしていた人々が追い出された1986年から始まった。パレスチナ人がそのような遺跡に住むことが許されないと告げられた一方、イスラエル人入植者が遺跡内の違法開拓地(outpost…入植地の前段階のような集落)へ住み始めた。その時以来、スシア村の人々は、もともと住んでいた土地にごく近い場所で暮らしてきた。しかしながら、彼らが住んでいるその土地はC地区(警察権も行政権もイスラエルが握る)であり、住宅の建設はおろか、単純なテントを張ることすらイスラエルの許可が下りず、絶えず取り壊し命令に晒されてきた。イスラエルがC地区におけるパレスチナ人による90%の計画申請を拒絶してきていることは特記するに値する。その一方で、国際法違反を一顧だにせず、パレスチナ人の土地におけるイスラエル入植地は継続的に拡大している。

私たち署名団体及び署名者は、このスシア村に対する徹底破壊と住民の強制退去というイスラエルの暴虐極まりない命令を凍結させるために、速やかな国際社会の介入を求めます。また全ての人権団体、活動家、社会正義運動に対し、イスラエルによるパレスチナ人農家と農業部門への暴力を終わらせるよう、声を上げることを呼び掛けます。「違法な入植地を建設するための土地の接収」「住民の強制退去」「オリーブの引き抜き」「物理的攻撃及び言葉による攻撃」そして「農業設備の破壊」…これらすべての非道な行為に対し、NOを突き付けて下さい。[/box]

 

 

UAWCスシア村アピール

 

UAWCは下記URL(英語)で賛同署名を集めています。みなさんの応援の気持ちをぜひパレスチナの農民に届けてください!

賛同方法について

①UAWCのウェブサイト(英語)にアクセスしてください。アピール内容は上記のとおりです。

Susia Village is threatened with complete demolition and forcible displacement

②下部にある「Support」をクリックすると署名欄につながります。

③記入方法について

Please Fill The Following To Support The Farmers (農民を支援する方は次の欄にご記入ください)の下にある各項目にご記入ください。

Full Name(氏名)

E-mail(メールアドレス)

Organization(所属団体)

Job Title(役職)

TEL(電話)

FAX(ファックス)

Celluler(携帯番号)

必要と思われる項目のみで結構です。また、所属団体の後ろにJapanと付記していただくと日本からの賛同だとわかります。

【パレスチナ】ファラージさんの行政拘禁が延長(速報)

2015年2月23日

パレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、UAWC職員であるアブドアル・ラゼック・ファラージさんの行政拘禁が4ヶ月延長になったという大変残念な知らせがUAWCからありました。

昨年2月25日に拘留されたファラージさんは、拘留期限とされた昨年8月に6ヶ月間の拘禁延長が言い渡されており、その期限が近づいた2月にまたも延長されたことになります。

ファラージさんを含む行政拘禁延長のニュースは、パレスチナ自治政府のメディアであるPalestine News & Information Agency – WAFA(パレスチナニュース情報局)も報道しています(2月22日付)。

Israel Issues Administrative Detention Orders to 26 Palestinian Detainees

これによると、イスラエル当局は今回26名のパレスチナ人に対して行政拘禁令を出しましたが、多くは(24名)はすでに拘禁されている者への2~6ヶ月の拘留更新でした。名簿の11番目にファラージさん(Abd al-Raziq Faraj)の氏名が載っています。

行政拘禁とは理由も明らかにせず、起訴なしで拘留する制度です。イスラエルの人権団体、B’Tselemは、国際法では市民に危害をもたらすおそれがある場合の最終的な手段としてのみ執行が認められていますが、イスラエルはこの制度を濫用し、過去数年間で何千人ものパレスチナ人に適用しているとしています。

日曜日(2月22日)、イスラエルの刑務所にいるパレスチナ人拘禁者たちは、当局の権利侵害に抗議し、行政拘禁終了を含む要求に応えるよう3月10日からハンガー・ストライキも辞さないと発表しました。

ファラージさんの状況に関しては詳しい情報をUAWCに確認中です。入り次第、ご報告させていただきます。

政策室 小林

パレスチナからのアピール 「イスラエルによるパレスチナ農民への暴力行為に終止符を!」

2015年1月20日

パレスチナのオリーブオイルの出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)から、イスラエル人入植者によるパレスチナ農民への暴力行為に反対する署名活動への協力を求めるアピールが届きました。

 

アピールにあるように、ヨルダン川西岸地区では入植者による暴力行為が頻発しています。1月9日~10日にも西岸地区南端のマサファー・ヤタ村で345本ものオリーブの木が切り倒されました。被害規模が大きいこと(345本)、滅多にない雪嵐に乗じての卑劣な行為であること、切り倒された木の一部は昨年10月に海外支援者が泊まり込みで収穫を手伝ったものであることからこのようなアピールを出しました。

 

 

 

 

【アピール】 イスラエルによるパレスチナ農民への暴力行為に終止符を!

 

[box type=”shadow”]数日前にパレスチナを雪嵐が襲ったが、農民の苦労は雪嵐だけではなかった。マサファー・ヤタ村の農民が所有するオリーブの木を、スシヤ入植地のイスラエル人たちが1月9日に45本、10日にさらに300本、計345本切り倒したのだ。すべての木に世代から世代へ引き継がれた思い出が刻まれている。パレスチナにおいてオリーブの木は歴史そのものだ。

 

マサファー・ヤタはヘブロンの南方24キロに位置し、19のベドウィン(遊牧民)の小さな集落からなる。エルサレム応用調査研究所(ARIJ)によると、マサファー・ユタ村の総面積は約3,600ヘクタール、住民の90%は農業従事者であり、農業や牧畜が主な収入源となっている。

 

ソシア村に住む農民でUAWC農業委員会メンバーであるイッサ・アルボール(70歳)は、「農地と農民に対するイスラエル人入植者の野蛮な暴力行為は、パレスチナ人の立ち向かう力を逆に強めている。思い出と労働の成果も木と一緒に失われたが、引っこ抜かれた本数以上にオリーブを植えていく。決してこの土地を離れない。

 

占領するイスラエル人がパレスチナ農民の権利を侵害し、財産を攻撃するのは初めてのことではない。2014年前半、イスラエル軍と入植者は8,480本の木を引き抜いた。その大半がオリーブの木である。また、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、2014年度、西岸地区では入植者によるパレスチナ人への暴力行為は12月中旬までに320件も発生している。

 

賛同署名してくれた団体・個人はスシヤ入植地の入植者の卑劣な暴力を非難する。そして、国際社会と人権団体に対してパレスチナ農民の権利、とくに食料主権を守ることを呼びかけるものである。パレスチナ農民と農業部門に対するイスラエルの暴力に終止符が打たれるように、すべての人権団体、活動家や社会正義運動家に声をあげるよう呼びかける。不法入植地建設を目的とする土地没収、木の切り倒し、肉体的・言葉による暴行、生産財の破壊にNo!の声をあげてください。[/box]

 

UAWC広報担当のルバ・アワダラさんは「こうした許しがたい暴力行為、人権侵害が日常的に起きている事実を世界中の多くの人に知ってもらいたい。そして、アピールに賛同する方はぜひUAWCのウェブサイトで賛同の意思を表明してもらいたい。世界中でこれだけ多くの人がパレスチナ農民の苦労と困難に関心を寄せて応援しているか、彼らに伝えたい」と話しています。

 

下記URL(英語)で賛同署名を集めています。みなさんの応援の気持ちをぜひパレスチナの農民に届けてください!

 

賛同方法について

①UAWCのウェブサイト(英語)にアクセスしてください。アピール内容は上記のとおりです。

International Call to End Israeli Violations against Palestinian Farmers

②下部にある「Support」をクリックすると署名欄につながります。

③記入方法について

Please Fill The Following To Support The Farmers (農民を支援する方は次の欄にご記入ください)の下にある各項目にご記入ください。

Full Name(氏名)

E-mail(メールアドレス)

Organization(所属団体)

Job Title(役職)

TEL(電話)

FAX(ファックス)

Celluler(携帯番号)

必要と思われる項目のみで結構です。また、所属団体の後ろにJapanと付記していただくと日本からの賛同だとわかります。

パレスチナ雑記① アジアカップ初出場のパレスチナ代表

2015年1月19日
日本ではあまり報道されることのない「パレスチナ」について、国際的なニュース記事や、ATJ社員が現地で見聞してきたことなどを交え、不定期で紹介させて頂きます。少しでも「パレスチナ」のことを身近に感じ、興味を持って頂けたら幸いです。

パレスチナ応援団

さて、去る2015年1月12日、サッカー日本代表はAFCアジアカップ連覇に向けた初戦を4-0の白星で飾りました。この相手が「パレスチナ」であったことは、皆様の記憶にも新しいことと思います。翌日、Yahoo!Japanで「パレスチナ」について検索をしてみると、未だかつてない数のニュースがヒット。その全てがサッカー関連でした。普段であれば、パレスチナに関して、ほとんどニュースの更新はありません。恐らくここ10年で一番多く、「パレスチナ」が日本のインターネットに載った日ではないでしょうか。

サッカーパレスチナ代表はAFCチャレンジカップ2014で初優勝を果たし、AFCアジアカップ2015への出場権を獲得。この日は、パレスチナ代表として初めて世界の主要トーナメントへ出場した、記念すべき日となりました。なお、参加16チームのうち、唯一の初参加でもあります。

パレスチナの人々にとって、このような世界の舞台において「パレスチナ」として立ち位置を得ることは、スポーツの枠を超えた大きな意味があります。基本的に“国”の代表チームが集まるこのような場でプレイができることは、国際社会に対してパレスチナのことを強くアピールする場ともなり得るからです。

1967年以降、実質的にイスラエルの占領下に置かれているパレスチナ自治区では、ガザ地区にあったスタジアムが2006年と2012年の空爆で破壊され、代表選手の練習環境も十分に整っていない状況です。また国際試合に出場するにも、イスラエルから選手の出国ビザが下りないことも多く、そのせいで出場を断念せざるを得ないこともあったようです。(注1

2014年には、2名の選手がAl-Ramで練習をした帰り、チェックポイント(注2)でイスラエル兵によって撃たれるという事件もありました。二人とも意図的に脚を狙って撃たれ、二度とサッカーができない体にさせられたのです。それ以外にも、これはサッカー代表に限りませんが、自宅を破壊されたり、令状なしで逮捕されたりという事例(当社のパレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、UAWC職員一人が現在拘禁されています。関連記事)が、人々を苦しめています。

隣国ヨルダンを臨む

1月12日の日本戦には、外国に暮らすパレスチナ難民の他、オーストラリア人を含めて15,000名がパレスチナの応援に駆けつけました。金曜日には、隣国ヨルダンとの対戦で1-5と惨敗を喫してしまったパレスチナ代表。1月20日のイラク戦での初勝利を、心から応援したいと思います。

事業部商品課 若井



パレスチナのグリーンID(注1)
写真:グリーンID
このIDでは、パレスチナ自治区の中しか行き来できない。イスラエル側はおろかエルサレムに入ることもできず、域外へ出るには陸路でヨルダンへ行くしかない。場合によっては、チェックポイントで止められる。なお、特別なIDをもらえれば、グリーンID保持者もイスラエルに入ることはできるが、それでもテルアビブの空港は使用できないらしい。


(注2)
写真:カランディア検問所
アルラム付近のカランディア検問所と壁。アルラムには、もうひとつのオリーブオイル出荷団体PARCのオリーブオイル充填所がある。

【パレスチナ】「家族が一緒に暮らせる日々を待ちわびています」~行政拘禁中のファラージさんの妻、ラミスさんのスピーチ~

2015年1月6日

昨年6月~7月に本ウェブサイトでも報告していますが、パレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、UAWC職員であるアブドアル・ラゼック・ファラージさんが、行政拘禁制度(注1)に抗議して2014年4月末より2ヶ月近くにわたり、他の被拘禁者約120名と一緒にハンガーストライキを行いました。ATJではパレスチナのオリーブオイルを取り扱う生協・産直団体、APLAなどと連名で、イスラエル大使館にファラージさんを含む行政拘禁者の即時釈放を求める嘆願書を昨年6月に出しました。しかし、ファラージさんは今も拘禁中です。

ハンガーストライキに関する経緯はこちらをご参照ください(2014年7月24日)。

2014年11月3日、ヨルダン川西岸地区にあるラマラ市で開催された「互恵のためのアジア民衆基金(APF)」総会分科会においてアブドアルさんのお連れ合い、ラミス・ファラージさんがスピーチを行いました。

ラミス・ファラージさん

スピーチをするラミス・ファラージさん

スピーチの冒頭、日本からの支援に深く感謝したラミスさんは行政拘禁制度がいかに非人道的で、本人ももちろんのこと家族を苦しめているか切々と訴えました。

以下、スピーチの要約です。

私の夫、アブドアル・ラゼック・ファラージら行政拘禁者たちは、イギリス信託統治時代から続くこの制度を拒否し、反対する意志を示すため、2014年4月ハンガーストライキを始める道を選びました。行政拘禁は告訴なしにパレスチナ人を拘留できる制度です。イスラエル刑務所当局はハンスト実行者を非人道的に扱い、弁護士と面会するといった基本的人権をも無視しています。多くのハンスト実行者が、危機的な健康状態のためアルラムラ病院に移送されました。弁護士は拘禁者がどこにいるか知らされず、家族や医者でさえ会うことができません。病院では拘禁者の手足はベッドに縛られ、移動の自由を奪われています。

約2ヶ月間のハンストの期間中、弁護士が高等裁判所に訴えると圧力をかけた一度を除いて、私たち家族は彼について何の情報も入手することができませんでした。ハンスト実行者は水と塩だけで何とか生き延びました。まさしく命をかけた訴えであり、自らの命を代償にしてまでも、この酷い制度を終わりにしなければいけないと感じていたのです。

家族にとって、行政拘禁制度とはいつも剣が拘禁者ののどに突き付けられているような状態です。本人も家族もいつ拘禁が終了するのか知らされず、それは公開できない機密だとシャバック(イスラエル情報機関)は述べます。しかし、ほとんどの場合、機密ファイルには拘禁者を訴えるに値する重大な情報など含まれていません。しかも、イスラエル政府は拘禁を何度も更新して、何年も続けることができるのです。

夫は告訴なしに計7年間も拘禁され、今も獄中にいます。拘禁によって私たち家族は深刻な影響を受けてきました。何をすべきかわからず、ただ彼が釈放されるのは待つしか術がないのです。特別な日も一緒に祝うことができません。私たち夫婦は一緒に子どもを育て、成長する姿を見る機会を失い、子どもたちは父に相談する機会を奪われてきました。夫は息子の大学卒業式に出席して喜びを分かち合うことも叶いませんでした。

「すべての行政拘留者と共に痛みを担う覚悟です」これは夫がオウファル刑務所から家族に宛てた手紙にあった言葉です。そして夫は常々「私たちにとって人生の最良の時は未来にある」と口にしていました。だから私たちは夫が自由になり、家族と一緒に暮らせる日々を待ちわびています。行政拘禁者の家族としてイスラエルに行政拘禁が終わるよう圧力をかけてもらいたいのです。この制度をなくすことが私たちの自由への第一歩だと信じています。

 

2014年8月下旬にファラージさんの拘禁は6ヶ月延長され、釈放は2015年2月下旬の予定です。行政拘禁はイスラエル当局が理由も明らかにしないまま延長することができる不当な制度ですが、今度こそファラージさんが釈放されることを強く願っています。

また、ラミスさんと次男ワデアさん(大学4年生)にも取材することができました。二人のメッセージも編集中ですので、後日紹介いたします。

今後もファラージさんの近況がわかり次第ご報告します。

注1:行政拘禁とは、無期限に更新できる軍令に基づいて起訴や裁判なしの拘禁を認めるもので、人権団体から国際的に非難されています。

政策室 小林和夫

UAWC(パレスチナ農業開発センター)はガザ緊急キャンペーンの第1パート(最初の緊急キャンペーン)を実施しました

2014年9月29日

UAWC(パレスチナ農業開発センター)から、ガザ地区への緊急救援活動の報告が届きました。
ATJでは今後も、現地の復興状況等をお知らせいたします。
ATJ/APLAでは引き続き、ガザへの募金をお願いしています。  詳細はこちら


UAWC及びそれぞれの農民グループは、ガザ地区への第1段階の緊急救援活動を実施しました。UAWCはガザ地区への緊急支援活動として、食糧及び日用品120トンをガザ地区の避難家族に届けました。UAWCは、400箱のフードバスケット(Oxfamとの協力)、300箱のフードバスケット(World Visionとの協力)、200箱のフードバスケット(Welfare Associationとの協力)をガザ攻撃の最初の1週間に配布することに重点を置いて活動を行いました。同時に、ガザ地区では、漁民の家族のために1500箱のフードバスケット、避難民家族のために700箱のフードバスケットの配布を行いました。

 

 

 

ヨルダン川西岸地区においては、UAWCは、地域住民からの協力で2000箱ほどのフードバスケットを集めました。

キャンペーンは、特にガザ地区における10000世帯の農民と魚民に対して、緊急支援を考えています。次の支援として、農業に必要なもの、生産のための道具、家畜の飼料、水などを検討しています。10000世帯の農民には、さらに農業復興プロジェクトも検討します。

 

PARC(パレスチナ農業復興委員会)は、ガザ地区への支援活動を行っています。

2014年8月29日

8月26日、パレスチナとイスラエルはガザ地区における無期限停戦に合意し、現地時間午後7時(日本時間で8月27日午前1時)に発効しました。8月29日現在、この停戦は続いています。

50日に及んだガザ地区での戦闘、とりわけイスラエル軍による大規模な侵攻により、パレスチナ側では2,104名(うち民間人1,462名で、そのうちの495名は子ども、253名は女性)が犠牲となり、約10万8,000軒の家屋が破壊されました。また、1万人以上の負傷者が出ており、50万人以上(ガザ地区の人口が約180万人なので、約28%)が住む場所を追われています。一方、イスラエル側でも、69名(うち民間人4名)が犠牲となりました。(※8/28付国連人道問題調整事務所(OCHA)報告より)

今回の停戦合意に際し、ハマス側からは2007年から始まったイスラエルによるガザ地区の占領および封鎖を解除することが求められ、またイスラエル側からはハマスの武装解除が求められています。ガザ地区の封鎖解除や湾港・空港の再建に向けた段階的な協議は、1ヶ月以内に進められるとされており、今後の動きが注目されています。
オリーブオイルの出荷団体のひとつPARC(パレスチナ農業復興委員会)より、8月21日付の報告が届いています。


イスラエル軍による攻撃

イスラエル軍による攻撃

2014年7月7日の白昼、イスラエルはガザ地区に対する攻撃を開始しました。ガザ地区に住む人々に対するイスラエル軍の侵攻は、8月21日時点で470人の子どもと400人の女性を含む、少なくとも2,040人の民間人の死者を出す事態となりました。負傷者は、10,000人を超えました。攻撃で住むところを追われ避難民となった520,000人のなかには、家に戻り始めている人もいますが、安全でないことも多く、これからも自宅に戻れない人々の数は増えていく見通しです。一方で、完全に破壊されるか、あるいは甚大な被害を受けた家屋の数は概算で10,000件を超え、65,000人の人々はすでに帰る家がないことも事実です。このガザ侵攻の初期の目的として示唆されたのは、ガザ地区の広範囲にダメージを与え水道設備や主要な衛生管理施設、ガザ発電所を含む電力供給網等、基本的なインフラを破壊することでした。しかしながら、実際はそれだけでなく数十か所の医療関係施設や学校、障害者のためのケアセンター等への甚大な被害ももたらしたのです。

イスラエル軍の攻撃で破壊されたガザの街並み

イスラエル軍の攻撃で破壊されたガザの街並み

国連関係のジェームズ・ローリー氏は、「激しい戦闘から4週間が経過し、必要とされているものの規模は過去に類を見ないものとなった。我々のチームは、必要なものを査定し、救助を続けている。」と、語ります。

PARCは、ガザ侵攻開始後2週目より、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校やモスク、公共施設、病院、その他親族のところへ身を寄せている人々を中心に、支援を進めています。水タンク、衛生用品、食糧品といった救援物資を、必要な家族へ配っています。
ガザ救援アピールに応じて下さったパートナー団体や関係各位からの多大なご支援により、私たちは、ガザ地区のほぼ全域に対して支援を行うことができています。

飲料水の支援

飲料水の支援

[box type=”shadow”]

  • 1,000リットル容量の水タンク490個と30日分のタンクローリー水:(ラファ、デイル・エルバラー、シェイク・ラドワン・ベイト・ハヌーン、ガザ市、アルシファ病院)
  •  20リットル容量の水タンク330個/330家族(2,310人相当):(ガザ市北部、ガザ市、デイル・アル・バラー、ハン・ユニス、ラファ)
  •  1,155個のフードバスケット/避難家族:(ラファ、ベイト・ハヌーン、アルシファ病院、ワディ・アルサイカ、カザイヤ、コザー)
  •  26,000リットルの飲料水/2,889家族:(ガザ市北部、ガザ市、デイル・アル・バラー、ハン・ユニス、ラファ)
  •  855個の衛生用品/991家族:(ラファ、ベイト・ハヌーン、アルシファ病院、デイル・アル・バラー)[/box]

 

支援物資の詰め込み

支援物資の詰め込み

ヨルダン川西岸地区にあるPARC本部には、イスラエルの侵攻開始以降、ガザ地区への義捐金や救援物資が寄せられています。PARC事務所の駐車場は、届いた救援物資の受け付け、仕訳作業、荷造り、ガザへの荷物の送り出しのセンターとなっています。PARC職員だけでなく、一般市民のボランティア、子供も含めた民間ボランティアが、日夜作業を行っています。

 

 

 

荷造りされた支援物資

荷造りされた支援物資

ガザ地区の悲惨な状況から考えると、今後の支援活動はより重要になるものと思われます。PARCは、ガザ地区の支援を継続し、パレスチナ人に対する侵略を明らかにし、またイスラエルの残虐な行為に対する各国政府の圧力を強めていくために、パートナー団体やパレスチナ人全員へ呼びかけを行います。

 

 

最後に、ネルソン・マンデラの言葉を引用致します。
「人生で大切なのは、ただ生きたということではない。自分の人生を通じて、他の人々の人生をいかに変えることができたか、それが重要なのだ。」


8/23 Stop the killing in GAZA ガザの命を守りたい NGO共同 シューズ・アクション

2014年8月15日

Stop the killing in GAZA ガザの命を守りたい

すべての犠牲者を追悼し、戦闘の即時停止を訴えます

NGO共同 シューズ・アクション

7月8日に始まったイスラエル軍による「境界防衛」作戦以来、ガザにおける死者は1900人を超えました。国連によれば8月11日時点で子どもの犠牲は458人にのぼっています(※)。


一人ひとりの命を見つめて
私たちNGOは、市民を巻き添えにするこのような攻撃を直ちに停止するようイスラエル政府に訴え、国際社会がこの紛争下で起きた戦争犯罪に対して断固とした行動をとるようアピールします。そして、犠牲となった子どもたちの名前を読み上げ、458人分の靴を並べる追悼アクションを行います。
※国際法上、「子ども」は18歳未満のすべての者をさします。

● 皆さんへのお願い ● 靴を持ち寄ってください!


犠牲となった子どもたちの名前を呼び上げ、彼らが「数字」ではなく「一人ひとりの人間」であることを心に刻むために、靴を並べていきます。
 子ども用に限りませんので、靴をお持ち寄りください。
 靴は集会の終了後、お持ち帰りください。


日時:8月23日(土) 16:00 ~ 17:30 (受付開始:15:30)

場所:増上寺境内(港区芝公園)  都営地下鉄三田線 御成門駅から徒歩3分、芝公園から徒歩3分
少雨決行


● 内容(予定) ●
・現地からの報告:志葉玲さん(フリージャーナリスト)
・犠牲者の追悼:犠牲となった子ども458人の名前を読み上げ、境内にその数だ け靴を並べ
ていきます。
・ 黙とう
・ 主催団体からのアピール


<主催団体> 五十音順
アーユス仏教国際協力ネットワーク/APLA/アムネスティ・インターナショナル日本/オルター・トレード・ジャパン/サラーム・パレスチナ/浄土宗平和協会/パレスチナ子どものキャンペーン/パレスチナの子どもの里親運動/ピースボート/ヒューマンライツ・ナウ


【この件に関するお問い合わせは】
アムネスティ・インターナショナル日本 Tel: 03-3518-6777 (担当・川上)
パレスチナ子どものキャンペーン  Tel: 03-3953-1393

ガザ地区への緊急支援金のお願い

2014年8月14日

(※8/18にPARCの緊急救援状況等について加筆修正を行いました。)

私たちがオリーブオイルでつながるパレスチナの人びとが過酷な状況に置かれています。2014年7月8日にイスラエルが開始したガザ地区への空爆、7月17日(現地時間)以降は地上戦も展開され、ガザ地区ではこの軍事攻撃により民家、病院、国連機関、発電所等、人びとの生活基盤が壊滅的に破壊されるという危機的な状況にあります。

UAWC WEBより転載

UAWC WEBより転載

ATJおよびAPLAでは、こうしたガザの状況を受け、パレスチナの人びとに心からの連帯を送るために、復興に向けた支援のための募金を呼びかけます。この募金は、オリーブオイルの出荷団体であるUAWC(パレスチナ農業開発委員会)、PARC(パレスチナ農業復興委員会)などが行うガザ地区の緊急支援活動に使います。

  • UAWC・PARCを中心に、現地NGO等が連携し、ガザの人びとに支援物資を送ることを開始しています。
  • ヨルダン川西岸地区で調達した食料物資は、ガザ地区がイスラエル政府により封鎖されているため、国連機関や赤十字の協力を得て搬送されます。
  • UAWCでは、支援の対象は、農民・漁民を中心としたガザで被害に遭った人びとで、10,000家族へ届けることを目標としています。
  • PARCでは、当面8,500人を対象に、10万ドル相当分の緊急救援物資を届けることで動いています。
  • 緊急救援物資の支援が終了した後には、現地の状況に合わせて必要な支援を行うことになります。その使途については、追ってご報告させていただきます。

[box type=”shadow”]郵便振替の場合

00190-3-447725 特定非営利活動法人APLA

※通信欄に必ず「ガザ緊急支援」と明記ください。[/box]

[box type=”shadow”]銀行振込の場合

みずほ銀行高田馬場支店(普通)2650327


特定非営利活動法人APLA

※振込人名、金額、「ガザ緊急支援」である旨をAPLA事務局までご一報ください。[/box]

◎領収書の発行は省略させて頂きます。領収書が必要な場合はAPLA事務局までご連絡下さい。

◎募金総額の一部(上限10%)を事務経費のために使用させていただきますこと予めご了承ください。

なお、国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、7月8日の空爆開始以来、8月10日までに1,948人の犠牲者が出ており、その7割以上が多くの子どもや女性を含む民間人です。家屋の破壊についても11,855の家屋が破壊されたり甚大な被害を受けています。そのため、人口の約4分の1にあたる40万人以上の人びとが国連施設や親戚の家での避難生活を強いられています。

ユニセフ・パレスチナ事務所特別代表の功刀純子(くぬぎじゅんこ)さんは、「今回の攻撃によりガザ地区では、(この7年間に起きた)紛争の中で、最も長く、最も多くの方が亡くなり、そして最も甚大な破壊をもたらしています。ガザに暮らす方やガザへの物質的な損害は、言葉では言い表せません」と述べています。

こうした状況を踏まえて、ATJ/APLAでは関連団体との連名でイスラエル大使館、外務省に対して、「人道的な観点から軍事攻撃の即刻停止と人道物資搬送の保証」を要請し、日本の消費者等がガザ攻撃に対して抗議の意思を持っていることを表してきました。

今、ガザの人びと、ひいてはパレスチナの人びとにとって必要なことは、同じ人間として尊重され、人間らしく生きることができ、子どもたちが希望を持って毎日を生きられる平和な環境です。パレスチナの人びとは過酷な状況にあってもオリーブを栽培し、野菜や花を栽培し、経済的な自立に努力を惜しまず子どもたちの未来を願って生きています。

【現地状況、支援活動に関するお問い合わせ】

ATJ 企画課(持井/幕田)までお願いします。
TEL:03-5273-8176  メール:pr@altertrade.co.jp

【募金についての問い合わせ先】
特定非営利活動法人APLA
TEL: 03-5273-8160 / FAX: 03-5273-8667

陸海空からのイスラエル軍の攻撃が、パレスチナの人々の命を奪い、生活を破壊しています。~UAWCからの報告(8月2日付)~

2014年8月5日

[box type=”shadow”]現在のパレスチナ状況について、ATJのパレスチナのオリーブオイルの生産者団体の一つである、UAWC(パレスチナ農業開発センター)より報告がありました。

子供たちの遊んでいた公園の爆撃前と後の状況、街の状況に怒りがこみ上げてきます。ヨルダン川西岸地区の状況も報告されています。
[/box]

ガザ地区の様子

7月7日のイスラエルのガザ軍事攻撃開始以来、イスラエル占領軍によって1,525名のパレスチナ人が殺害され、負傷者も8,265名に達しました。そして、この数は日々急速に増え続けているのです。イスラエル軍は、ガザ地区における残忍かつ非道な攻撃の手を緩めることはなく、国際法及び人道法において保障された戦時下の人民の保護を行わず、集団的懲罰の理念を変えようとしません。陸海空からの攻撃を続け、ガザ市民に大参事を引き起こし、また彼らの日々の生活を破壊し続けています。

イスラエルによって破壊された公園。イスラム教休暇の初日、この公園で遊んでいた子供のうち、少なくとも10名が殺された。

 

家族が殺され一人きりになった人、自分の子供が肉片となった瞬間を目の当たりにした父親、自分の腕の中で母親が息絶えたのを何もせずに見守るしかなかった少年…、日常ではあり得ない悲劇が毎日のように繰り返されています。

 


Al-Shajaiya(アル・シャジャイヤ)の街の様子。イスラエルによる空爆の前後。

8月2日時点でのガザにおける被害の概要は、以下の通りです。
■ 国連OCHAによると、22の病院をはじめとした医療機関(診療所等も含む)が爆撃によって被害を受けている。
■ 47万5千人が家を追われ、UNRWAの施設や別の親戚の元へ身を寄せている。
■ 農業、畜産業、漁業等を営む人々が育てている家畜も、危機に瀕している。しかし、地上戦が展開されている今のガザ地区において、十分な情報が入手できない。(ガザ)食糧保障局によると、少なくとも3千人の飼育者のところで、家畜に餌が与えられないなどの問題が生じている。
■ 11ヶ所ある(UNRWAの?)学校に身を寄せている家族は、8,000世帯ほど、人数にして50,000人近くと見込まれている。
■ 17万6千人以上の住まいを追われた人びとは、食糧等の援助を必要としている状況下に置かれている。

 

ヨルダン川西岸地区の様子

西岸地区全土でも、パレスチナ人とイスラエル人兵士との間に衝突が起こっています。パレスチナ人の抵抗運動は、ガザへの攻撃が始まった7月7日以降に始まりました。本日までで、13名のパレスチナ人がデモ中にイスラエル軍によって射殺された他、負傷者も多数出ています。

カランディア検問所付近の、大規模デモの様子

パレスチナ・ガザ状況~現地入りしている日本人ジャーナリスト・NGO発~

2014年8月1日

パレスチナのガザ地区につきましては、厳しい状況がマスメディアでも伝えられていますが、現在日本人ジャーナリスト、NGO関係者が現地に入り日々現地の生の情報を伝えています。

≪ガザ情報のリンク集≫

ガザで取材している日本人ジャーナリストのWEB等
【志葉 玲さん】
https://www.facebook.com/rei.shiva?hc_location=timeline
https://twitter.com/reishiva
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20140731-00037856/

【田中龍作さん】
http://tanakaryusaku.jp/
https://twitter.com/tanakaryusaku

【土井敏邦さん】
https://twitter.com/doi_toshikuni

【古居みずえさん】
http://www.asiapress.org/apn/

 

現地で活動しているNGO。

【JVCのブログ】
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/palestine-report/2014/07/20140718-gazavoice4.html

【JVCのレポート】
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/palestine-report/data/20140729-gaza-ptsd.pdf

【パレスチナこどものキャンペーン】
http://ccp-ngo.jp/

パレスチナ・ガザ地区に対する「軍事攻撃即刻停止」の要請書を、イスラエル大使館と日本の外務省に送りました。

2014年7月31日

ATJでは、関係の団体に呼びかけを行い、状況が悪化するガザ地区への軍事攻撃に対して、イスラエル大使館及び日本の外務省に対する要請書を送りました。
ガザ地区では、けが人が運び込まれている病院や国連が運営する学校までもが攻撃の的とされ、、死者は1,300人を超えています。多くの子どもや女性など戦争に巻き込まれて犠牲となる市民の数が日々増えています。
この状況に対して、ATJに関連する団体、及びパレスチナ・オリーブオイルを取り扱っている団体(各団体の組合員・会員の合計世帯数は230万人)の皆さんが、この状況を重く憂慮し、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区に対する軍事攻撃の即刻停止、市民の安全確保及び人道的支援物資搬送の保障を7月31日にイスラエル大使館、外務省に対して申し入れました。

 

イスラエル大使館に提出した要請書

 

外務省に提出した要請書

ガザに攻撃に対するPARCからの緊急声明

2014年7月29日

イスラエルにより7月8日より始まったガザへの攻撃は、学校や病院などへの攻撃も行われ死者は1000人を超えています。国連、世界各国からの停戦要請等に関わらず攻撃は継続しています。

このガザ攻撃に対して、オリーブオイル生産者団体の一つであるPARC(パレスチナ農業復興委員会)から、ガザ攻撃に対する緊急声明が7月22日付で公開されました。各国政府に対する圧力をかけていくことを求められています。

PARCからの緊急声明(英語)
http://www.pal-arc.org/press22072014.html
[box type=”shadow”]

2014年7月22日

武力による侵略を今すぐ中止せよ

14日間に渡り、イスラエル占領軍はガザ地区に住むパレスチナ人を激しく攻撃し続けています。その結果、130名の子どもと34名の女性を含む511名以上が殺害され、3,600人以上が負傷しました。さらに、2,700軒以上の家屋が壊され、そのうちの404軒は完全に破壊されました。6ヶ所ある水源と公衆衛生機関は狙い撃ちにされ、100以上の学校が何らかの形で被害を受けているのです。

一連の攻撃が激化していく中、13万5千人以上のガザ住民は住む場所を追われ、いつ攻撃を受けるとも知れない学校などへ身を寄せています。このような人々の大規模な強制退去に伴い、ガザ地区の人道支援組織は、食糧、水、寝具、そして薬といった最低限必要な物資を提供するために、更なる努力を強いられている状況です。この現状に鑑みPARCは、ガザの人々が置かれている厳しい状況を軽減するために活動している国際機関が重要な役割を果たし、彼らが仕事や救護活動ができるための緊急かつ迅速な支援を世界に要求していくことを望みます。

PARCは国際社会に対し、今起こっていることについて沈黙せず、正々堂々と意見を述べることを求めます。そして、「敵対勢力の管理下に置かれている市民は、全ての事象において人道的に扱われなければならず、不利を被るような差別を受けることなく、殺人や拷問を含むあらゆる形態の暴力や屈辱的な処遇に対し、保護されなければならない」という記述に基づき、市民を直接の攻撃対象とすることや集団的懲罰の実行といった、国際的に批准された条項の全てを超えて行われているイスラエルの熾烈な攻撃を止めるための動きを、起こして欲しいのです。

我々PARCは、パレスチナ全土の人々にデモを組織すること、及びガザに住む人々のための募金活動を行うことを訴えかけます。また、アラブ世界の全ての人々や市民団体に対し、各国政府が傍観者を脱却してガザ地区では毎日子供たちが殺されているという事実に立ち戻り、国際圧力をかけていく体制を整えることを呼び掛けていきます。

我々はまた、各々の友人たち、とりわけ市民団体で活動をしている友人たちに対しても、連帯運動を拡大し、侵略を止める調停を直ちに実現するべく、各国政府に対する圧力をかけていくことを求めます。そして、パレスチナ自治区内に住む全てのパレスチナ人が国際的な保護を受けられること、ならびにパレスチナ人に対してイスラエルが犯した罪を罰するため、パレスチナが国際刑事裁判所へ入ることへの支援を要請致します。[/box]

UAWCから皆様へ ガザ地区への国際的な連帯運動に対するお礼

2014年7月25日

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2014年7月24日

UAWCは、ガザにいる家族にも等しい我々の仲間を支援するためにデモを扇動し、そこへの参加を呼びかけ、またこちらへ支援のメッセージを送って下さった全てのパートナーの皆様へ、心からお礼を申し上げます。皆様が起こしてくれたアクションの一つ一つが大衆やメディアの心を捉え、ひいてはこの局面を打開していくことにつながるものと信じています。そして、このような皆様のメッセージや行動はガザに住む我々の仲間を勇気づけ、ここから立ち直っていくための力となります。

UAWCは、国際的なつながりの中で、多くの支援メッセージを頂きました。また、彼らの多くは、ガザとの連帯に向けた具体的な運動を起こし、その様子を送って下さいました。そのような皆様の連帯の心と運動を、最大限の敬意と感謝の念を持ってパレスチナ市民に伝え、我々の土地を取り戻す糧としていくことが、我々UAWCの責務です。

(中略)

7月7日以降、イスラエル軍はパレスチナ人732名を殺害し、4,605名を負傷させてきました。そして、その数は、現在も急速に増え続けています。イスラエル軍は、ガザ地区におけるこのような残虐非道な戦争を継続し、国際法や条約を無視した集団的懲罰の方針を貫いています。陸海空からの攻撃が続けられ、ガザ市民にさらなる惨事を引き起こすだけでなく、彼らの日常生活そのものを奪っているのです。

お礼の手紙(原本英語)
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UAWCが受け取ったメッセージや写真のいくつかが、お礼の手紙の中で紹介されています。

この中に7/21の東京でのアクションが紹介されました。
「東京では、ガザ地区におけるイスラエルの軍事行動に反対する500名ほどの人々が集会を開き、即時停戦とガザ地区の平和を願い、灯りを灯して「GAZA」という人文字を作りました。」

その他世界各地での動きについても紹介されています。