パレスチナ:オリーブの木、2000本が破壊される
パレスチナのオリーブオイルの出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)が、イスラエル軍によるパレスチナ人の暴力行為を止めるよう国際社会に呼びかけるアピールを出しました。
2017年1月16日、イスラエル当局は、104ドナム(1ドナムは約1ヘクタール)もの不法なイスラエル人入植地につながるバイパス道路を建設するため、カルキリヤ県のパレスチナ農民が所有する2000本のオリーブの木を破壊しました。一本一本のオリーブの木には、世代を超えたパレスチナ人の誇りが刻み込まれ、歴史そのものです。それが根こそぎにされたのです。
2017年、イスラエル政府によるパレスチナ人の土地の接収や入植地の拡大は劇的に増加するだろうと用心しています。昨年12月23日、イスラエルの入植活動を国際法に対する「目に余る違反行為」であり、「法的正当性がない」とした国連安全保障理事会決議2334号(注1)が採択された後、イスラエル政府はその決議を順守するつもりはないと発表、さらに、エルサレムにおいて1506戸の住宅建設を認めることがあったため、尚更です。2016年も土地接収や入植地が前年より58%も増加したことは特記されるべきでしょう。イスラエル政府による土地接収の増加は、C地区(注2)に指定された土地のすべてを没収し、(イスラエルとパレスチナの)二国家共存を葬ろうとする極端な右翼政権の姿勢の一端が現れたものと言えます。
UAWCからのアピール:行動を起こしてください!
世界中の人権団体、活動家、社会正義活動団体に対して、イスラエルのパレスチナ農民や農業部門に対する暴力行為を終わらせるために声を挙げるよう求めます。
○ 土地接収に反対する声明を出す。
○ 国際社会の沈黙を破り、パレスチナ人を保護し、イスラエルの占領に終止符を打つよう行動する。
○ 各国イスラエル大使館前で、効果的な抗議行動を組織すること。
○ 入植地で生産された製品の不買運動、
注1:国連決議2334号関係情報 「国連安保理、イスラエル入植地非難決議を採択 米国棄権」
注2:オスロ合意で定められた、イスラエル政府が行政権、軍事権共に実権を握る地区
*なお、この破壊行為については現地の新聞、Palestine Chronicle でも写真付きで報じています。
Israeli Army Uproots 2,000 Ancient Olive Trees
(要旨)イスラエル軍は、西岸地区北部カルキーリヤ近郊のナビ・アリアス、アズーン、タビーブの3村で、パレスチナ人所有のオリーヴ収穫林一帯を「軍事閉鎖地区」に指定し、ブルドーザー多数を使い、果樹2000本の撤去に着手した。パレスチナ人や、支援のイスラエルの人権・平和活動家らは、オリーヴの木に身体を縛り付けて抵抗、イスラエル兵の排除により負傷者も出た。オリーヴの撤去は、近くのイスラエル人入植地へのアクセス道路工事のため。入植者らは、「通行の安全のため」バイパス道路を要請していた。樹齢500年の大木も抜き取られたという。(パレスチナ最新情報-JSRメルマガ20170118号より)
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