レポート

2025年オリーブ収穫シーズン報告ー 深刻なイスラエル占領と気候変動の影響

2026年1月6日

2025年のオリーブ収穫は、生産者にとってこれまでで最も厳しいシーズンとなりました。それは主に2つの理由によります。気候変動とイスラエル占領です。

オリーブは表年(豊作)と裏年(不作)を1年ごとに繰り返すと言われており、2025年は裏年にあたります。それに拍車をかけているのが気候変動の影響です。オリーブ農家は年々気候変動の影響を強く感じています。夏の暑さと雨不足は生産性の低下をもたらします。イスラエルはパレスチナ人の水資源利用を制限しており、農民は地下水を利用することができず、多くのオリーブ生産は天水頼みです。また、2023年10月以降、イスラエル軍の政策により収穫シーズン以外はほとんど畑に行くことができないため、ここ2年間、剪定や畑の耕起など適切な世話ができていないことも不作に影響しています。

オリーブの実の生育状況を確認

気候変動による不作に拍車をかけているのが、パレスチナ人に対する入植者による暴力です。農民に対する暴行や農民がオリーブを収穫するために自分の畑に行くことを妨害する行為が日常的に発生しており、オリーブを収穫できないのです。さらに入植者がオリーブの木そのものを根こそぎ破壊したり、燃やしたりする行為も頻発しています。

サルフィート県ファルハ村のオリーブ生産者、ルワイダさんの証言です。

「入植者はオリーブの木を根こそぎに倒したり、折ったり、オリーブを盗みます。息子とオリーブを収穫しに畑に行く途中、入植者たちが両側から道を塞ぎ、『帰れ』と言いました。一人は私に唾を吐きかけ、もう一人は襲いかかろうとしたのです。収穫に行こうとした他の村人たちも入植者に襲撃され、ある男性はオリーブを収穫中に襲われ殴打され、鼻を折られました。2023年10月7日以前は畑に行っても恐怖を感じることはありませんでした。しかし、今では決して畑に一人で行くことはできません。必ずグループで行きます。ファルハ村では今年は例年のわずか5%しか収穫できていません。たったの 5%です。」

詳しくはルワイダさんのインタビュー動画をご覧ください。

ナブルス県の女性農民、レハムさんからのメッセージです。

「今日、パレスチナで農民であることは、畑に向かうたびに命を危険に晒すことを意味します。かつては一年で最も幸せな家族の集いの季節だったオリーブの収穫シーズンは、今や恐怖と闘いの季節へと変わってしまいました。入植者による暴力も以前は分離壁や入植地周辺に集中していましたが、今では村の中心にあるオリーブ畑でさえ安全ではありません。彼らは私たちからすべてを奪おうとしています。 それでも、パレスチナ人として私たちはここに留まります。この土地は私たちのもの、オリーブの木は私たちの根っこです。私たちのオリーブオイルが日本に届くという話を聞いた時、誇りに思いました。それは私たちの物語がパレスチナから世界の反対側へ一緒に旅しているようなものです。たとえ直接会うことがなくても、パレスチナの私たちを気にかけ、抑圧された者たちと共に立ち上がる、パレスチナのオリーブオイルを支えてくださるすべての方々に心の底から感謝します。」

今年のオリーブオイル生産量は、11月中旬時点で昨年の17,000トンを大きく下回る約7,000~8,000トンと予測されています。こうした困難の中、出荷団体の一つ、パレスチナ農業復興委員会(PARC)は12月中旬には日本向けのオリーブオイルを倉庫より出荷しています。オリーブオイルはイスラエル領内にあるハイファ港より輸出されます。オリーブオイルが無事、出航されますように。

オリーブオイル出荷作業の様子

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