UAWC・ガザにおける「飢饉」のIPC公式確認に関する声明
パレスチナのオリーブオイル出荷団体のひとつ、パレスチナ農業開発センター(UAWC)では、先日国連の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」から発表されたパレスチナ・ガザ地区における「飢饉」の報告を受けて声明を出しました。
パレスチナ農業開発センター(UAWC)
2025年8月24日
パレスチナ農業開発センター(UAWC)は、国連の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の報告書[1]が発表されたことを受け、この緊急声明を発表します。この報告書は、イスラエル占領軍による約2年に及ぶジェノサイド戦争の結果、ガザ地区で「飢饉(IPCに基づく評価で、最も深刻なレベルであるフェーズ5)」が発生していることを公式に確認するものであります。IPCによれば、現在、50万人以上のパレスチナ人が壊滅的な飢餓に直面しており、イスラエルによる包囲と破壊が続けば、この数字は、今後数週間で64万人以上にまで達すると予測されています。IPCはさらに、飢饉はガザ市だけにとどまらず、南部へと拡大しており、ガザ地区の全住民が飢えと死で脅かされていると報告しています。
IPCは、ガザ地区の5歳未満の子どもの30%以上が急性栄養不良に苦しんでおり、死亡率は飢饉のしきいIPCは、ガザ地区の5歳未満の子どもの30%以上が急性栄養不良に苦しんでおり、死亡率は飢饉のしきい値を超えていると報告しています。2025年7月だけで、1万2000人以上の子どもたちが急性栄養不良と認定され、このジェノサイドが始まって以来、最も死亡率が高く、最も飢餓が深刻な月となりました。IPCは、食料、医薬品、水、医療へのアクセスを含む状況の根本的な転換がなければ、飢饉の危機はこの地域で前例のない大量死のレベルにまで拡大するだろうと警告しています。報告書は、イスラエルによる占領がガザ地区の食料システムを破壊したことを明らかにしています。農地と食料の生産能力は破壊され、人びとは外部からの援助に完全に依存していますが、それはイスラエルによる制限のため、著しく不十分で不安定なままです。
この飢饉は、占領者イスラエルがガザ地区の食料システムの破壊を組織的な目標とし、人道援助を意図的に妨害した直接の結果です。ジェノサイド戦争が始まった当初から、占領者イスラエルは、パレスチナ人を一掃し支配する手段として飢餓を武器化してきました。IPCの報告は、ガザ地区における飢饉が、イスラエルによる包囲、砲撃、そして意図的な生活必需品へのアクセスの遮断を通じて、人為的、計画的につくられたものであることを裏付けています。
UAWCは、この飢饉は、飢餓によるジェノサイド行為であることを強調します。占領者イスラエルは、国際法ならびに人類の基本的道徳を犯し、ガザ地区のパレスチナ人の生活を消滅させる武器として、意図的に飢えというものを利用しています。IPCの報告書は、この攻撃が始まって以来、パレスチナ人が言い続けてきたことを裏付けています−飢餓は、計算された戦略として押し付けられてきたのです。
UAWCは、国際社会に対して、ガザ地区における飢饉は避けられないものではなく、押しつけられたものであるという現実を認識し、行動するよう求めます。本来は完全に防ぐことができるものであるにもかかわらず飢饉が続いているのは、占領者イスラエルによるジェノサイド政策の遂行が処罰されずに許されてきたからです。世界は、即時かつ恒久的な停戦、封鎖の完全解除、ガザ地区への自由な人道的アクセスを要求しなければなりません。そうでなければ、飢餓によるジェノサイドに加担することになるのです。
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