【PtoP NEWS vol.20/2017.11】バランゴンバナナを洗浄・箱詰めしているパッカーの皆さん from フィリピン・ネグロス島
バランゴンバナナは収穫された後、パッキングセンター(以下:PC)で洗浄・箱詰されています。現在10ヵ所のPCがあり、1つのPCでは約10人のパッカーが作業をしています。
作業時間は産地によって異なります。たとえば、畑が比較的PCの近くにまとまっているミンダナオ島のツピやレイクセブでは、午前中から作業が始まり、夜には終わります。
畑が点在しているネグロス島などでは、集荷に時間がかかるため、PCでの作業は夕方から始まり、バナナの量が多いと作業が終わるのは翌朝になることもあります。
最初に熟度やサイズなど、バナナが出荷基準を満たしているかどうか確認をします。そして洗浄です。
バランゴンバナナは化学合成農薬を使用せずに育てているので、虫がついていることがあります。
そのため、丁寧に洗浄しなければならないのですが、細かいところは洗いづらく大変です。
パッカーの皆さんは口をそろえて「バナナとバナナの間を洗うのが難しい!」と言います。
洗浄後は、バナナの軸の形を整え、箱詰めするために指定の量になるよう計量をします。
房の大きさが異なるバナナを一定の重さに計量するのは難しく、慣れていないと、何度も房を入れかえて、重量を調整する必要があります。
経験を積んだパッカーは房の大きさで重さの見当がつくので、計量作業もスムーズに進みます。
最後は箱詰め。おそらくこれが一番経験の問われる作業です。多国籍企業のプランテーション・バナナは房の大きさが均一なので、毎回同じように箱入れをすることが可能ですが、バランゴンバナナはそうはいきません。
様々な大きさのバナナを箱詰めしていくのは、まさにパズル。房の大きさを見ながら入れる順番と場所を考えていかないと、全てのバナナを上手に箱詰めすることができません。
パッカーの皆さんには、そんな熟練した技術が必要なのです。PCでの作業は、毎週または隔週で2日程度なので、多くのパッカーは他の仕事もしています。ミンダナオ島のツピでは地域のキリスト教徒とムスリムが一緒に働いており、両者の平和的な関係性構築に貢献しているとも言われています。
このように、バランゴンバナナは生産者以外にも重要な役割を担う人たちがたくさんいます。パッキングセンターで働くパッカーたちは、まさに縁の下の力持ちです。
黒岩竜太(くろいわ・りゅうた/ATJ)
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