【バナナニュース363号】 バナナの運び出し~バナナの幹は自然のひんやり緩衝材~
山間部に圃場があるバランゴンバナナの生産者は、自分の畑から集荷場まで様々な方法でバナナを運び出している。人がバナナを担ぐこともあれば、バイクに籠を取り付けて運んだり、馬やカラバオ(水牛)に運ばせることもある。今回は、人が担ぐ場合や馬で運ぶ場合に適した方法を紹介したい。
収穫したバナナは大きな袋に詰めるのだが、緩衝材としてバナナの幹(茎/※)とポリエチレンシートを使う。刈り倒したバナナの幹は、筍の皮のように剥ぐことができる。それを裁断して袋の底板にし、内側には立てるように配置する。その中に、ポリエチレンシートで房を包み丁寧に保護したバナナを隙間なく詰め込み、袋の内部で動かないようにしっかりと固定する。


バナナの幹(茎)は水分を含んで冷たく柔らかいため、暑いフィリピンでも果肉の温度上昇をやわらげ、衝撃から守る緩衝材として役立つ。このように袋に詰めることで、運搬中の衝撃による傷を付きづらくし、かつ、一袋で30~40房ほどのバナナを運ぶことができる。因みに、運搬方法は圃場から運搬先までの道の状況によっておおよそ決まり、小回りの利く馬すら通れない悪路や傾斜があると人間が担ぐ。
※バナナの幹は、植物学的には「偽茎」または「仮茎」と呼ばれ、実際には葉の鞘が何枚も重なり合ったものです。
バナナの収穫と集荷場までの袋詰め
バナナを収穫する際は、幹(茎)を切り倒す。
幹(茎)の断面。外側からペリペリめくれる。
収穫後はバナナを土につけないように、清潔な葉っぱや幹を敷く。
幹(茎)を利用して袋詰めをしている様子。最終的にはサンドバッグのようになり、いつも上手に詰めている。
圃場から集荷場へ
圃場は山間部に位置しており、トラックが入れる集荷場まで生産者が持って行く。バナナを運ぶのにも一苦労!
カラバオにソリを引かせてバナナを運搬。


馬やカラバオ(水牛)が用意できなかったり、馬が入れない傾斜地帯は人間の出番。生産者によってはこの山を三往復する人もいるとのこと。ワイヤーか何かで上手に下まで運べるようにしたいところ…。
村の集荷所に無事到着!バナナをつめた袋を集荷場にて開封する。
バイク、馬、カラバオ用のそりなど、バナナ運搬係が集荷場に集合中。
今回ご紹介した村は、ミンダナオ島レイクセブのクルビ村。バランゴンバナナの産地の中でも山の奥に位置する地域だ。クルビ村の生産者・ルニーさんの圃場からの景色は私のお気に入り。ちなみに、急な雨にはバナナの葉っぱを傘代わりに使う。



小島(こじま/バナナ担当)
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