【バナナニュース291号】エシカルバナナ・キャンペーン〜あなたのバナナはいいバナナ?〜
スーパーでは実にさまざまなブランド名のバナナが販売されています。選ぶポイントとして、価格、見た目、安全性などがあると思われますが、そのバナナは誰が、どう栽培しているのか知って買っている人は多くはないのではないでしょうか。
日本で流通しているバナナの8割以上を供給しているフィリピン、ミンダナオ島の大規模プランテーションでは、農薬による健康被害や環境汚染、大企業と生産者間の不公正な栽培契約などが問題視されています。
IDEALS(フィリピンの人権NGO)制作
“Destiny of Debt” 「債務の運命-フィリピン・バナナ農家らの苦悩」
(6分5秒、日本語字幕付)
バナナ農家の多くは日本向けにバナナを生産する契約を結んでいます。しかし、その契約内容は時に生活もままならないほど。作れども作れども借金が返せない農家、5年間しか契約しなかったつもりが25年間バナナを作り続けなければならなくなった農家―。バナナ農家の苦難の声は決して少なくありません。
事例②
IDIS(フィリピンの環境NGO)制作
(11分39秒、日本語字幕付)
プランテーションで育てられるバナナはとりわけ病気・害虫・カビに弱い作物。様々な外敵からバナナを守るために多様な農薬が大量に投入されます。「効率よく」その散布をするために用いられる手段は飛行機による空中散布。プランテーションの上空から多種類の農薬が振りまかれます。空高くから散布された「農薬カクテル」は風に乗って周辺の家屋やプランテーションで働く労働者に浴びせられることも。それはまさに「毒の雨」―。高地の栽培では先住民族への影響も無視できません。
そうした産地の実態を多くの人に知ってもらい、大企業に改善を求める動きを作っていきたい。そうした思いから、昨年「エシカルバナナ・キャンペーン」を立ち上げました。オルター・トレード・ジャパンも実行委員会メンバーです。最終的には日本に輸入されるすべてのバナナが「エシカル(倫理的)なバナナ」-持続可能な農法で作られ地球にやさしく、サプライチェーン上で働くすべての人の人権が守られているバナナ-になることをめざしています。2019年度はバナナの残留農薬や大手小売会社の調達方針を調査、公開する活動を予定しています。
エシカルバナナ・キャンペーンの公式ウェブサイトやSNSアカウントでは、エシカル(orエシカルでない)バナナに関する情報、キャンペーンの活動報告やイベント案内などを随時アップしています。ウェブサイトからキャンペーン個人賛同(メールニュースが届きます)も出来ます。キャンペーンにぜひご注目ください!
DVD
アジア太平洋資料センター(PARC)制作、ATJ編集協力)
『甘いバナナの苦い現実』(2018年)
フィリピンバナナとその最大消費国である日本との関係性、私たちの日常の食の在り方を問い直すドキュメンタリーです。
ビデオは3部構成となっています。第2部ではフィリピンの農民と日本の消費者が提携して持続的な地域作りをめざす取り組みとしてバランゴンバナナの民衆交易が紹介されています。
第1部「農薬の空中散布と健康被害」(30 分)
第2部「公正で持続可能な生産を求める農民・先住民」(28分)
第3部「どう変える?私たちの食と農業、消費あり方」(17分)
ぜひ、ご覧ください。
予告編はこちらから。
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