レポート

【バナナニュース305号】ミンダナオ島・南コタバト州のバランゴンバナナ生産者 パーフェクトさん・ノルマさん夫妻

2020年8月19日

 パーフェクト・クルスさん(68歳)と妻のノルマ・クルスさん(69歳)は、ミンダナオ島の南コタバト州でバランゴンの栽培をしています。二人ともすでに定年退職をしていて、現在は農業に時間を費やしています。夫妻には一人娘のジャミニ・アン・クルスさん(34歳)がいます。

バナナ生産者になる前の1969年から約13年間、パーフェクトさんはフィリピンの自動車業界で見習いからサービス研修センターの責任者になるまで働いていました。彼はまた、サウジアラビアで20年間、5つの会社の下で様々な職種で働いていました。そして2010年に退職し、フィリピンに戻ってきました。

南コタバト州にある全国灌漑協会で働いていたノルマさんは、パーフェクトさんよりも早く退職しました。2010年、彼女は南コタバト州ツピ町にあるツピバランゴン生産者協会、現在のTUBAGA生産者協同組合のメンバーになり、700株からバナナの栽培を始めました。

ATPIスタッフ(右)とバナナの苗を確認

2013年、パーフェクトさんもTUBAGAのメンバーになり、彼らはバランゴン農園を拡大することにしました。パーフェクトさんは1500株を植え、ノルマさんはさらに700株を植えました。それ以来、夫妻は協同組合の活動やプログラムに積極的に参加してきました。2015年、ノルマさんはTUBAGAの理事会の一員になりました。彼女は現在、副理事長を務めています。

 

農場で働く皆さんと談笑するパーフェクトさん (右から2人目)

パーフェクトさんは7年間バランゴンを栽培しています。彼はほとんどの時間を農場の管理に費やしています。品質の良い安全なバランゴンを生産するために、草刈り、袋がけ、タグ付け、施肥などの作業を常にタイムリーに行い、農場の管理を非常に手際よく行っています。農場で働く皆と一緒に、不要な葉を落としたり、草刈り、剪定などの農作業も行っています。収穫の際には、収穫するバランゴンが適切な成熟度であることを常に確認しています。

休憩時のおやつを準備するノルマさん

一方ノルマさんは、ほとんどの時間を家で過ごし、裏庭の畑や鶏、ペットの世話をしています。彼女は自家製の肥料を使って野菜や花を育てています。家事に追われながらも、農場を訪問してバランゴンの生産性向上のための提案をしたり、TUBAGAの理事会にも熱心に参加しています。

バランゴンを育てることは、彼らにとって簡単なことではありませんでした。7年間、多くの浮き沈みを経験してきました。2016年に遡ると、約7ヶ月間の長い干ばつを経験しました。農作物の生産量が激減し、回復に長い時間がかかりました。2016年以降、3月から6月にかけてと乾季が長引いており、バランゴンが発育不全になり、小さな房しかできなくなっています。本来ならば、雨季になるとバランゴンの成長は回復するものなのですが、残念ながら近年はバランゴンが倒れる原因となる強風が増えています。2018年に、彼らのバランゴン農園は強風で壊滅的な被害を受けました。

それにもかかわらず、パーフェクトさんとノルマさんは、バランゴン栽培を粘り強く続け、災害や病気で傷んだバランゴンの株を継続的に植え替えています。過去2年間に生じた生産量の減少とバランゴン収入の減少は、現在は緩やかに回復しています。

ところが、2020年7月22日に再びツピ町の広範囲で激しい雨を伴う強風が吹き、多くのバランゴンが倒れてしまいました。

年金給付を受けていますが、定期的な収入源としてバランゴンを重視しています。ココナツも栽培していますが、3ヶ月ごとにしか収穫することができません。一方バランゴンは週ベースで収入があり、農作業員の労賃や他のニーズに支払うために使用されています。バランゴン交易で重要なのは、環境に優しい農業を通じて安全でオーガニックな食品を提供する生産者コミュニティの一員であることです。彼らは農業にたずさわることに誇りを持っています。ストレスの発散方法としても、適度な農作業をすることにしています。

綺麗に手入れされたクルス夫妻のバナナ畑

 

 パーフェクトさんとノルマさんは、持続的なバランゴン交易を期待しています。「今回の新型コロナウイルスの感染拡大で収入が非常に少なくなっている中、日本の消費者の皆さんが変わらず買い続けてくださっていることに感謝しています」とパーフェクトさんは語ってくれました。

 

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