レポート

フランス・ゲランドからスタッフが来日!

2025年10月6日

サリーヌ・ド・ゲランド社(以下、ゲランド社)のスタッフ、フレデリック・アモンさんが1年ぶりにATJに来社しました。今年の収穫状況や塩職人について伺いました。

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ゲランド社のフレデリック・アモンさん

塩の収穫シーズンは6月中旬から9月中旬。この3ヶ月程の期間のうち、天候などの様子を見ながら30~35日かけて行われます。昨年は長雨により、塩の収穫開始が3ヶ月ほど遅くなるという異例の年でした。収穫量は毎年平均で約14,000トンあるところ、昨年は1980年以来の大不作で約700トンと最低量でした。

今年は6月中旬に始まりましたが、天候に恵まれたおかげで収穫開始から約3週間経った7月上旬には、すでに収穫期間の半分程度を終えることができました。その後、雨などの天候不良が続いて3週間程作業ができない期間があったものの、天候は再び回復し、いつもよりも早く8月末に終了しました。そして、今年は平均を上回る量の塩が収穫できたそうです。

ゲランドの塩づくりに必要なのは、日照、風、雨が降らないこと。快晴でなくとも少しの雨なら大丈夫ですが、日照と風は特に重要です。6~7月は日照時間が長く、良い条件が揃いやすい時期です。理想の気温は25~30℃、風向きはより乾燥する西風がベストとのこと。欧州の他の地域では、今年は酷暑になりましたが、入り江に囲まれたゲランドでは、あまり影響が出ずに済みました。

塩づくりの仕事の中でも職人の技が活きる特に難しいものが粗塩の収穫です。塩田の底面にある砂や土が混じらないよう、ラス(収穫用のトンボ型の道具。詳しくは、粗塩の収穫にこの道具あり!をご参照ください)を使って粗塩だけを収穫するのが非常に難しく、その技を習得するまでには約3年かかり、習得してはじめて塩職人となります。

ゲランドには塩職人育成のための学校があります。10人の受け入れ枠がありますが、現在在籍しているのは6人。若い人にもっと来てほしい、とフレデリックさんは話していました。今年は順調だった収穫作業の一方で、次世代の塩職人の育成は課題がありそうです。

聞き取り・まとめ 大麻真衣子

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