粗塩の収穫にこの道具あり!

これはただのトンポではなく、1,000年を超える歴史を持つゲランドの塩田で粗塩の収穫を任され続けてきた唯一無二の道具です。およそ5mという長さは、塩田の真ん中まで無理なく届くように設計されたもの。
先端にあるプレートは塩に触れるため木製でなくてはならず、十分な幅を持ち、その断面は作業性を考慮した絶妙な角度に仕立てられています。素材の進化により持ち手だけは木でなくグラスファイバー製でもOKとなったそうですが、そのしなりを活かして卓越したコントロールで収穫する技術と共に、ほぼオリジナルのままで今に伝えられています。

さて、その他にあまり用途がなさそうなこのトンポ、当然入手経路も限られてきます。しかし、今ではこの由緒正しいトンポを使うこと自体が 「ゲランドの塩」の生産条件の一つであると同時に、そもそもこれがないと塩田を保ちながら収穫すること自体できないわけで、これはまさにゲランドの塩の命綱。そのため生産者組合では、塩職人がトンポ難民にならないように在庫を確保し、いつでも供給できる体制を整えているのです。あ、トンポの名前は「ラス」といいます。
若井俊宏(わかい・としひろ/ATJ)
新着レポート
-
マスコバド糖おみやげオブザワールド~「砂糖の島」ネグロス、「果物の島」ミンダナオ島。~ 2025年12月5日
-
バランゴンバナナ台風ティノ被害!緊急支援を実施しました。 2025年12月2日
-
オリーブオイル【中止のご案内】オンラインセミナー: ガザ「停戦」後のパレスチナの状況について〜現地パートナー団体からの緊急報告 2025年12月2日
-
コーヒーペルーから生産者協同組合の代表が来日! 2025年11月26日
-
バランゴンバナナ【バナナニュース368号】ジュドリコさんの暮らしと知恵~バランゴンバナナの根を使った伝統療法のお話~ 2025年11月14日
-
カカオおみやげオブザワールド~パプアのお土産事情~ 2025年11月5日






