バランゴンバナナ 福島県新地町の仮設住宅を訪問
フィリピンのバランゴンバナナ生産者たちは、これまで支援してもらっている日本の人たちへの恩返しとして、東日本大震災被災者のために何かしたい、と支援バナナを昨年届けてくれました。そんな生産者の気持ちをこめて、生活クラブふくしまが応援する新地町の仮設住宅の青空市でバランゴンバナナが供給されることになりました。
2012年2月25日(土)、福島は朝から雪が降っていました。物資をトラックに積み込み、郡山市から福島市にはいり霊山の山を越えて新地町に入ります。雪道をどうにか目的地にたどり着くと、組合員さんはじめ仮設住宅の皆さんはすでに集会所に集まって大幅に遅れたトラックを待っていてくれました。みんなで手伝って物資をトラックから降ろし、野菜、果物、冷凍肉や缶詰など並べて特設市場ができあがりました。この日バランゴンバナナは、がんご屋仮設と前田仮設住宅での青空市に提供されました。バランゴンバナナに慣れている生協の組合員さんは「これは特別のバナナだから、ちゃ~んと甘く熟させてから食べてくださいね」とひとりひとりに声をかけていました。こうしたコミュニケーションも大事なのだといいます。たくさん買い込んでしまったおばあちゃんの荷物は、生協職員がお部屋まで特別サービスで配達します。
この青空市に供給されている物資は、組合員さんのカンパや生産者の協力で提供されたものが多いのですがすべてに値段がついています。自らが被災者でもある組合員さんは「ただでもらうことに慣れてはいけない。小さなコミュニティでもお金がまわると経済がまわり始めるものだ」と考えています。その売上は仮設住宅ごとの自治会に寄付されています。「住民がカフェやお弁当サービスのような起業を起こす資金になればいいのですが・・・」と生活クラブふくしまの土山専務理事は考えています。この日の売上の一部はネグロスで発生した地震の被災者への支援金としてカンパされました。
仮設住宅住民の皆さんの買出しが一段落すると、組合員さん手作りの心のこもった暖かいお昼をいただきました。生協スタッフの皆さんは、配達のない土曜日に休みを返上してこうした活動を続けています。「このお昼が楽しみで毎週来ているんですよ!」と、仮設での昼食は大きな励みになっているようです。この日は、吹雪と雪道の恐怖で凍りついた心と身体が、温かい食事で解けていくような味わいでした。お昼をいただきながら、埼玉からの生協組合員さんたちといっしょに、福島の皆さんから避難当時の様子や仮設住宅の状況などを伺いました。「これから長い時間、この福島のみんなと本気で寄り添っていくことが日本の人たちに必要だと思う。具体的にどうしたらいいかは、来て、見て、聞いて感じないとわからないと思う」と土山さんは話しました。
引き続きバランゴンバナナは、3月17日に福田仮設と作田仮設住宅、4月7日に小川仮設と雀塚仮設住宅での青空市に提供されました。4月には、がんご屋仮設と小川仮設住宅の子どもたちだけで協力してクッキーを焼いたり模擬店を出したりする「マイタウン企画」を予定しています。いっしょに考えたり作業することで仲良しになって協力し合える関係になってほしいという生協組合員のアイディアです。
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