パレスチナの
オリーブオイル
Olive Oil from Palestine
- オリーブオイルの産地パレスチナ
- 地中海の東岸に位置するパレスチナは、オリーブの産地として数千年の歴史があります。オリーブの木を育てることは、パレスチナの土地や暮らしに深く根をおろしているオリーブを根こそぎにし、パレスチナ人を追い出そうとするイスラエルの占領政策から農地を守ることにつながっています。
イスラエル占領下での暮らし
オリーブの産地であるヨルダン川西岸地区は、イスラエル軍の撤退を求める国連決議にもかかわらず、50年以上もイスラエルに占領されたままです。主要道路には検問所が設置され、住民の移動や物資の運搬が日常的に制約されています。また、生活や農業に必要な水資源の利用も厳しく制限されています。さらに、イスラエルの入植地や分離壁の建設が進み、入植地はヨルダン川西岸地区の面積の約半分、分離壁はグリーンライン(国際的に認知されているイスラエルとパレスチナの境界)を大きく超えてパレスチナ側に食い込む形で全長700キロに達しています。
その影響をもっとも受けているのが農民です。入植地と分離壁建設のため、西岸地区の多くの農民が農地を没収されたり、農地に行けなくなったりしています。イスラエル軍や入植者によるオリーブの引き抜き、井戸や用水池の破壊も頻発し、農民を取り巻く状況は極めて厳しいものになっています。
農民支援の一環としてスタート
2002年秋、フランス在住のジャーナリストで、ゲランドの塩の紹介者でもあるコリン・コバヤシ氏を通して、パレスチナの二つのNGO、パレスチナ農業復興委員会(PARC)とパレスチナ農業開発センター(UAWC)が日本へのオリ-ブオイル輸出の可能性を打診してきました。
PARCとUAWCは農地の開墾や復興、農道や灌漑施設の建設、農産物の販売といった農民支援の活動を行ってきた農民支援NGOです。1990年代前半からはオリーブ生産者を組織化し、栽培から収穫、運搬、搾油、保管までを指導し、品質改善の取り組みを進めてきました。パレスチナの主要農産物であり、数少ない輸出品の一つであるオリーブオイルを通してパレスチナの人びとの日々の暮らしを知り、パレスチナの平和を考えていけるような交流の形として2004年から輸入が始まりました。
現在、パレスチナの高品質のエキストラバージンオリーブオイルは、日本の他にEU諸国やアメリカなどのフェアトレード市場に販売されています。オリーブオイルのフェアトレードによって、生産者はより良い収入が保証され、家族の生計と生活水準の向上につながっています。