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【PtoP NEWS vol.28】ここが知りたい! カカオの品種

2018年10月18日

カカオの木は、大きく分けて次の3品種を源流として、風味や収量や病害虫耐性などの性質の異なる様々な派生種が世界各地で栽培されています。

・クリオロ種
最も原種に近く、中南米で有史以前から生育していたと言われています。

病害虫に弱く栽培が難しいために、現在はベネズエラ、メキシコなどでごく少量のみ生産されています。

苦味や渋みが少なくマイルドな風味でフレーバービーンズと呼ばれています。

・フォラステロ種
南米のアマゾン川、オリノコ川の源流域が原産です。

病害虫に強く成長が早いために西アフリカや東南アジアなど主な産地で栽培され、世界の生産量の80%以上を占めています。

渋味と苦味が強い味です。

・トリニタリオ種
カリブ海のトリニダード島で偶然に生まれたクリオロ種とフォラステロ種の特徴を引き継いだ交配種で、栽培が比較的容易で良質な風味を持っています。

インドネシア・パプア州の先住民族の人びとは、「カカオ・ベランダ(オランダ)」と呼ばれるカカオの木を大切に育てています。

オランダ統治下でフォラステロ種、クリオロ種、それらの自然交配種や派生種であるケラファト種など、多品種が植えられました。

後のインドネシア統治下で高収率のハイブリッド種への植え替えが進みましたが、オランダ時代に植えられ今でも生き残っている品種は病害虫に強く風味も良いとして今でも村々で引き継がれています。

義村浩司(よしむら・ひろし/ATJ)

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