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【バナナニュース247号】バランゴンバナナが日本に届くまで① ~バランゴンバナナ圃場の様子~

2015年9月18日
バランゴンバナナ産地

バランゴンバナナ産地

1989年にネグロス島から始まったバランゴンバナナの出荷。今年で26年目を迎えたバランゴンバナナ民衆交易ですが、現在はネグロス島だけでなく、北ルソン、ボホール島、パナイ島、ミンダナオ島(北ミンダナオ、マキララ、ツピ、レイクセブ)からバランゴンバナナが出荷されており、3,000人以上の生産者がバランゴンバナナを栽培しています。

バランゴンバナナ民衆交易の歩みをご参照。

今回からシリーズで、バランゴンバナナがどのような産地で栽培されていて、どのような工程を経て日本の食卓に届くのかをご紹介していきます。

まずはバランゴンバナナの圃場について。

 

ミンダナオ島レイクセブ。圃場によっては標高1000m以上のところでバランゴンバナナが栽培されています。

ミンダナオ島レイクセブ。圃場によっては標高1000m以上のところでバランゴンバナナが栽培されています。

バランゴンバナナの圃場の特徴は、地域によって異なります。海抜0mの産地から標高1000m以上の産地、幹線道路へのアクセスが良い産地からトラックが入ることのできない山道を何キロも歩かなければならない産地。中にはまだ電気・水道などが通っていない産地もあります。

 

 

近年、美味しさを売りにした高地栽培バナナを頻繁に見かけるようになりましたが、バランゴンバナナの一部の産地は、昔から高地でバナナを栽培していたのです!

東ネグロス州タンハイ村。川の近くの産地で、海抜0mの圃場もあります。

東ネグロス州タンハイ村。川の近くの産地で、海抜0mの圃場もあります。

また、産地によって受けやすい天候被害なども異なります。例えばバランゴンバナナ産地の1つである東ネグロス州タンハイ村。ここは海抜0mであり、川の近くにある産地ですので、大雨が降ると洪水被害を受けやすい産地です。

また、風向きによって強風被害を受けやすく、葉っぱが切れ切れになりやすい産地もあります。葉っぱが切れ切れになると、バナナは光合成をうまく行うことができず、生育不良を起こしてしまいます。山奥にあり、アクセスが悪い産地では、大雨が降ると収穫に行けなくなるという問題も発生します。

北ルソン・ソウミル村。バランゴンバナナの圃場に行くには山道を歩きます。

北ルソン・ソウミル村。バランゴンバナナの圃場に行くには山道を歩きます。

東ネグロス州ボナウォン村。大雨が降ると圃場に収穫に行けなくなることも。

東ネグロス州ボナウォン村。大雨が降ると圃場に収穫に行けなくなることも。

多国籍企業のバナナプランテーションのように一律管理されていないので、バランゴンバナナの手入れも生産者によって異なり、中には意欲的で様々な工夫をしている生産者もいます。例えば、自分でミミズ堆肥を作っている生産者、家畜の糞尿を有効活用している生産者など。3,000以上の生産者がいるので、生産者の農業技術の底上げというのは、課題の1つです。

 

バナナの表面に、葉のこすれなどによるキズや虫害を防ぐために、バナナの実に袋をかけるパンダノン村の生産者。

バナナの表面に、葉のこすれなどによるキズや虫害を防ぐために、バナナの実に袋をかけるパンダノン村の生産者。

また、標高の低い産地で育てられているバランゴンバナナは、標高の高い産地に比べ、早く収穫できる傾向がある、土壌が豊かで水が豊富な産地のバナナは実が大きく育つ傾向があるなど、産地によって様々な特徴を見せてくれます。

 

今度、バランゴンバナナを食べる時は、このバランゴンバナナはどんな産地から来ているのだろうと思いを馳せながら食べてみてください!!

ミンダナオ島ツピ及びレイクセブについて詳しく知りたい方は、下記動画をご覧ください!

 

バランゴンバナナ物語~ミンダナオ島ツピ・レイクセブ~

商品一課 黒岩竜太

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