レポート

バナナニュース260号:干ばつ被害からバランゴン復活!豊作です!!

2016年11月16日

大規模なエルニーニョ現象に伴う深刻な干ばつ被害から、バランゴンバナナの収量がようやく復活しました!産地の一つのミンダナオ島ツピ町に先月訪問してきました。ツピでは出荷量が昨年比の20%まで落ち込み(8割の減少)、バナナだけでなくココナツなど他のすべての農産物が被害を受けました。食事の内容を質素にする、よその畑で労働をするなどして、苦しい台所事情をなんとかしのいできたという生産者にも会いました。収量の回復のために、鶏糞などの施肥にも励んだとのことです。産地には活気が戻ってきています。
冬場はバナナの需要が落ちる時期ですが、生産者の苦労と喜びのつまったバランゴンバナナを是非みなさんご注文ください!!

ツピは今年の干ばつ被害を最も受けた産地で、出荷量は大きく減少しました。それが今ようやく回復してきています。
6月訪問時の様子はこちら

【バナナニュース256号】ミンダナオ島ツピの干ばつ被害状況

 

 

 

お米の代わりにバナナを食べました
ノノイ・スンカンさん(53歳)は、親から引き継いだ0.25ヘクタールの畑に、200本ほどのバランゴンとココナツ、カカオなどを混植しています。バランゴンはよく手入れされていて、立派に育っていました。ただ、5月までの干ばつの際は、収量が激減し、生活が大変だったとのことです。
「干ばつの際は収入が大きく減りました。他の人の畑で働いたり、大工の仕事をするなどして何とかしのぎました。日々の食事では、お米の量を減らしました。通常は三食ともお米を食べますが、当時は朝食をサババナナ(比較的干ばつに強い調理用バナナ)にかえました。ただ7歳になる一人息子には、三食ともお米を食べさせました。」
「夢は、子供を大学まで通わせることです。いい職に就いて欲しい。自分のように苦労してほしくないです。」
「冬に向けて日本のバナナの消費量が落ちると聞きましたが、畑ではようやく干ばつ被害から回復して収量が伸びてきています。美味しく安心・安全なバナナを届けられるようにしっかりと世話をしていますので、皆さん是非食べてください。」

見込みのない親株を切り倒した状態。アルバート・バラソンさんの畑(2016年6月)

見込みのない親株を切り倒した状態。アルバート・バラソさんの畑(2016年6月)

10月には、その脇芽は大きく成長していました。アルバート・バラソさんの畑(2016年10月)
10月には、その脇芽は大きく成長していました。アルバート・バラソさんの畑(2016年10月)

生活を節制した話は別の生産者からも聞きました。おかずを鶏肉から安価な魚の干物やギナモス(フィリピン風塩辛)にかえたり、炊飯器ではなく薪でご飯を炊くなどして節電したりなど。収入が少ないときは、それが普通だよと話してくれました。

 

安心・安全なバナナを育てたい
バナナは順調に回復していますが、多くの生産者の主要な収入源であるココナツの回復は1月以降のとのことです。現在収穫を迎えているココナツは干ばつ中に生育した実であるため、1本の木につく実の数が少なく、また1個あたりの重さも軽いとのことで、3割ほど収入が減少しているそうです。
それでも、6月に訪問したときに比べて、生産者やスタッフからは活気を感じることができました。

 

 

パーフェクト・クルスさん(2009年から出荷)は、昨年10月に作付けした450株のうち300株は一度も収穫を迎えないまま干ばつでダメになってしまいました。今回訪問した際には、6月に欠株になっていた場所に新たなバランゴンの苗が植え直されていました。また、生き残ったものの、干ばつの影響で通常より3-4か月生育が遅れている150株の収穫がこの12月から始まることを楽しみにしていました。
「バランゴンの出荷に携わる以前は、ココナツの木の下でパイナップルやパパイヤを農薬を使って育てていました。だけど、農薬は畑で働く人にも良くないし、土もダメにしてしまうことが気になっていました。また世界の多くの人もオーガニックな食べ物を求めていると思います。だから今はバランゴンを栽培しています。日本の皆さん、今後も安心・安全なバナナをがんばって栽培していきますので、これからもバランゴンバナナをよろしくお願いします!」

パッキングセンターにも活気が戻ってきています!

パッキングセンターにも活気が戻ってきています!

事業部商品一課 松本敦

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