【バランゴンバナナ産地・地震被害続報2】2020年1月マキララ町視察報告
2019年10月にマグニチュード6の地震の被害を受けたミンダナオ島のバランゴン産地の一つ、マキララ町のその後の状況をご報告します。
マキララ町では、12月15日にもマグニチュード6.9の地震が発生しており、関係者に被害などはなかったものの、前回の地震で辛うじて残っていた建物に更なる被害も出ています。
ATJでは、1月18日に再びマキララ町を訪問しましたが、生産者の多くは今でも避難生活を続けています。断層の関係で、元々住んでいた村が居住禁止区域に指定された生産者も多く、新たな移転先を探している段階です。ドンボスコ財団(マキララにおける出荷責任団体)が位置するバタサン村の生産者も行き先を失ったため、財団の敷地の一部を提供し、いったん集落ごと引き受けています。その集落の人々が、さらなる移転先が見つかるまでの間少し落ち着いて生活できるよう、家の建設も始まっています。
支援金で竹や木材などを購入、建設作業自体は、住民自身が担っています。現金収入につながるような仕事はほとんどありませんので、元の村のバランゴンバナナの畑に行って収穫作業をしたりしていますが、ドンボスコ財団では、集落の人々が自分たちの食べるものを栽培できるように各家の前の一部を家庭菜園として使えるようにする予定です。この地震で水脈が変化し、まだ水質が安定せずに飲料水としては使用できない状態ですが、敷地内に泉が湧くようになりました。別の地域の飲料水用水源が枯れてしまい、その対策も必要です。
ほぼ全壊したドンボスコ財団の事務所もようやく再建を始めており、事務所の建設が終わった段階で、ドンボスコ財団の重要な活動である若者や農民のためのセミナーを行う研修棟を徐々に建てていく予定です。
今後も地震が発生する可能性を考慮し、倒壊によって人命などに大きな被害が出るコンクリート製の建物ではなく、木材や竹などの素材を中心に使った建物を建設しています。
一方、隣のブハイ村のバランゴン生産者がいる集落でも「危険地域」に指定された地域の人々がいますが、そちらの人々はまだ仮の移転先も見つからず、避難所でのテント生活を継続しています。
元の村には住めないため、バナナの畑から離れてしまっているのは不便ですが、避難生活の中での貴重な現金収入源なので、みな収穫作業は続けています。こちらの集落の人々には水を引いてくるための引水用ホースの支援は実施しましたが、移転先がみつかった時点でさらに建築資材などの支援を実施する予定です。
※2月4日にこの避難所を訪問したATPIスタッフによると、その時にはすでにホースが設置されていて、子どもたちも避難所での水浴びができる状態になっていたとのことです。
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