レポート

【バナナニュース304号】チャレンジ精神旺盛なレネボイさん ~西ネグロス州・シライ市パタグ地域のバランゴン生産者~

2020年7月22日

バナナ民衆交易に出会って、夢叶う!

イチゴが実をつけました。甘いです!

レネボイ・ソンブリアさんは1969年生まれ、父親はトルダンなどローカルなバナナを地元の市場に出荷する農民でしたが、レネボイさんが19歳のときに亡くなりました。レネボイさんは学校に行くことも諦め、父親の農業を継いで家族の面倒を見るようになりました。地元にたくさんあったバランゴンバナナを市場に出荷していましたが、「安いバナナ」だったと言います。

95年ごろに、知人に紹介されてオルタートレードにバランゴンバナナを出荷するようになりました。バランゴンバナナからの収入が安定するなかで、「学ぶことは大切」という信念を持ち続けていたレネボイさんは、24歳になってから高校で学び、30歳で大学を卒業しました。レネボイさんが自分で稼いで実現した夢ですが、バナナ民衆交易に出会えたことにとても感謝しています。

なんでもやってみる探究心!

堆肥や液肥づくりの実験

レネボイさんは、シライ市周辺では一番多くバランゴンバナナを出荷しています。
畑には果樹や防風林の役割も兼ねた木々が植え込まれ、多様な作物を混植する畑づくりや、有機物を利用した堆肥や液肥をつくってみるのが楽しいと言います。「バナナの圃場がある地域は2月~4月は長期的な乾季になるのですが、灌漑設備もないのです。対策として圃場に木々を植えて保水力をつけています」「単作は土壌によくないので多様な作物栽培が大切なんです」などと、周囲の気候風土のことをよく観察して適切な対策を考えています。

苗づくり

セミナーなどで何かを学ぶと、オルタートレードのスタッフと議論しながら、自分でいろいろやってみる、上手くいったら地域の仲間たちに教えるという行動派のレネボイさんは、オルタートレードの地域づくり担当スタッフに起用され活躍しています。

農業とオルタートレード・スタッフの二足の草鞋で大忙しですが、スタッフとしての収入を家族のために使えるので、バランゴンバナナからの収入は農業資材や実験に必要なものに充てることができると喜んでいます。しかし、レネボイさんとて1日24時間しかありません。今は手のかかる野菜づくりはできないと、果樹栽培に重点を置いています。

 

また、地域のNGOが支援するイチゴ栽培プロジェクトにも参加しています。有機栽培までは求められていないのですが、レネボイさんは独自で有機栽培をめざして取り組んでいます。夢は、レタスやキャベツなど付加価値のある野菜の有機栽培に成功して地域に広げることです。「バコロド市のレストランで有機栽培野菜の買い付けを検討しているらしい。地域の農民グループとして有機認証をつけた野菜を出荷してみたい。」と、夢の実現へのロードマップはかなり見えてきたようです。

学校が休みでもないのに息子さんがちょいちょいレネボイさんの畑に通ってきます。「学校より農業がおもしろい」と話しているそうですが、学ぶことは大切だと考えているレネボイさん、そして自分が苦労した経験から、父親としては「農業が好きなのは嬉しいけれども、勉強はして欲しい…」と複雑な心境だと苦笑いしています。

 

※バランゴンバナナは、オルター・トレード・ジャパン(ATJ)が、日本に輸入して、株主生協・団体や共同購入グループ、自然食品店などにお届けしています。

・個人の方はこちらからもご注文いただけます。
・バランゴンバナナ詳細はこちら


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