14/7/23 パレスチナ現状報告(UAWCからの聞き取り)
オルター・トレード・ジャパン(ATJ)ではパレスチナ農民の作ったオリーブ・オイルを民衆交易品として輸入しております。このオリーブオイル生産者を支援する農民支援組織UAWCから聞き取った現地の状況をお伝えします。
現在、パレスチナに関する日本及び海外メディアの報道は、イスラエル軍のガザへの侵攻が中心となっております。この間ATJとしても憂慮してきたファラージ氏をはじめとする被行政拘禁者のことは、全く報道されなくなりました(行政拘禁とは裁判なしに拘禁されるもので、民主主義と相容れないとして世界から批判の対象となっています)。
昨日(14/7/22)UAWCと連絡を取ったところ、ファラージ氏の妻経由で、ファラージ氏は無事であることが知らされたそうです。しかしながら、彼の拘禁期限は8月21日とされていますが、それが延長されてしまう可能性があるとのこと。また、UAWCとしても、ファラージ氏のご家族や弁護人が直接彼にコンタクトを取ることができたのかどうか定かではなく、依然として状況は不確かなままとなっています。一つだけ言えることは、イスラエル政府側は、行政拘禁という人権を無視した制度について一切変える意志がない、ということです。
なお、日本でも連日報道されていますが、イスラエル軍のガザ地区への空爆や侵攻、およびハマスとの交戦は、日々凄惨な結果を積み上げています。
Palestinian Center for Human Rightsによると、7月8日~23日の間に、ガザ地区内で600人以上の人が殺され、4,000人以上の負傷者が出ています。死者のうち、少なくとも161人(全体のほぼ1/4)は子どもです。負傷者についても、1,213人が子ども、698人が女性、161人が老人であり、この交戦によって多大な被害を被っているのは、過半数が民間人であることに疑いの余地はありません。(http://www.imemc.org/article/68429)
そのような中、現在のヨルダン川西岸地区について聞いたところ、今は比較的落ち着いた状況だそうです。とはいえ、現在のイスラエルとガザの交戦のきっかけの一つとなった3人のユダヤ人入植者誘拐殺人事件、及びその後発生した1人のパレスチナ人誘拐殺人事件の際は、エルサレム周辺も非常に緊張感が走ったとのこと。特に、イスラム教徒にとって重要な「断食月」に発生したこと、また、「火葬」を忌み嫌うイスラム文化の中で生きたまま火を付けて殺されたことは、ヨルダン川西岸地区に住む多くのイスラム教徒に対する侮辱と捉えられたようです。
オリーブオイルの生産者の中には、近くにユダヤ人入植地が作られた環境下で暮らす人も大勢います。彼らの状況についても、「入植者との間の大きな衝突などは発生していない」とのこと。しかし話を聞いてみると、「日常の範囲」内での衝突や入植者によるオリーブの引き抜きなどは依然として発生しており、我々が考える「日常」とは、そもそもの常識が大きく異なることを感じました。
また、UAWCは、ガザ地区にも事務所があります。そちらの状況については、報道されている以上に凄惨な様子です。大変悲しいことに、UAWCガザ事務所職員のご家族についても、少なくとも8名が、今回のイスラエル軍の空爆及び侵攻の結果、命を落としたそうです。このように考えると、ガザ地区の出来事は決して他人事ではありません。
ATJでは、引き続きファラージ氏の状況、及びパレスチナの情報を追って参ります。ご注目をお願いいたします。
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