レポート

【バナナニュース236号】ボイさん・アナさん一家の物語④ ~モノを超えた生産者と消費者の交流~

2014年10月3日

毎年、ネグロスではバランゴンバナナ生産者と消費者の交流が行われており、多くの消費者が東ネグロス州マンフヨッド町ロウア・カンダボン村も訪問しています。

家畜の牛の糞尿から堆肥を作っているボイさん。
産地を訪問した消費者にそのことも説明。


バランゴンバナナ生産者兼オルタートレード社(以下:ATC)のスタッフであるロッドジム・カトゥバイさん(通称:ボイさん)とパートナーのアナ・カトゥバイさんも多くの消費者と交流しており、これからも多くの消費者と交流していくことでしょう。
そして、今年の10月下旬には、ボイさんがバランゴンバナナの消費者の皆さんと交流するために来日します。ボイさんに、生産者と消費者の交流について、お話を伺いました。

 

ボイさんのバナナ畑の視察の様子。

生産者・消費者の交流について、どう考えていますか。
「生産者・消費者の交流は民衆交易の一部だと考えており、生産者と消費者の関係性強化に繋がっています。生産者にとって、消費者が産地を訪問するということは、これからも私たちのバランゴンバナナを食べ続けていくというメッセージであり、バランゴンバナナの安定したマーケットがあることを意味しています。なので、生産者は安心してバランゴンバナナを育てることができるのです。
バランゴンバナナには、生産者の様々な想い、願いが込められています。私たち生産者は、消費者が産地を訪問した際に、私たちの生活、なぜバランゴンバナナを育てているのかなどについて話し、そのことがバランゴンバナナを食べてくれる消費者が増えることに繋がると考えています。生産者と消費者の交流こそがバランゴンバナナの大切な価値の一つだと考えています。」

生産者にとって、交流はどのような意味がありますか。
「交流は一方通行ではなく、双方向の関係性作りです。消費者が産地に来ることは、生産者の意欲向上に繋がり、生産者はバランゴンバナナの栽培により力を入れていくことで消費者の想いに応えていく。
また、消費者と交流することで、生産者は消費者のバランゴンバナナに対する期待を実際に聞くことができ、安心・安全の重要性を改めて実感することができます。交流に参加した生産者が、他の生産者にその経験を伝えていくことも大切です。」

消費者に説明をしているボイさん。以前は人前でうまく話すことができなかったそうです。

交流を通して、学んだことは何ですか。
「消費者との交流に参加することで、自分の仕事の本当の価値・目的を知ることができました。私はただ仕事をしているのではなく、生産者と消費者の連帯の一端を担っているということを、交流を通して気付くことができました。
また、消費者との交流を通して、自分に自信が持てるようになりました。私は小学校しか卒業してなく、以前は人前で話すのがとても恥ずかしかったのですが、今は自分の意見をはっきり言えるようになりました。」

日本へ行くことに関して、どう思っていますか。
「私が日本へ行く生産者として選ばれ、驚いています。夢の中でしか行けないと思っていた日本へ行くことができるのは、格好の機会だと考えています。マンフヨッド町、そしてバランゴンバナナの生産者代表として、生産者の状況、想い、夢を日本の消費者にお伝えしたいと考えています。」

フィリピン駐在員 黒岩竜太

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