レポート

【バナナニュース328号】<大型台風22号・その後4>結でバナナ畑の復興を

2022年6月24日

2021年12月に大型台風22号がフィリピンを通過してから6ヵ月が過ぎようとしています(原稿執筆時6月中旬)。ネグロス島では、日本をはじめとする海外のパートナーたちから届いたたくさんの支援金で、復興作業が進められています。

今回の支援では、生活再建のほか、バナナ畑の復興を重点的に実施しました。具体的には生産者に鶏糞を配布し施肥をすることで、バナナの生育を促すというものでした。

台風がバナナをなぎ倒し、しばらくの間出荷が停止してしまうことは、その分の生産者たちの収入がなくなることを意味します。生産者それぞれが周りにある野菜や果物を食べたり、何かしらの仕事を得て生活をしてきたとはいえ、バランゴンバナナの民衆交易は生産者たちの暮らしを支える基盤だったことが改めて認識されました。

まずは「バナナの復活が生産者たちにとって最優先」として、現地では一丸となってバナナ畑の復興に取り組みました。

ネグロス東州・ボナウォン地域の生産者と現場スタッフたち

鶏糞を運搬するスタッフたち。場所によっては車で運び込めないので人力で生産者の畑まで搬入します。

生産者だけではなく、バナナの集荷作業に携わるスタッフたちも、一時的に仕事がなくなりました。その間、スタッフたちはバナナの生産者の畑へ出向き、肥料の配送や畑の整備、鶏糞の散布などを手伝いました。その作業の対価として日当が支払われています。

フィリピンには「バヤニハン」という結(※)の精神がありますが、その精神でスタッフたちも生産者と一緒に復興へ向けて取り組んでいます。スタッフたちにとっては、バナナが作られる背景や生産者のことを知るきっかけとなりました。

ネグロス東州・カクハでの作業の様子

畑で働くパッカー(通常はバナナの箱詰めをするためパッキングセンターで働いているスタッフたち)

こうした復興作業の元、バナナがよく育っており、予定していたより早く出荷量も回復に向かっているということです。

※集落で共同作業をする助け合い、相互扶助の制度

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