レポート

停戦合意を受けて、パレスチナからのメッセージ

2025年1月17日

昨年開催したオンラインセミナーにも登壇した現地パートナー団体代表のフアッドさん、サリームさんのお2人からメッセージが届きました。

パレスチナ農業開発センター(UAWC)より

日本の友人の皆さんへ

パレスチナ・ガザ地区における流血と破壊に対して、世界が「もうたくさんだ」と言うのに、15カ月という長い月日がかかるとは想像もしていませんでした。全世界の目の前で繰り広げられたジェノサイドは、あまりにも長く続きすぎました。

ガザの人びとがいま抱いている感情には、深い葛藤があります。一方では、容赦なく続く爆撃に終止符が打たれることへの安堵があります。一方では、奪われた命、瓦礫と化した家、徹底的に踏み躙られた夢と思い出といった、この間に失ったものの大きさを考えはじめると、深く、困難な悲しみに襲われるのです。

多くの人びとにとって、「平和のうちに」嘆き哀しむ時間が訪れるでしょう。もう戻ってくることのない愛する者を数え、かつては生活と喜びに満ちあふれていた住まいが灰と化した廃墟の中を歩くことになるでしょう。その破壊が物語っているのは、兵士たちが新生児を殺すことを堂々と自慢するほどの血に飢えた占領というものの残虐非道さです。

しかし、この瞬間はまた、パレスチナ人の並外れた回復力とスムード(不動の抵抗精神)を浮き彫りにしています。想像を絶する犠牲にもかかわらず、自分たちの土地に深く根ざし、自分たちが土着の土地の守り人であることを自覚しているのです。1月19日に発効が予定されている停戦は、休息が訪れる瞬間ではあるものの、正義が果たされる瞬間ではありません。実際に、停戦が近づいてもなお、イスラエル占領軍は爆撃を続け、虐殺を続けています。悲劇的なことに、こうした凶悪な戦争犯罪の加害者たちは、これまで同様に責任を逃れることでしょう。

停戦は、占領の終結を意味するものではありません。ナクバ(大厄災)は続き、ガザでもヨルダン川西岸でも、占領者による抑圧はさらなる破壊を与えようとしています。しかし、このような残忍さに直面してもなお、パレスチナ人の回復力は希望の光として輝いています。

私たちは、2023年10月に殺害された私たちの大切な同僚であるイスラム・アリさん、そして46,000人以上の失われた命を悼みつつも、今もガザにいる同僚たちが無事であることに特に感謝しています。

世界は今、真実を知っています。私たちは、国際的な連帯、そしてイスラエルによる残虐行為を糾弾するために各地で上がった声に、深く深く感謝しています。こうした努力の集合は、私たちパレスチナ人が支持されるべき存在だということを示してくれました。しかし、まだ終わりではありません。パレスチナが自由になるその日まで、パレスチナのための声をどうか上げ続けてください。

最後になりますが、今後のガザ地区の復興のためには多大な努力が必要であり、私たちUAWCは、すでにそのための計画を立て始めています。皆さんにもぜひご協力いただきたいと考え、近日中にその呼びかけをさせていただきますが、どうか今は、この停戦が維持され、恒久的なものになることを共に祈ってください。

2025年1月16日
ヨルダン川西岸地区ラマッラにて

パレスチナ農業開発センター(UAWC)代表 フアッド・アブセイフ


アルリーフ社/パレスチナ農業復興委員会(PARC)より

2023年10月7日以来続いてきたガザ地区へのイスラエルによる長きにわたる集団殺戮と侵略に対して、3段階の停戦合意がなされたという素晴らしいニュースが飛び込んできました。パレスチナ、特にガザ地区の人々の間に幸せが広がっています。来週の日曜日には停戦が始まると言われていますが、この3段階の停戦合意期間中に違反がないことを願っています。

人道的援助もガザ地区に届き、病院の機能回復や負傷した何万人ものパレスチナ人の国外での治療をはじめ、復興事業が開始されます。

私たちは、この地域に平和、安全、安定した暮らしが根付き、パレスチナ人が政治的権利を得て主権国家を設立し、ひいてはイスラエルによる占領のために過去100年間続いてきた流血が止まることを願っています。

この長い集団殺戮の間、パレスチナのことを心に留め、パレスチナの人々と連帯するために尽力してくださったことに感謝します。今後、私たちはパートナーの皆さまのご支援を得て、人道支援キャンペーン「ガザに希望を築く」の取り組みを強化する所存です。ガザ地区の国境は、人々が強く必要としている援助のために解放されるべきです。

2025年1月16日

アルリーフ代表 サリーム・アブガザレ

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