フィリピン 台風オデット復興事業<中間報告>
昨年12月16日夜から17日にかけてフィリピン中部を直撃した台風22号(フィリピン名:オデット)により、ネグロス島のバナナとサトウキビ、多数の生産者や事業関係者の家屋が全半壊する甚大な被害が出ました。オルタートレード・フィリピン社(ATPI)とオルタートレード財団(ATPF)では、海外の関係団体からの支援をもとにバナナとサトウキビの生産復興及び生活支援事業を進めてきました。ATPI社長のノルマ・ムガール氏をはじめとするチームがネグロスのバナナとサトウキビの全産地を訪ね、モニタリングした事業の進捗状況や台風から半年たった産地の様子を報告します。
<海外パートナーから多大な支援>
復興事業は主に収入が確保されるまでの生産者や事業関係者の当面の生活支援、バナナとマスコバド糖の原料となるサトウキビの生産復興からなります。総事業予算は1,248万ペソ(約2,800万円)でした。
ATPI/ATPFからの支援呼びかけに応え、マスコバド糖を輸入しているヨーロッパのフェアトレード団体、日本・韓国でバナナやマスコバド糖を扱っている生協・産直団体、APLAから合計9,663,137ペソ(約2,170万円)もの募金が寄せられました。ATPIとATPFは支援金をもとに、生活支援事業及びバランゴンバナナとサトウキビの生産復興事業を中心に支援活動を進めてきました。
- 生活支援事業
〇食料支援
当面の食料として合計1,605家族に対し、10キロのお米を提供しました。内訳はバナナ生産者838名、サトウキビ生産者543名、「the BOX」(野菜宅配事業)生産者11名、現場スタッフやパッカー、製糖工場職員など213名です。
〇屋根材配布
家屋が全半壊した生産者254名(現場スタッフ1名を含む)を対象に屋根材(トタン板)を配布しました。倒壊したボホール島のパッキングセンター、ネグロス東州カクハ村のバナナ集荷所再建のために資材も支援しました。また、台風被害を受けたサトウキビ生産組合が共同で運営する養鶏場や農場12件にも、資材が提供されました。
【バナナニュース324号】<大型台風 22 号・その後> 屋根材の配布を実施しました
- バナナ、サトウキビ生産復興事業
台風ではネグロス島の90%以上のバナナが被害を受け、十分な供給が出来ない状況が続いています。そのため、ATPI/ATPFはその復興を最重要課題としてこの間、取り組んでまいりました。
例年3月から本格的な乾季に入るため、苗の確保や植付が不安視されていましたが、今年はラニーニャの影響もあって乾季でも降雨があり、脇芽がよく育ちました。生産者は自分の畑で育った脇芽を融通し合い、株として新たに植え付けました。植えた株や、茎や葉が傷ついたバナナの成長を早めるため、ATPI/ATPFでは鶏糞をバナナ生産者へ配布しました。第1回目として2月より配布を始め、現在までにネグロス西州で190,705キロ、ネグロス東州で220,961キロを配布しました。土壌が肥沃でないため、施肥の効果が十分に出なかった地域も一部ありましたが、多くの産地では施肥によって予想以上のスピードでバナナが成長し、9月頃から前年の平均出荷量程度に回復する予定です。
【バナナニュース325号】<大型台風22号・その後2>バナナの畑の回復と生産者
【バナナニュース328号】<大型台風22号・その後4>結でバナナ畑の復興を
サトウキビも強風によって倒伏する畑が目立ちましたが、台風に比較的強いサトウキビはその後、順調に回復しています。さらに成長を促進するため鶏糞の配布を予定しています。
<台風被災後の生活について>
出荷するバナナがないため一時的に収入が途絶えたバナナ生産者は、この間サトウキビ農園や水田、トウモロコシ畑で仕事をしたり、都市部の建設現場で働いたり、お手伝いさんや魚の行商など何かしらの仕事を得て糊口をしのいできたそうです。また、バナナ生産者同様、バナナの買付担当、運搬担当やパッカーなど現場で働くフィールドワーカーも仕事が減り、収入が激減しました。ATPIではそうした現場スタッフの生活支援の一環として、倒伏したバナナ畑の片付けや整地作業、株の植付、鶏糞の配送と施肥などの作業を週2-3日してもらい、対価として作業賃を支払いました。現場スタッフからは以下のメッセージが届いています。
ATPI/ATPFでは今後もバナナとサトウキビ生産の生産向上に向けて、産地での鶏糞の配布を進めています。
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