エコシュリンプ生産者インタビュー ~東ジャワ州グレシック県~
◆エコシュリンプ生産者ロシッドさん(東ジャワ州グレシック県)
1991年に親から5haの養殖池を引き継ぎ、自分で粗放養殖に取り組むようになったロシッドさん。その後も親から他の養殖池を引き継いだり、他から買ったり借りたりしながら拡大をし、現在では45haの養殖池を管理しています。
養殖池ではオルター・トレード・インドネシア社(ATINA社)に販売しているブラックタイガー以外に、ミルクフィッシュも養殖して地元の市場に販売しています。年に3回収獲があり、2.5ha広さの養殖池であれば、1回の収獲でミルクフィッシュが約1000㎏、ブラックタイガーは約700㎏収獲できるそうです。収獲量はミルクフィッシュの方が多いのですが、ブラックタイガーの方が㎏当たりの買取価格が高いので、粗放養殖からの主な収入源はブラックタイガーとのこと。
◆収獲の時期は大忙し!多くの人が関わります。
収獲作業は、2.5haの広さの養殖池の場合だと約3時間かかります。ミルクフィッシュは朝9時までに市場に持って行かないといけないので、収獲期間は早朝から作業をします。収獲をする人、ブラックタイガーとミルクフィッシュを仕分けする人など多くの人を雇って行われています。
◆ブラックタイガーの粗放養殖の大変さについて質問をしてみました。
「2003年以降は病害が増えているように感じます。また、最近は品質の良いブラックタイガーの稚エビを確保するのに苦労をしています。稚エビの品質が悪いと、放流後の致死率が高くなり、収獲量が減少します。
品質が悪くなっている背景には、インドネシアでバナメイエビの養殖が拡大したことが挙げられます。多くの集約型養殖池がブラックタイガーからバナメイエビに転換をして、その結果多くのハッチェリー(稚エビの孵化場)もブラックタイガーの稚エビ生産からバナメイエビの稚エビ生産に転換してしまいました。」
ブラックタイガーの稚エビの品質が悪くなったため、ロシッドさんは養殖池に稚エビを放流する前に、稚エビの養殖場で稚エビを大きくしてから放流する方法に変えました。稚エビの養殖場で約10日間稚エビを育て、大きくしてから養殖池に放流することで、致死率も低下し、収獲量が増えたとのこと。養殖場で大きくした稚エビは、自分用だけでなく、他の生産者にも販売をしています。
様々な課題に直面しながらも、両親から引き継いだ池で粗放養殖に取り組んでいるロシッドさん。現在は、娘の夫であるアグスさんも養殖の手伝いをしており、将来はロシッドさんの養殖池を引き継ぎ、粗放養殖を続けていきたいと語ってくれました。
聞き手・まとめ 黒岩 竜太
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