【バナナニュース362号】パイナップルを羨むことなかれ
~バナナ担当者小島の出張見聞録⑩(不定期で掲載します)~
皆さんはパイナップルやバナナがどのように実るか描けるだろうか。
私はフィリピンでパイナップルを見て驚いた。パイナップルは、アロエのような葉を放射状に広げ、その中から茎を伸ばし、膝上ほどの高さに実を付ける。

一方で、バナナは地下の根茎から葉の一部が重なって幹のように見える偽茎を伸ばし、2~3mの高さに約30㎏の房を実らせる。そのため、強風で倒れることが頻発する。現地で倒れたバナナを見て「なぜ、重い房をそんなに高い所に実らせるのか。倒れるではないか」と思うことが多かったので、パイナップルを見て、これはお利巧な植物なのかもしれないと思った。
しかし、バナナにはバナナの事情があって、上に伸びているはずだ。高い場所でバナナの大きな青々しい葉を広げればより効率的に光合成ができるし、倒れても本来バナナにはタネがあったのだから、繁殖に関しては問題はなかったはずである。ついつい自分の都合で考えてしまったことを反省しつつも、やはりバナナの倒伏被害を目にすると、生産者を気の毒に思うので、バナナにはなんとか強風に耐えてほしいと願ってしまうのが正直なところだ。


バナナが実っているとその重さで余計に倒伏しやすくなる。
パイナップルを勝手に羨んだが、パイナップルにはパイナップルの事情があり、パイナップルも人間も、それぞれがそれぞれに振り回されながら生きているのだろう。

<バナナ担当者小島が産地で見聞きしてきたことを連載中!>
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