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パプアのカカオ

Cacao from Papua
パプアのカカオ
パプアニューギニアではなく、インドネシアのパプア州のカカオです。

パプアの豊かな自然の中で暮らす生産者が丁寧に育てたカカオ豆。
その風味が活きるように仕立てたチョコレートやココア製品には、
パプアの森と人びとからのメッセージも込められています。


~パプアの自然の風味を届けたい~

パプアというと多くの人はパプアニューギニアを連想しますが、「パプアのカカオ」はニューギニア島の西半分を占めるインドネシアのパプア州で生産されています。世界第二位の大きさを持つこの島は、ほんの150年ほど前までは近代化の影響を受けることがなく、手付かずの豊かな自然が、今なお色濃く残っている土地です。鳥の声や虫の音に囲まれ、熱帯雨林の醸し出す濃密な空気の中で、そこに暮らす先住民によって丁寧に育てられたカカオ豆が、《パプアのカカオ》製品の原料となります。それは、まさにパプア州の自然が作り出した恵み。そのカカオ豆の風味をお楽しみいただけるよう、カカオ以外の植物油脂は使わず、できるだけシンプルな材料で作っています。


~パプアで暮らす生産者の想いを届けたい~

一方、19世紀後半以降、パプアは急激な勢いで外部からの支配や近代化の波にさらされました。蚊帳の外に置かれたパプア人はこの未曽有の変化に対して成す術を持たず、先祖代々暮らしてきた自分たちの環境が他者によって塗り替えられていく様を、手をこまねいて見ざるを得ないような状況が続いています。彼らの小さくて大きな願いは、パプアの自然を守り、パプア人としての暮らしを続けていくこと。《パプアのカカオ》は、カカオ栽培を通じてパプアの自然を守る取り組みを進め、産品を通してパプアの魅力や今置かれている現状を世の中に伝え、パプア人が運営する事業として彼らの経済的・社会的な自立につなげていくために始まりました。

私たちがつくっています

デキー・ルマロペンさん カカオキタ社代表
私たちカカオキタ社は、カカオ豆の集荷、加工委託、輸出手配のほか、カカオ生産者の支援を行っています。社名にある「キタ」とは、インドネシア語で私とあなたを含む「私たち」という意味です。カカオを生産する人、加工する人、出荷する人、チョコレートを製造する人、食べる人、そしてカカオを育む大地と森をも含めすべての仲間が協働することをイメージしてこの言葉を選びました。
生産者は消費者に安心して食べてもらえるよう、農薬や化学肥料を使わないカカオを作っています。消費者は、このカカオの味や品質について生産者に伝えます。日本とパプアでは、文化、考え方、知識や経験などにおいて違いはたくさんあります。だからこそ、生産者と消費者が違いをお互い認め合い、尊重し、学び合うことが大事です。そうすれば、この違いこそが強みとなるでしょう。
民衆交易は生産者が日本の消費者に援助を求める事業ではありません。大切にしているのは、日本の人たちとの友情と連帯です。民衆交易は取引ではないのです。そして、「自立」は届けられるプレゼントではありません。互いを少しずつ理解していく中で、生産者のカカオ栽培に対する意識も変わってきましたし、日本の消費者に受け入れられているという自信にもつながっています。このような友情と連帯の先にこそ、自立があるのです。自立とは自発的でなければならないのです。

ヤフェット・ヨシュアさん カカオ生産者
以前は森だったところも今はカカオ畑らしくなってきました。買い手がわかることで、カカオの価値を再び見直すことができました。荒れた森や古いカカオの樹を手入れして、再び実が生るようにしました。その結果、収穫量が増えています。生産者のやる気はカカオキタがあるからこそ、そしてカカオキタのやる気も私たち生産者がいるからだと思います。つまり、私たちはカカオでつながってお互いに支え合っています。

ATJレポート

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